福島原発の汚染水は「海に放出するしかない」 原田環境相

Storage tanks for radioactive water are seen at Tokyo Electric Power Co"s (TEPCO) tsunami-crippled Fukushima Daiichi nuclear power plant in Okuma town, Fukushima prefecture, Japan February 18, 2019.

画像提供, Reuters

画像説明, 汚染水を貯めているタンクは2022年に満杯になるとみられている

日本の原田義昭環境相兼原子力防災担当相は10日、東京電力福島第一原発から出た汚染水を、海に放流する必要があるかもしれないと述べた。汚染水のタンクが2022年に一杯になることを理由に挙げた。

現在、炉心溶融(メルトダウン)した原子炉の冷却に使われた水100万トン以上が、巨大なタンクに貯められている。

「他に選択肢ない」

日本のメディアによると、原田氏はこの日の記者会見で、「思い切って放出して、希釈する他に選択肢はない」、「安全性、科学性からすれば、どうも大丈夫」などと述べた。

原田氏の意見に対しては、漁業団体が強く反対を表明している。

一方、多くの科学者は、汚染性の放流が環境に及ぼす危険性は小さいとみている。

政府は今後、最終的な決定をするとしている。

連日200トンの汚染水が発生

福島第一原発の原子炉は、2011年に発生した東日本大震災の地震が引き起こした水素爆発によって損壊。3機の原子炉がメルトダウンした。

政府は原発周辺地域の除染を決定。完了まで何十年もかかる大規模事業を進めている。

動画説明, 福島第一原発の燃料取り出し、BBC特派員が取材
Presentational white space

過去8年間、損壊した原子炉の建屋からは毎日、約200トンの放射性物質に汚染された水をポンプでくみ出している。

汚染水に含まれるほとんどの放射性同位体は、複雑な浄水システムで除去されている。しかし、放射性同位体の1つであるトリチウムは除去が不可能のため、汚染水は巨大タンクに貯水されている。

今後どうする?

汚染水を太平洋に放流する案は以前から出ていた。原田氏の発言は、これを支持するものだ。

多くの科学者は、汚染水は太平洋の大海原で素早く希釈されると考えている。また、トリチウムが人間や海洋生物に及ぼす危険性も小さいとみている。

だからといって、賛否の分かれるこの方法がすぐ実行されるわけではないと、BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員は伝えている。

漁業団体が強く反対しているのに加え、韓国政府もこの案について、もし実行されれば日韓関係はさらに悪化するだろうと言明している。

国際原子力機関(IAEA)は日本に対し、早急に汚染水対策を決定するよう求めている。