香川、新戦力試す時期ではないと代表落選に不満爆発

先発出場し空中戦で競り合う香川(撮影・PIKO)

 日本代表の欧州遠征メンバーから外されたドルトムント(ドイツ)のMF香川真司(28)は、1-1で引き分けたホームのAPOEL(キプロス)戦後に、ハリルホジッチ監督への不信感を口にした。これまで日本代表に呼ばれ続けたが、ブラジルとベルギーという強豪2カ国との大事な力試しの試合で選外となった理由が理解できず、不満をぶちまけた。

 香川の口からハリルホジッチ監督への不満が飛び出した。国際AマッチはW杯出場メンバー発表までわずか4試合しか残っていない状況での落選。「正直、このタイミングかな? というのは感じますし、この試合は恐らくW杯を想定しなければならない試合で、僕はテストマッチという感覚ではまったく捉えていなかったので」。自らのメンバー落ちとともに、新戦力を試す時期ではないと、選手選考へ疑問を投げつけた。

 試合では前半29分に左後方からきたボールを右足アウトサイドでコースを変える絶妙なスルーパスでFWゲレロの先制点をアシスト。「本当に良いボールが出せた。素晴らしい崩しだった」と自画自賛。だが、日本代表の話に触れると、口調こそ冷静だったが、目をやや大きく見張って表情に怒りをにじませ、速射砲のように言葉を吐き出した。

 「(ハリルと)個人的に話していない。(外された)理由も分からないですし、ぜひ聞いてみたい」と落選の説明はなかったと明かした。「僕自身それなりにやってきたと思っている」。中心選手としてやってきた自負があるだけに、今回の対応に不信感を募らせた。

 10月31日のメンバー発表の際にハリルホジッチ監督から「前回の合宿であまり評価していない。本来のパフォーマンスを見つけるべき」と一刀両断された。だが、クラブでは先発した公式戦6試合で3得点3アシストと結果を出している。「何かしらの理由があるわけですし、そこは十分話し合う必要があると思っている。僕も積み上げてきたものがあるし、監督の話を聞いてみたい」。W杯まであと7カ月。香川とハリルホジッチ監督の間で大きな亀裂が生じてしまった。【鈴木智貴通信員】