Apps ホームページに戻る

コストを大幅に削減できた一方、メールシステムのことを気にかけずに済むようになった効率化のインパクトが非常に大きいですね。

IT企画部長
野々垣典男氏

導入製品

Google Apps for Business

会社概要

JTB グループを統括する持株事業会社。国内外 196 社のグループ会社があり、グループ全体で国内約 900 店舗、海外は 32 カ国に 137 店舗を展開する。 「ルック JTB」(海外旅行)、「エース JTB」(国内旅行)といった代表的なパッケージブランドがある。 グループ会社には「時刻表」「るるぶ」などの雑誌を発行する出版会社や、ホテルや不動産、情報サービス会社など多数。 1912 年創業、1963 年(株)日本交通公社設立。2001 年(株)ジェイティービーに社名変更、2006 年持株会社制に移行。

PDF をダウンロード

株式会社ジェイティービー

Google Apps for Business でコストを 3 分の 1 に削減。さらにシステム要員、ユーザーの大幅な業務効率化を実現。

「本来やるべき仕事がやりきれない」環境への問題意識

旅行業大手の JTB グループを統括する持株会社のジェイティービーは、2009 年 7 月、Google Apps for Business を導入。そして、2010 年 6 月までに、グループ会社 22 社・利用アカウント数計約 12000 までその導入を広げている。

「当社には、何事もトップが自ら進んで実践する文化があります。

Windows95 が誕生した時、端末も役員から導入しました。当時、パソコンを使うことには "お遊び" のイメージもありましたが、そうではなくこれからはパソコンを使って仕事をする時代が来るという時代認識に立ち、早く浸透させようとの意図があったからです。今回、持株会社から導入したのも、同様のことです」と同社 IT 企画部長の野々垣典男氏は言う。その導入の経緯について、次のように説明する。

「私自身が 1997 年に経営企画部から IT 企画部に異動した時、システム部門の第一印象は『大変だ』ということでした。来る前は、ビジネスに役立つシステムを考えて構築することがミッションだと思っていたのですが、実際は開発トラブルや運用障害への対応に振り回されていたのです。これではいけない、本来やるべき仕事ができる環境をつくらなければ、という問題意識を持ちました」

「郵便同様、メールも外部に委ねるべき」と発想


IT 企画部長
野々垣典男氏

業務分析を行った野々垣氏は、ノンコアのシステムを切り離して外部に移管することを思いつく。

「メールシステムがまさにそうです。我々は手紙を出すのに自前のルートなどを持たず、郵便局に依頼しています。メールは郵便と同じ。郵便同様、メールも外部に委ねるべきと考えました」

また、メールアーカイブとして過去のメールを DVD に記録するシステムも導入していたが、そこから呼び出す際はあたかもジュークボックスがレコードを選び出してプレーヤーに設置するのと同様の作動時間がかかっていた。さらに、よく故障するという問題も抱えていた。

「そのたびにシステム要員が駆り出されて復旧させなければなりませんでした」と IT 企画部 IT 企画担当マネージャーで IT 戦略委員会事務局を務める本橋俊一氏は言う。

ところが、そういった問題意識はあってもソリューションが見当たらない。そんな状態が長く続いた 2006 年 8 月のこと。野々垣氏は、専門誌で Google が同社のサーバーにホスティングされた Gmail など各種アプリケーションを独自ドメインで利用できるサービス「Google Apps for Your Domain」を開始したとの報道に接する。

「まさにイメージしていたサービスでした。日本でも使えれば、と思いましたね」

Google Apps で使い勝手を確認

そして、翌 2007 年 4 月には、日本大学がこのサービスを導入したとの記事を目にした。時あたかも 2005 年に導入したメールサーバーの保守期限が切れる 2010 年 8 月に迫っていた時期。

「これで行ける!と膝を打ちました(笑)。リプレイスできるソリューションがようやく見つかったという思いでしたね」

野々垣氏は、さっそく Google、日本大学、有力 IT サービスベンダーなどへの調査を開始。ほどなく Google Apps は自社のニーズを満たすサービスである見通しがつき、検証のために同年 11 月より Google Apps の評価を始めた。

「全く問題なく使えることを確認し、グループ会社へのトライアル利用を広めていきました」(野々垣氏)

ところで、JTB グループにおける一定規模以上のシステム投資は、グループ各社の CIO による「IT 戦略委員会」で判断する決まりがある。

同委員会において、Google Apps for Business のほか、類似の SaaS 型サービス、そして従来どおり自社サーバーを設置・運用するオンプレミスの場合の機能や使い勝手、セキュリティ、障害発生時の対応など、細部を洗い出して綿密に比較検討を行った。

「Google Apps の使い勝手のよさは、Google Apps のトライアル利用で十分確認できました。メインに使うメールやカレンダーだけでなく、Google ドキュメント や Google サイト など、可能性を感じさせるアプリケーション群にも期待を持てましたね」(野々垣氏)

5 年間のコストを 3 分の 1 に削減

さらに、リプレイスに当たってはコスト削減も大きなテーマとなった。

「2001 年の同時多発テロ、2003 年の SARS の流行、そして 2008 年のリーマン・ショックや新型インフルエンザなど、世界的な問題が起こるたびに旅行業は大打撃を受けてきました。したがって、経営的にはできるだけコストを削減しておくことが大命題だったのです」

試算の結果、導入費用はオンプレミスの場合の 5 年間で約 20 億円に対し、Google Apps for Business だと 6~7 億円で済むことが判明。

導入後の試算では、さらにコストが削減できる見込みだという。

「これは非常に大きかったですね。また、セキュリティ面においては、大きな事件は外部からのアタックではなく内部の情報漏えいによるケースが大半であること、技術レベルは自社より Google のほうが優れていること、そして Google は 99.9% というメール稼働率を保証していて、万一ダウンした場合は『ステータス・ダッシュボード』で状況が逐一確認できることなどにより、Google Apps for Business に相当なアドバンテージがあることが確認できました」(野々垣氏)

その結果、「IT 戦略委員会」では「SaaS 型のサービスを導入する」ということを決定。Google Apps for Business に限定しなかったのは、個別のサービスベンダーはグループ各社の事情を考慮して、各社の判断に任せる必要があったからである。

気にかけずに済む効率化のインパクト


IT 企画担当
マネージャー
本橋俊一氏

この決定を受けて、リプレイスの対象となるメールサーバーおよびクライアントを導入していたグループ会社 24 社のうち、当初は 19 社が Google Apps for Business を導入。残り 5 社は、従来のクライアントと同じインターフェースが利用できる別の SaaS 型サービスを導入した。

「インターフェースが従来のものと大きく異なる Google Apps for Business を導入しても教育が行き届かないことを懸念してのことでした」

と本橋氏は言う。

Google Apps for Business 導入後の効用について、野々垣氏は次のように満足感を口にする。

「コストを大幅に削減できた一方、メールシステムのことを気にかけずに済むようになった効率化のインパクトが非常に大きいですね。また、ユーザー間には、メールボックスの容量が 1 人当たり 35~100 メガバイトから 25 ギガバイトと最大 730 倍まで増量され、削除作業が不要になったこと、そして優れた検索機能の評価が高いです。従来のメールシステムでは、過去のメールを探すのにかなり時間がかかってしまっていましたが、Gmail は瞬間的に探し出すことができますから」

それだけでなく、「チャットと在籍表示機能も便利で好評」と本橋氏は付け加える。メールの返信を待っていられない緊急案件が生じた時、まずは相手の在席状況を確認し、ちょっとしたやりとりをする際に便利という認識が広まっているそうだ。

「スマートフォンで使える Gmail のインターフェースは、パソコンと同じで使いやすくていいですね。Android は音声検索もできるので期待値が高いです。今後は、まだ活用しきれていない Google Apps for Business の各機能の活用を進めるとともに、未導入のグループ各社への導入を進めていきます」と野々垣氏は抱負を語った。