北朝鮮の大気汚染による死亡率が世界で最も高いというデータが発表されたと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じている。

世界保健機関(WHO)が発表した2017年世界保健統計によると、北朝鮮の大気汚染による死亡率は人口10万人当たり238.4人で、世界172カ国で最も高かった。これは韓国より10倍以上高く、中国よりも1.5倍高い数値だ。

家庭でも石炭

都市部におけるPM2.5とPM10の数値は、北朝鮮が31.4で、日本の12.4、韓国の27.8よりは高いものの、中国の58.5よりは低い。世界で最も高いのはサウジアラビアの111で、以下カタール、エジプト、クウェートなど、砂漠に囲まれた環境の中東諸国が続く。

国連環境計画も2012年に発表した「北朝鮮の環境と気候変動の展望」報告書で、「北朝鮮においては火力発電所や工場、家庭の燃料として石炭を使用し、硫黄成分が多量に排出されるため、平壌の空気はソウルよりも悪い」としている。

世界保健機関は、全世界の30億人が暖房や調理のために石炭や木材、木炭などを利用することで、深刻な室内空気汚染を招いており、心血管、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器疾患、肺がんなどの原因となっていると指摘している。