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Google Apps for Business の利用料金が 1 アカウントあたり 6000 円と聞いて、『普通かな』と思ったのですが、月額と早とちりしたわけです。年額と聞いてビックリしました。

総合企画部
システムプランナー
前田淳氏

導入製品

Google Apps for Business

会社概要

21 世紀のキーワードを「IT と中国」ととらえ、中国株の取り扱いおよびインターネット取引に力を入れる中堅の証券会社。1933 年創立。95 年に中国上海市より上海B株取扱いの域外代理商認可を取得し、以降、日本株と中国株を大きな 2 つの柱に位置付け、21 世紀の世界の成長セクターである中国を見据えた展開を図る。営業手法としては、インターネット取引に加え、従来からの地域密着型対面営業、コールセンター取引営業の 3 形態をとる。

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内藤証券株式会社

Google Apps for Business でコストを 7 分の 1 に削減し、証券会社の信頼性に直結するメールの安定稼動を確保。

中国株の取り引きに強み

2000 年代に入って、GDP の成長率が 10 %前後という目覚しい経済発展を続け、2010 年には世界第 2 位の経済大国となることが確実な中国。その中国本土の上海、深圳および香港の証券取引所に上場されている中国株の取り扱いに力を入れ、証券業界に特色ある地歩を築いているのが内藤証券である。同社は 2009 年 10 月、Google Apps for Business を導入した。

「中国株の取り引きは 20 ~ 30 %程度を占めています。2008 年のリーマン・ショックで株価は暴落し、証券会社は軒並み大打撃を被りましたが、中国経済は立ち直りが早かったので、改めて中国経済の底力を実感しつつ弊社の優位性を再認識しました。しかしながら収益の落ち込みは激しく、あらゆる面においてコスト削減はより強く求められています」と総合企画部部長の中村俊介氏は言う。同社はインターネット取り引きにも力を入れているが、当然のようにシステム構築においてもコスト削減は大きな命題となっていた。

メールの遅延が看過できない状況に

そんなさ中の 2009 年 4 月、中村氏らはメールシステムのリニューアルの検討を始めた。直接的な要因は、メールの遅延が看過できない状況になったことである。

「それまでは年に 1 回あるかないかといった頻度でしたが、それが年に数回発生するようになりました。当社では、中国ブローカー等と取引データの照合等にメールを用いているため、遅延が発生するとその対応に多大な労力がかかるのです」と総合企画部課長の小南節司氏は説明する。

証券会社では、顧客から株などの売買(成り行き)注文が入ると、即時にその対応をしなければならない。株価は時々刻々と変動するからである。

関係先への業務連絡に遅延は許されない。

「年に 1 度でも遅延が生じれば、次にいつ起こるかわからずチェック体制をより厳重にしなければならなくなります。その手間やコストが非常に大きくなってしまったのです」(中村氏)

社内への動画配信ニーズも浮上

同社が利用していたのは、ASP 型のメールサービス。サービスプロバイダーに遅延の原因の説明を求めると、「ほかのユーザーが一度に大量のメールを送信した影響」との回答があった。

「実は、その ASP を利用するようになったのは、その前に利用していた別の ASP でも同様の遅延が生じたからです。リプレイスする際は、遅延が生じない対応がなされることを確認して決定した経緯があります。

従来型システムの限界を感じましたね」と小南氏は述懐する。

さらに、問題は遅延だけではなかった。

「ウィルスメールがアーカイブに保存されていたことが発覚し、その対応でも苦慮したのです」(小南氏)

同社では、内部監査のためにすべてのメールをチェックしている。アーカイブの中にウィルスつきのメールが含まれていたので、監査作業によりウィルスが広まらないように通常のネットワークから切り離して内容の確認作業を行う手間が生じた。

「これらの問題をひっくるめると、サービスレベルは到底納得のいくものとはいえませんでした。自社でメールサーバーを立ち上げて運用管理するしかないという結論になったわけです」(中村氏)

これらとは別に、総合企画部には営業セクションから「営業推進のために、顧客向けのセミナーを撮影した動画を社内に配信したい」との要望が寄せられた。

「利用しているグループウェアは動画配信に不向きなので、新たなシステムを導入する必要があり、併せて検討することになりました」と総合企画部システムプランナーの前田淳氏は言う。

年額 6000 円を "月額" と勘違い

中村氏らは、複数のシステム構築会社に相談を持ちかけた。その中には、Google のサービスの販売代理店である富士ソフトも含まれていた。

「富士ソフトさんから、Google Apps for Business を勧められたのです。説明を聞いて、さっそく比較検討の対象に挙げました」(小南氏)

主な検討ポイントは、コスト、安定性・信頼性、利便性・汎用性、セキュリティの 4 点。

「Google Apps for Business の利用料金が 1 アカウントあたり 6000 円と聞いて、『普通かな』と思ったのですが、月額と早とちりしたわけです。年額と聞いてビックリしました」と前田氏は笑う。それまでの ASP サービスは月額 3500 円ほどであったので、単純計算で 7 分の 1 に削減できることになる。「これは大きかった」と中村氏。

安定性・信頼性においては、メール稼働率 99.9% の保証が決め手となった。利便性・汎用性は、Google ビデオ がセミナー映像の配信に利用できることや、様々な機能の将来性が評価された。

セキュリティ面について、中村氏は次のように言う。

「前田君が調べて、『 Google Apps for Business なら万全』との太鼓判を押したのです。クラウドということがまだよくわからない部分もありましたが、最終的には『社内で一番 IT に詳しい人間が言うのだから間違いはないだろう』との結論になりました(笑)」

厳重なリスクヘッジの必要性

検討開始から半年後と急ピッチで Google Apps for Business を導入したこともあり、メールのクライアントは以前利用していた画面を利用している。Gmail はメールサーバーとしてのみ利用している形であり、基本的にはウェブメールとしては利用されていない。顧客の資産にかかわるという業務特性上、厳重なリスクヘッジを行う必要があるからだ。

「現在、営業担当者に個別のメールアカウントも与えていません。営業効率や利便性が上がらないことは重々承知していますが、それ以上にお客さまの個人情報流出のリスクを元から断つべきとの判断です。1 度でもそういう事態になれば、信頼性を失って社業を揺るがす事態となってしまいますから。したがって、どこでも見られるというウェブメールの採用も当面は見送らざるを得ませんでした」と中村氏は説明する。社内では Gmail に切り替わったことがわからない状態にあるわけだ。

「一方、クライアントとの連係の問題で、せっかくの Gmail の高度な検索機能が活用できておらず、大変もったいない状況であることも確か。

その後中村の言う懸念をクリアできるシングルサイオンオンソリューションが登場しているので、クライアントも Gmail に移行させウェブメールを利用できるようにすることを検討していきます」(前田氏)

メールボックスは 1000 倍に

Gmail 移行後、問題のメール遅延は見られなくなった。そして、メール容量が従来の 1 人当たり 25MB から、Gmail では 25GB と 1000 倍に増えたことも歓迎されている。

「以前は、メールボックスが満杯なのでメールを削除せよとの通達がしょっちゅう送られてきて、その都度不要なメールを探して削除しなければなりませんでしたが、Gmail 移行後はその通知もなく、改めて容量の拡大を実感しています」(小南氏)

セミナーの動画配信も頻度が増え、社内に浸透するようになった。

「外部講師を呼ぶセミナーの場合は、営業担当者へのいい教育の機会にもなっています。今後は、業務上の制約をにらみながらも、Google Apps for Business の諸機能の活用を探っていきたいと考えています」と中村氏は期待感を口にする。