名称(読み方)ことばの説明
合折釘 ( あいおれくぎ ) 釘がどこに打ってあるかわからぬように、屏風や襖などの縁を打つための曲がった釘。 (同):折合釘(おれあいくぎ)・折合釘(おりあいくぎ)
合釘 ( あいくぎ ) 両先の尖った釘。または、縁打ちの一手法。
合差 ( あいさ ) 屏風作成時、屏風がきちんと畳めるようにゆとりを調節する目的で挟む紙などのこと。
あいはぎ ( あいはぎ ) 一枚の紙を二枚に剥ぐこと。
あかす ( あかす ) 箔を油気わつけた薄紙に付着させること。
上裏 ( あげうら ) 掛軸の最後の裏打ち。(同):総裏(そううら)
あけじり ( あけじり ) 襖の幅のあき寸法
開け付け ( あけつけ ) 襖を開けきった時の手尻側の襖の骨を柱に合うように削りつけること。
( あざな ) 実名以外に用いた名
あさり ( あさり ) 鋸の歯の切り込み。
足摺釻 ( あしずりかん ) 打ち込み釻の一種。
網代 ( あじろ ) 唐紙の模様としても網代模様があるが、紙を細長く切りあじろに編むことが古くから表具師の仕事としてある。
あぜ ( あぜ ) 敷居、鴨居の溝と溝との間の高い部分。(同):ひばた
あて ( あて ) 骨・椽材で使用不可のもの。
あて紙 ( あてがみ ) 直接さわって汚したり、傷めたりするのを嫌ってあてがう紙のこと。
あて張り ( あてばり ) 両面張りのとき、後から貼る方。
後伸び ( あとのび ) 張り込んだ紙ゃ布が後から伸びてくること。
阿弥陀仕立て ( あみだじたて ) 真の草の型で仕立てられた掛軸のこと。
洗い出し ( あらいだし ) 杉の木椽など砂洗いしたもの。
あららぎじく ( あららぎじく ) 神仏、神号などの掛軸に用いる軸先。
蟻差し ( ありざし ) 縦枠にバチ形の穴を掘り天地を差し込む手法。「あり」と言う。

名称(読み方)ことばの説明
位署 ( いしょ ) 懐紙の署名部分に正式な官位を記しその下に名前を書くこと
一行書 ( いちぎようしょ ) 一行物と同じ
一行物 ( いちぎよょうもの ) 禅後や漢詩の一部分を一行書きにしたもの。僧侶や茶匠によって書かれたものが茶掛けとして仕立てられ尊ばれている。(同):ひとくだりもの・一行書
一平二抱き三に負い (いちひらにだき
さんにおい)
掛軸の仕上がり具合を表わす言葉。良い順に、本紙の面が平らなもの、次に内側に反るもの、次に外側に反るもの。(同):一平二抱き三たいこ
一文字 ( いちもんじ ) 掛け軸の本紙の上下に付ける裂地のこと。金襴など、掛軸に使用する裂の中で一番良いものを使う。名物裂が珍重される。
一文字 ( いちもんじ ) 掛軸の本紙の上下に細く横一文字に取り付ける金襴などの呼び名 参照:掛け軸各部の名称
一文字止め ( いちもんじとめ ) 屏風や額の縁木の合わせ方。
一文字風帯 ( いちもんじふうたい ) 一文字と同一の裂で風帯を作ること。また、そのような形式の掛軸のことも言う。(同):一風帯
一首懐紙 ( いつしゅかいし ) 一枚の懐紙に和歌を一首書いたもの。 
一本引襖 ( いっぽんびきふすま ) 1枚だけの襖。壁の方に引いて出入りをする。
糸裏 ( いとうら ) 鉋の刃の裏が糸のように砥げているの良い状態の鉋 裏の平らな部分が広くなった鉋はベタ裏と言う。 「鑿のベタ裏、鉋の糸裏」と言われる
水蝋蝋 ( いぼたろう ) 掛軸の滑りを良くするために裏に塗る。イボタロウカタカイガラムシの雄の幼虫の分泌液を精製したもの。
いもづけ ( いもづけ ) 軸先と軸棒を突きつけに接着させる。(同):いも
入りおぜ ( いりおぜ ) 屏風を折りたたんだ時に内側になるつがいの部分。屏風の表から見て隠れた方のおぜ。
色止め ( いろどめ ) 表具の本紙に彩色した色が落ちないようにする作業。
印可 ( いんか ) 巻物に使用する軸先
印金 ( いんきん ) 紗(しゃ)・絽(ろ)などの生地に漆や糊などで模様を置き、その上から金・銀などの箔を置いたもの。古筆の表具に良く見られる古代裂。中国渡来のものを上代印金として最高位とする。日本で作られたものでは、奈良印金、高野印金などがある。紫色が一番の上で次に草色、茶色と言われる。

名称(読み方)ことばの説明
浮き ( うき ) 掛軸の裏打ちなどの付きが悪くて剥がれている部分のことを言う。
泛張り ( うけばり ) (同):袋張り(ふくろばり)
薄美濃 ( うすみの ) 透き通るほど薄く漉(す)いた美濃紙。肌裏用に用いる。(同):書院紙
歌切 ( うたぎれ ) 古人が詩歌を書き出した巻子本、冊子本、懐紙、詠草などが掛軸に仕立てるためにバラバラになったもの。
宇田紙 ( うだし ) 総裏用に用いる和紙。楮を原料として、白土を漉きこんである。白土は、掛軸の裏の透きを防ぎ、しなやかにする。
内曇 ( うちぐもり ) 上下に雲形が漉きだされた鳥の子紙。短冊、色紙などに使用。青色の雲形を上にして、紫色の雲形を下にする。仏事の際には反対する。 同:雲紙
打締 ( うちしめ ) 屏風の骨組みを引き締める作業。
打付け ( うちつけ ) 骨縛りの上に紙をべた張りすること。(同):胴張り
打刷毛 ( うちばけ ) 裏打ちに使用する刷毛。
うちまわし ( うちまわし ) (同):ころばし
生ぶ表具 ( うぶひょうぐ ) 最初に表具された状態の掛軸。 
裏打ち ( うらうち ) 紙や裂の裏に紙を貼る事。
裏打紙 ( うらうちし ) 裏打ちに使用する和紙の総称。
裏ずり ( うらずり ) 掛軸の裏面にイボタロウを塗って裏ずり玉で掏る。
裏ずり玉 ( うらずりだま ) 裏ずりに使用する数珠のようにつながった玉。ガラス、樹脂、無患子の種子など。
裏づけ ( うらづけ ) 張り合わせる際に裏側に張りついで行くこと。
裏箔 ( うらはく ) 絹本の裏に箔を押したもの
裏巻 ( うらまき ) (同):福島絹 参照:掛け軸各部の名称
上桟 ( うわざん ) 襖などの上(天)の縁のこと
上袋張り ( うわぶくろはり ) 襖や屏風・額などの袋張りで二回目に張る張り方。
上巻 ( うわまき ) (同):福島絹 参照:掛け軸各部の名称

名称(読み方)ことばの説明
詠草 ( えいそう ) 和歌などの草稿。公式の場合には、竪詠草と言い、添削などを受ける個人的な場合は横詠草と言う。
詠題 ( えいだい ) 和歌の題名
絵絹 ( えぎぬ ) 日本画用の生絹。
絵詞 ( えことば ) 絵巻物の詞書(ことばがき)。絵の前後にある説明文。 
絵手鑑 ( えてかがみ ) 画帖と同じ
江戸? ( えどかん ) 打ち込み?の一種。
絵巻物 ( えまきもの ) 絵画を巻物に仕立てたもの。文章と絵で物語、説話、伝記、社寺の縁起、経典などが書かれているる。左手で広げ右手で巻きながら鑑賞する。
円相 ( えんそう ) 禅僧などが完全な悟りの本質、心の本来の姿を形象化したもの。一つの円として描かれる。
円窓 ( えんそう・まるまど ) 丸く抜いた掛軸。 (同):丸窓(まるまど)

名称(読み方)ことばの説明
大名物 ( おおめいぶつ ) 東山時代のの茶道具の名物のうち、最も古く、いわれの深い貴重なものを言う。利休時代のものを「名物」、江戸時代初期に小堀遠州の選定したものを「中興名物(ちゅうこうめいぶつ)」という。
拝み ( おがみ ) 四板立襖の中央の合わせ目のこと。合掌の形からきた呼び名 (同)拝み合わせ?
拝合わせ ( おがみあわせ ) 四枚立て襖の中央の合わせ目
置き干し ( おきぼし ) (同):敷き干し
奥書 ( おくがき ) 記録・著述などの書物の末尾に書かれている筆写の名前、年月日、書物の由来など。文書の保証・承認の意味をもつ記事が本文とは別の人によって書かれる事もある。
押風帯 ( おしふうたい ) (同):張風帯(はりふうたい)
押し風帯 ( おしふうたい ) 茶掛けなどで白い唐紙を風帯として貼ったものを言う。(同):張り風帯
おぜ ( おぜ ) 襖、屏風などのつがいの見込み部分のこと。
落掛 ( おとしがけ ) 床の間や書院窓の正面上方の小壁の下端にある横木。参照:床の間各部の名称
表づけ ( おもてづけ ) 張り合わせる際に表側に張りついで行くこと。
御物 ( おもの ) (同):御物(ぎょぶつ)
折合釘 ( おりあいくぎ ) 釘がどこに打ってあるかわからぬように、屏風や襖などの縁を打つための曲がった釘。 (同):折合釘(おれあいくぎ)・合折釘(あいおれくぎ)
折帖 ( おれじょう ) (同):折本(おりほん)・折帖(おりじょう)
折本 ( おりほん ) 横に長く継ぎあわせた紙を折り畳んで作った本 (同):折帖(おりじょう・おれじょう)
折合釘 ( おれあいくぎ ) 釘がどこに打ってあるかわからぬように、屏風や襖などの縁を打つための曲がった釘。 (同):折合釘(おりあいくぎ)・合折釘(あいおれくぎ)
折れ当て ( おれあて ) 本紙の折れを防ぐために細く切った和紙で補強すること