旧尾崎小を食、芸術拠点に 大阪・飲食店運営会社が購入へ

2021/02/27 05:30

食や芸術を通じた地域交流拠点として生まれ変わる旧尾崎小学校=淡路市尾崎

 2014年3月に閉校した旧淡路市立尾崎小学校(兵庫県淡路市尾崎)が、食や芸術を通じた地域交流拠点として生まれ変わる。同市が校舎を利活用する事業者を公募し、飲食店運営の「バルニバービ」(大阪市)を選定。同社の佐藤裕久社長(59)は「レストランやアトリエなどを核に、さまざまなイベントを仕掛けていきたい」と話し、23年夏の開業に向けて改修を進める。(内田世紀) 関連ニュース 淡路島の3千円ハンバーガー「どうしてここまで売れるのか」 ネスレ、「ミロ」の販売休止 SNSきっかけで品薄に 閉校した小学校をキャンプ場として再利用 グラウンドに20区画、遊具も使用可能


 同校は1873年創立。現存の校舎は1994年に完成したが、児童数減少のため、郡家、山田の両小学校とともに、現在の一宮小学校(淡路市北山)に統合された。
 地元町内会などは2015年、近くの旧尾崎公民館と合わせて、企業誘致による有効活用を市に要望。市は20年にプロポーザル方式による公募を行い、今月、住民らでつくる審議会が同社を最優秀事業者として市に答申した。市会での審議を経て正式決定する。
 旧尾崎小の校舎は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積約2130平方メートル。同社は土地や公民館を含め、市から総額3950万円で購入する。校舎1階では、カフェレストランや料理教室を運営。2階は、働きながら休暇を楽しむワーケーションにも利用できる「コワーキングスペース」とする。3階はアートを意識した空間を演出。創作や展示スペース、ホールなどに改修する。
 住民の要望で、近くの「尾崎ガーデンズ」(旧尾崎保育所)との連携や、避難所機能を持たせることなどが公募条件とされたため、地域に開放するフリースペースや災害備蓄品の保管場所も設ける。公民館は同社のオフィスとして活用するという。
 バルニバービは19年、同市郡家にイタリア料理店「GARB COSTA ORANGE」(ガーブ・コスタ・オレンジ)を出店。20年には近くで「KAMOME SLOW HOTEL」(カモメ・スロー・ホテル)を開業している。今後も同市一宮地域などでの再開発を進めるという。
 佐藤社長は神戸新聞社の取材に「住みたくなるまちを目指し、活性化に貢献したい。住民との交流を楽しみにしている」と話した。

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