Midori Nishiura
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「生誕150年 黒田清輝-日本近代絵画の巨匠」内覧会に招かれ行ってきました。東京国立博物館・平成館にて

2016年3月23日

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日本の洋画界に大きな影響を与えた明治の巨匠、黒田清輝画伯の生誕150年を祝し、特別展が東京国立博物館・平成館にてオープンしました。オープニングセレモニーがちょうど終わったところに遅れて到着しましたが、来館者で満員状態だったことからしても、根強い黒田人気がうかがえます。
18歳でフランスに法学を学ぶため留学するも、開催中のサロンを見学、多くの洋画家たちと交流する中、自身の才能を開かせていったわけです。
鹿児島出身、6歳のときに麹町平河町にある養父・清綱の家に移り住んだとはいえ、18歳でパリを目の当たりにしたときは、衝撃的感動を覚えたと思います。

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20歳頃だったと思いますが、周囲のすすめもあって、画学修業を志、最初の師、コランに入門してアカデミズム絵画を学びました。この裸婦「フロレアル・花月」は、恩師ラファエル・コランの描いたものです。
いつものとおり、主催者の了解のもと、少しでもたくさんの方々に来場していただくためのPRとして、数点だけここに紹介いたします。
「フロレアル」は、黒田がコランに入門した年に描かれていて、サロン発表時に、国家買い上げとなった名作。コラン作品の中でも、私も大好きな作品です。モデルさんが、とっても楽しそう!柔らかな芝生の上に裸で寝転んだらどんなにイイ気持ちいかしら・・・。

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師匠コランの「フロレアル」、あるいは、「眠り」に若い頃、触発され、それを後年、描いたのではと思わせるこの「野辺」は、黒田画伯が41歳のときの作品です。

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最後に、黒田画伯が46歳のときに完成させた一枚。黒田夫人(照子さん)ですが、題名は「婦人肖像」。
外出のため着替えたら、その姿を見て描き始めたそうです。視覚的に触発されるものに遭遇して、はじめて絵筆をとるタイプで、あれこれ考えてから描く画家ではなかったそうです。
この特別展では、黒田作品だけでなく、師匠たちの作品、ならびに同年代の画家たち、弟子たちの作品も一同に展観しています。どれも、じゅうぶん見応えがある作品多数です。ぜひご覧ください!

黒田画伯は、関東大震災の次の年、58歳の若さで生涯を閉じました。

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