ポケモン騒動を検証する

このページでは、ポケモン騒動が投げかけた波紋・事後経過・報道の問題点など、ポケモン騒動全般について考えます。
『ポケットモンスター』38話の詳細については、こちらを参考にして下さい(トップページからも行けます)。

  • 『ポケットモンスター』第38話を検証する


    ポケモン騒動とは?

    『ポケットモンスター』は、もともとは1996年2月に任天堂の携帯ゲーム機ゲームボーイ向けに発売されたゲームソフトのことで、“ポケモン”として子供たちに親しまれています。
    基本的にはモンスターを育てながら旅をするRPGですが、ゲーム機同士をケーブルで繋いでモンスターを交換できるなど、友達と一緒に遊べるように工夫されていて、モンスターは最終的に151匹集めることができます。
    ゲームソフトには通常販売の“赤”“緑”“金”“銀”があり、他にもコロコロコミック誌上やコンビニエンスストアのローソンだけで限定予約販売された“青”があります。
    これらのソフトは2000年10月26日現在で累計1740万本を販売し、ゲーム機としての寿命が来ていたゲームボーイが復活するきっかけにもなりました。
    1997年4月からはテレビ東京系でアニメの放送が始まり高視聴率を記録、関連商品も大ヒットして全世界で楽しまれています。

    ポケモン騒動とは、1997年12月16日火曜日18時30分から放送された『ポケットモンスター』38話“でんのうせんしポリゴン▼”の一部のシーンが引き起こした騒動のことです。
    38話は主人公たちがコンピューターネットワークの中に入り込んでしまうというストーリーで、特殊な空間と電気的な質感を出すために赤と青の点滅効果が多用され、視神経に与えるインパクトも通常の回以上のものでした。
    そして番組も後半に差しかかったその時、それまで以上の赤と青の点滅が画面一杯に広がって4.5秒ほど続き、それを見ていた子供たちを中心に685人が光感受性発作、及びそれに類する症状で病院へ運ばれるというテレビ史上稀に見る惨事となりました。

    このポケモン騒動の原因は、18時51分35秒からの4.5秒間で、赤と青のコマの切り返しが106カット続いた(1秒間に12回の点滅が4.5秒間続いた)ことが原因でした。
    この点滅シーンによって視神経に光刺激を受けた光感受性発作の素因を持つ視聴者の一部が、気分が悪くなったり発作を起こしたりしたのです。
    こうした演出方法は一般に“パカパカ”と呼ばれるもので、1コマ〜2コマ程度で画面を切り替えることによってスピード感を出し、尚且つセル画の枚数を節約することができる演出方法です。
    制作費や制作日数の余裕が厳しい日本のアニメ業界独自の演出方法としてできたもので、昭和50年代以前からごく普通に使われていました。
    ところが今回は光感受性発作を引き起こしやすい赤と更に正反対に位置する青の点滅であったこと、その赤と青が画面の大部分を占める点滅が4.5秒も続いたこと、この日の瞬間最高視聴率18.5%を記録した時間帯と問題のシーンが重なったこと、視聴者の大半が光感受性発作を起こしやすい若年層だったことなどが重なり、ポケモン騒動へと発展してしまったものと考えられています。
    ちなみに一部報道で伝えられた“サブリミナル効果”とは全く関係ありません。

    ※光感受性発作
    画面のちらつき、図形の変化、点滅などの刺激で引き起こされる発作のことで、気分が悪くなったり、酷い時には全身の痙攣などを伴う。
    刺激を受けてから短時間で発作を起こすのが特徴で、発作の頻度は4000人に1人とされる。
    特に過敏な年齢層は5〜15歳で、年齢が進むと過敏ではなくなることが多い。
    女性の方が発生頻度が高く、全体の2/3を占める。


    ポケモン騒動の経緯

    ○1996年2月28日

  • 任天堂の携帯ゲーム機ゲームボーイ向けに、ゲームソフト『ポケットモンスター』が発売される。ゲームを制作したのは、任天堂とゲームフリーク。
  • 任天堂は、小学校高学年という購買層が重なる小学館の子供向け月刊漫画誌コロコロコミックに『ポケットモンスター』の漫画掲載を打診しており、『ポケットモンスター』の漫画が掲載されたコロコロコミック別冊の発売に合わせる形で、ゲームソフトが発売された。

    ○1996年9月

  • 瞬く間に人気が沸騰した『ポケットモンスター』はコロコロコミック別冊から本誌に移動し、120万部だった発行部数を200万部にまで押し上げる。現在では、小学館が発行する学年別の学習雑誌にも『ポケットモンスター』が登場している。

    ○1996年10月頃

  • 『ポケットモンスター』のテレビアニメ化の話が出る。
  • 広告代理店のジェイアール東日本企画と制作会社の小学館プロダクションが、火曜日18:30〜19:00枠で1997年3月に終了予定のアニメ番組(『機動戦艦ナデシコ』)の後番組として『ポケットモンスター』の企画を立ち上げる(当初は月曜日19:00〜19:30枠で『モジャ公』の後番組として検討されていたようですが、視聴率低迷でアニメ枠が消滅したため火曜日18:30〜19:00枠に変更になったようです)。同時に玩具メーカーや食品会社など商品展開できそうな企業に声をかけるが、反応は今一つで、結局トミー・永谷園・明治製菓が主要スポンサーに決定する。

    ○1997年4月1日

  • テレビ東京系6局ネットで、テレビアニメの放送を開始。
  • 系列外の局でも、テレビ東京からの番組販売という形で、テレビ東京より数週間から数ヶ月遅れて放送を開始。

    ○1997年10月7日

  • テレビ東京で18:30〜19:55の1時間30分枠で放送した『ポケットモンスター 秋のスペシャル』と『ポケットモンスター』28話が、視聴率17.4%を記録。テレビ東京としては2年ぶりのゴールデンタイム視聴率1位を獲得ということで、週刊誌などでも話題になる。

    ○1997年11月11日

  • テレビ東京で放送した『ポケットモンスター』33話が、番組としての最高視聴率18.6%を記録。

    ○1997年12月9日頃

  • 『ポケットモンスター』のテレビ東京の担当プロデューサーが一人で38話の最終チェックを行うが、問題はないと判断する。

    ○1997年12月16日

  • テレビ東京系6局で、『ポケットモンスター』38話を放送(視聴率16.5%)。
  • NHKが、20時台のニュース番組でポケモン騒動の第一報を伝える。
  • 民放では、テレビ朝日の『ニュースステーション』がポケモン騒動の第一報を伝える。テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』でもポケモン騒動について報道(その他の局は不明)。
  • 22時過ぎからテレビ東京に報道陣が詰めかけたため、テレビ東京は22時40分から記者会見を開き、広報部長が放送内容の確認を急いでいる旨を発表する。

    ○1997年12月17日

  • テレビ東京の視聴者センターに、朝から問い合わせが殺到。
  • テレビ東京が10時からポケモン騒動に関する緊急会議を開き、原因究明と今後の対応策などについて協議する。
  • テレビ東京が緊急調査委員会を設置し、16時から編成専任局長が記者会見をして謝罪。
  • テレビ東京は、『ポケットモンスター』を放送している系列外の31局に対して、38話を提供しないことを決定。
  • テレビ東京は、ビデオで録画した『ポケットモンスター』38話を見ないよう、この日のニュース番組やアニメ番組の中で呼びかけた。

    [1〜7]ポケモン騒動の翌日に放送された『少女革命ウテナ』で、告知スーパーを流していました(テレビ東京放映版)
    告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー

    [8〜11]テレビ東京がネット回線に告知スーパーを載せなかったのか、この告知スーパーは系列各局で異なっていたようです(テレビ愛知放映版)
    告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー 告知スーパー

    ◇いなかものGさんから、テレビ愛知の情報及び画像をご提供していただきました。

  • 『ポケットモンスター』を遅れて放送している系列外の16局が、問題となった38話以外の回も放送を中止することを決定。
  • テレビ東京以外の各局も、朝・昼・夕のニュースやワイドショーで特集を組んでポケモン騒動を報道。
    ポケモン騒動のニュース画像(各局のニュース画像については、こちらを参考にして下さい)

  • 郵政省が、テレビ東京の関係者を呼んで事情を聞く。
  • 『ポケットモンスター』のゲームボーイ向けソフトを発売している任天堂が、アニメのポケモン騒動とゲームの内容は無関係であることを発表。
  • 全国に940店のレンタルビデオ店を展開しているTSUTAYAは、『ポケットモンスター』のビデオについて、作品の安全性が確認されるまでレンタルしないことを決めた。他のレンタルビデオ店でも追随するところが現れる。
  • NHK教育テレビで1997年3月29日に放送したアニメ番組『YAT安心!宇宙旅行』25話を見た子供数人が、ポケモン騒動と同様の症状を訴えていたことが明らかになった。NHKはファミリー番組部を中心としたアニメーション問題等検討プロジェクトを12月18日に発足させ対策を練ることにし、『YAT安心!宇宙旅行』25話が含まれているビデオの販売を差し止め、店頭に並んでいるものは撤去するように要請した。
  • 千葉県流山市の男性(42)と大分県別府市の男性(15)が、『ポケットモンスター』38話の録画ビデオを見ている内に意識を失い病院に運ばれる。
  • ポケモン騒動とてんかんの関連性を指摘する一部報道について、日本てんかん協会が、てんかんに対する偏見や差別への助長にならないように、とする要望を発表。

    ○1997年12月18日

  • テレビ東京が調査チームを発足させる。
  • テレビ東京は、12月23日に予定していた『ポケットモンスター』39話の放送を中止すると発表。
  • テレビ東京が、『ポケットモンスター』の年内及び年末年始の特番の放送を中止することを決定(ただしこれは新聞報道によるもので、テレビ東京の正式発表ではない)。
  • テレビ東京を始めとするアニメを制作している各テレビ局が、アニメ番組のチェック態勢を強化。
  • テレビ東京でこの日に放送された『はれときどきぶた』で、OP全編の輝度(明るさ)を下げて放送。ポケモン騒動翌日の17日に放送された『少女革命ウテナ』では点滅シーンが無修正で放送されていたため、アニメ番組にチェックが入るようになったのは18日以降からということになるようです。
  • NHKがアニメーション問題等検討プロジェクトを発足させる。
  • 日本民間放送連盟は、放送基準審議会で原因究明・再発防止策を検討することを決定した。
  • 厚生省は12月末までに研究班を発足させ、追跡調査することを決定した。
  • 大手レンタルビデオ店のTSUTAYAなどのレンタル自粛を受けて、ビデオ販売元の小学館とメディアファクトリーが、正式に『ポケットモンスター』のビデオレンタル自粛を要請する。
  • NHKは『クローズアップ現代』で、ポケモン騒動についての緊急特番を放送。

    [12〜14]
    『クローズアップ現代』の画像 『クローズアップ現代』の画像 『クローズアップ現代』の画像

    ○1997年12月19日

  • テレビ東京の調査チームが初会合を開き、被害が集中した後半の4.5秒間の点滅シーンを中心に調査・研究することを決め、アニメ制作にあたってのガイドラインの策定を検討する予定であることや、1998年1月15日までにアメリカとイギリスにメンバーを派遣することを発表した。
  • 『ポケットモンスター』を遅れて放送している系列外の31局全てが、問題となった38話以外の回も放送を中止することを決定した。

    [15〜22]地方局では、放送休止を知らせるフリップなどを独自に出していました(左から中国放送×2、テレビ山口×2、南海放送、テレビ和歌山×2、岐阜放送)
    中国放送のお知らせフリップ 中国放送のお知らせフリップ テレビ山口のお知らせフリップ テレビ山口のお知らせフリップ 南海放送のお知らせフリップ テレビ和歌山のお知らせフリップ テレビ和歌山のお知らせフリップ 岐阜放送のお知らせフリップ

  • 衆参両議院の逓信委員会が理事懇談会を開き、テレビ東京・NHK・日本民間放送連盟の担当責任者を参考人として委員会に招致することを決めた。衆議院は12月24日午前、参議院は12月25日午後の予定で、医師やアニメ制作の専門家にも出席を求めるようにした。
  • 郵政省が“放送と視聴覚機能に関する検討会”を設置。
  • NHKと日本民間放送連盟が“アニメーション番組に関する日本放送協会・民放連の検討会”を設置して1回目の会合を開き、映像に関するガイドラインの策定を検討することを決定した。
  • 日本民間放送連盟は、アニメの演出効果について十分注意するように各テレビ局に要請することを決めた。

    ○1997年12月20日

  • テレビ東京と小学館プロダクションが、それぞれの地域のテレビ東京系列局と連名で、全国紙・ブロック紙の合わせて約10紙に謝罪広告を出す。
  • アメリカのホワイトハウス報道官が記者会見において、ポケモン問題はアメリカでもクリントン大統領が取り組む問題であり、業界も回避に努めるべきとの認識を示す。

    ○1997年12月22日

  • テレビ東京は、日本民間放送連盟の調査結果が出るまで『ポケットモンスター』の放送を中止することを発表。同時に、『ポケットモンスター』関連の年末年始の特番(12月30日のゲーム番組『64マリオスタジアム・スペシャル』、12月31日の『ポケットモンスター・アンコール』、1998年1月1日と1月3日に番組の合間で放送予定だった6分枠の『ポケモンクイズ』)及び1998年1月6日のレギュラー放送の放送中止を決定したと発表。
  • テレビ東京は、イギリスの英国独立テレビ委員会(ITC)のガイドラインを参考にした暫定基準を定め、アニメ制作会社に協力を求めていることを明らかにした。

    ○1997年12月23日

  • 『ポケットモンスター』39話“ルージュラのクリスマス▼”の放送が中止され(この話は、後に番外編として放送された)、『おはスタ』枠内で放送されていた『学級王ヤマザキ』の30分特別版に差し替えて放送。番組冒頭でフリップを表示して、視聴者に理解を求める。

    [23〜24]
    『ポケットモンスター』の放送休止画像 『ポケットモンスター』の放送休止画像

    ○1997年12月24日

  • テレビ東京は、日本民間放送連盟のガイドラインができる1998年3月まで『ポケットモンスター』の放送を中止することを発表した。
  • 衆議院の逓信委員会による集中審議で、テレビ東京関係者などの参考人の質疑が行われ、番組後半に4.5秒続いた赤と青の点滅シーンがポケモン騒動の原因である可能性が高いことなどが明らかになった。
  • 日本民間放送連盟の放送基準審議会が、番組制作や放送面での注意を呼びかける“申し合わせ”をまとめ、アニメ制作会社に送付して協力を求めた他、“アニメーション番組の映像表現に関する特別部会”と“アニメーション番組の映像表現に関する顧問会議”を設置。
  • 損害保険各社は、『ポケットモンスター』38話を見ていて体の異常を訴えた人を、傷害保険の補償対象にすることを決めた。

    ○1997年12月25日

  • テレビ東京は、早朝の子供向け番組『おはスタ』で、当分は『ポケットモンスター』関連の情報を扱わないことを決定した(自粛自体は、既に行われていたものと思われる)。
  • 参議院の逓信委員会による集中審議で、参考人の質疑などが行われる。

    ○1997年12月26日

  • テレビ東京が『生かします!視聴者の声』の番組内で、局として正式に謝罪。
  • テレビ東京が、調査チームのイギリス・アメリカへのメンバー派遣スケジュールを発表。
  • NHKが1995年6月に放送したスポーツ番組において、番組オープニングのCGが“光の刺激が強く危険”と専門医から指摘され、使用を中止していたことが明らかになった。
  • 郵政省が設置した諮問機関“放送と視聴覚機能に関する検討会”が初会合を開き、1998年3月までに再発防止策を盛り込んだ中間報告をまとめる方針を決定した。
  • 厚生省の研究班が初会合を開き、追跡調査の実施を決定。
  • 横浜市旭区の小学校の女性教諭(37)が、12月19日に児童にせがまれて『ポケットモンスター』38話の録画ビデオを教室で一緒に見ていたことが分かり、横浜市教育委員会は教諭と校長の2人に厳重注意を行った。児童の体に異常はなかった。

    ○1997年12月30日

  • 発表されていた通り、『ポケットモンスター』関連の番組は差し替え。テレビ東京における番組の差し替えは以下の通り。
    17:00〜17:30『情報!ソースが決め手“お父さんのためのポケモン講座”』→『情報!ソースが決め手“年間総集編”』
    18:00〜19:00『64マリオスタジアム・スペシャル』→『楽しいムーミン一家“25・26話”』

    ○1997年12月31日

  • テレビ東京における番組の差し替えは以下の通り。
    09:00〜09:54『大みそかポケットモンスター!アンコール』→『モジャ公[再]』

    ○1998年1月1日

  • テレビ東京における番組の差し替えは以下の通り。
    ミニ番組枠『ポケモンクイズ』→『お年玉付き新春オススメとくばん』

    ○1998年1月2日

  • ポケモン騒動の影響を受けて、NHKは1月2日と3日にNHK衛星第2テレビの『冬休みアニメ特選』(10:00〜11:55)枠内で予定していた『伝説巨神イデオン 劇場版』の放送を中止して『名探偵ホームズ』に差し替え。

    ○1998年1月3日

  • テレビ東京における番組の差し替えは以下の通り。
    ミニ番組枠『ポケモンクイズ』→『お年玉付き新春オススメとくばん』

    ○1998年1月5日

  • テレビ東京が、『ポケットモンスター』の今後の放送予定について発表。

    ○1998年1月6日

  • テレビ東京の調査チームがイギリスへ出発。約10日間滞在してITC(英国独立テレビ委員会)やBBCなどを訪問し、放送・制作のガイドラインや規制などについて調査する予定。
  • 郵政省の調査団がイギリスへ出発。ITC(英国独立テレビ委員会)などを訪問し、放送・制作のガイドラインや規制などについて調査する予定。

    ○1998年1月8日

  • テレビ東京は『64マリオスタジアム』を通常通り放送し、ゲームの『ポケットモンスター』の話題も扱う(実質的な自主規制解除)。

    ○1998年1月11日

  • NHKの調査団がイギリスへ出発。ITC(英国独立テレビ委員会)やBBCなどを訪問し、放送・制作のガイドラインや規制などについて調査する予定。

    ○1998年1月12日

  • テレビ東京の調査チームがアメリカへ出発。約10日間滞在してFCC(米国連邦通信委員会)や3大ネットワークなどを訪問する予定。

    ○1998年1月13日

  • 郵政省が、イギリスにおける映像表現ガイドライン(ITCコード)に関する調査結果を発表。

    ○1998年1月中旬

  • テレビ東京は、アニメ制作会社や広告代理店などの関係者80人に集まってもらい、テレビ東京が独自に定めた暫定基準を説明した。この説明の中で、光っていない画面でも1秒間に3回を超えて切り替わることがないように求めるなど想像しうる限り最大限の対策を取るという過剰規制を示したため、出席者側が困惑する。
  • 『ポケットモンスター』のアニメ制作元のOLMが、テレビシリーズと劇場版の制作を再開(透過光シーンは除く)。この時点ではテレビ東京の対応が決まっていなかったため、小学館プロダクションが全責任を負う形を取る。

    ○1998年1月23日

  • 小学館とメディアファクトリーは、映像の一部を修正したレンタル専用ビデオ『ポケットモンスター』1〜2巻(1〜6話)を2月1日に再リリースし、同日からレンタルを再開することを決定した。

    ○1998年2月1日

  • 小学館とメディアファクトリーが、既にレンタルされていた『ポケットモンスター』1〜2巻(1〜6話)の映像の一部を修正して再リリース。これを受けて、ビデオ『ポケットモンスター』のレンタルを自粛していた一部のレンタルビデオ店がレンタルを再開。

    ※修正版のビデオについて
    イギリスのITCコードを参考にして、1秒間で3回以上点滅しているシーンを修正してある他、透過光シーンの明るさのレベルを今までの60%以下に抑える修正がされています。
    1997年12月18日に小学館とメディアファクトリーからレンタル自粛の要請が出た後も、一部のレンタルビデオ店以外は通常通り『ポケットモンスター』のビデオのレンタルを行っていたこともあり、修正版がリリースされた後も修正前のオリジナル版を撤去していないレンタルビデオ店がほとんどで、1〜2巻に関しては修正前のオリジナル版と修正版が混在しています(修正版の方には、パッケージの裏にビデオを視聴する際の注意が書かれています)。

    ○1998年3月13日

  • テレビ東京は、4月中旬に特別検証番組を放送した上で『ポケットモンスター』の放送を再開する方針を固めた。

    ○1998年3月30日

  • テレビ東京は、4月8日に日本民間放送連盟がガイドラインを発表するのを受けて、『ポケットモンスター』の放送を4月16日から再開する意向を明らかにした。

    ○1998年4月2日

  • 郵政省の“放送と視聴覚機能に関する検討会”が中間報告をまとめる。

    ○1998年4月3日

  • 厚生省の“光感受性発作に関する臨床研究班”が中間報告書をまとめる。

    ○1998年4月6日

  • 郵政省の“放送と視聴覚機能に関する検討会”が中間報告を発表。

    ○1998年4月8日

  • 日本民間放送連盟とNHKが、“アニメーション等の映像演出手法に関するガイドライン”を発表する。このガイドラインは、アニメ以外の番組やCMにも適用されることになった。
  • 映像表現ガイドラインの発表を受けて、各テレビ局は自主的な内規を作成。
  • 日本民間放送連盟とNHKの映像表現ガイドラインの発表と、厚生省と郵政省の報告を受けて、テレビ東京が4月9日に独自の映像表現ガイドラインを発表することを明らかにした。
  • NHKは、NHK放送技術研究所が開発を進めていた、点滅映像を検出する参考計測器が完成したことを発表。

    ○1998年4月9日

  • テレビ東京が、日本民間放送連盟とNHKが策定した映像表現ガイドラインより厳しい、独自の“アニメ番組の映像効果に関する製作ガイドライン”を発表(2月3日の時点で既に完成していた)。
  • テレビ東京が、アドバンテスト社と共同で開発を進めていた、点滅映像を検出するアニメチェッカー(映像フリッカー解析装置)が完成したことを発表。

    ○日本民間放送連盟とNHKが策定

    アニメーション等の映像演出手法に関するガイドライン

  • 映像や光の点滅は、原則として1秒間に3回を越える使用を避ける。
  • 鮮やかな赤色の点滅は特に慎重に扱う。
  • 上記の条件(鮮やかな赤色の点滅は特に慎重に扱う)を満たした上で1秒間に3回を超える点滅が必要な時は、5回を限度とし、かつ画面の輝度変化を20%以下に抑える。それに加えて、連続して2秒を越える使用は行わない。
  • コントラストの強い画面の反転や、画面の輝度変化が20%を越える急激な場面転換は、原則として1秒間に3回を越えてはならない。
  • 規則的なパターン模様(縞模様・渦巻き模様・同心円模様など)が、画面の大部分を占めることも避ける。

  • ○テレビ東京が独自に策定

    アニメ番組の映像効果に関する製作ガイドライン

  • 1/3秒(フィルムでは8コマ・テレビフレームでは10フレーム)以内で1回を超える光の点滅は避けるべきである。
    ※共通ガイドラインでは1秒間に3回までだが、更に細かく時間を区切った。
  • 赤色を単色で使用した点滅やカットチェンジは危険である。ただし、単色の赤色を除く色の組み合わせで、それが同じ輝度であれば問題はない。
    ※共通ガイドラインでは赤色の使用が認められているが、原則として鮮やかな赤だけでなく赤系の色は点滅させないようにした他、赤色以外でも、点滅させる場合は明るさを変えないように制限した。
  • 急激なカットチェンジや急速に変化する映像も光の点滅と同様の影響を与えるので、1/3秒に1回を超える使用は避けるべきである。
    ※共通ガイドラインでは1秒間に3回までだが、更に細かく時間を区切った。
  • 輝度差のある規則的なパターン(縞模様・渦巻き模様など)は、原則として避けるべきである。

  • ○1998年4月11日

  • テレビ東京系6局で、13:00〜13:55に『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』と題したポケモン騒動の検証番組を放送。

    [25〜27]
    『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』の画像 『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』の画像 『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』の画像

    ○1998年4月15日

  • テレビ東京は、ポケモン騒動で入院した人のうち接触できた269人を見舞い、245人に入院・治療費を支払ったことを明らかにした。

    ○1998年4月16日

  • テレビ東京系6局で『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』を再放送。
  • テレビ東京系6局が、番組冒頭にポケモン騒動の経緯とテレビを視聴する際の注意を呼びかけた上で『ポケットモンスター』の放送を再開。放送時間を火曜日18:00〜19:00から木曜日19:00〜19:30に変更した他、この日は2話連続の1時間スペシャル。

    [28]テレビ東京の矢玉みゆきアナが、番組冒頭に告知をしていました
    告知映像の画像

    テレビ東京系では1時間スペシャルでしたが、遅れて放送している地方局では30分ずつに分割しての放映だったため、番組フォーマットの都合で冒頭の告知内容が若干異なっていました。
    本放送用では3分だった告知映像が、地方局用では1分50秒に短縮されています。
    ただし、矢玉アナの話し方や仕草が双方で微妙に異なっているため、ただ単純に編集しているわけではなく、きちんとそれぞれ撮り直しをしているようです。

    テレビ東京系(本放送):3分 地方局(週遅れ放映):1分50秒
    テレビの前のみんな、こんばんは。
    今日から、アニメポケットモンスターの放送がまた始まることになりました。
    でもその前に、ちょっとお姉さんの大切な話を聞いて下さい。
    テレビの前のみんな。
    今日から、アニメポケットモンスターがまた始まることになりました。
    でもちょっとその前に、お姉さんの大切な話を聞いて下さい。
    大人の方もご一緒にお願いします。
    よい子のみんなはもう知っていると思いますが、去年の12月16日、ポケットモンスターを見て多くのお友達が急に具合が悪くなってしまいました。
    病院に運ばれた方もいました。
    まずその方々と関係者のみなさんに、改めてお詫びを申し上げます。
    テレビを見ていて、これほどのことが起きたのは世界でも初めてでした。
    楽しみにしているみんなにはちょっとがっかりさせてしまいましたが、私たちはどうしてこんなことが起きたのか分かるまで、しばらく番組をお休みすることにしました。 私たちはどうしてこんなことが起きたのか分かるまで、番組をしばらくお休みすることにしました。
    すぐに調査のチームを作って専門家の先生にお話を伺いながら、原因や安心して見られるアニメの作り方について研究することにしたんです。
    こういった研究は、テレビ局はもちろん国やお医者さんの間でも進められました。
    調査で分かったことは、赤と青の画面が1秒間に24回ものもの凄い早さで切り替わっていく部分があって、それが主な原因だと言うことでした。
    つまり、赤と青がこんな風にもの凄い早さで入れ替わっていたんですね。
    最初は特別に強い光が出ていたんではとか、何か危険な絵が入っていたんでは、などと言われていましたが、そういったことではありません。
    また縞々や渦巻きなどの模様や、赤い色の使い方にも注意しなければいけないことが分かりました。
    ですから、私たちはこれから放送するポケットモンスターはもちろん、他のアニメも十分に気をつけて作っています。
    また縞模様や赤い色の使い方にも注意しなければいけないことが分かったので、今は十分気をつけて作っています。
    今日までポケモンがもう一度始まるようにと、たくさんの応援をいただきました。
    いくつかご紹介します。
    まずこちらは、埼玉のイマズさんセキグチくんサガワさんです。
    ポケモンやめないで下さ〜いと大きく書いてくれましたね。
    それからこちらは、札幌のイトウナツナさんです。
    可愛いイラストがあります。
    その他にも、ご覧のようにたくさんいただいたんです。
    みなさん、本当にありがとうございました。
    −−−
    最後にもう一つ、みなさんにお願いがあります。
    テレビを見る時は必ず明るいところで、できるだけ離れて見るようにしましょう。
    では、お待たせしました。
    いよいよ始まります。

  • 系列外の31局も、順次放送を再開(ただし休止していた話数からではなく、全ての局で39話から放送)。

    [29〜30]テレビ山口では、放送再開を知らせるフリップを独自に出していました
    テレビ山口のお知らせフリップ テレビ山口のお知らせフリップ

  • この日までにテレビ東京に寄せられた問い合わせは1万件を超えた。

    ○1998年5月23日

  • 名古屋市の小学校の男性教諭が、5月19日に『ポケットモンスター』38話の録画ビデオを教室で児童と一緒に見ていたところ、女子児童(7)が気分を悪くしていたことが明らかになった。

    ○1998年6月25日

  • 厚生省の“光感受性発作に関する臨床研究班”が最終報告書をまとめ、公表した。この報告書で、番組終了後のCMを見ていて発作を起こしたケースが1件あったことが明らかになった。

    ○1998年7月

  • 小学館からアニメ版コミックス『ポケットモンスター』10巻(36〜37・39〜40話)が発売されるが、38話については“第38話『でんのうせんしポリゴン』は編集部の判断により掲載を見合わせました。ご了承下さい。”として未収録となった。

    ○1998年8月

  • 小学館とメディアファクトリーから、レンタル専用ビデオ『ポケットモンスター』13巻(37・39〜40話)がリリースされるが、ポケモン騒動の原因になった38話は未収録となった。

    ○1999年3月

  • 小学館とメディアファクトリーから、セル専用ビデオ『ポケットモンスター』19巻(37・39話)がリリースされるが、ポケモン騒動の原因になった38話は未収録となった。

    ○2000年8月

  • 英語吹き替え音声を加えた2ヶ国語放送として1話から再放送している『ポケットモンスターアンコール』(火曜日19:00〜19:28)において、以下のような放映順序となったため、38話は放送されなかった。39話は、以前に放送されています。

      00.01.01 39話   やっとあえるね!ピカチュウのもり▼
      ・・・・・・
      00.07.25 37話   メタモンとモノマネむすめ▼
      00.08.01 番外編 ルージュラのクリスマス▼
      00.08.08 18話   アオプルコのきゅうじつ▼
      00.08.15 番外編 イワークでビバーク▼
      --.--.-- 38話   でんのうせんしポリゴン▼
      00.08.22 40話   イーブイ4きょうだい▼

    ○2005年6月22日

  • スカイパーフェクTV!(現・スカパー!)のキッズステーションで2005年5月2日から再放送が開始されたが、本来の39話が38話に繰り上がって放送されたため、38話は放送されなかった。なお37話の次回予告も、39話のものに差し替えられていました。


    ポケモン騒動直後の各局のアニメ番組への対応

    私が把握している範囲内で、各局の対応を記載しています。

    ○NHK

  • 97.12.18以降:『ふしぎの海のナディア』止め絵処理と減光処理
  • 97.12.20以降:『YAT安心!宇宙旅行』止め絵処理
  • 97.12.後半以降:『忍たま乱太郎』止め絵処理
  • 97.12.後半以降:『救命戦士ナノセイバー』止め絵処理
  • 98.02.以降:子供向け番組『天才てれびくん』CGを使用したOP映像を、基準に合わせて修正
  • 98.04.以降:『忍たま乱太郎』OPを修正

    ○TBS
    特になし

    ○日本テレビ

  • 97.12.23以降:『剣風伝奇ベルセルク』OPを修正
  • 97.12.後半以降:『それいけ!アンパンマン』OPを修正

    ○フジテレビ

  • 97.12.20以降:『烈火の炎』OPを修正
  • 97.12.21以降:『中華一番!』OPを修正
  • 98.01.06以降:『るろうに剣心』OPとEDを修正

    ○テレビ朝日

  • 97.12.27以降:『勇者王ガオガイガー』減光処理
  • 98.01.以降:『ドラえもん』止め絵処理

    ○テレビ東京

  • 97.12.18以降:『はれときどきぶた』減光処理・OPを修正
  • 97.12.24以降:『超特急ヒカリアン』OPを修正
  • 98.01.07以降:『万能文化猫娘』止め絵処理
  • 98.01.27以降:『マスターモスキートン'99』OPを修正
  • 98.04.16以降:『ポケットモンスター』OPを修正


    系列外の地方局は『ポケットモンスター』を何話まで放送していたのか

    テレビ東京系列外の地方局では、『ポケットモンスター』をテレビ東京よりも数週間から数ヶ月遅れて放送しているため、ポケモン騒動が起きた時点ではほとんどの局が30話前後までしか放送していませんでしたが、そこで一旦放送が休止されました。
    そして、テレビ東京系での放送再開に合わせて系列外の局でも放送が再開されましたが、再開されたのはテレビ東京系と同じ39話からだったため、地方局では放送されない話数が出てしまいました。
    ここでは、系列外の各局が、ポケモン騒動以前に『ポケットモンスター』を何話まで放送していたのかを記載しています。

    ◇果那さんから、チューリップテレビの情報をご提供していただきました。
    ◇Hikariさんから、サガテレビ・長崎国際テレビの情報をご提供していただきました。
    ◇K.H.さん・tomohikoさんから、KBS京都の情報をご提供していただきました。

  • 青森朝日放送:37話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 岩手めんこいテレビ:37話まで放送 →不明
  • 東日本放送:36or37話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 秋田テレビ:36話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • テレビユー山形:36話まで放送 →『まんが日本昔ばなし[再]』に差し替え
  • 福島テレビ:33話まで放送 →『キテレツ大百科[再]』に差し替え
  • テレビ新潟:34話まで放送 →『爆走兄弟レッツ&ゴー!![再]』『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 長野放送:37話まで放送 →不明
  • テレビ山梨:10話前後まで放送 →『まんが日本昔ばなし[再]』に差し替え(放送枠移動)
  • チューリップテレビ:36話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 北陸朝日放送:34話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 福井テレビ:10話前後まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 静岡放送:23話まで放送 →『まんが日本昔ばなし[再]』に差し替え
  • 岐阜放送:37話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 三重テレビ:34話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • びわ湖放送:36話まで放送 →不明
  • KBS京都:33話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 奈良テレビ:37話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • テレビ和歌山:36話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 山陰放送:36話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 中国放送:34話まで放送 →実写番組に差し替え
  • テレビ山口:2話まで放送 →『少年アシベ[再]』に差し替え
  • 四国放送:1話まで放送 →『ちびまる子ちゃん』に差し替え
  • 南海放送:36話まで放送 →『名探偵コナン[再]』『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • 高知放送:34or35話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • サガテレビ:?話まで放送 →不明
  • 長崎国際テレビ:35話まで放送 →『それいけ!アンパンマン[再]』『名探偵コナン[再]』に差し替え
  • テレビ熊本:37話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • テレビ大分:32話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え
  • テレビ宮崎:12話まで放送 →『アニメ世界の童話[再]』に差し替え
  • 鹿児島放送:34or35話まで放送 →『クレヨンしんちゃん[再]』に差し替え
  • 琉球朝日放送:20話まで放送 →『学級王ヤマザキ』に差し替え


    ポケモン騒動による被害の総計

    ポケモン騒動によって、30都道府県で計685人が病院に運ばれ、意識不明などの重症者3人を含む計208人が入院しました(1997年12月17日17時現在・自治省消防庁調べ)。
    病院に運ばれた人の内訳は以下の通りです。

  • 0歳:1人
  • 1〜5歳:7人(5人が入院)
  • 6〜10歳:165人(43人が入院)
  • 11〜15歳:418人(134人が入院)
  • 16〜20歳:74人(21人が入院)
  • 21歳以上:20人(5人が入院)
    全体の9割近くを小中学生が占めており、最高齢は神奈川県の58歳。
    男性は310人、女性は375人でした。
    意識を失うなど被害の深刻な重症者は3人、中症者217人、軽症者462人、不明3人で、病院へ行かなかった軽症者も含めれば、約1万人が体に異常を訴えたとみられます。

    『ポケットモンスター』38話の視聴率は16.5%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)で、全国6局の放送により約460万世帯(推定)で視聴されていました。
    当日、一世帯あたり平均何人の視聴者がいたかは明らかではありませんが、約460万世帯で各一人が視聴していたと仮定すると、救急車で搬送されたのは、視聴者全体の約0.015%になります。

    ちなみに、都道府県別の病院搬送者数は以下の通りです。
    テレビ東京系列局のサービスエリア外でも被害が出ていますが、隣県のテレビ東京系列局を遠距離受信していたりCATVによる再送信が行われている実態が明らかになって、これはこれで興味深いところです。

  • 北海道:38人
  • 青森県:1人
  • 岩手県:0人
  • 宮城県:0人
  • 秋田県:0人
  • 山形県:0人
  • 福島県:2人
  • 茨城県:26人
  • 栃木県:18人
  • 群馬県:18人
  • 埼玉県:70人
  • 千葉県:45人
  • 東京都:74人
  • 神奈川県:76人
  • 新潟県:0人
  • 長野県:7人
  • 山梨県:6人
  • 富山県:0人
  • 石川県:0人
  • 福井県:0人
  • 静岡県:12人
  • 愛知県:60人
  • 岐阜県:10人
  • 三重県:7人
  • 大阪府:76人
  • 滋賀県:0人
  • 兵庫県:29人
  • 京都府:5人
  • 奈良県:2人
  • 和歌山県:0人
  • 鳥取県:0人
  • 島根県:1人
  • 広島県:0人
  • 山口県:11人
  • 岡山県:18人
  • 香川県:10人
  • 徳島県:1人
  • 愛媛県:1人
  • 高知県:0人
  • 福岡県:45人
  • 佐賀県:10人
  • 長崎県:5人
  • 熊本県:0人
  • 大分県:1人
  • 宮崎県:0人
  • 鹿児島県:0人
  • 沖縄県:0人


    ポケモン騒動について個人的に思ったこと

    ○ポケモン騒動の報道について
    ポケモン騒動についてはマスコミが大きく取り上げ、ニュースやワイドショーなどで報道しました。
    ここで確認したいのは、ポケモン騒動で問題なのは点滅を使用した“演出の方法”であって、“ポケットモンスター”は何の問題もないということです。
    当然のことですね、普通に考えれば分かることです。
    ただ一部のマスコミは、どうもその当たり前のことが分かっていなかったようです。
    どうしてそんな方向に行ってしまったのか知りませんが、何故か“ポケモンバッシング”を行っており、『ポケットモンスター』が悪者になっていました。
    恐らくは世間一般に言われている愚かなアニメ・ゲーム悪者論が影響しているのだと思いますが、仮にも強い影響力を持つマスコミが、問題を履き違えてもよいのでしょうか?
    結果として、多くのマスコミは今回の問題を『ポケットモンスター』を始めとするアニメ・ゲーム特有の問題として捉えているような感じで、“テレビなどの映像全般に渡る問題”とは考えておらず、アニメが引き起こした事件として実に短絡的に、記号的に処理されてしまいました。
    そのために、ポケモン騒動の本質である“エスカレートして行く演出表現”という最も大事な部分が見えて来ない。
    特に某新聞が、記者による『ポケットモンスター』38話の視聴体験なるものを載せていたのには呆れました。
    ポケモン騒動を通して、点滅を伴う演出方法をテレビ番組全体の問題として捉える絶好の機会を逃してしまっているのに、そのことに全く気が付いていない。
    『ポケットモンスター』が悪いなどとは言っても、それこそ点滅映像はアニメに限らずCMや歌番組などでも簡単に作り出せますし、むしろアニメ番組以上に点滅映像を使っている番組もあります。
    過去から現在までテレビで放送された番組の、どの番組でポケモン騒動のようなことが起きても不思議ではなかったわけです。
    それがたまたまアニメ番組の『ポケットモンスター』で起きてしまっただけで、今回騒動が起きなくても、いずれ他の番組で似たようなことは起きていたでしょう。
    もしかしたら、問題を起こしたのはアニメ番組ではなくて、CMだったかもしれません。
    いや、歌番組やバラエティー番組だったかもしれない。
    それだけに、マスコミ自身が今回の問題を“テレビなどの映像全般に渡る問題”と考えなかったところが不思議でたまりません。
    しかも民放幹部の中には、スポンサーが絡むCMに規制が及ばないように、問題をアニメ以外に広げたくないとする意見もあります。
    実際にアニメ番組で、ソニーのCMのアイキャッチ(現在はバージョンが変わっています)のようなことをすれば、間違いなく規制の対象になるでしょう。

    また一部マスコミが、“ハイテクを駆使した人気番組”“電脳世代の子供たちも耐えられなかった映像技術の破壊力”という、いかにも年配のコンピューターアレルギーの人が書いたかのようなよく分かっていない報道をしていました。
    どうやら“若い人が好きなもの=最新技術を駆使したもの”という妙に偏った考え方が働いたようなのですが、アニメの制作は基本的に手作業で、ここ数十年、特に目立った進歩はありません。
    もちろんCGが導入されたりデジタル彩色という手法が取り入れられたりしていますが、『ポケットモンスター』自体はセルアニメですし、CGも全く使われていません。
    このくらい、少し調べればすぐに分かることなんですけどね。

    あと、マスコミの過剰な報道のおかげで、“『ポケットモンスター』38話を見ると気分が悪くなる”が、いつの間にか“『ポケットモンスター』を見ると気分が悪くなる”に変わっていて、愛知県の女性(24)のように、ポケモン騒動の報道を見ている内に気分が悪くなって病院に行くという事例が発生したり、ポケモン騒動が大きく報じられてから、急に病院に行く人が増えたりしました。
    マスコミは“最終的には今回の騒動の被害者は1万人近くに及ぶだろう”という報道をしていて、実際に病院に行かなかった軽症者も合わせれば約1万人が被害を受けたことになっていますけど、これはマスコミの報道によって“言われてみれば気分が悪いような気もするな・・・何となく気分が悪くなってきたぞ・・・”と言う感じで、いわゆる自己暗示や集団ヒステリーによる“言われてみれば何となく・・・”の人も、多数含まれていると思われます。

    ○的外れで見当違いな報道をした番組について
    ポケモン騒動に関して、当然かもしれませんがさすがにNHKは正確な報道をしていました。
    民放だと、フジテレビのニュース番組やワイドショーでは、キャスターやゲストの方が“子供たちはポケモンが見られなくなるのは悲しいと言っている”という旨の発言をするなど、他局のように変な方向には走らず、比較的良心的な報道をしていました(少し変なところもありましたが)。
    後はテレビ朝日の『ニュースステーション』が、さすがだなと思わせる報道内容で、民放の中では一番堅実で正確な報道をした番組だと思います。
    特に久米宏さんのコメントは素晴らしいものでした。

    ただその一方で、おいおい大丈夫なのか?この番組?と思わざるを得ない酷い内容の番組もありました。
    1997年12月20日(土)にTBS系で放送された『ブロードキャスター』は、ポケモン騒動に関する報道をした番組の中で、最も事実と掛け離れた報道をした番組でしょう。
    とにかく全てにおいておかしい。
    まず根本的なところから変で、ポケモン騒動の問題点は演出の方法なのにも関わらず、何故か『ポケットモンスター』を批判しており、明らかに論点がズレています。
    どうやら演出の方法などどうでもよく、ピカチュウの電撃が悪いと言いたいようです。
    笑ってしまったのが、“子供が意味不明の呪文を唱えている(イマクニ?が歌うポケモン言えるかな?のこと)”“殺人事件の発端はテレビゲームだった”などの報道内容。
    どうやったらそんな変な方向に持って行けるのでしょうか?
    更に異常な報道を加速させたのは、キャスターやゲストなどの出演者全員が『ポケットモンスター』を全く分かっていなかったことです。
    要するに最近の遊びを理解できなくて、見当違いのコメントをしているわけです。
    “我々(ゲストなど)が昔にやっていた外の遊びの方が面白い”“ポケモンなんかやってないで、外で遊んだ方が良い”のようなお粗末でお決まりのコメントしか言えないのです。
    情けなくなりますよ、ホントに。
    自分が遊んだことのないものと遊んだことのあるものを比べたら、自分が遊んでいたものの方が面白いという結論になるのは当然なのに。
    結局、最後まで論点がズレたままでした。

    ○テレビ東京の対応について
    ポケモン騒動を受けて、テレビ東京は『ポケットモンスター』の放送を中止しました。
    確かに人体に影響のある問題だったし、それはある意味仕方がなかったのかもしれません。
    でも『ポケットモンスター』関連の番組まで中止にするのは、何か違うぞ?という感じでした。
    『64マリオスタジアム』の特番に、何か問題があったのでしょうか?
    どうせ“取りあえず『ポケットモンスター』の話題は止めておこう”ということなんでしょうけど・・・。
    問題なのは“アニメの演出方法”なのであって、『ポケットモンスター』自体には何の問題もないのは分かっていることなんですけどね。
    『ポケットモンスター』だけ中止にして他のアニメ番組は堂々と放送を続けているのも、何か矛盾しています。
    同じ“アニメの演出方法”という問題を抱えていながら、他のアニメ番組は規制を強化することで放送しています。
    だったら、『ポケットモンスター』だって規制をクリアすれば、放送できるはずです。
    でも放送しない。
    つまり事勿れ主義というか、しばらく放っておいて世間が冷めるのを待とうという臆病な対応しかできなかったということです。

    ○一部のレンタルビデオ店のレンタル自粛の動きについて
    ポケモン騒動直後、TSUTAYAを始めとする一部のレンタルビデオ店が、レンタルを開始したばかりだった『ポケットモンスター』のビデオのレンタルを中止するという愚行に出ました。
    私には全く理解できません。
    “『ポケットモンスター』のアニメの安全性が確認できるまでレンタルはできない”ということでしょうが、これは明らかにおかしいです。
    ポケモン騒動が起きた時点で、『ポケットモンスター』は38話まで放送されていました。
    38話は確かに問題がありましたが、それまでの1〜37話については全く問題はありません。
    このことは、『ポケットモンスター』が全国各地のテレビ局で放送されており、多くの人が見て高視聴率を記録していたにも関わらず何の問題も起きなかったということで、実証されていることなのです。
    それに、既に1997年11月からレンタルが開始されていたビデオの『ポケットモンスター』1〜2巻(1〜6話)は回転率(どれだけレンタルされているかという割合)が凄くて、相当数の人がレンタルして見ていたと考えられます。
    それでも、何の問題も起きていません。
    では、何がレンタル自粛という方向に導いたかと言えば、やはりテレビ東京と同じで、単純に“今は取りあえず『ポケットモンスター』は止めておこう”という事勿れ主義の過剰反応です。
    しかも一部のレンタルビデオ店でのレンタル自粛の動きを受けて、ついには販売元の小学館とメディアファクトリーまでが、レンタルの自粛を要請して出荷を停止するという、呆れた行動に出ました。
    本当に情けないことです。

    ○NHKの理不尽な対応について
    アニメ雑誌やテレビ情報誌などでも告知されていましたが、NHKは1月2日と3日にNHK衛星第2テレビの『冬休みアニメ特選』(10:00〜11:55)内で『伝説巨神イデオン 劇場版』の放送を予定していました。
    ところが、実際の放送では『名探偵ホームズ』に差し替えられてしまいました。
    このことについて実際にNHKに電話で問い合わせた方がいたのですが、放送中止になったのはポケモン騒動のためだということでした。
    『伝説巨神イデオン 劇場版』は、当然劇場で公開された作品です。
    更に当たり前ですが、劇場の中は真っ暗です。
    部屋を明るくして画面から離れて見ないといけないテレビよりも、視聴環境は悪いわけです。
    でも誰も倒れませんでした。
    しかも、ビデオは10年近くもレンタルビデオ店に置かれていて、かなりの人がレンタルしています。
    つまり、数万人から数十万人の単位で安全を実証しているのです。
    それにも関わらず、ポケモン騒動後に同様の問題が起きていたことが明らかになった『YAT安心!宇宙旅行』は再放送を続けて、安全が実証済みの作品を放送中止にするとは・・・。

    ○笑える新聞記事について
    何というか、もう笑うしかないです、これは。
    1997年12月17日付の読売新聞夕刊“よみうり寸評”。
    いわゆる一言コラムです。
    その内容は“若者ことばを借りれば、『ポケモンにすっごくはまって、マックスにパニクッた』状態。両親はきっと『びびって、あせった』に違いない”“ポケモンとは名はかわいいが、ポケットモンキーではない。怪物は怪物なのだ”。
    最後のはオチのつもりでしょうか?
    翌日の12月18日付の同欄はまともな文章になっていたので、12月17日の時点では情報が少なくて、こんな不思議な文章になったのでしょうか。
    でもそれなら、最初からこんなことは書かなければ良いのですが、きっと、『ポケットモンスター』のことを大して知りもしないのに勢いに任せてこんなの書いてみました、という感じなのでしょう。
    “ポケモン=ポケットモンキー”という発想が、書いている方の年齢を表していて興味深いですね。



    このページの画像について

    ○このページで使用している画像の著作権は、以下が所有しています。

    ◇[1〜11]『少女革命ウテナ』:ビーパパス・さいとうちほ/小学館・少革委員会・テレビ東京
    ◇[12〜14]『クローズアップ現代』:不明
    ◇[15〜18/20〜24/28〜30]:不明
    ◇[19]『名探偵コナン』:青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
    ◇[25〜27]『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』:不明

    ○このページで使用している画像のキャプチャ元は、以下の通りです。

    ◇[1〜7]『少女革命ウテナ』:テレビ東京
    ◇[8〜11]『少女革命ウテナ』:テレビ愛知
    ◇[12〜14]『クローズアップ現代』:NHK総合テレビ
    ◇[15〜16]:中国放送
    ◇[17〜18/29〜30]:テレビ山口
    ◇[19]『名探偵コナン』:南海放送
    ◇[20〜21]:テレビ和歌山
    ◇[22]:岐阜放送
    ◇[23〜24]:テレビ大阪
    ◇[25〜27]『アニメ ポケットモンスター問題検証報告』:テレビ大阪
    ◇[28]:テレビ東京



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