16歳のインド人少年、ゲームのやりすぎで死亡

人気バトルロイヤルゲーム『PUBG』を6時間ぶっ通しでプレイした少年が、心不全で死亡した。
Shamani Joshi
Mumbai, IN
AN
translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP
PUBG death teenager
Photo: Wikimedia Commons

インドのマディヤ・プラデーシュ州で、16歳の少年が人気バトルロイヤルゲーム『PUBG』のやりすぎで死亡した。5月28日、ニーマチ(Neemuch)という町に暮らす高校3年生のファーカン・クレシ(Furkhan Qureshi)は、世界中で人気を博すモバイルゲームアプリ『PUBG(PlayerUnknown’s Battleground)』で〈ドン勝〉を目指し、6時間ぶっ通しでプレイしたのちに心不全に陥った。

彼の父親、ハルン・ラシッド・クレシ(Harun Rashid Qureshi)はこう証言する。「ファーカンは昼食後すぐにゲームをやり始め、6時間以上プレイし続けていた。倒れる前、息子はかなり興奮していて、他のプレイヤーに怒号を飛ばしていた」。姉妹であるフィザ・クレシ(Fiza Qureshi)は、彼が倒れたときにすぐ隣にいた。「ファーカンは友達数人と『PUBG』をプレイしていましたが、突然『爆破しろ、爆破を』と叫び出したんです。そしてイヤホンと携帯を放り投げ、泣きながらこう言いました。『アヤン、お前とはもうプレイしない。お前のせいで負けた』

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それからファーカンは急いで病院に運ばれたが、医者に死亡診断を下された。「搬送されたときにはもう脈がありませんでした」と、搬送されたファーカンを診た心臓専門医のアショク・ジャイン(Ashok Jain)医師は証言する。「電気ショックや注射で心肺蘇生を試みましたがダメでした」。ファーカンには心臓疾患の兆候はみられず、「ゲームの興奮がアドレナリンの急激な上昇を引き起こし、心停止の原因になったと思われます。激しい興奮が心停止につながる可能性があるので、子どもはこのようなゲームをプレイしないよう勧めます」と医師は主張する。

今年、WHOは〈ゲーム障害〉を正式に精神疾患と認定したが、その決定を不服とするゲーマーも多い。もちろん、全てのゲームが危険なわけではないが、命に関わるほどに深刻な依存状態に陥るひともいることは認識しておくべきだ。特に『PUBG』は、インドのグジャラート州やネパールなどでは違法とされており、そのためであろうが中国では認可が下りていない(しかし、PUBGモバイルのメーカー、テンセント(Tencent)は中国向けの類似ゲームをリリースしたので不認可は一時的なものだった)。

警察はファーカンの死因がこのゲームだったのかを現在も調査しているが、『PUBG』のやりすぎで亡くなった若者は彼が初めてではない。

テランガーナ州では『PUBG』を45日間プレイし続けたことがきっかけで20歳の青年が死亡。マハーラーシュトラ州では男性2名が同作に夢中になりすぎて電車に轢かれており、『PUBG』の危険性は証明されている。また、ゲーム禁止を言い渡された子どもが自殺したり、家族を殺害する事件も起こっている。

ゲームは良い現実逃避の手段だ。しかも『PUBG』には厄介なコントローラやケーブルは不要。ネット接続できる携帯が1台あれば、逃避ができる。だからこそ本作はここまで人気を博しているのだろう。しかし、アクセスしやすいがゆえに、簡単にゲームの世界に入り込めてしまう。パラシュートで戦場となる島に降下し、武器を確保して生き残るために戦っているうちに、我を忘れてしまうこともある。本作を全面的に禁止にすべきという主張もあるが、まず早急に対処すべきは、この新しい依存症に対する効果的な注意喚起と取り締まりだろう。

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This article originally appeared on VICE IN.