2008年3月14日(金)に Google デベロッパー交流会 (第5回) を開催しました。
今回のテーマは「OpenSocial」です。さまざまなウェブサイトでソーシャルアプリケーションを作成するための共通 API セットとして昨年11月に発表された OpenSocial は、国内でも大手 SNS が賛同し、話題の技術です。この OpenSocial の最新の情報を知ろうと雨にも関わらず多くの方が交流会に参加いただきました。
デベロッパー交流会 第5回の様子は3回にわたりお伝えしていきます。更新をいち早く知りたい方は Google Code ディスカッション グループにご登録ください。
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川崎 有亮 さん Ajax やマッシュアップなど Web アーキテクトとして活躍。「Ajax / 実装のための基礎テクニック」 (共著、技術評論社) など書籍や雑誌記事も多数執筆されています。日経 BP 社 ITpro にて 「マッシュアップ・ラボ」 を連載中です。デベロッパー交流会への参加は第1回に続いて2回目です。 |
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後藤 康成さん シリコンバレーベンチャーにてソフトウェア開発マネージャーを担当。その後、多くのコンシューマ向けサービスの開発を手がけられました。現在はソーシャルフィードリーダーの開発を担当されています。著書には「ビジネスブログブック 2、ビジネスブログブック 3」 (共著、MYCOM) 「Web2.0 BOOK」 (共著、インプレスジャパン)などがあります。 |
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白石 俊平さん フリーエンジニア兼テクニカルライターとして、マイコミジャーナルや ZDNet などの Web 媒体、Web Designing 誌やシステム開発ジャーナル誌などの雑誌媒体を中心に、Java/Ajax/RIA を中心とした技術記事を執筆されています。著書に「Google Gears スタートアップガイド」 (技術評論社) があります。 |
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田中 洋一郎さん Seasar ファミリーの S2Wicket コミッターであり、コミュニティとの出会いを提供する「こみゅすけ」管理人でもあります。現在、本職ではチーフアーキテクトとして、ウェブサービスの提供を中心に活躍中です。 |
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クリス シャルク (デベロッパーアドボケート) |
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丹羽 智史 (ソフトウェア エンジニア) |
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向井 淳 (ソフトウェア エンジニア) |
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石原 直樹 (デベロッパー交流会 司会、ビジネスプロダクト マネージャー) |
石原 (司会): 今日はお集まり頂き、ありがとうございます。まずは自己紹介を兼ねてパネリストの皆さんに「私にとって OpenSocial とは何か?」を語って頂きたいと思います。まず後藤さんからお願いします。
後藤さん: ソーシャルフィードリーダーの開発を行っている私としては、OpenSocial は待ち望んでいた技術でした。現在の日本の SNS 市場は事実上 mixi が独占している状態です。しかし、OpenSocial の登場により、革命的な何かが起こるのではと期待しています。参考までに、Wikipedia の「ソーシャル・ネットワーキング・サービスの一覧」を見ると、国内にはニッチな SNS が多数存在しています。これはロングテール型とも言える状態であり、OpenSocial はこのテール部分にとても面白いことを引き起こす可能性があると思います。また、mixi も OpenSocial の対応は表明しており、この点でも面白いことができそうです。
白石さん: 私はフリーのテクニカルライターとして、雑誌やウェブなどでテクニカルな記事を書いています。私はビジネスモデルの視点から OpenSocial を考えてみましたが、これはとても良いモデルです。OpenSocial に関わる全てのステークホルダーにメリットがあるからです。まずは SNS のユーザーでしょう。SNS が OpenSocial の活用でより魅力的になれば、それは当然ユーザーのメリットとなります。SNS を提供する事業者にもメリットがあります。SNS が魅力を増し、ユーザーがそれを喜べば、事業者の利益となることは明らかです。そして、これは私たちのことですがソーシャルアプリケーションを作成するデベロッパーも OpenSocial のメリットを享受できます。これまで SNS は閉じた世界であったため、SNS 運営事業者以外のデベロッパーがアプリケーションを作る余地はありませんでした。しかし、OpenSocial によって状況は変わります。標準的な技術ですので、習得も効率的です。そして、最後はやはり Google さんでしょう。OpenSocial は「Google ガジェット」の延長線上に位置付けられる技術です。ということは、OpenSocial が普及することは、「Google ガジェット」もまた普及することを意味します。これはきっと Google にとっても価値のあることなのでしょう。
田中さん: 私は OpenSocial のキャッチフレーズ「一度覚えればどこでも書ける」にとても魅力を感じました。このキャッチフレーズと似たような言葉が10年ほど前に流行ったことを覚えておいででしょうか?そう、Java です。Java は「Write once, run anywhere」をキャッチフレーズとしていましたが、OpenSocial も同じ思想だと思うのです。私は10年前に Java のキャッチフレーズに感動し、Java プログラマーとなりましたが、同じ感動を OpenSocial で再び得ることができました。
川崎さん: 私はリクルートのメディアテクノロジーラボに勤めています。リクルートは紙媒体が有名ですが、ウェブにも注力し、一昨年からはリクルートが持つさまざまなデータベースを API で公開しています。API を公開し、さまざまなデータを利用頂いている立場から考えると OpenSocial の魅力は、これまで SNS の運営事業者だけが使えた SNS の内部に蓄積された情報を、これからは外部のデベロッパーも有効に利用できるようになることです。しかも、SNS の情報は友達など、ソーシャル的な繋がりをもっています。うまく活用すれば、きっとバイラル効果が期待できるとアプリケーションやサービスが開発できるこ とでしょう。
石原: 扱える情報がソーシャル的であるが故に、これまでよりも多くのユーザーに使ってもらえるアプリケーションやサービスの開発ができるという視点は面白いですね。それでは Google の立場から OpenSocial を語ってもらいましょう。
向井: Google のソフトウェアンジニアとしては、OpenSocial は機能としては iGoogle ガジェットと類似していますが、OpenSocial の機能を使うことで、ソーシャルネットワーク上の友達関係を反映させることが簡単にできます。その上さらに、SNS という新たなフィールドでソーシャルなリソースを活用したアプリケーションが作成できる点がとても興味深いと思っています。iGoogle ガジェット以上に遊びがいのある、楽しい技術ですね。
丹羽: 白石さんや川崎さんと同じ意見となりますが、SNS に関連したアプリケーションの開発が可能となったという点で OpenSocial は素晴らしい技術だと私は考えています。SNS の魅力はユーザーが参加してコンテンツを作り上げていく Consumer Generated Media (CGM)であると言われていますが、従来の SNS は、あくまで一人のユーザーとしての参加できるだけでした。デベロッパーという役割を担う立場で参加するには SNS は閉ざされていたのです。しかし、この現状を OpenSocial が変えてくれます。自分が作成したアプリケーションを SNS に登録しておくことで、何万人ものユーザーに使ってもらえるかもしれないと思うと、とても楽しいですね。
クリス: 丹羽さん、何万人では足りないと思います。世界規模で考えれば、OpenSocial を活用した作成したアプリケーションは何千万人ものユーザーを対象とできるのですから。長くソフトウェア開発に携わっている私としては、とてもエキサイティングな出来事だと感じています。きっと、2~3年後には OpenSocial をきっかけとして、大きなムーブメントが起きていることでしょう。
OpenSocial の捉え方もそれぞれの立場で異なっていたようですが、OpenSocial が何かすごいことを起こすかもしれないという予感は共通していたようです。この予感が具体的にどのようなものなのか、次回明らかになります。