成功事例
携帯公式サイト AskDoctors は モバイルコンテンツ向け AdSense の導入時 2ヶ月半のA/Bテストを実施。
ステークホルダーの満足度を損なわないことに徹底的にこだわって AdSense の最適化を図っています。
- AskDoctors
気軽に医師への健康相談が行えるモバイルサイト「 AskDoctors(アスクドクターズ)」は、2010 年 7 月より モバイルコンテンツ向け AdSense(以下、AdSense )を導入しました。サイトの主なステークホルダーである有料会員および回答医師のユーザビリティを損なわな いために、2 ヶ月半にわたって計画的かつ集中的なA/Bテストを実行。このテストによって得られた最もパフォーマンスの高いカスタムチャネ ルを全ページに展開しました。AskDoctors を運営するエムスリー株式会社のシステムエンジニア 木村將氏は「 AdSense 導入において重 要なポイントは徹底した最適化。この最適化を効率的に実現するためには、エンジニアが企画運営から実装まで主体的にテストに関わっていくべきだと考えます」と、チューニングテストの重要性を語っています。
導入の経緯: AdSense 導入は慎重に、事前に懸念された課題をひとつひとつ検討
AskDoctors では AdSense 導入にあたり、開発チームは計 2 ヶ月半にわたる仮説検証 を行いました。
「真剣に悩みの相談を寄せるユーザーや、善意で答えてくださる医師に対して、満足度を下 げるようなサイト運営をしてはいけない。新しいサービスの導入前には徹底して数値的な検 証を行うというのが当社のポリシーです」と話すのは、マーケティングプロデューサーの熊 野整氏です。
チームが最も心配したのが、レイテンシー(データを要求してからその結果が返送されてく るまでの遅延時間)の問題です。そこで AdSense の広告配信による表示の遅延が、ユー ザーにとって許容できる範囲かどうかを検証しました。
「当社はレイテンシーの基準値をおそらく一般的なサイトより厳しく設定していますが、 AdSense を 1 ページに 2 枠設定しても 0.5 秒以内のレイテンシー増加で収まりました。これは全く問題のないレベルであり、安心して導入できることがわかりました。また、ページビュー(以下、PV)に基準値を設けて AdSense 表示による下落がないか、会員登録のコ ンバージョンレートや直帰率にも変化がないかということを確認したところ全てクリア。つ まり AdSense 導入によるネガティブ要因はないと判断して導入を決めました」(システム エンジニア木村將氏)。
また、高い信頼性を獲得している医療系サイトであり、携帯キャリアの公式コンテンツでもあ ることから、不適切な内容が配信されないかということも事前に調べる必要がありました。
「この点は AdSense から提供されているフィルタリング機能が活用でき、即時対応できるということが確認できましたので、問題ではなくなりました」(木村氏)
これらの結果を踏まえて、チームは AdSense を本格導入することを決定。次に最適化の仮 説検証を立て、A/Bテスト(同条件で複数の広告を表示し、最も効果的な要素を発見するテスト)を行うことになりました。
導入の結果: 短期間のA/Bテストとチューニングて広告の質とパフォーマンスを徹底的に高めることに成功
次の1ヶ月間は広告パターンのテストです。掲載位置や広告デザイン、カラー指定を組み合わ せて細かくカスタムチャネルを作り、10 以上のチャネルをランダムに出し分けて、1 週間ごとに区切りながらテストを行ないました。
「何となくこれが良さそうだというような勘に頼るのではなく、粛々とパターンを組み合わせてテストを行い、そこから得られるデータを分析することに徹しました。たとえば表示カラーのパターンテストでは、リンク色にサイトカラーとは逆の色を指定するとクリック率(以下、CTR )が 如実に向上することを確認しました。これは当初想像していた一般的なイメージとは逆であったため、実直な仮説検証による成果であったと思っています」(木村氏)
広告の質については、木村氏は AdSense の導入当初からセクションターゲットを設定し、コン テンツマッチングの精度を高めました。また URL フィルタではカテゴリの機能を利用すること で会員や医師から不快に思われそうな情報をブロックしました。
木村氏はさらにクローラビリティの向上にも目を配りました。AdSense のクローラーが会員向けのページまでくまなくクロールできているか、アクセス解析ツールで1日の動きを監視しながら最適化を行ったことにより、質の高い広告が表示されるようになったといいます。
これほど短期間のうちに最適化を達成したのは、AdSense の管理画面に明確な指標が用意され、これを常にチェックしながら効率的なチューニングテストを企画実施したためだと木村氏はいいます。
「全体的なロードマップを見据えていなければ、テストを効率的に進めていくことができません。そこがエンジニアの腕の見せどころ。ソースコードにさわる人が主体となって仮説検証プランを組立て、最も効率的なチューニングを進めることをお勧めしたいですね」と語ってくれました。
今後の展開: 11月にPC 版サイトに AdSense を拡大し、今後は姉妹モバイルサイトにも拡大予定サービス多様化の原資として AdSense を上手に活用したい
「今後は、1日の時間帯別に色のパターンを変えたり、会員の継続期間の長短によって CTR の 違いがないかなど、CTR 最適化のためのより細かな検証も試してみたいと思います。また、男 女別やカテゴリ別などでチャネルを作り、プレースメントターゲットの公開も始める予定です」 ( 木 村 氏 )。
スマートフォンやソーシャルアプリといったプラットフォームの多様化を背景に、ユーザーがモバイルサイトに求めるものは、これからさらに多様化していくと考えられます。
熊野氏は「お客様の様々な要求に応えていくためには、サービス内容の充実と同時にビジネス モデルの多様化にも対応していかなければと感じています。AdSense をサービス充実の原 資として、これからも会員の皆様に支持される、信頼性の高いサイトを追求していきたいですね」と、今後の抱負を語ってくれました。
