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Google エンタープライズ: ユーザー事例

まず、料金が予想以上に安いのに驚きました。また、衛星写真の解像度や地図の精度のよさにも感心しました。そこまでのものはほかにはなかったですね。総じて、コストパフォーマンスが非常によい商品に仕上げられると確信できました。

NTTドコモ 国際事業部
キャリア担当主査
早川達朗様

導入製品

Google Maps API Premier

会社概要

グアムおよび北マリアナ諸島での事業展開を担う NTT ドコモ 100 %出資の現地法人。2006 年末に NTT ドコモが Guam Cellular & Paging 社および Guam Wireless Telephone 社を買収し設立した。提供しているサービスは、 携帯電話、インターネット回線、長距離電話、およびページング。2007 年よりドコモのiモードローミング(グアム及び北マリアナ諸島)、2008 年からは W-CDMA 方式による 3G サービスの提供(グアム)をスタートさせている。同地域におけるシェアは No.1。

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DOCOMO PACIFIC, INC.

Google Maps の高品質な衛星写真と地図、
および低料金で付加価値の高いサービスを開発

ドライバーの勤怠管理や効率的な運行に導くサービス

DOCOMO PACIFIC 社の主要ビジネスフィールドであるグアム島は、549 km2 と日本の淡路島ほどの面積に約 16 万人が暮らしている。産業は、観光業および島の面積の 3 分の 1 を占める米軍基地関連が主。同社のミッションは、日本からの観光客が多い同島やサイパンで GSM* ネットワークの強化およびネットワークの GPRS* 化によるパケットローミングの実現、さらに W-CDMA* 方式による 3G サービスの導入により、顧客利便性の向上を図ることにある。

そういった事業戦略の一環として、同社では 2009 年 8 月から「MAX TRACK」というサービスを打ち出した。これは、GPS を搭載した車載用端末にドライバーを特定する SIM カードを挿入したものを業務用車両に積むことで、その車両が「何時何分にどこの場所にいるか」を把握し、それを衛星写真や地図上に表示するというもの。いわば「移動体追尾システム」といったサービスである。その衛星写真および地図情報に、Google Maps API Premier を利用している。

「特定の車両の時間帯ごとの運行ルートを把握できることで、ドライバーの勤怠管理や効率的な運行に導くことによる顧客サービスの向上、および燃料コストの削減が可能となります」と同社 CTO の山中直樹氏は言う。

道路の車線まで確認できる高解像度

そのサービスのしくみは次のとおり。

車載用端末の GPS から発信される位置情報は、DOCOMO PACIFIC の GPRS ネットワークを用いサーバーに送られる。そのサーバーには、Google Maps API Premier による衛星写真および地図情報が提供されている。ユーザーは、そのサーバーにアクセスするたびに、特定の車両の現在位置および位置履歴を視覚的に確認することができる。画面は、①衛星写真、②地図、③衛星写真と地図のハイブリッド、の 3 通りに切り替えることが可能だ。

「衛星写真はズームイン、ズームアウトがスムーズに行える上に、解像度が非常に鮮明です。道路の左右どちらの車線を走っているかまで確認できるほど(笑)。また、地図には通りや建物の名称まで表示されます。Google Maps のクォリティの高さを感じさせられますね」と同社の Director of Business Development の新川雅氏は言う。

米軍基地の再編や観光業の効率化に商機

同社が「MAX TRACK」を開発した経緯について、山中氏は次のように言う。

「携帯電話サービスは、技術開発による通信容量の拡大などの付加価値向上に努めるものの、それだけではいずれコモディティ化して価格競争に陥ることも想定されます。そうならないためには、抜本的に付加価値の高いサービスを開発し、お客さまを囲い込む必要があると考えていました。

一方、グアムにおいては、米軍基地の再編により、2014 年までに海兵隊の隊員および家族計約 17,000 人の移住が計画されています。そこに向けた建設工事が始まると、車両管理システムの市場が一気に広がることになる。また、観光業においても、例えばあるスポットにはバスがなかなか到着しないが、別のスポットには 2 台同時に到着するといった非効率な状況が見られます。運行の効率化に対するニーズは大きいはずと読めました。そこで、2009 年 1 月から、他社を含め様々な先行サービスの動向などをは現状の『MAX TRACK』の商品化の検討を始めたのです」

そもそも、NTT ドコモ本体では、3G の導入以前より「MAX TRACK」と同様のモジュールによる業務車両の運行管理や、自動販売機の在庫やつり銭を補充する要員の業務効率化に役立てるといったサービスを手がけてきた。従来は、1 台の補充作業を完了するために、在庫状況の確認と実際の商品補充の 2 回、自販機とトラックとの間を往復する必要があった。このシステムで、担当者は自販機の在庫情報を遠隔操作で事前に取得できるため、自販機 1 台あたり 1 回の往復で作業が完了することができる。

満足いく商品に仕上げるために Google を採用

また、タイの関連会社でも、同様のサービスを手がけ始めていた。

「同社に問い合わせるなどして、どういったプラットフォームや地図情報サービスがあるかについての検討を進めました」(新川氏)。

そこで、「MAX TRACK」のようなシステムのプラットフォームを提供する米国のサービスプロバイダを知る。タイの関連会社から地図情報のリソースを提供してもらい、同プラットフォームに乗せるテストを行ったところ、ズーム機能が動かないなどの不具合があった。

「そうしたら、米国のサービスプロバイダから Google Maps API Premier を推奨されたのです。さっそく、日本のドコモ本社から問い合わせてもらいました」(新川氏)。

NTT ドコモ本社では、国際事業部キャリア担当主査の早川達朗氏が仲介に当たった。

「日本の Google 社に問い合わせて、サービスの概要や料金などの確認をし、テストを行いました。まず、料金が予想以上に安いのに驚きました。

また、衛星写真の解像度や地図の精度のよさにも感心しました。そこまでのものはほかにはなかったですね。総じて、コストパフォーマンスが非常によい商品に仕上げられると確信できました」(早川氏)

なお、より低額もしくはフリーのサービスも存在していたが、「多少のコストはかけてでも、満足のいく商品に仕上げてお客さまに提供したかったので Google Maps API Premier を採用することに決めた」と山中氏は言う。

顧客から寄せられる好反響

2009 年 8 月に「MAX TRACK」が出来上がると、まずは顧客に対してトライアル的に使ってもらう営業活動を開始。10 月までに 5 社・ 25 台ほどの車両に搭載した。

「お客さまからは、『ドライバーが遠回りなどをしなくなった』『ガソリン代の節約につながっている』といった好反響が寄せられています」と新川氏。

他社の同様のサービスでは、1 分に 1 回のペースで位置を記録しているところ、同社では 15 秒に 1 回とキメ細かくしているところも評価されている。

「車では、時速 40 km としても 1 分では 666 m も進みます。それではルート効率の管理には粗すぎるのでしょう。15 秒に 1 回という短スパンが実現できたのも、Google Maps の精度が高いおかげだと思います」と山中氏は解説する。

今後の課題について、山中氏は次のように言う。

「まずは現状の『MAX TRACK』をもっと多くの企業や組織に使っていただくことが第一です。その次に、このサービスを、例えば親御さんによるお子さんの行動安全管理や、個人の素行調査、あるいはペットの監視といったコンシューマ向けサービスに展開することも検討していきます」同社の今後のサービス展開が楽しみだ。

*GSM: Global System for Mobile Communications の略。デジタル携帯電話に使われている無線通信方式の一つで、100 カ国以上で利用されている事実上の世界標準。
*GPRS: General packet radio service(汎用パケット無線システム)の略。GSM 方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術のこと。
*W-CDMA: Wideband Code Division Multiple Access の略。NTT ドコモなどが開発した第 3 世代携帯電話(3G)の通信方式。「FOMA」で採用されている。