ファーウェイ、米ベライゾンに1080億円超の特許料要求=関係筋

ファーウェイ、ベライゾンに10億ドル超の特許料要求=関係筋
 6月12日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズに対し、230件を超える特許を巡り、10億ドル以上のライセンス料を支払うよう要求した。写真はロゴ、シンガポールで5月撮影(2019年 ロイター/Edgar Su)
[12日 ロイター] - 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]は米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズに対し、230件を超える特許を巡り、10億ドル(約1080億円)以上のライセンス料を支払うよう要求した。関係筋が12日に明らかにした。
これに先立ち、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係筋の話として同様の内容を報道。それによると、ファーウェイの知的財産権担当幹部は2月、ベライゾンに書簡を送り、「特許ライセンスの問題を解決するため」として支払いを要求した。
問題となっているのは、中核ネットワークや有線インフラ、あらゆるものがネットにつながる「IoT」技術などに関する特許で、ベライゾンの取引業者の一部にも影響が及ぶ可能性があるという。
一方、米行政管理予算局(OMB)は、昨年成立した国防関連法の一環として同社と取引のある企業に政府機関が発注を行うことを禁止する措置について、2年の実施期限に間に合わせる意向を議会に伝えた。ロイターが書簡を確認した。
同措置では、政府機関のサプライヤーや下請け業者がファーウェイ製品の購入や使用を制限する必要があり、OMBは前週、実施までに時間が必要だと主張していた。
しかし、OMBのボート局長代行は上院軍事委員会のインホフ委員長に宛てた12日付の書簡で、「議会はここ数日に、2年の期限内に実施することの重要性を明確にした」とし、期限を守る方針を伝えた。
昨年成立した国防権限法(NDAA)では、安全保障上の懸念を理由にファーウェイ製品の購入に連邦予算を充てることを幅広く禁止。政府機関によるファーウェイ製品の直接購入禁止は年内に実施される。
<ファーウェイは米政府案に反対表明>
また、米中通商摩擦の渦中にあるファーウェイは同日、携帯通信会社が政府の補助金を使ってファーウェイ製品を購入することを禁止する米政府の計画に反対を表明した。
米連邦通信委員会(FCC)のパイ委員長は2018年3月、米通信ネットワークに安全保障上のリスクをもたらす企業からの機器・サービス購入に「ユニバーサルサービス基金」の資金を活用することを禁止する提案を行う意向を明らかにし、議会への書簡で懸念のある企業としてファーウェイに言及した。
ユニバーサルサービス基金は、遠隔地や学校・図書館、低所得者などへの通信サービス提供で必要な機器の購入を補助する制度。
提案はまだ行われていないが、パイ委員長は5月の議会公聴会で、計画への支持をあらためて表明した。またFCC委員の1人は、米通信ネットワークに既に設置されている当該機器を撤去すべきかどうか意見を求めた。
ファーウェイは12日、FCCに提出した文書で、提案が実施されても安全保障の保護には全く寄与しないとし、設置済みのファーウェイ機器の撤去を義務付ければ地方ネットワークの安定が損なわれる恐れがあると指摘した。
ルール作りについて話し合うためFCC委員に面会を要請したものの拒否されたとも主張した。
さらに、米国でのファーウェイ製品販売を禁止すれば世界貿易機関(WTO)のルールに「違反する可能性が高い」とも指摘。「FCCは根拠のない『安全保障上の懸念』を口実に、国際的な貿易協定に違反するリスクを冒すべきではない」と訴えた。
*情報を追加しました。

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