EU、使い捨てプラスチック禁止法案を策定

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欧州連合(EU)は28日、海洋生物保護のため使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法案を提出した。

法案ではストローや綿棒、食器、マドラー、風船に付ける柄など、日常的に使われるプラスチックが禁止されるもよう。また、2025年までにほぼ全てのプラスチックボトルをリサイクル回収したい考えだ。

法案可決には加盟28カ国が批准し、欧州議会で承認される必要がある。

EUはこの法案が施行されれば、340万トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減に加え、2030年までに220億ユーロ(約3兆2000億円)規模の環境破壊が阻止できるほか、消費者全体で65億ユーロのコスト削減につながるとしている。

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欧州委員会のフランス・ティメルマンス第1副委員長は、「プラスチックごみは疑いようのない大問題で、欧州人は共にこの問題に立ち向かっていかなければならない」と話した。

「今回の提案は、様々な方法でスーパーマーケットに並ぶ使い捨てプラスチックを減らすだろう。いくつかの製品を禁止し、より環境に優しい代替品に置き換えることで、人々はなおお気に入りの製品を使うことができる」

より厳しい施策を

EUの法案は、プラスチックの皿やカップ、ファストフードの容器など捨てられる製品を対象にしている。綿棒やストローといった1度きりしか使えない製品については全面禁止の期日を設けていない。

法案が可決した場合、加盟国はスーパーマーケットで販売されるこれらの製品を減らす施策を講じる必要がある。

画像説明, 綿棒の海洋生物への影響を示した図。綿棒のプラスチック部分は海にたどり着くと細かく砕かれるが、海洋生物は食べ物との区別がつかずにこれを食べてしまうという

加盟各国はまた、食品企業に対して製品にプラスチック容器の捨て方の説明を明確に記載するよう求める教育プログラムに着手する必要がある。プラスチック容器から持続可能な素材への切り替えを促進するため、こうした対策をとった企業に対しては優遇措置が取られるという。

一方、釣り具メーカーに港での廃品回収費用を支払ってもらうといったように、プラスチック製品メーカーには廃棄コストを一部担うことが求められる。

(英語記事 EU proposes single-use plastics ban)