GPL 違反 (GPL violation)

  • GPL 違反を糾弾する人たち (無償への盲信と自由への無関心)
    netfilter/iptables を使用している Linux 組み込み機器メーカー 13 社を GPL 違反として吊るし上げています。記事には出ていなかったけれども我が日本を代表するバッファローも 13 社の中の仲間入りです。主催者曰く、台湾からの OEM 品の大概は GPL 違反らしいのだが、取り敢えず上位メーカーを訴えてみました、ってことらしい。
    どの辺りが GPL 違反なのか判断が付かないのだが、無線チップベンダーの中には NDA を結んで開発をしているケースがあり、NDA 部分で source が公開できないケースが生じているというのを見たことがある。そのときのチップメーカーは Broadcom。有り得ない話ではなさそう。netfilter/iptables は無線チップの奥底の仕様が必要であるならば GPL 違反は妥当であろう。
    主催者曰く「究極の目標は、GPLがパブリックドメインでなく著作権ライセンスだという認識を高めていくことだ」とのこと。分からないでもないが、成果物しか欲しがらない乞食ユーザーにとって GPL は重荷にしか見えない理由の一つかもしれない。
    ユーザーの全てが開発に関わりあっているという認識がもてれば GPL の認識も変わろうというものだが、多くは「関わりたくないユーザー」で結局「無償」に行き着いてしまうわけで。
  • GPL を回避する人たち (自分達の信じる自由を守るために)
    BSD ライセンスで公開を続けるため mbstring から mbregex へ使用するライブラリを変更し、ゆくゆくは鬼車への移行を目指すとのこと。PHP では独自に mbstring の問題点を修正しており、それが LGPL の改変の制限に引っかかっているとの見解のようです。
  • GPL を拒否する人たち (彼らなりのコンプライアンス遵守)
    エレコムは、ブロードバンドルーターに GPL で公開されている Linux Kernel を使用しているにも拘らず、Linux Kernel とその変更部分についての Source 公開を拒否し問題になった経緯があります。この事件を契機に GPL はリスクが高いとし「うちの製品にはリナックスは金輪際使わない」と表明しています。カネで解決しにくい GPL はリスクであると判断するのも一つの方針ではないかと思われます*1
    GPL を守ることで自由に使用することを許諾している Linux Kernel も金銭授受により自社の著作権物の使用を認めている自社ライセンスも著作権によって成り立っています。他人のライセンスを軽視する態度はコンプライアンス(法令遵守)としては宜しくないかもしれません。

関連情報

  • GPL、LGPL、GFDL に対する違反行為 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF) (GNU)
    本家の GPL 違反を見つけた時の対処について。FSF の著作権物は FSF へ、それ以外についてはそのソフトウェアの著作権者へ報告すべきとしてあります。著作権は「違反に対して行動を起こす権限があるのは著作権者のみ」である必要があります。
    著作権を保持していない人が著作権云々と喧騒するのは、本来筋違いなのかもしれません。

GPL 違反リスト集

CherryOS の懲りない人たち

開発当初から PearPC のインスパイヤじゃねえか、と指摘されていた CherryOS の備忘録です。なんかもうサイテー。

News


*1 ちなみに現在('06/03)もエレコムはブロードバンドルーターを販売しているようですがファームウェアには GPL 云々の説明は見られません。Linux Kernel 以外の何かをファームウェアとして使用しているのかもしれませんが、それでは安価なルーターは無理なんじゃないか、とつい勘ぐってしまいます。

Last-modified: 2007.07.15 (日) 02:31:12 (6132d)