デジタルマーケティングで O2O を成功に導く KPI 設定とは

2016年11月4日

デジタルを活用した店舗集客(O2O)は、今非常に注目度の高い手法ですが、その効果検証の難しさに、まだ導入に至っていない企業も多いのではないでしょうか。デジタル マーケティングではさまざまなデータが得られますが、実店舗への来店数をオンラインで取得するのは難しいのが現状です。それでは O2O を実施する場合、マーケティングの KPI はどのように設定できるのでしょうか。今回はデジタルを活用して店舗集客を行う場合の KPI について、事例と共にご紹介します。

既存メディアでアプローチできないターゲットをデジタルが補完

そもそも、今これだけ O2O という考え方が注目されているのはなぜでしょうか?従来、店舗集客施策でよく利用されているのは、折込チラシやローカルテレビ CM、交通広告などです。特にチラシを継続的に利用している企業は多く、情報収集のためのメディアとして消費者の認知度も高い媒体です。しかし、直近の調査データを見ていくと、新聞の購読者層は高年齢者層に偏っており、40 代以下は 3 人に 1 人もチラシが届いておらず、20 代に至っては 10 人に 1 人程度に留まっていることがわかります。

O2O の KPI 設定: 年代別 新聞/インターネット利用率

折込チラシで情報を届けられない層にリーチするために活用したいのがデジタル広告です。20 代、30 代といった新聞購読率が低い年代の 9 割以上がインターネットを利用しています。今後「長く顧客になってくれるターゲット」であるこの年代にもアプローチが必要と考えると、折込チラシだけではターゲットに対して十分に情報を届けることができないのです。

また、チラシは「地域」ごとに配布しますが、デジタル広告の場合は、「年齢」「性別」「趣味嗜好」などターゲットを細かく設定できます。たとえば、「化粧品に興味がある人に新製品の口紅を訴求する」というように、ターゲットに合わせて提供する情報を柔軟にアレンジできるのもデジタル広告の強みです。

店舗集客(O2O)で活用されているデジタル広告の種類

デジタルを活用した店舗集客、O2O 施策では、主に YouTube 動画広告、バナー広告、検索連動型広告などが活用されています。ビジネス目的や集客したい店舗・イベントの内容などによって適切なメニューは異なります。

YouTube 動画広告

1 分間の動画で伝えられる情報量はウェブページ 3,600 ページ分に相当すると言われています*。価格訴求になりがちな折込チラシとは異なり、商品が持つストーリーや、その店舗でしか扱っていない商品のメリット訴求など、商品や店舗のブランディングができるので、「その店舗に行く意味」を伝えやすいメニューです。

年間 100 万人の集客を誇る、三重県の人気温泉リゾート施設を展開するアクアイグニスは、新規顧客の集客をめざしYouTube 動画広告を活用。施設の魅力を直感的に伝えて、来場者数、売上ともに拡大に成功しました。
アクアイグニスの YouTube 動画広告を活用した O2O 新規獲得事例はこちら >>

* フォレスター・リサーチ

バナー広告

幅広いリーチが可能で、折込チラシなどの既存メディアに比べて、リーチあたりのコストが低く抑えられます。ターゲットごとにもっとも反応の高いバナーに最適化して表示させる広告ローテーション機能など、効果を最大化するための自動機能の活用も可能です。

高知・愛媛で 26 店舗のスーパーマーケットを展開する サニーマート では、店舗商圏内に限定したバナー広告を、若年層をターゲットとしてスマホ向けに展開。折込チラシの 3 倍の集客効果を実現しています。
サニーマートのモバイル広告を活用した O2O 事例はこちら >>

 

検索連動型広告

また、検索連動型広告は、たとえば行き先を決める際に「週末デートプラン」「イベント情報」などとインターネットで情報収集しているターゲットに有効です。イベントや期間限定のキャンペーンなど、タイムリーな情報で来場・来店を後押しできます。

車の展示・販売イベントへの集客では、車関連のワードだけでなく、イベント会場で開かれるショーやサービスなどのキーワードに連動した広告も実施。直接的に車のニーズがある顕在層だけでなく、潜在層へのタイムリーな情報発信に成功しました。

これらのデジタル広告は、ユーザーの目に触れた回数や、広告のクリック回数などのデータを測定できます。折込チラシなどの既存メディアでは、どれだけの人に見られたのか、もしくは、見た人がどんなリアクションをしたのかがわかりませんでしたが、デジタル広告の場合はそうした効果を「見える化」しやすいことがメリットのひとつです。

店舗集客(O2O)における KPI の設定

KPI の設定をする際に重要なのは施策の目的です。とにかく多くのターゲットに情報を届けたいのであれば、「どれだけの人に、どのくらいのコストで情報を届けられたのか」というリーチに対するコスト効率を KPI に設定する方法が考えられます。この KPI は、メディアごとの予算配分などを最適化する指標にもなります。

たとえば、日本全国に小売チェーンを展開する西友ではディスプレイ ネットワーク広告を活用し、一般的な折込チラシと比較して数百分の 1 というコストで、商圏ユーザーの 41% にリーチすることができました。
西友のバナー広告を活用した O2O 事例はこちら >>

デジタル広告が実際の来店・来場につながったかどうかの測定は、来店時のアンケートやクーポン利用といった店舗でのオペレーションが必要で、現時点ではオンラインのデータで来店数を取得するのは難しいという課題があります。しかし、来店数と相関関係がある数値データを見つけることができれば、そのデータを KPI として設定し効果測定ができる場合があります。

あるファミリー レストランでは、来店数と Google の検索データを照らし合わせた結果、そのレストランの検索ボリュームと来店数に相関関係があることがわかりました。これにより、検索数を増やすことが来店数増加につながると考えられるため、施策の KPI を検索数に設定し、検索ボリュームの増加を目指して施策を実施することになりました。

O2O の KPI 設定: 年代別 店名検索数と来店数の相関性

この事例の検索ボリュームにあたる数値は、企業によっては、YouTube 動画広告の視聴者数の場合や、期間限定メニューページのクリック数の場合もあります。Google Survey(旧 Google Consumer Surveys)で調査したユーザー アンケートの結果や、ブランド リフト調査でわかる広告想起率などが相関することも考えられます。デジタル マーケティング施策で計測できる数値のうち、売上や来店数と相関するデータを見つけ出せれば、それを KPI として設定できるわけです。

O2O 施策の効果検証で気をつけるべきポイント

広告効果を各メディア別に比較・検証する際に、注意すべきポイントがあります。それは、広告をきっかけに来店した人がリピーターなのか新規顧客なのかということです。

たとえば、折込チラシは新聞購読者などに向けてセールやイベントがあるたびに繰り返し届けられるため、どちらかというと「既存顧客の来客促進」で力を発揮しやすいメディアです。一方で、デジタル広告はこれまでアプローチできていなかった「新規顧客の獲得」のために活用されることが多い手法です。一般的に新規顧客の獲得はリピート促進よりもハードルが高いため、これらの集客効率を単純に比較すると判断を誤る可能性があると考えられます。施策の目的や各メディアの特徴を踏まえて検証することが重要です。

デジタル マーケティングは日々進化しています。今後は GPS や Wi-Fi の入射角度などのデータを分析する技術によって、広告経由の来店コンバージョンを今よりも簡単に測ることもできるようになります。店舗集客におけるデジタル活用とその効果検証が当たり前となる時代は、もはや目前に迫っているのです。

 

この記事のまとめ

  • 折込チラシで情報を届けられない層へのリーチを補完し、効果を視覚化しやすいのがデジタル広告。
  • ターゲットとするユーザーにどれだけ多く、効率的に情報を届けられたかはコスト効率を KPI とする。
  • デジタル施策で取得できるデータから「来店数と相関のあるデータ」を見つけ出すことで、そのデータをKPI として設定できる。

 

店舗集客施策の KPI について解説した担当者

O2O の KPI 設定: グーグル株式会社 猪田 哲史
猪田 哲史 Satoshi Inoda
グーグル株式会社 新規顧客開発本部 企業戦略部 アカウント エグゼクティブ

店舗集客(O2O)プロモーションのスペシャリスト。チラシや交通広告といった既存のメディアとオンライン広告を組み合わせて、地方のスーパーマーケット、アミューズメント パーク、フード デリバリー、イベント集客など、ありとあらゆる来店支援を行い、成功に導いている。

 

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