大谷の損傷レベル「グレード2」とは/解説

肘の内側側副靱帯の損傷レベル

 エンゼルス大谷翔平投手(23)が右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷(グレード2)で自身初となる10日間の故障者リスト(DL)に入った。7日(同8日)にロサンゼルスで「PRP注射」と呼ばれる治療を受けた。3週間後に再検査を受けて今後の方針を決める。投手として7月15日(同16日)までの前半戦中の復帰は絶望的。復帰まで1年以上かかるとされる靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける可能性も出てきた。

 <解説>肘の靱帯の損傷の程度はグレード1から3までの3段階に分かれ、「1」は靱帯が張っているが伸びてはいない状態だが、痛みがある症状。「2」は靱帯が伸びた状態か部分断裂で、肘を動かした時に特に激しい痛みが出る場合があるが、腕を動かすことは可能。「3」は靱帯が完全に断裂した状態で、肘の機能が失われる最も重症なケースとなる。

 米スポーツ医療サイトによると、1、2は手術をせずPRP療法で早期復帰を目指すケースが多いが、3の場合でも手術を避けてPRPを受けるケースもある。大谷のようにグレード2と診断され、最初は手術を避けて早期復帰を目指すも結局手術を受ける場合もある。レッズの先発右腕ハービーは、メッツに所属していた13年8月にグレード2と診断され、当初は手術を避けようとしたが、結局手術に切り替えている。手術を避けてPRP注射を打った場合、ヤンキース田中のように2カ月程度で復帰する場合もあるが、中には大谷の同僚である先発右腕リチャーズのように、1年近くかかっているケースもある。【水次祥子】