大谷 昨季は右足首で長期離脱「もともとゆるい」

エンゼルス対ヤンキース 5回、二ゴロで一塁に駆け込む大谷は、一塁手ウォーカー(右)と交錯しそうになる(撮影・菅敏)

 エンゼルス大谷翔平投手(23)が投打二刀流の厳しい現実に直面した。ヤンキース戦に「5番指名打者(DH)」で先発出場。2回の第1打席で開幕投手セベリーノから6日以来となる先制の4号本塁打を右翼に放った。だが、5回の第2打席で二ゴロに倒れた際の走塁で左足を捻挫し、途中交代。今日28日(同29日午前10時7分開始予定)のヤ軍戦では先発田中との日本人対決が実現する見通しだったが、出場は厳しい状況となった。

 大谷は16年10月末の広島との日本シリーズで一塁を駆け抜けた際にも、右足首をひねっている。日本ハムの球団トレーナーは大谷の足首を「もともとゆるい」と言う。骨と骨とをつなぐ靱帯(じんたい)が人よりも伸びていることで、足首に強い負荷がかかると捻挫しやすい状態にある。俗に言う「捻挫癖」があるのだ。

 このときも軽症で、翌日の試合にも出場したのだが、同部にサポーターをつけて出場した11月の侍ジャパン強化試合で再び負傷。内野安打を放った際に、一塁ベース上で同じ箇所をひねり、この2度目の捻挫が、翌17年春のWBC出場見送りへとつながっていく。

 炎症が治まれば、痛み自体は和らぐ。そのため、このときは保存療法を選択した。だが比較的負担の軽い打者のみで試合出場していた同年5月に負った、左太もも裏肉離れも、右足をかばっていたことが影響していたとも言われる。

 当時、大谷の右足かかとにある三角骨付近には、骨棘(こっきょく)という骨のトゲがあり、これが底屈(足首をつま先立ちのようにする状態)の動作をする際に違和感を生んでいた。昨季終了直後の10月には、手術で骨棘を除去。不安を一掃してメジャーに挑戦したのだが、同様のプレーで今度は左足首を襲ったアクシデント。軽症だと聞くが、長期離脱して苦しんだ姿を見ているだけに、心配になる。【本間翼】