成功事例
中立の立場を維持し、ユーザー第一のサービスを目指したとき
最も適した収益化の手段が AdSenseでした
- ミクル
2005 年 11 月にサービスを開始してから、2007 年 9 月にモバイルコンテンツ向け AdSense の βテストが始まるまでの約 2 年間、「掲示板ミクル」は本格的な収益化をほとんど何もしていませんでした。2005 年当時、モバイルのビジネスモデルは月額制課金が主でしたが「いずれ必ずモバイルにも検索を中心としたビジネス環境が整ってくる」と確信し、サービスの差別化を図りながらモバイル版の AdSense の登場を待ったといいます。モバイルコンテンツ向け AdSense 掲載開始後は順調に収益を確保し、「掲示板ミクル」は会社の収益の 2 本柱の 1 つを担うまでになりました。
導入の経緯: ユーザーに不利益となる収益化はしないという企業ポリシーを貫く
ミクルはモバイル掲示板サービスを始める前にも、ユーザー生成コンテンツ(以下、UGC)による PC サイト「マンションコミュニティ」を運営しており、AdSense によって軌道に乗せたという成功体験を持っていました。
「当社は UGC に特化してユーザーの知識と経験を蓄積し、独自のフィルタリングテクノロジーとユーザー参加型のフィルタリングテクノロジーを利用してより有益な情報の形でお届けする、ということを企業ミッションとしています。それにはユーザーの利益を考えたサイト構築が第一。特定の企業との直接契約だと中立的な立場を保てないという恐れがありましたので、AdSense 以外の収益化はほとんどしていませんでした」
2005 年頃はまだモバイル版検索エンジンがあまり普及しておらず、多くのモバイルサービスが課金制ビジネスを目指していましたが、当初から UGC に重きを置いていたミクルは、まったく違う展望を描いていました。
「モバイルにも必ず、検索を中心としたビジネスの時代が来ると確信していました。当時、ポリシーに合致した広告プラットフォームがなかったので、サービスを損なうような収益化は徹底的に避けようという方針をとったのです。いずれモバイルにも AdSense が出てくるだろうから、それまで待とうと」
収益化よりも、まずサービスの差別化を徹底して図ったというイ・ジェホン氏。たとえば携帯端末の ID 1 つに対してユーザー 1 ID というシステム、独自のスパムデータベース、ユーザー自身が他者の書き込みを不快だと感じたら削除要請の意思表示ができる仕組みを導入した「ユーザー参加型フィルタリングテクノロジー」など、荒らし防止に力を注いだといいます。ネガティブな書き込みが少ない “荒れない掲示板 ”がユーザーの安心につながり、サイトは順調に成長。2006 年 8 月に au の公式コンテンツになったことにより、ページビュー(以下、PV)は数ヶ月で約 7 倍に伸びました。
そして 2007 年 9 月、モバイルコンテンツ向け AdSense の βテストが始まるとすぐに参加を表明しました。
導入後: ページ下部のパフォーマンスが高いことを確認
モバイルコンテンツ向け AdSense 開始後の手応えを、イ・ジェホン氏は次のように語っています。
「『マンションコミュニティ』での実績から予測していたとおりの結果が出て、さすが AdSense という感じでした。現在までに、パフォーマンス、利便性で AdSense を越えるサービスはなかったというのが実感ですね」
現在は他のキャリアや Google からのトラフィックが増え、PV 増と比例して継続的な成長を示しているといいます。
「基本的に、AdSense は新規ユーザー増がそのまま収益につながるという傾向が見えています。やはり広告というものはユーザーの慣れによってクリック率(以下、CTR)が下がってくるという傾向があると思います。検索からの新規流入が増えてくると、売上もそれによって比例して上がっていくというような傾向が見えます」
最適化についても、いろいろと試行しています。
「セクションターゲットの活用はもちろんのこと、カスタムチャネルを設定して広告の表示位置による CTR の変化をテストしてみました。純広告だとページの一番上が最も CTR が高いと言われている場所ですが、結果はページ下部の方が高いというものでした。ユーザーは下までスクロールして読み終わったら、わざわざ広告を見るために上まで行かないということが分析からも裏付けられたため、記事下の位置に広告を置くようにしたところパフォーマンスが明らかに向上しました」
今後の展望: コミュニティの API を開始したい
AdSense 導入後、「掲示板ミクル」は「マンションコミュニティ」に次ぐ会社の収益源として安定的に稼働しています。またその収益を原資とし、フィードをどこにでも貼り付けられる「FeedWind」や、アイデア共有サイト「ジヌクス」といった新たな開発にも、企業として積極的に取り組んでいます。
「UGC を成功させ、私たちはフィルタリングテクノロジーと少数で運営できるコミュニティ構築のノウハウを蓄積してきました。今後はそのテクノロジーを APIとして外部にも公開することで、さらに精度を高めていきたい。そして中長期的には、誰にでもコミュニティが運営できるというようなプラットフォームを提供し、インターネット界に貢献できたらと思っています」

