2003 11/26

性能偏りすぎPC 〜Dual AthlonXP〜

部屋が狭いので
さて、近頃の我が家(というか自分だけだが・・・)のPC事情はUDを中心としたパーツ構成になってしまいいろいろ問題が出てきました。
具体的にいうと、
1.台数だけやたら増える
2.CPUの性能だけはよい
3.メモリがやたら多い
4.東京電力に負可を掛けまくっている
5.冬に向かっているのになぜか部屋が暖かい
等々・・・いろいろあるわけですが、中でも1.の「台数だけはやたら増える」というのが問題でありまして・・・如何せん部屋が 4畳半なのでマシンの置き場に困るようになってしまいました。
使ってるマシンがほとんどATXサイズというのが問題だというのはわかっているのですが (いや、その前に何でそんなに マシンがあるのかという方が問題なのでは・・・) 、MicroATXは静音化するのに手間がかかるのであまり使いたくないんです。 で、解析速度を極力落とさず台数を減らすためにはDualCPUマシンを導入することとなりました・・・って、UDのためにDualマシン投入、 私ゃ何をやっとるんですかね?

CPU選び
2003年の秋現在、Dualで使えるCPUとしては、
Intel PentiumIII
Intel Xeon
AMD AthlonMP
AMD Opteron
こんなもんでしょうか?さすがにXeonやOpteronなど、こんなホームラン級の発熱量があるCPUでDualマシンを組んだ日にゃ爆音マシンになるのは目に見えてますので却下。 てか、それ以前に買えません。高すぎて。残った2つ、PentiumIIIとAthlonですが、まあ、値段と性能、あと私個人のえこひいきによりAthlonで行くことに決定しました。

1つの利点と2つの手間
で、AthlonでDualを組む場合、信頼性を考えるならばAthlonMPですが、動けばいいんです、動けばをモットーとする私にとってはAthlonXPやMobileAthlonXPも視野に入ってきます。 手持ちに同ロットのAthlonXP 1700+が2つあったのでそれを使ってもよかったのですが、丁度MobileAthlonXP 1700+が約4000円とお手ごろ価格で売っていたのでそれを使うことにしました。

駆動周波数1466MHz、定格コア電圧1.45V、発熱量35W、AIRGA0225ということは・・・A-Stepですね。オーバークロック耐性はあまり期待できなさそうです。
正直言いまして、AthlonXP 1700+ B-Step 1.5V(俗に言う苺皿)の方がオーバークロックするにも低電圧化するにも優れてはいるのですが、MobileAthlonXPは L5がクローズされているのでAthlonXPのようにMP化することなくDualで使える(かもしれない)という利点があります。

ちょい突っ込んで話してみますが、ThoroughbredコアのAthlonXP、AthlonMP、MobileAthlonXPのL5は以下のようになってます。( C・・・Close、O・・・Open 数字は便宜上付けたもの)

Mobile AthlonXP 1700+

AthlonXP
AthlonMP
MobileAthlonXP
AthlonをDualで動かすためにはロットナンバーなどか書いてある部分を手前に置いた場合、L5端子の一番右端、図中のL5-3がクローズになっている必要があります。AthlonXPはそこがオープンになっているためコンダクティブペンなどを使い 端子をクローズさせ、マザーのBIOSにAthlonMPと誤認させる必要があります。が、MobileAthlonXPは初めからクローズになっているので加工する手間が省ける、という利点があります。
詳しいことはAthlonのブリッジについての最高峰、ita氏のFab51を参考にしてください。


GA-7DPXDW+
微妙にノースファンレス化
ところが、MobileAthlonXPはL5を加工する必要がないかわり、逆に面倒な部分もありまして・・・

MobileAthlonXPはPower Now!(使用状況によって電圧とクロックを変動させるAMDの省電力化機構)に対応する関係で起動倍率がFSB100MHzの物は5倍、 133MHzの物は6倍に固定されてしまっています。
さらに定格クロックは1.45Vですが、これはあくまでモバイル用として使った場合で、通常のマザーに乗せて使った場合それよりも 高い電圧が印加されます(今回のMobileAthlonXPには実際には1.6Vが印加される)。
ので、マザー上で倍率変更と電圧変更ができない場合、CPU側のブリッジを加工してやる必要があります。
今回用意したGIGABYTEのGA-7DPXDW+は**変更とかいう素敵な機能はありませんので(というか、Dualマザーにオーバークロック機能がないというのは至極当たり前なことなのですが・・・)つまりは結局ブリッジ加工せにゃあかんのね。ハァ ということになります。

電圧は無視、倍率だけ変更
まあ、電圧は1.45V→1.6Vになると消費電力は約2割増しになってしまうわけですが、今回はそれには目をつむり加工はパスしました。
しかし、倍率は変更しないわけにはいけません。いくらなんでも800MHzじゃ低すぎます。
というわけで、まずこのCPUがどのくらいの周波数まで動作するかを倍率変更可能なマザー(A7V333)を使用して検証してみたところ 1.6Vの時に1750MHz(166MHz*10.5)程度という結果になったので1666MHzで動かすことにしました。GA-7DPXDW+はFSB166MHzで動かすことができませんので 1666MHz/133MHz=12.5倍にセットすることにします。

クローズは定石どおり
1.溝を埋める(木工用速乾ボンドを使用)
2.コンダクティブペンでカキカキする
3.乾燥後、テスターで通電してるかどうか調べる
なお、溝埋めとコンダクティブペン使用時には余計なところにはみ出ないようセロテープでマスキングをしました。
ちなみに初めはコンダクティブペンではなく鉛筆でカキカキしたのですがうまくいきませんでした・・・

カットは
1.その辺にあったカッターナイフで少しづつ切る。
2.テスターで通電しなくなるまで1.を繰り返す。

という作業を行います。

いずれの作業も最初はかなり大変かなと思いましたが、案外簡単にうまくいきました。

ちなみにこの加工を行った時点で一切の保障が受けられなくなります。心して掛かりましょう。

L3の右端をカット、真ん中をクローズ

空間の多いDualマシン
さて、加工も終わり、これらをマザーに乗っけてみたところめでたく1666MHzのDualCPUと認識されました。


Unknown CPU Typeとか出ますけどね・・・動けばいいんです、動けば

使用するマザーは何度か出てきているとおりGA-7DPXDW+です。某店でたまに出るGIGABYTEの保守用(と思われる)バルクマザーです。これはそれより先に出たGA-7DPXDWの後継で、Registeredでない通常のメモリが使えるという特徴があります。 まあ、信頼性を考えるならばRegisteredのメモリでしょうが、動けばいい(以下略)
ちなみにマザー上にはGA-7DPXDW-Pと記述があるんで、どうやらこのマザー、2通りの呼び方があるみたいです。
また、似たような名前のマザーにGA-7DPXDW-Cというのがありますが、これはGA-7DPXDWからRAID等を省略したもので メモリはRegistered専用になります。お間違えのないように。
そんなこんなでマザーをケースに組み込み、完成したのが以下の画像です。


CPUは1666MHzのAthlonが2つ付いてます。
メモリはPC2700(まあ実際にはPC2100相当でしか動いていないのだが)1GB積んでます。
まあ、そこそこハイスペックでしょ。ここまでは

・・・普通Dualマシンといえば、10000rpmのSCSIHDDとか、RAIDとかありそうなものなんですが、そんなものは影も形も見当たりません。
こいつが積んでるHDDは20GB、しかも4200rpmの2.5インチHDD一個だけです。
光学ドライブ類は無し。ちなみにFDDは付いてます。ただ、ケーブルは繋がってなく、ただのケース前面の蓋代わりですが。

ビデオカードはS3 SavageIX 8MB。3Dゲームとは全く無縁のカード。FFBenchは起動すらしません(笑

PCIに至っては何も刺さってませんし。64bitPCI?何それ?

でも音は静かですよ。CPUファン、ケースファンとも1600rpmですから。

自分で言うのも何なんですが、こんだけスカスカのDualCPUマシンというのも珍しいのではないでしょうか?
まあいうなれば
ホームランを40本打つが打率が1割の野球選手
といったところでしょうか?


でもいいんです。
UDしかやらせないのだから
↑そもそもそれがおかしいような・・・まあ、いいか


1/25 追記
その後結局CPUをAthlonXP1700+(苺皿)に変えてしまいました。
だってOC耐性良いんだもん。周波数は1666MHz→1866MHzと上がったにもかかわらず、Vcoreを1.35Vに下げているため、MobileAtnlonXPを使った時より低発熱で済みますんで。
で、余ったMobileAthlonXP*2は・・・どうしましょうか?傷モノだから売れないしなぁ・・・ということでジャンクM/Bの起動確認や各テストに使われることになりました。
2/5追記
さらにその後CPUクーラーを2つともPAL8045に変えました。
CPU0側はコンデンサと干渉するためそのままでは取り付け不可ですが、干渉する部分を糸ノコでガシガシ切り落とせば乗ります。
PAL加工部分 2つもPAL8045になりました。
BACK
inserted by FC2 system