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Dクリニック
用途
医院、住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
施工
清水建設、ソーセツ、桜田電設
敷地面積
619 ㎡
建築面積
227 ㎡
延床面積
999 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2002.
備考
廣村デザイン事務所、藤塚光政、堀智恵子建築設計事務所
ESSESギャラリー
ESSESギャラリー
用途
ギャラリー
設計
内装のみ 山本理顕設計工場
施工
菊地原事務所
竣工
1984.
FRCビル計画
FRCビル計画
GAZEBO
環状7号とか8号とか、あるいは甲州街道だとか、なんでもいいのだけれども、もっぱら通過交通だけのために整備された街並みというのは日本中どこも似たり寄ったりだと思うのだ。〈住む〉ということとは違う、もうひとつ別の原則によって街が構成されているんじゃないかとすら思えるほどである。
 〈住む〉側から見れば、それ以外の〈住む〉こととは無縁な場所は前面の幅の広い道路だとか、街並みだとかを含めた、今、“都市的”と呼んだ、そっちの側に属する場所であるように見える。この建築でいえば、下の階の店舗も貸事務所も貸アパートも、すべては都市的な原則によって組み立てられたものの一部であり、そうしたものの上に〈住む〉場所が乗っている。比喩的にいえば、地形みたいなものである。都市という地形の上に〈住む〉場所が乗っているという言い方もできる。
用途
店舗、事務所、共同住宅、住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
コジマ設計
設備
日宝工業
施工
青木建設
敷地面積
229 ㎡
建築面積
210 ㎡
延床面積
664 ㎡
構造規模
RC造+S造
竣工
1986.3
HAMLET
3世代4世帯住宅の集合住宅である。つまり、3人の兄弟とその両親の、計4世帯の集合住宅である。両親から孫までの3世代の大家族住宅である。
 この住宅の周辺でもかつては実現していた、緩い地縁的なつながりも、今では壊滅的に崩壊してしまった。商業ビルに侵食されて、ぽつぽつと残った住宅地に住んでいる人々の思惑もそれぞれで、この場所にこれからもずっと留まって住もうと思っている人なんて、きっといないに違いない。いずれは、この人たちだけが孤立するだろうと思う。だからこそ、彼らはこういう集まって住む住み方にこだわったのである。
 ところが、集まって住むためのモデルがない。これは、だから建築的な解答ではなく、住み手の過激さに依存して、ほとんど偶然のように出来上がった〈集合住宅〉だと思っている。   
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
中野組
敷地面積
499 ㎡
建築面積
233 ㎡
延床面積
561 ㎡
竣工
1988.6
ROTONDA
多少の大きさの違いを別にすればと全く同一の性格をもった建築である。1階が駐車場と店舗、2階が貸事務所、3階が貸アパート、4,5階が住宅である。
 前面の巨大な道路は国道一号である。こうした巨大な道路のすぐ傍らに住む、それがこの雑居の形式を選ばせているのだと思う。この雑居の仕方以外に住む、その住み方が思い浮かばないのである。これが一般解なのだ。多分。
ROTONDA
用途
店舗、事務所、共同住宅、住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
コジマ設計
設備
団設備設計事務所
施工
松村組
敷地面積
266 ㎡
建築面積
230.4 ㎡
延床面積
849.4 ㎡
構造規模
RC造+S造
竣工
1987.3
D5区画 プロジェクト
D5区画プロジェクト
竣工
2009.
備考
進行中
アムステルダムの集合住宅
この集合住宅は、アムステルダム市ゾイド駅周辺の開発計画のひとつである。ヨーロッパ、アメリカ、日本から建築家が招かれ、駅南側のガーシュイン地区に、延床面積約71、700m2の住宅、オフィス、商業施設が計画された。私たちが担当したのは、身体障害者のための住宅を含む129戸の公営の賃貸集合住宅である。参加する建築家の人数だけでも9人。しかも、海外からも集まるため回数は限られるが、建築家、デベロッパー、アムステルダム市の開発担当者などによるワークショップによって計画が進められている。
 アムステルダムの公営賃貸住宅は、スケルトンの状態で供給され、借主が内装やキッチンなどの設備の取りつけを行うことが一般的である。そこで私たちはオランダでもっとも一般的に行われている工法を採用した。コンクリート薄肉の壁と床による7.5mスパンのトンネル状の構造システムである。このスパンを半分に分け、片方をSOHO、リビングルームなどとして使う「フリーエリア」、もう一方をキッチン、浴室、寝室などの「サービスエリア」としてさまざまな用途の可能性をもつプランを提案した。ファサードは、ガラスと開閉可能なルーバーで構成する。住宅の「サービスエリア」側のテラスにはルーバーを取りつけ、寝室を外からの視線や騒音から守り、「フリーエリア」側はなるべくオープンなガラスウォールとする。
アムステルダムの集合住宅
竣工
2007.
エコムスアルミニウムプロジェクト
エスユウエスというアルミフレームを用いた精密機器等の製造会社の依頼で始まったアルミニウム構造による建築の開発プロジェクトである。工場でできるだけ完成品に近いユニットを製作し、現場での作業をなるべく減らすことが、工期短縮、コストの削減につながる。そこで、工場で1,200mm角のパネルを製作し、現場での加工がなく、ボルト締めのみで組み立てられるシステムを提案した。アルミニウムの建築を開発するにあたって目標としたことは、アルミの特性を生かし、鉄骨では実現できない新しい構造の表現を探るということであった。アルミ押出材で構成された構造壁というアイデアを実現するためのさまざまな接合方法が考えられた。基本的には先端にはめ合い接合の仕口をもったX形押出し形状の連続である。アルミ住宅は、実際にまずはモデルハウス(エコムスハウス)として九州鳥栖に建設された。
用途
エコムスファクトリー:工場・オフィス、 エコムスハウス:モデルハウス
設計
山本理顕設計工場
構造
飯島建築事務所
設備
総合設備計画
竣工
2004.6
備考
廣村デザイン事務所
エコムスパビリオンSUS福島
用途
展示場、事務所、工場
竣工
2005.
オルドス(内モンゴル)普秦貨城工程
用途
オフィス、ホテル、集合住宅
延床面積
200000 ㎡
構造規模
RC +S造
竣工
2009.9
備考
進行中
ガラステーブルデザイン
山本理顕設計工場では、事務所内での打ち合わせに、図面を投影できるガラステーブルが活躍している。
 ガラス面の反射を抑えた「無反射ガラス」に半透明のフィルムを挟み込んだテーブルは、3年前に「北野共生システムプロジェクト研究所」の設計を手掛けた際に施主やメーカーと共同で開発した。プロジェクターでパソコンの画面を下から投影することによって、紙の図面を机の上に広げるように、映像を囲んで打ち合わせができる。ガラス面には、ホワイトボードのように水性ペンで書き込むこともできる。
 打ち合わせで自由に書き込めて、その場で図面を修正できることが一番のメリットだ。特に外部事務所との打ち合わせでは、その場でものごとが決まり、決定のスピードがアップする。図面を壁に投影したりモニターをのぞき込んだりしながら話すのと、映像を囲んで互いの顔を見ながら話すのとでは、コミュニケーションの取り方が全く違ってくる
ガラステーブルデザイン
竣工
1998.
きらら光ヶ丘店
きらら光ヶ丘店
用途
飲食店
設計
山本理顕設計工場
構造
コジマ設計
設備
団設備設計事務所
施工
大林組
敷地面積
1095.72 ㎡
建築面積
233.9 ㎡
延床面積
233.9 ㎡
構造規模
S造
竣工
1986.
備考
飯島直樹デザイン室、 スーパーポテト
ドラゴン・リリーさんの家
これはドラゴン・リリーさんとその家族のための家である。
敷地は、低層でゆったりとした密度のまちの一角に位置する。周囲には、庭付きの一戸建てが建ち並び、所々に大きな工場もある。線路沿いの並木道に面した見通しのよい角地である。ここに、内側にくぼんだ形の5枚の曲面壁を立ち上げる。これら5枚の壁に囲まれる “ラウンジ”と呼ばれる場所は、外に向かって放射状に手を伸ばし、曲面の壁を伝ってなめらかに外の世界とつながっている。一方、曲面壁の裏側、つまり、曲面壁の凹み側は、ダイニングキッチンやベッドルーム、ガレージなどの諸室であり、これらも曲面の壁に沿って外に向かう。そして、建物外周はぐるりと引違いのガラス戸で囲まれる。
用途
住宅 
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
団設備設計事務所
敷地面積
330 ㎡
建築面積
197 ㎡
延床面積
197 ㎡
構造規模
S造
竣工
2008.10
備考
家具:山本理顕設計工場 藤森泰司アトリエ
照明:山本理顕設計工場 岡安泉照明設計事務所
カーテン: NUNO
Copyright:山本理顕設計工場
ナミックステクノコア
半導体基盤のための塗料を製造する企業の新研究所である。
敷地全体に実験室を配置する。実験室の屋根を緑化し、研究者のための屋上庭園とするとともに、実験室での空調負荷を極力小さくしている。屋根の上に、全く違うシステムの構造体を乗せる。半径が最大で7メートルある逆円錐状のコマのような構造体を平面的に3つ集めることで、お互いにもたれ合うシステムである。半径の違うコマをいくつか繋げてできたテーブルのような構造体を2層積み、上1層にオフィスをつくる。コマの支点部をピン接合とすることで水平力をキャンセルし、ピン先端部の円形断面をφ200mmにすることができる。外周に柱の全くない構造体が宙に浮いているように見える。
用途
研究所
設計
山本理顕設計工場
構造
Arup Japan
設備
日永設計
施工
大成建設
敷地面積
21.367 ㎡
建築面積
6.894 ㎡
延床面積
8.844 ㎡
構造規模
S造
竣工
2009.10
備考
空調技術協力:ダイダン
照明:岡安泉照明設計事務所
サイン:廣村デザイン事務所
カーテン:NUNO
Copyright:藤塚光政
パンギョ・ハウジング
大韓住宅公社が2006年2月に低層ヴィラの国際指名設計競技を行い、ペッカ・ヘリン(フィンランド)、マーク・マック(アメリカ)と私たちが設計者に選定された。
 私たちは大きく二つの提案をした。
 一つは建築をクラスター状に配置する事である。敷地内には9つのクラスターがあり、各クラスターは3又は4階建ての住戸が9〜13戸集まってできている。
 もう一つは各クラスターの2階レベルにパブリックな「コミューナルデッキ」をつくり、「しきい」(ハングルでは「マル」)と呼ばれる透明な空間で各住戸と結んだ事である。「しきい」は大きな玄関のような空間で、応接間・ホームオフィス・アトリエなど様々な用途に使える、周辺環境と一体化した空間である。
用途
集合住宅
設計
山本理顕設計工場+建園(韓国協力事務所)
構造
構造計画プラス・ワン
設備
総合設備計画
施工
ハニャン建設
敷地面積
29135 ㎡
建築面積
14.000 ㎡
延床面積
34.000 ㎡
構造規模
RC,+S造 
竣工
2010.11
備考
Copyright : 佐武浩一
バンビル
HO(ホームオフィス)・ユニット集合住宅の入口周辺をもっと自由にしたい!

 今、東雲で公団の集合住宅の計画にかかわっている。私たちは、住宅の入口周辺をできるだけフレキシブルにつくりたいと思った。もし、ここをたとえば事務所やギャラリーのように使うのだとしたら、必ずしも鉄の扉にこだわらなくてもいいわけである。できれば透明な素材を採用したい。そうすると、従来までは入口周辺にあったサニタリーや台所のような水回りをできるだけ入口から見て奥のほうに(つまり窓側に)もっていきたい。そのほうが遥かに入口周辺が自由になるからである。そのもっとも条件のよいと思われているところを水回りにするという、従来とはまったく違う提案をしたのである。
 たまたま新潟でワンルームマンションの計画の依頼があった。そこで実験してみたらどうかと思ったのである。それを建設会社兼企画会社に話したところ、面白いじゃないかという話になった。絶対行けるというのが彼らの意見だった。実際、完成してすぐにすべての部屋が埋まってしまった。風呂場経由の採光はまったく問題がない。思っていたよりも遥かに明るい。この配置はホームオフィスのためのユニットとして十分に可能性があると思った。
(新建築2001.11より抜粋)
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
団設備設計事務所
施工
吉田組
敷地面積
278 ㎡
建築面積
214 ㎡
延床面積
1565 ㎡
竣工
2001.5
備考
建築:吉田組
設備・空調:大二工業
電気:石橋電業
サイン:廣村デザイン事務所
フジヰ画廊モダーン
フジヰ画廊モダーン
用途
画廊
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造設計事務所
設備
団設備設計事務所
施工
水澤工務店
延床面積
88 ㎡
竣工
1987.8
備考
照明計画:ウシオスペックスMR
マルフジ小作店
マルフジ小作店
用途
物販店舗
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
施工
前田建設
敷地面積
2386.92 ㎡
建築面積
1395.31 ㎡
延床面積
1505.31 ㎡
構造規模
S造
竣工
1987.11
備考
建築:前田建設 設備:東洋企業 電気:角田電業社
マルフジ南田園店
用途
物販店舗
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGRO建築構造事務所
施工
桝屋建材
敷地面積
1.374 ㎡
建築面積
1.176 ㎡
延床面積
1.243 ㎡
竣工
1986.
備考
インテリア:タイムマシン TARO
宇都宮大学オプティクス教育研究センター
光学技術の研究・教育のための施設である。
「光」に関する先端的な研究・教育の拠点となるこの施設において、それを象徴するシンボルのようなファサードデザインが求められた。ファサードは、建物本体の外壁から持ち出したワイヤーに、100mm角のステンレスプレートを市松状に吊るしている、とてもシンプルなものである。ステンレスプレートの表面には鏡面仕上げが施され、周りの風景が映り込む。厚さ0.5mmの薄いプレートは、その一辺でワイヤーに吊るされているだけなので、風が吹くとゆらゆらと揺れる。わずかに角度が振れるだけで映り込む風景が変わり、季節や光のあたり方、風の流れの変化によって様々な表情を見せる。
用途
大学
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
171.166 ㎡
建築面積
504 ㎡
延床面積
1.984 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2009.10
備考
Copyright: 山本理顕設計工場
横須賀美術館
敷地は北側が海に面し、三方を山に囲まれた横須賀に特徴的な谷戸状の地形をしている。このランドスケープと一体になった美術館とするために、大部分の建物ボリュームが地下に埋込まれている。さらに臨海部の厳しい自然環境に対する解答として、外周部にレストランやワークショップと言った開放的な施設、中心部にデリケートな展示・収蔵施設というように、何重にも入れ子状になったプランニングである。展示・収蔵棟を覆う、ガラスの外皮と鉄板の内皮の二重のシェルターは、自然光をコントロールするための装置であると同時にその二重のシェルターが大空間を支える構造システムになっている。来館者はこの巨大なシェルターで覆われた内部空間を巡りながら、アートを媒介とした様々な出来事を体感することができる。
用途
美術館
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
総合設備計画
施工
鹿島建設横浜支店、ダイダン横浜支店、東電同窓電気、川久保造園土木
敷地面積
703.646 ㎡
建築面積
4.234 ㎡
延床面積
12.095 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
2006.
備考
建築:鹿島建設横浜支店
機械:ダイダン横浜支店
電気:東電同窓電気   植栽:川久保造園土木

創和計画、GAヤマザキ、安宅防災設計、廣村デザイン事務所、ヤマギワPDC、高輪建築事務所、近藤デザイン事務所 
横浜港国際客船ターミナル(大桟橋)
横浜港国際客船ターミナル(大桟橋)
竣工
1995.
備考
国際コンペ(優秀賞)
横浜市営住宅(三ツ境ハイツ)
民間の木造住宅群の中に埋め込まれるような計画である。だから、できるだけ低層に押さえたいと思った。それと、開発申請をしないで計画を進めたいということもあって、従来までの道路の位置の変更、宅地の形状の変更は一切しない。それまでの道路、宅地がそのまま残るわけである。でも、それもこうした住宅地では重要なことだと思った。できるだけ過去の記憶を残すように計画したい。
 既存の道路に囲まれた宅地形状の影響もあって、多くは10世帯を単位にするような、囲み型の計画になった。10世帯で一つの庭を共有する。共有された庭にはワゴン車が一台入れるほどのスペースが用意されている。将来、住民に対する介護や看護が必要になった時に、そのためのサービス車がここに寄り付くことができるように考えたからである。あるいは、民間のデリバリーサービス車もこの車寄せを利用する。単身もしくは二人住まいの高齢者の多くが接地階に住むことを想定しているので、この中庭に設けられた車寄せはかなり有効に働くと思う。
(GA JAPAN48)
用途
共同住宅(公営)
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
団設備設計事務所
施工
相鉄・第一建設共同企業体
   中和田・高尾建設共同企業体
   関・司建設共同企業体
敷地面積
12.625 ㎡
建築面積
4.704 ㎡
延床面積
7.600 ㎡
竣工
2000.3
横浜動物の森公園サバンナゾーン レストラン他
用途
飲食店、事務所、展示施設等
敷地面積
1030881 ㎡
建築面積
1000 ㎡
延床面積
1000 ㎡
竣工
2013.07
横浜博覧会:高島町ゲート協会施設

用途
仮設建築
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造事務所
設備
大瀧設備事務所
日本建築設備設計事務所
施工
東海・和同・関建設共同企業体
建築面積
5500 ㎡
延床面積
5300 ㎡
構造規模
仮設資材組立
竣工
1989.
岡山の住宅 2
岡山の住宅 2
用途
住宅
敷地面積
692.25 ㎡
竣工
2001.
岡山の住宅
岡山市内に建つ両親と子供1人の3人家族の住宅である。市内といっても、周りには田畑が残る田園風景の中の住宅である。
 約500m2という広い敷地に、中庭を囲む形式で個室・厨房・浴室がそれぞれ離散的に配置されている。そして、それぞれの部屋の前には、その部屋よりも大きな面積の巨大な庇で覆われたテラスが付属している。つまり、テラスが生活の中心になるような計画である。
(『新建築 住宅特集 JAhouse』1993.01より抜粋)
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所 
設備
団設備設計事務所
施工
橋本興産
敷地面積
507.33 ㎡
建築面積
166.37 ㎡
延床面積
166.37 ㎡
構造規模
W造  一部S造
竣工
1992.
下泉地区センター
地区センターと地域ケアプラザの複合施設である。地区センターは、地域住民のためのコミュニティ施設で、図書コーナー・プレイルーム・体育室・料理室・会議室などをもち、地域ケアプラザは、在宅で介護を必要とする高齢者に対するデイサービス(食事や入浴のサービス等)を提供し、また地域の福祉・保健活動の拠点の場となる福祉施設である。
 中庭という外部空間をその敷地の中心に設け、内部空間は周辺にではなくその中庭に対し開放的にすることを決定していった。その中庭は単なる庭としてではなく両施設の緩衝帯あるいは交流の場としての空間である。その上部にルーバーを張り巡らすことにより、視覚的にも内部化された環境をつくり出し、また冬はスリットから日差しを取り入れ、夏は直射日光を遮る環境装置としての役目をもたせた。ふたつの施設の間にこうした空間を設けることにより、別の機能をもった施設が密接し一体の建物として認識されていくことを期待している。
(新建築1997.04より抜粋)
用途
地区センター
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
桜井システム
施工
大洋建設
敷地面積
3.887 ㎡
建築面積
1.920 ㎡
延床面積
3.106 ㎡
構造規模
RC造
竣工
1996.12
仮称-小田原城下町ホール
小田原城址のお堀に面した敷地に計画されるホールは、基本1360席のメインホールと最大300席のサブホール、誰もが自由に入ってくることができるオープンロビーや練習室等で構成されている。メインホールは、クラッシクコンサート時の音響性能を重視し、音の拡散に有効な凸型のHPシェル形状をした8枚のかべによって構成されている。可動プロセニアムを設置することで通常の劇場形式となる一方で、舞台上の演奏者を囲むように客席を配置することでアリーナ状のコンサートホール形式にもなる。
(仮称)城下町ホール
用途
市民ホール
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
総合設備計画
敷地面積
5806 ㎡
建築面積
4127 ㎡
延床面積
9413 ㎡
竣工
2005.
加茂町文化ホール
加茂町文化ホール設計競技応募案
用途
文化ホール
竣工
1992.
海の家
海を望む緩やかな傾斜地に計画される長期滞在型のホテルである。
眼前に海が迫り、夕日が非常に美しいこの場所では、徹底的に外に対して開くということが主題となる。
5.75m×5.75mの正方形平面を組み合わせた客室棟を、敷地の形状に合わせて雁行させながら千鳥格子状に分棟配置すると、客室からの海への眺望が確保されるとともに一階の屋外デッキが緩やかに分節される。
屋外デッキスペースは開放的な一階の客室と一体となり、海を享受するための様々なアクティビティを許容する。外部の環境、特に海との繋がりを意識して二階、三階の客室にはできる限り大きな開口を設けている。
このホテルは海との親密な関係の中ではじめて成立する海の家である。
海の家
用途
ホテル
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
総合設備計画
敷地面積
1847.63 ㎡
建築面積
356.13 ㎡
延床面積
1837.13 ㎡
竣工
2006.
葛飾の住宅
葛飾の住宅
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
長野工務店
敷地面積
164.71 ㎡
建築面積
98.33 ㎡
延床面積
130.56 ㎡
構造規模
W造 一部S造
竣工
1992.1
鎌倉の住宅
鎌倉の住宅
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
敷地面積
365.84 ㎡
建築面積
127.83 ㎡
延床面積
155.91 ㎡
官園集合住宅
北京の西二環に位置する、集合住宅と低層店舗の計画である。
西二環は「金融街」という新しいオフィスビルエリアと四合院の保護区が混在するエリアであり、
敷地周辺は様々なビルディングタイプの建築で囲まれている。
280m×90mという南北に細長い敷地に高さに変化のある細長い5棟の高層棟を南北軸に沿って分散配置する。
敷地中央には+1.8mから-5.5mまで緩やかに変化する大きな広場があり、地下と地上を一体的につないでいる。
起伏をもったランドスケープと連続するように建築の中に入り込んだ路地空間は、さらに2階へと立体的に展開している。
大きな広場と立体的な路地を外部に開放することで、周辺の環境と関わり合う、新しい都市環境を作り出していく。
用途
共同住宅、店舗
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
東洲際設備有限会社
敷地面積
24.532 ㎡
建築面積
9.342 ㎡
延床面積
138.600 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2008.6
岩出山中学校
今までの三つの町立中学校を統廃合して、まったく新たな統合中学校を創立する。建築をつくることが、教育のプログラムを変えることであり、過疎化しつつある町を活性化させることであり「学問のまちづくり」というこの町のキャッチフレーズを実現することである。
 私たちは生徒たちのための場所を各系列とはまったく別のものとして扱った。ロッカールームを「生徒ラウンジ」と読み変え、多目的ホールを「生徒フォーラム」と読み変えてその二つの場所が一体になって、巨大なアトリウムを構成している。このアトリウムがこの学校の中心部分であるような動線計画になっているわけである。中学校は単に教育のための場所であるだけではなくて、彼らが三年間共同生活をする場所である。その共同生活の中心部分がこの巨大なアトリウムである。
 もう一つ、このコンペで特徴的だったのは、町の人たちのための施設でもあるということが積極的にうたわれていたことである。
(GAJapan21より抜粋)
用途
中学校
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
団設備設計事務所
施工
松村組東北支店
敷地面積
201.811 ㎡
建築面積
6.757 ㎡
延床面積
10.879 ㎡
構造規模
RC造、S造
竣工
1996.3
備考
家具:ホウトク
電気:ユアテック古川営業所
設備:トーヨコ理研東北支店
エーワークス 榎本文夫アトリエ H.デザインアソシエイツ 廣村デザイン事務所
駒ヶ根市文化公園(仮称)
駒ヶ根市文化公園(仮称)施設群
竣工
1984.
備考
コンペ
窪田邸
1番下の入口は子供たち家族の者のため、2番目は勝手口つまり台所に連がる入口であり、酒屋さんがビールを持ってくるところ、3番目が玄関で、客間への入口である。そして1番上はホテルの1室を切りとってここへ持ってきただけといったような、お客さん用の寝室への入口である。
 仕事柄外国からのお客さんも多いため、そうした人たちを接待し、あるいは打ち合わせするための場所の占める面積がどうしても多くなる。必然的に家族室の面積が小さくなってしまう訳だが、昔の茶の間に比べればこれでもまあ何とかなるのではないだろうか。ご主人が居ないときには、家族室の小さなカウンターでテレビを見ながら食事をしているという話だ。   
(新建築1978.08)
窪田邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造設計事務所
施工
門脇建設
敷地面積
107.22 ㎡
建築面積
66.41 ㎡
延床面積
177.26 ㎡
構造規模
RC造
竣工
1978.3
備考
設備:日成工業
電気:門脇電気
家具:タナベ
子供室家具:エンドウ総合装備
熊谷市第2文化センター
熊谷市第2文化センター
敷地面積
29320 ㎡
建築面積
6494 ㎡
延床面積
10662 ㎡
竣工
1994.
備考
コンペ
熊本県営保田窪第一団地
「くまもとアートポリス」の一環として1988年7月にスタートしたこのプロジェクトは、90年4月に1期工事が、そして91年9月に2期工事と集会室が竣工し、91年11月に中央広場を含む植栽工事が完成した。

 110戸からなるこの集合住宅は、3つの住棟と集会室が中央広場を囲む構成となっている。中央広場は敷地内の単なる空きではなく、生活の場としての積極的な意味づけがなされている。
 この完全に閉じられた中央広場に入るためにはふたつの方法しかない。ひとつは住戸内を通過して中央広場に入る方法、もうひとつは集会室を通過して中央広場に入る方法である。つまり単に通過するためにのみ、また無目的に外部から中央広場に入ることはできないようなシステムになっているのである。
(新建築1992.06より抜粋)
用途
県営住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
建築 和久田建設(I期・西棟)、高橋建設(I期・北棟)、
      三津野建設(II期・東棟)、安田建設(集会室)
   設備 上田商会(I期・西棟)、熊本電気設備(I期・北棟)、
      上田商会(II期・東棟)
   電気 高浜電工社(I期・西棟)、春日電気(I期・北棟)、
      白鷺電気(II期・東棟)
敷地面積
11.184 ㎡
建築面積
3.562 ㎡
延床面積
8.753 ㎡
構造規模
RC造
竣工
1991.8
備考
造園 エキープ・エスパス
造園 翠松園(I期)、タカハマ緑幸(II期)
その他 西部ガス、協電機工
公園レストハウス
公園レストハウス
用途
休憩所
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
1370 ㎡
建築面積
1580 ㎡
延床面積
1580 ㎡
構造規模
S造
竣工
2000.11
公立はこだて未来大学
オープンスペース=オープンマインド

 「複雑系科学」と「情報アーキテクチャー」という二つの学科を持つ情報系の大学である。私達は、建築の設計事務所、あるいは大学の建築学科のスタジオのような空間を提案した。この二つの学科の学生や研究者たちの実質的な作業形態が、私達が建築を設計する時の作業形態に非常に似ていると思ったからである。
 一人で考えたいとき、チームで活動したいとき、様々な場面が自在に展開できるような空間である。その自在な空間を「スタジオ」と呼ぶ。そのスタジオのすぐ横に先生たちの研究室がある。研究室とスタジオとの間は透明ガラスで仕切られて、お互いの様子が分かるようになっている。オープンな構成は、コンピュータワークを中心とするような大学だからこそ、人と人との直接的な関わりがさらに重要だろうと思ったからである。
 「オープンスペース=オープンマインド」、この大学のキャッチコピーである。
(GA Japan46より抜粋)
用途
大学
設計
山本理顕設計工場・アジア航測設計共同企業体
構造
木村俊彦構造設計事務所
設備
総合設備計画
施工
建築(1工区)大成建設・千葉建設・加藤組土建・伊藤組土建・澤田建設・田畑建設・三光工業共同企業体(2工区)清水建設・平林建設・徳建設・石井組・和工建設・戸沼建設共同企業体
   電気 大倉電気・梶原電気工業・日本電機保全・ユタカ電機・青函電気共同企業体
   空調 大明工業・池田煖房工業・川股設備工業・旭栄工業・石武工業・環境科学研究所共同企業体
   PC工事 黒沢建設
敷地面積
166.403 ㎡
建築面積
13.287 ㎡
延床面積
26.839 ㎡
構造規模
PC造  一部RC造、S造
竣工
2000.1
備考
音響設計:永田音響設計
造成・外構設計:アジア航測
外構設計協力:SANAA
防災:安宅防災設計
積算:高輪建築事務所

家具サインプロデュース:エーワークス
家具デザイン:近藤康夫デザイン事務所、リーディング・エッジ・デザイン
サインデザイン:廣村デザイン事務所
テキスタイルデザイン :田口デザイン事務所
公立はこだて未来大学 研究棟
「公立はこだて未来大学」の増築計画である。すべての活動がオープンでフレキシブルな大空間で行われる既存本部棟校舎に対し、研究棟は研究活動により特化された、小さな空間が集合した施設である。「情報アーキテクチャ学科」「複雑系学科」で構成されるこの大学では、多岐に渡る研究分野の垣根を超えて研究グループ=クラスターが結成され、またそのクラスターは数年毎に再編成される。こういったクラスターの更新に対応出来るよう、各室は細長い実験室を挟んで向かい合い配置されている。
??研究棟の特徴は、フラットバーを菱形のトラス状に組んだフレームに三角形のキャストガラスやスチールパネルをはめ込んだ「格子壁」である。「格子壁」は建物全体を支える構造体であると同時に、各部屋相互の関係を調整する自由な開口率を持った間仕切り壁である。また格子壁には研究上必要な実験機器やプレゼンテーションボードを自由に取りつけることもでき、家具のような役割ももっている。
??「格子壁」が細かいモジュールにより構成されていること、スチールパネルの配置が緩やかなグラデーションのようにレイアウトされていることによって、研究棟のファサードは、建物のスケールや部屋の機能から独立した、自由な表現を獲得している。
用途
大学
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
総合設備計画
施工
加藤組土建・清水建設・石井組・小鹿組・中野組 JV
敷地面積
155.023 ㎡
建築面積
3.162 ㎡
延床面積
4.383 ㎡
構造規模
S造 一部RC造
竣工
2005.3
備考
総合設備計画:函館建築設計監理事業協同組合、島田電気設計事務所、おおつか都市環境設計室、高輪建築事務所、
札幌市立高等専門学校、ワンダー・アーキ、廣村デザイン事務所、永田音響、ディー・ピー・インターナショナル
広島市西消防署
外部への開放性
 消防署のさまざまなアクティビティが、外部からも見えるような建物としたい。ガラスのルーバーで被われた透明なヴォリュームが我々の一貫したイメージであった。

内部での開放性
 訓練が行われるアトリウムを中心とし、上下左右に各施設が配置されている。ガラスで仕切られた空間と壁で囲われた箱の空間を組み合わせるシステムで建物全体を構成している。

地域社会への開放性
 4階の展示ロビーと見学テラスは自由に入れるスペースである。
 見学テラスはアトリウムの中心部まで入っていくことができ、さまざまな訓練活動、事務室での執務の様子、可動床をもつ講堂でのレクチャー、救急教育センターでの実習風景などを見渡すことができる。毎日のように訪れてくる地域の人たちに、消防職員が自分たちの仕事を案内してまわる光景をみて、消防署という施設は地域社会を形成してゆく上で、きわめて重要な役割を担うべき施設だったと改めて感じている。
(新建築2000.07より抜粋)
用途
消防署
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
総合設備計画
施工
佐藤・上野谷・大起建設工事共同企業体
敷地面積
1.712 ㎡
建築面積
1.326 ㎡
延床面積
6.245 ㎡
構造規模
S造 SRC造
竣工
2000.3
備考
設備:総合設備計画
防災:安宅防災設計
積算:團建築積算事務所
音響:永田音響設計
サイン:廣村デザイン事務所
佐藤邸
佐藤邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所
施工
吉原組
敷地面積
445.29 ㎡
建築面積
170.28 ㎡
延床面積
216.22 ㎡
構造規模
RC構造
竣工
1984.1
砂丘博物館(仮)
砂丘博物館(仮)
備考
設計業務技術提案競技(優秀賞)
埼玉県近代文学館・桶川市民ホール(仮称)
埼玉県近代文学館・桶川市民ホール(仮称)
用途
文学館・多目的ホール
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
団設備設計事務所
敷地面積
9391.05 ㎡
延床面積
10966 ㎡
構造規模
RC造 一部S造
竣工
1993.
備考
コンペ 設計競技
埼玉県立大学
埼玉県立大学は、99年4月に開校した看護福祉系の四年制新設大学と短期大学とが併設された大学である。この大学は、医療の高度化・専門化がすすむ一方で、地域に根ざした福祉サービスの前線においても他分野の人と連携した実践活動ができる人材の養成を目的としている。この分野を研究し教育する場では、従来の学部や学科という枠組みをまたぐような建物の使い方が望ましいだろうし、時間が経つにつれて実際そのような使い方が進行するだろう。設計するうえでは学部や学科の固有性を完結させたり閉鎖的にする方法は、この大学の場合は適切でないと思われた。そして多くの大学キャンパスに見られるような分棟方式とせずに、配置計画において学科の違いを敢えて分けない一つの建物として提案した。
 一つの建物として設計が始まったが、途中でそれぞれの場所ごとに対応しなければならない様々な問題や取り合いが生じた。しかし、コンペで提案した基本的な配置計画と構成方法の考え方に基づいて、デザイン的にも技術的にも個別の解決方法を取るのではなく、建物全体の中での相互関係の決定ができるだけ明確になるようシステマティックに見える方法を採用した。その結果、この大学は都市基盤があたかもそのまま建ち現れたような風景をつくりだす建築になったのだと考えている。
(GA Japan39)
用途
大学
設計
山本理顕設計工場
構造
織本匠構造設計事務所
構造計画プラスワン
設備
総合設備計画
施工
施工 大学棟工区 大林・日本国土・株木・ユーディーケー特定建設工事共同企業体
   短大棟工区 清水・大木・松栄特定建設工事共同企業体
   本部棟工区 東急・和光・川口土建特定建設工事共同企業体
   図書館棟工区 三井・三ツ和・松永土建特定建設工事共同企業体
   体育館棟工区 高元・スミダ・野尻特定建設工事共同企業体
敷地面積
102.265 ㎡
建築面積
34.030 ㎡
延床面積
54.080 ㎡
構造規模
本部棟:SRC造・RC造・S造 大学棟・研究研修センター棟・短大棟・学生会館棟・体育館棟:PC造・RC造・S造 共通施設棟・図書館棟:RC造・一部S造 屋外倉庫:RC造 守衛室・駐輪場:S造
竣工
1999.1
備考
家具サインプロデュース:エーワークス
家具デザイン:近藤康夫デザイン事務所
Hデザインアソシエイツ:リーディング・エッジ・デザイン
サインデザイン:廣村デザイン事務所
音響設計:永田音響設計
色彩計画・テキスタイルデザイン:田口デザイン事務所
照明計画協力:ライティング・プランナーズ・アソシエーツ
植栽計画協力:S.E.D.O.(オンサイト)
アートワーク・コーディネート:コトブキタウンアート事業部
アートワーク
秋岡美帆 Charles Ross 舟橋全二 
方振寧 宮島達男
望月菊磨
監理 埼玉県住宅都市部営繕課
埼玉県住宅都市部設備課
三崎口サーフサイドビレッジ
用途
ホテル?
延床面積
1800 ㎡
構造規模
RC造
三平邸
用途
ゲストルーム. アトリエ
設計
山本理顕設計工場
施工
エンドウ総合装備
敷地面積
595.66 ㎡
建築面積
66.87 ㎡
延床面積
66.87 ㎡
構造規模
W造
竣工
1976.
備考
建築: 家具:エンドウ総合装備
山川山荘
ここには不意のお客さんもこなければ、ご用聞きも新聞配達も牛乳屋さんもヤクルトのおばさんも、そしてセールスマンも近所の奥さんも尋ねてはこない。山荘とか別荘はあらかじめ外部とは隔絶された場所としてある。もしさまざまな部屋の性質が外部との関わりによって決められるものであるとすれば、ここには外部と関わるための場所のない、つまりあらゆる部屋は内部の者だけの同質の場所だということができる。だからそれぞれの部屋の結合因(結合の原因、関係)を説明することは不可能なのだ。用在的機能だけがあればいい。それが結びついていようとバラバラに離れていようと、どこにあろうとどうだっていいことなのだ。   
(新建築1978.08)
用途
別荘
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所
施工
西武都市開発 エンドウ総合装備
敷地面積
1050 ㎡
建築面積
68 ㎡
延床面積
68 ㎡
構造規模
W造 
竣工
1977.1
備考
建築:西武都市開発
家具:エンドウ総合装備
山本クリニック
神経科のクリニックに、主としてアルツハイマー症の患者の人たちのためのデイケア・センターが併設された施設である。
 田園の中の80×9メートルの細長い敷地いっぱいに細長い建築を計画した。防腐処理された杉板に直径30ミリの穴を開けて、その杉板を目透かしで張る。パンチングされた杉板張りのファサードである。だから外部から中の様子が多少はわかる。ここで介護されていることそれ自体が社会に参加していることなのだとしたら、その場所を密室のように隔離するのではなく、少なくとも中の気配がわかる程度には地域の側に開きたい。中からも外の様子を眺めたい。でも患者の人たちのプライバシーのことを考えると、あまりにもオープンだとちょっと具合が悪いようにも思う。そのぎりぎりの境界がこの杉板パンチング・スクリーンである。
(GAJapan19より抜粋)
用途
重度痴呆性老人デイケア施設付診療所
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
橋本興産株式会社
敷地面積
733.32 ㎡
建築面積
331.8 ㎡
延床面積
394.38 ㎡
構造規模
S造
竣工
1996.1
山本邸
山本邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
設備
小林設備工業所
施工
清水住宅建設
敷地面積
132 ㎡
建築面積
69.3 ㎡
延床面積
107.4 ㎡
構造規模
W造
竣工
1978.
備考
電気:鈴木電気
家具:コメスユニオン
士林開発天母西路土地開発プロジェクト
用途
集合住宅
竣工
2009.
備考
基本設計進行中
若槻邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
第一建設工業
敷地面積
190 ㎡
建築面積
87 ㎡
延床面積
123 ㎡
竣工
1989.5
小俣邸
小俣邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所
施工
小俣組
敷地面積
243.59 ㎡
建築面積
98.46 ㎡
延床面積
196.72 ㎡
竣工
1985.
新倉邸
新倉邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所
施工
門脇建設
敷地面積
430.23 ㎡
建築面積
185.54 ㎡
延床面積
307.21 ㎡
構造規模
RC造
竣工
1983.
備考
建築:門脇建設
新藤邸
新藤邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
敷地面積
206.42 ㎡
建築面積
76.55 ㎡
延床面積
117.99 ㎡
構造規模
W造  
竣工
1977.9
備考
設備:長谷川設備
家具:田中工芸
勢能邸
勢能邸
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所 
設備
帝都設備商会
施工
バウ建設
敷地面積
449.86 ㎡
建築面積
168.15 ㎡
延床面積
407.17 ㎡
構造規模
RC造
竣工
1981.5
備考
家具:エンドウ総合装備
STUDIO STEPS
もともとのオーナーの石井夫妻はともには学生時代からの友人で、それぞれ彫刻家と絵描きのご夫妻である。主にアトリエとして使う。時には人を呼んでコンサートをしたい。大学紛争の時からのつきあい(同志?)でもあった。申し合わせたわけではないが、住宅であると同時に誰か外側の人に対しても役に立つような施設をつくりたいと思っていた。できるだけ外に対して開放的な大空間をつくって、そこをアトリエのような場所にする。あるいは小さなコンサートができるような場所にする。日常の居住部分はその大空間の下にもぐり込んで外からは見えない。住宅という建築は必ず外部に対して開放された場所をもっている。それは集落調査で学んだ私なりの理論でもあった。その山本理論が徹底された住宅である。
その後、石井夫妻からこの住宅を譲り受けた藤井夫妻はこの大空間をリビングルームとして使っている。「広くて天井高が高くてとても気持ちいいですよ。ちょっと冬は寒いけど。外から見えることにはなんの抵抗もありません」と。「スタジオ・ステップス」という名前はそのまま受け継がれて、藤井プロデュースによる定期コンサートが今も続いている。今年はモンゴルの馬頭琴と日本の民謡の対決だった。
どんな住宅でも、住宅とは本来、こうして外側に対する積極的な配慮があって成り立っているものなのだ。これはいわば住宅の原型である。
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所 
施工
吉武工務店、京友設備、昌電社
敷地面積
340 ㎡
建築面積
96 ㎡
延床面積
143 ㎡
構造規模
W造  
竣工
1978.4
川里村ふるさと館
川里村ふるさと館
竣工
1990.
大晃奥湯河原寮
大晃奥湯河原寮
用途
ゲストハウス、厚生施設
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
杉坂建設
敷地面積
369.64 ㎡
建築面積
152.58 ㎡
延床面積
217.11 ㎡
竣工
1987.
備考
インテリア:スーパーポテト
長岡文化創造フォーラム(仮)
長岡文化創造フォーラム(仮)
竣工
1996.
備考
優秀賞
天津図書館
天津市の文化エリア内に計画中の図書館は、延床面積55,000m2、収蔵冊数500万冊という大規模な図書館である。全体はグリット状に配された壁で構成される。その壁が、上下で直行方向に交差しながら重なる。さらに、5層の建築のそれぞれの層の中間にメザニン階を設けているため錯綜した10層の建築に見える。壁の構造は鉄骨のトラスである。図書館1階の中央には、南北方向に抜けるエントランスホールがあり、誰でも気軽に図書館にアクセスすることができる。また、ホール上空には壁梁が飛ぶ。そこに本棚が配され、図書館全体が、本棚に囲まれたような空間となる。交差した壁は、開放的な大きな空間をつくる一方で、分節された小さな空間もつくる。来館者は、図書館を巡りながら様々な場所で本を読むことができる。
用途
図書館
設計
山本理顕設計工場+天津市都市計画設計研究院建築分院
構造
構造計画プラス・ワン+天津市都市計画設計研究院建築分院
設備
総合設備計画+東州際設備株式会社+天津市都市計画設計研究院建築分院
敷地面積
37.800 ㎡
建築面積
13.700 ㎡
延床面積
58.154 ㎡
構造規模
鉄骨造
竣工
2012.5
備考
家具・インテリアデザイン:藤森泰司アトリエ
家具デザイン:LEADING EDGE DESIGN
カーペットデザイン:安東陽子デザイン
照明計画:岡安泉照明設計事務所
東雲キャナルコートCODAN
1街区の特徴は、住棟ヴォリュームをくりぬいた「コモンテラス」、ホームオフィス機能ももつ「f-ルーム」、明るい「中廊下」と「水回りユニット」である。
コモンテラスは各階にひとつ、立面的にはランダムに配置されたコモンスペースである。2層吹抜けのコモンテラスは8住戸分のf-ルームによって囲われており、全住戸の約4分の1の住戸がコモンテラスに面している。f-ルームは、SOHOやショールーム、育児スペースやホビールームを受け入れるスペースである。
その他の住戸は中廊下(または片廊下)との仕切りを一部ガラスとしている。
中廊下はコモンテラスとプライベートテラスによって、採光、通風がとれた外部性の高い空間である。廊下側にf-ルームを配置することで、住戸が廊下に対して開く契機となる。
大きな矩形のf-ルームがとれるように、水回りユニットとキッチンは主に外壁側に配置している。間仕切る際も自由度が高い。水廻りユニットはガラス張りのサンルームのような空間となり、洗濯物も干せる。中廊下は外部に対して開かれ、住戸は中廊下に対して開かれる。職住近接ではなく職住一体。住宅の中に「オフィス」的機能を組み込むことで、集合住宅の可能性を広げる試みである。
用途
共同住宅、店舗、SOHO、駐車場
設計
都市基盤整備公団 東京支社
山本理顕設計工場
構造
織本匠構造設計事務所
設備
EE設計
施工
都市基盤整備公団東京支社
敷地面積
9.221 ㎡
建築面積
5.966 ㎡
延床面積
49.687 ㎡
構造規模
RC造 一部S造
竣工
2003.
備考
基本計画:都市基盤整備公団、日本設計
ランドスケープ:長谷川浩己
オンサイト計画設計事務所、 エキープ・エスパス
東京ウェルズテクニカルセンター
東京ウェルズはコンピュータのための電子チップの梱包システムを開発している会社であり、これはその研究所である。具体的には機械の設計と試作品のテストと顧客に対するプレゼンテーションの場所である。場所は東名沼津インターからすぐ近く、研究所としての環境さえ整っていれば、都心からの距離は関係がない。つまり、スタッフたちが仕事をする環境を第一義に考えたいという主旨でつくられた研究所である。北側と西側は茶畑と雑木林、南側はすぐ近くまで住宅が迫っている。三階まで上がるとかろうじて住宅の屋根の向こうに駿河湾の海が見える。その駿河湾を見たいということでゲストルームは三階部分の南側につくることが与条件であった。一階に試作室、二階部分に設計室、というのもほぼ自動的に決まった。
(GA Japan52より抜粋)
用途
研究所
設計
山本理顕設計工場
構造
佐々木睦朗構造計画研究所
設備
団設備設計事務所
施工
平和建設、菱和設備、富士電設、イデー 映像システム
敷地面積
1.945 ㎡
建築面積
639 ㎡
延床面積
1.279 ㎡
竣工
2001.5
備考
平和建設、菱和設備、富士電設、イデー 映像システム、廣村デザイン事務所
藤井邸
1階RC部分が歯科診療所、その上に軽く乗っている木造のフレームが住居部分である。
 敷地の約1/3程度が、この法面によって占められていたため、切土した土を、RC部分に囲まれた中庭に盛り、診療所の床レベルよりも半階分高い中庭をつくり出している。さらに中庭は、診療所待合室の屋上部分と幅の広い階段で結ばれている。このレベル差のある中庭の中に、全面ガラス張りの家族室が、舞台のように置かれ、木造フレームの寝室と子供室が向かい合うようなかたちで、中庭をはさんでいる。寝室と家族室は内部で連がっているのだけれども、子供室は完全な分棟になっている。この棟を通過しなくては家族室の置かれている中庭部分に入れない仕組にできあがっている。
(新建築1982.11より抜粋)
用途
診療所、住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
小島建築構造事務所
施工
バウ建設
敷地面積
351 ㎡
建築面積
161 ㎡
延床面積
216 ㎡
構造規模
RC造、S造
竣工
1982.6
備考
建築:バウ建設
設備:新倉冷暖房
電気:第1照栄電設
造園:樋之口造園
日仏文化会館パリ
日仏文化会館
竣工
1990.
備考
コンペ(佳作入賞)
伴山人家・天津ハウジングプロジェクト
中国天津市塘沽区にある約23ヘクタールの敷地に、倶楽部施設(プール、ジムなど)、店舗を含む約300戸の独立住宅と集合住宅が計画されている。設計は、宇野求氏、小嶋一浩氏、塚本由晴氏、西沢立衛氏との協同で進めている。現在、全体の配置計画について、議論を進めている最中であるが、5人の建築家がそれぞれ、あるまとまりをもちながらも、緩やかに全体にかかわっていくような配置を検討中である。本敷地を含め、周囲は、平坦な土地なので、計画地全体にわたって、ゆるやかに起伏をつける。  住宅は150m2・250m2・400m2・500m2・600 m2のタイプが用意されている。すべての住宅には、「閾」がプラニングの中に組み込まれている。「閾」は、商業施設であり、仕事場であり、あるいは趣味のための場所である。起伏と、「閾」のある住宅とが一体となって、これまでの住宅地とはまったく異なる新しい環境をつくり出す。
用途
住宅、倶楽部、オフィス、店舗
設計
山本理顕設計工場
アトリエ・ワン+東京工業大学塚本研究室
宇野求/フェイズアソシエイツ
C+A
西澤立衛建築設計事務所
構造
構造計画プラス・ワン
設備
東洲際設備有限会社
延床面積
110000 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2005.
備考
土木:創和計画
サイン:廣村デザイン事務所
福生市庁舎
東京都福生市の市庁舎の建て替えである。
敷地周辺の建物は総じて低層である。私たちは敷地全体に建築を展開し、できるだけ低層に抑えることにした。敷地全体が公園となり、公園と庁舎が一体となるような建築である。新庁舎は、フォーラム、丘の広場、タワーといった要素からなっている。フォーラムは敷地全体に広がるフレキシブルな大空間であり、市民利用スペースが配置される。丘の広場はフォーラムの屋上にあたるが、緩やかな起伏を持った市民のための広場である。丘の広場の上の2棟のタワーは、最大スパン21.5mの無柱の執務スペースである。丘の広場の床とタワー外壁は私たちがスカートと呼んでいる曲面屋根を介して滑らかに連続している。
用途
市庁舎
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
佐藤淳構造計画事務所
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
4.757 ㎡
建築面積
3.200 ㎡
延床面積
10.228 ㎡
構造規模
RC造、PC造、SRC造
竣工
2008.3
備考
サイン:廣村デザイン事務所
家具: 山本理顕設計工場 藤森泰司アトリエ
タイルカーペット:KAIDS
カーテン:NUNO
Copyright:山本理顕設計工場
北京建外SOHO
北京市内の住宅のほとんどは今まで公営の企業に属した社宅だった。それが最近制度が変わって、住んでいる人に格安の値段で払い下げられるようになった。日本の高度成長期と同じで持ち家政策だ。ところがそれが狭い。上の方の金持ち層に対して、こうした大きなユニットの需要が非常に大きいのだと思う。今回計画しているようなマンションに住むというのは北京では圧倒的なステイタスだ。夢の住宅とでもいうような。
こうした地域計画をつくるときには、1920年代のヨーロッパのような強い提案が必要じゃないかと思っている。林立するタワーは非常に均質に見えるが、足下周りはできるだけ多様性の許容できるような空間構成にしたいと思っている。街路と建築との関係は埼玉県立大学の街路とデッキのような関係にしたいと思っている。
ここで提示されているモデルは、東京でもニューヨークでも、あるレベルの階層の住処としては成り立つ。建築家はモデルをこそ提案すべきだとぼくは思っている。例えば、LDKタイプのモデルは建築をつくる側からの提案だった。そのモデルが今や現実を担うことができない、ということが問題である。さらに、問題はそのLDKモデルが家族という関係を象徴するモデルになっているということだ。現実の日本の家族はとっくにLDKモデルが象徴するような規範からは離れてしまっているのに、それでも住宅をつくるときにはその規範に拘束される。だから依然として日本ではLDKモデルがつくり続けられている。中国でもそれは同じだ。やはり多くはLDKモデルだ。
東雲の集合住宅も同じだが、ぼくは、SOHOモデルは従来までの家族の規範とはまったく異なるものになると思っている。
用途
共同住宅、店舗、事務所、SOHO,駐車場
設計
山本理顕設計工場
シーラカンスアンドアソシエイツ
みかんぐみ
新紀元建築工程設計有限公司
構造
構造計画プラス・ワン
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
122.775 ㎡
建築面積
34.823 ㎡
延床面積
703.069 ㎡
構造規模
RC造、一部S造
竣工
2004.
備考
サイン:廣村デザイン事務所
照明:光環境計画
北野共生プロジェクト研究所
「北野共生システムプロジェクト研究所」というのは、北野宏明さんの主宰する、コンピュータ・サイエンスの研究所である。その研究スペースが一体どうなるのか、どんな空間が要請されているのか。コンピュータそのものよりも、たぶんそこでの研究員相互のコミニュケーションを、どうつくるか、そっちの方が空間にとっては重要課題である。たまたま、ある人からガラスをホワイトボードの代わりに使っている例があるという話を聞いた。早速見に行ったら「無反射ガラス」というタペストリー・ガラスよりももっと肌理の細かいガラスだということがわかった。確かに使える。それに、ガラスなんだから、半透明のシートを間に挟めば、そのまま映写スクリーン使える。全部これでやろう。壁もテーブルもパーティションも。
 というわけで、この研究所はすべてがスクリーンである。「この空間をうまく稼働させること自体がこの研究所の研究テーマでもあるんです」というのは北野さんのこの空間に対する非常に心強い意見である。実際、北野さんは施主である以上に、この設計のもっとも重要なパートナーであった。
 ガラススクリーンのテーブルは新しい発見だった。そこに映される映像が鉛直の壁に映される映像とは、まったく違うのである。その映像を囲んで話ができる。大げさにいえば、映像とそれを操作し、受け取る人間との間のまったく新しい関係を見たように思った。
(新建築2000.01より抜粋)
北野共生プロジェクト研究所
用途
研究所
竣工
1998.
名護市庁舎
名護市庁舎
設計
山本理顕設計工場
竣工
1978.
備考
コンペ
邑楽町役場庁舎
建築的提案は、他者の様々な見解を受け入れることができるシステムを持っていなければならない。ただし、多くの人々の意見を吸収してはみたが、結果として凡庸な建築になるようでは、住民参加型の建築とは言えない。
 だから、「邑楽」でも、まず建築のシステムを作ることで、エンド・ユーザーと話す際の共通言語を作れると考えていた。ただし、「邑楽」の場合は、「埼玉」や「函館」に比べてスケールの小さな建築だ。そして、様々な小単位の空間が集合したコンプレックスだったので、一辺750のキューブを9つ合わせた一辺2250の大きさを1ユニットの基本単位にしている。そのシステムが、壁や天井だけでなく、床に対しても適用されている。そのユニットは5センチ角の非常に細いスティール角パイプで組み上げようとしている。
 さらに、施工方法に関しても簡便化を目指して、オーヴ・アラップ事務所に相談してみたら、面白い提案が出てきた。それは、鉄骨運搬用の金属バンドでストラップする方法だ。日本中の梱包屋や運送屋が所有している締め付け機械を利用して、フレームを一体化することが可能である。しかも、30秒で締め付けてしまうので、今まで溶接していた時間と手間は、一体、何だったんだという感じさえする。
 仮に将来、リサイクルする際にも、床を含めた地中梁まで同じシステムでできているので、基礎も含めて簡単に切断、解体することが可能だ。
 ただし、幾らシステムが充実していたとしても、それで従来と同じような空間が最終的にでき上がっていたとしたら、ぼくは面白いと思わない。従来と違う空間体験を、邑楽町の住民と共にできるという確信みたいなものが必要だ。住民の人たちも、それを考え、楽しむことができる。それが、一緒に作っていく時の醍醐味のようなものだ。
邑楽町役場庁舎
用途
庁舎 多目的施設
設計
山本理顕設計工場
構造
Ove Arup & Partners Japan
設備
Ove Arup & Partners Japan
敷地面積
22900 ㎡
延床面積
10300 ㎡
構造規模
S造
竣工
2005.
緑園都市 AMNIS(アムニス)
「全体の計画をまずつくって、その計画にしたがって個々の建築を制約していくという方法ではなくて、建築が次々に連続していくときの、その連続のための因子を、自分の中に持っているような建築が考えられればいいわけである。方法としてはきわめて単純な方法なのだ。全体計画など決めないで、それぞれのオーナーの都合で勝手に建築をつくることにすればいい。ただし、その建築は接続の因子を自分の中に持っているような建築である。〈通り抜けの道〉が、いわばその“因子”である。」(「細胞都市」 INAX ALBUMl2)などというようなことを言った。ところが、これがなかなか難しい。
 自分の建築の中に〈通り抜けの道〉をつくって、その〈通り抜けの道〉が相互に連続するという方法が単純に動線を連続させるというだけの話なら、つまりシステムだけの話ならそれほど難しい話ではない。難しいのは、ひとつひとつの建築がはっきりしたキャラクターをもち、さらにそれらがひとつの連続した街並みをつくるという、その個々の建築のつくり方である。それぞれの都合で勝手につくるとはいっても、相互の関孫を無視するというわけではない。向こうから延びてきている〈通り抜けの道〉に接続されるということは、その建築のプログラムも形も相互に何らかの関係をもつはずなのである。

 1、2階が商業施設で、3階あるいは4階から上が賃貸の住宅だという基本的なプログラムは決まっている。その商業施設のフロアに自由通路である〈通り抜けの道〉が嵌入しているわけである。その自由通路に面して商業施設やサービス施設が配置され、その上階にガラスの大屋根に覆われた居住者用の小広場がある。その小広場をめぐって住宅が配置される。その程度の構成も決まっている。
 また、基本的な素材も決まっている。コンクリートの仮枠ブロックの躯体に亜鉛溶解メッキされたスチールが必要に応じてピンナップされるのである。必要に応じてというのは、小庇やベランダあるいはブリッジのような装置類がその機能に応じて躯体にピンナップされるという意味である。つまりその程度のプログラムと形に対する一定の了解はあらかじめ確保されているわけである。ところが個々の建築はその“一定の了解”の範囲の中には収まらない。そのつど新たなプログラムと形に対する固有の解釈が必要なのである。
 難しいというのは、このプログラムと形や素材に対する“一定の了解”と、それぞれの建築がもつ固有のプログラムと形に対する解釈をどう調停するかといったあたりの問題である。
 結論を先に言ってしまえば、ふたつ以上の建築が隣り合って相互に接続されたとたんに、ひとつひとつの建築の固有性はほとんど失われてしまうというのが私たちの実感である。固有性はひとつひとつの建築にではなく、接続されている建築相互の関係にある。そう見えるのである。つまり、建築の固有性は、建築という単一の存在の中にあるのではなくて、建築相互の関係の中にある。ということは、固有性は隣り合う建築との関係をどう解釈するかということでほとんど決定的なのである。その隣り合う建築との関係のことをどう呼べばいいのかよくわからないのだけれども、恐らくそれが“都市”と呼んでいるもののメカニズムなのだと思う。
(新建築1993.06)
緑園都市 AMNIS(アムニス)
用途
店舗、事務所、住居
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造事務所
構造計画プラスワン
設備
団設備設計事務所
施工
相鉄建設
敷地面積
587.4 ㎡
建築面積
464.7 ㎡
延床面積
1332.4 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
1993.
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
建築:相鉄建設    西松建設
設備:相鉄建設
電気:栗原工業
空調・衛生:山本電気水道三機工業
モリア総合設備
緑園都市 ARCUS(アーカス)
緑園都市 ARCUS(アーカス)
用途
店舗、事務所
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
シーディーアール
施工
相鉄建設
敷地面積
1200.1 ㎡
建築面積
917.1 ㎡
延床面積
2978.6 ㎡
竣工
1993.
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
建築:相鉄建設    西松建設
設備:相鉄建設
電気:栗原工業
空調・衛生:山本電気水道三機工業
モリア総合設備
緑園都市 CÕTE á CÕTE(コータ・コート)
緑園都市 CÕTE á CÕTE(コータ・コート)
用途
スカッシュクラブ、駐車場
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
シーディーアール
施工
相鉄建設
敷地面積
1941.4 ㎡
建築面積
1075.68 ㎡
延床面積
4200.62 ㎡
竣工
1994.
緑園都市 G.Fビル
緑園都市 G.Fビル
用途
店舗、事務所
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
団設備設計事務所
敷地面積
286.4 ㎡
建築面積
231 ㎡
延床面積
807.13 ㎡
竣工
1992.
緑園都市 LOGGIA(ロッジア)
緑園都市 LOGGIA(ロッジア)
用途
店舗、事務所
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造事務所
構造計画プラスワン
設備
シーディーアール
施工
相鉄建設、三機工業、栗原工業
敷地面積
331.02 ㎡
建築面積
252.54 ㎡
延床面積
887.73 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
1993.
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
建築:相鉄建設    西松建設
設備:相鉄建設
電気:栗原工業
空調・衛生:山本電気水道三機工業
モリア総合設備
緑園都市 OBERISK(オベリスク)
緑園都市 OBERISK(オベリスク)
用途
店舗、事務所、共同住宅、駐車場
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造設計事務所
設備
団設備設計事務所
施工
西松建設・相鉄建設協同企業体、モリヤ総合設備、栗原電業
敷地面積
844.29 ㎡
建築面積
670.61 ㎡
延床面積
2518.42 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
1993.
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
建築:相鉄建設    西松建設
設備:相鉄建設
電気:栗原工業
空調・衛生:山本電気水道三機工業
モリア総合設備
緑園都市 PRADO(プラード)
緑園都市 PRADO(プラード)
用途
店舗、事務所、住居
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラスワン
設備
団設備設計事務所
施工
相鉄建設
敷地面積
627.6 ㎡
建築面積
521.64 ㎡
延床面積
1481.6 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
1993.11
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
建築:相鉄建設       西松建設
設備:相鉄建設
電気:栗原工業
空調・衛生:山本電気水道三機工業       モリア総合設備   
緑園都市 XYSTUS(ジスタス)
「全体の計画をまずつくって、その計画にしたがって個々の建築を制約していくという方法ではなくて、建築が次々に連続していくときの、その連続のための因子を、自分の中に持っているような建築が考えられればいいわけである。方法としてはきわめて単純な方法なのだ。全体計画など決めないで、それぞれのオーナーの都合で勝手に建築をつくることにすればいい。ただし、その建築は接続の因子を自分の中に持っているような建築である。〈通り抜けの道〉が、いわばその“因子”である。」(「細胞都市」 INAX ALBUMl2)などというようなことを言った。ところが、これがなかなか難しい。
 自分の建築の中に〈通り抜けの道〉をつくって、その〈通り抜けの道〉が相互に連続するという方法が単純に動線を連続させるというだけの話なら、つまりシステムだけの話ならそれほど難しい話ではない。難しいのは、ひとつひとつの建築がはっきりしたキャラクターをもち、さらにそれらがひとつの連続した街並みをつくるという、その個々の建築のつくり方である。それぞれの都合で勝手につくるとはいっても、相互の関孫を無視するというわけではない。向こうから延びてきている〈通り抜けの道〉に接続されるということは、その建築のプログラムも形も相互に何らかの関係をもつはずなのである。

 1、2階が商業施設で、3階あるいは4階から上が賃貸の住宅だという基本的なプログラムは決まっている。その商業施設のフロアに自由通路である〈通り抜けの道〉が嵌入しているわけである。その自由通路に面して商業施設やサービス施設が配置され、その上階にガラスの大屋根に覆われた居住者用の小広場がある。その小広場をめぐって住宅が配置される。その程度の構成も決まっている。
 また、基本的な素材も決まっている。コンクリートの仮枠ブロックの躯体に亜鉛溶解メッキされたスチールが必要に応じてピンナップされるのである。必要に応じてというのは、小庇やベランダあるいはブリッジのような装置類がその機能に応じて躯体にピンナップされるという意味である。つまりその程度のプログラムと形に対する一定の了解はあらかじめ確保されているわけである。ところが個々の建築はその“一定の了解”の範囲の中には収まらない。そのつど新たなプログラムと形に対する固有の解釈が必要なのである。
 難しいというのは、このプログラムと形や素材に対する“一定の了解”と、それぞれの建築がもつ固有のプログラムと形に対する解釈をどう調停するかといったあたりの問題である。
 結論を先に言ってしまえば、ふたつ以上の建築が隣り合って相互に接続されたとたんに、ひとつひとつの建築の固有性はほとんど失われてしまうというのが私たちの実感である。固有性はひとつひとつの建築にではなく、接続されている建築相互の関係にある。そう見えるのである。つまり、建築の固有性は、建築という単一の存在の中にあるのではなくて、建築相互の関係の中にある。ということは、固有性は隣り合う建築との関係をどう解釈するかということでほとんど決定的なのである。その隣り合う建築との関係のことをどう呼べばいいのかよくわからないのだけれども、恐らくそれが“都市”と呼んでいるもののメカニズムなのだと思う。
(新建築1993.06)
緑園都市 XYSTUS(ジスタス)
用途
郵便局、店舗、共同住宅、駐車場
設計
山本理顕設計工場
構造
今井建築構造設計事務所
設備
団設備設計事務所
シーディーアール
施工
相鉄建設
敷地面積
1011.2 ㎡
建築面積
806.73 ㎡
延床面積
2686.42 ㎡
構造規模
RC造  一部S造
竣工
1992.3
備考
総合企画・監理運営:相模鉄道 住宅営業部 ビル営業部
家具:エンドウ総合装備(小屋三津夫)
建築:相模建設
設備:山本電気水道
電気:栗原工業
仮称-和歌山市立大学
仮称-和歌山市立大学
用途
大学
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
森村設計
敷地面積
約100,000 ㎡
建築面積
約 11,500 ㎡
延床面積
約 21,000 ㎡
構造規模
PC造など
竣工
2000.
備考
設計構想提案コンペ(最優秀賞)
台北パフォーミングアートセンター
台北パフォーミングアートセンター国際コンペティション-応募案
竣工
2008.
ソウル江南ハウジング
この計画は韓国ソウルの南、江南区に建つ低所得者層向けの集合住宅の計画である。

 1970年代、韓国でも急激に上昇する都市部の人口をみたすため、日本と同様、標準家族のための住宅が供給されてきた。しかし、少子高齢化が進んだ現在、住宅に住む世帯人数は急激に減少し、同時に高齢者の独りまたは二人暮らしが急増している。2030年には人口の1/4が高齢者になるとも予想される現状においては、従来の”一住宅=一家族”というシステムはほぼ崩壊しているに等しい。

 我々はそんな21世紀の住宅のあり方として、個々のプライバシーを保つと同時に地域社会と共存できる住宅のプロトタイプを提案した。

 その特徴は住宅の多機能化である。現在、住宅でのアクティビティは多様化してきている。もはや住宅は、ただ単に家族が住み子供を育てる場所にはとどまらない。その多様なアクティビティを通して住宅を地域社会に開き、例え独り暮らしであったとしても、彼らが孤立しないような新しいシステムをつくることができるのではないだろうか。

 そんな住宅を作るために、我々は、韓国の伝統的な空間である"sarangbang"と"madang"の2つの空間をこの計画に取り入れた。
かつて、"sarangbang"とは家の主人が客人を迎えるときに使う客間であり、"madang"とは通りから住宅に入るまでの中庭のことであった。我々はそれを"sarangbang"=多様な活動のための部屋、”madang”=その活動をつなぐ場所、と読み替えた。

 まず各住戸の入口に"sarangbang"を設け、"Madang"と呼ぶ通路で各住戸をつないだ。そうして出来る低層の住棟を平行配置し、2棟で1セットとする。2棟の中心には”common field”を配置し、住戸プランは”common field"を軸に鏡像反転とした。そして、その低層の住棟の上にタワーが建つ。タワーの後ろには日照条件の関係で広場ができる。2本の低層住棟、common field、タワー、広場からできる空間を1クラスターと呼びコミュニティーの単位とする。
 
 ”common field”には”common kitchen”や”small library”が散らばり、クラスター内部の住人達が共用で使える。広場はsports fieldやplay groundとなる。さらに、各クラスターは、保育施設や老人施設、共同作業室、図書室といったコミュニティー施設を擁し、これらの施設はクラスター内のみならず街区全体のコミュニティーの中心として機能する。

今回の我々の提案は”一住宅=一家族”システムに変わる新しい住宅である。地域にひらかれ、「地域社会圏」に基づいた住宅の提案である。

用途
共同住宅
敷地面積
34.400 ㎡
建築面積
10.300 ㎡
延床面積
60.000 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2014.
横浜市立子安小学校
「市立K小学校」は生徒数1,300人という巨大な小学校である。
日本の多くの小学校は多くてもこの半分の生徒数なのである。
なぜこのようなことになったかというと、周辺に高層マンションができるからである。

この巨大小学校の子どもたちのひとりひとりに対してどのように目配りすることができるのか。
この小学校区の住人総数は22,000人である。このあまりにも多くの“近隣住人”の人たちとどのような関係を築けばいいのか。
先生たちにとってはとてつもない難題である。

小学校は地域コミュニティの中心である。
クラレンス・ペリーの「近隣住区」理論では、800~1km四方に5,000人から6,000~7,000人が住むという想定だから、小学生の人数はせいぜい300人ほどである。その小学校区が近隣住区というコミュニ ティー単位の適正だという。今の日本の平均でも 317人/ 1小学校である。都道府県の中でも飛び抜けて一小学校あたりの子どもの数が多い神奈川県だが、それでも平均545人/ 1小学校である。1,300人という小学生の数がどれほど異常な数字 か分かるというものである。それは近隣住区というコミュニティ理論がもはや成り立たないことを示しているようにも思う。先生たちの心配の中心はそこにあった。

教室をできるだけ密室化しない、それでも時にはその静寂性を保つにはどうしたらいいのか。
それは先生たちとも長い時間をかけて話し合ったことだった。
私たちは廊下との間に透明なガラスの建具を提案した。6枚引きの建具なので、廊下に対して大きく開くことができる。教室を通じて外から十分な光を廊下側に導くことができると同時に、廊下側と教室とを一体的に使うことを考えたからである。そして、ガラスの建具の外側にもうひとつ木パネル の建具を提案した。目隠しのためだけではなく、生徒たちの作品を展示するパネルである。幅4mの廊下が展示ギャラリーのようになるだろうと考えた。
教室の外側には広いテラスをつくった。今までの子安小学校でもテラスで朝顔や草花を育てるような活動をしていたけれども、あまりにも狭い。4m の奥行きを持ったテラスを提案したのはそのためだけではなく、夏の強い日射しを避けるためでもあった。教室の面するグランド側は南西方向、道路側は東南方向を向いていた。そのままでは斜めの日が教室の中にまで差し込んでしまう。この奥行き4mのテラスが日陰をつくるためにはきわめて有効だったのである。私たちはこのテラスを「環境テラス」と呼ぶことにした。

構造をプレキャスト・コンクリート(PCaPC)にして、できるだけ細い柱梁にしたいと思った。テラス部分には地震力を一切負担させない構造にすることによって最終的に30×300mmの柱、40×300mmの梁というきわめて細い構造が実現した。テラスの奥行きが4mもあるために、この細い柱梁がそのまま自立しているように見える。このテラスでの子供たちの活動がそのままこの建築のファサードになることを期待した。

構造システムとその生産のシステム、そしてそこでの活動と建築の表現とが一致したように思った。
テラスが丘のように広がるプロポーザル時の提案よりもはるかに整合性の高い建築になった実感がある。
長い時間先生たちと話し合った結果である。

2,000人の父兄と1,000人の子どもたちによる運動会の時はこの環境テラスがスタンドになって、
グランドを含めた校舎全体が大きな野外劇場のようになった。
先生たちが嬉しそうだった。
用途
小学校
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
総合設備計画
施工
松尾・大洋・石井建設共同企業体(校舎棟)
渡辺組(体育館棟)
敷地面積
15,090 ㎡
建築面積
6,097 ㎡
延床面積
15,562 ㎡
構造規模
地上5階 塔屋1階
竣工
2018.9
備考
サイン:廣村デザイン事務所
カーテン・Pタイル:安東陽子デザイン
植栽:GAヤマザキ
撮影:FUJITSUKA Mitsumasa (写真:中,下)
   山本理顕設計工場(写真:上)
花の間
ソウルデザインフェア2010
日・中・韓 生活企画展
"家族のコミュニケーションスペース"
竣工
2010.9
鎌倉の家
用途
住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
SIGLO建築構造事務所
設備
団設備設計事務所
施工
三長工務店
敷地面積
365.84 ㎡
建築面積
125.35 ㎡
延床面積
153.43 ㎡
構造規模
木造
竣工
1995.5
豊島区西部地域複合施設
戦争と戦後の下町の記憶を継承する美術館、そして公民館と図書館の複合施設である。私たちは、コミュニティアートミュージアムとしてこの地域のシンボルであるような、あるいは誰にでも親しまれるような建築の形をつくりたいと考えた。
鋼板による曲面のリング壁の重なりによってつくられる無柱の空間構成は、「天津図書館」で試みた構造システムを援用している。1階の無柱空間は「フォーラム」と呼んでいる。高齢者や小さな子供がいつでも気軽に立ち寄れる場所になっている。大きな吹き抜けはミュージアムや公民館などとつながり、建物を一体的に視認できるようになっている。また、「フォーラム」は周辺の粟島神社と千早公園をつなぐ役割を果たし、誰でも自由に通り抜けることが可能になっている。サークル活動やお祭りなどの地域行事の中心施設になることが期待されている。
曲面で角が丸い段状の建築。周辺の低層高密住宅環境に対して圧迫感のない建築にする。できるだけ周辺環境に対して優しい建築にしたい。
用途
区民事務所・図書館・博物館・公民館
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
環境エンジニアリング
敷地面積
5,699 ㎡
建築面積
2,984 ㎡
延床面積
8,116 ㎡
構造規模
鉄骨造•一部鉄筋コンクリート造、地上3階•地下1階
竣工
2015.
龍山インターナショナルディストリクト
Three 47 story residential towers with 7-story podium are located at the outer west edge of the Yongsan International Business Development in Seoul . In close proximity of the waterfront R2 site offers unintimidated views of the Han River. The Han River becomes the main point of reference at the design process. The shape of the river follows geographic parameters. The shape of the towers is defined by the views it provides to and from the river to evoke the impression of a fabric softly moving in the breeze. The position of towers results from a careful examination of diverse parameters of the urban context: wind force, natural sunlight, and view axes.
The shape of towers is subtly changing from the ground floor level and becomes gradually slender toward 20th floor level and subsequently stays in the same shape. The lower part blends with retails, residential lobbies and amenity area. The upper part mainly consists of residential units. In order to accommodate the requirement of the floor area of each program the lower part of the towers is enlarged and uniquely shaped with a gentle undulating rim whereas the upper part have the same floor plan. Furthermore, the shape with thin edge gives sufficient conditions for structure stabilities against wind load and the wide frontage facade allowing adequate sunlight and flesh air to the interior space.
The podium includes officetel [studio apartment] and retail “forum” in the form of a sloped green hill which is raised above the site area connecting to the small park at the south of the perimeter. The roof of the green hill combines three towers creating the continuous landscape from the site as a secondary “ground floor” and provides the open space for the public with urban activities. Under the green hill, the retail “forum” with a maximum ceiling height of 25 meters is designed between the towers and officetel podium and connects the city side and river front side.
用途
集合住宅、オフィス、商業施設
設計
山本理顕設計工場
構造
アラップジャパン
設備
アラップジャパン
敷地面積
14,994 ㎡
建築面積
8,830 ㎡
延床面積
189,506 ㎡
構造規模
188.2m RC+SC
竣工
2017.
KAAT×地点「トカトントンと」
用途
舞台美術
竣工
2012.2
備考
写真クレジット:青木司
平田みんなの家
「平田みんなの家」は釜石市の平田(へいた)グランドに並ぶ仮設住宅群の中にある。平田第六地区という場所である。ここに建てられた仮設住宅は従来の北側アクセス南側採光の住棟配置ではなくて、住戸へのアクセスがお互いに向かい合うように配置されている。つまり通りを挟んで玄関が向かい合って配置されているわけである。3・11直後に岩手県の住宅課長にこの配置計画を提案して実現した。240戸の住宅群である。
「みんなの家」はこの仮設住宅群の中につくった。夜は飲み屋になるような「みんなの家」である。近くの国道からも、住宅群の中からもどこからでもよく見える建築である。夜は特に目立つ。眠れない時にもここに来れば誰かに会える、話ができる、そう思ってもらえるような建築になったらと思った。夜、中の光が透けて見えるようなテントを素材として選んだのはそのためである。
昼間は外の光が透過して中は明るい。傘のような構造システムである。芯柱の125角の角パイプにフードをつけて真下に囲炉裏をつくった。芯柱に穴を空けてそれを煙道にする。早速住人差し入れの鹿肉やスルメを焼いた。ボランティアの学生、仮設住宅の住人たち、工事を請け負ってくれた工事会社の職人たち、完成直前の即興飲み会である。囲炉裏を囲むだけで誰とでも話ができそうな気がする。
囲炉裏を囲みながら住民の人たちと話をした。向かい合ったそれぞれの通りに通り名をつけたらどうだろう。花の名前がいいという多くの人たちからの意見で、12の通りに、それぞれ12種類の花の名前つけられた。
用途
集会場
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
建築面積
64 ㎡
延床面積
42 ㎡
構造規模
地上1階
竣工
2012.5
竣工
2012 (Theoretical Project).
横浜市立大学 YCU スクエア
横浜市立大学金沢八景キャンパスの付属校舎の建替えである。
教室、事務室、学生利用スペース等からなり、正門近くに位置することから、キャンパス全体の新しい顔になることも求められた。
私たちは、建築の形やデザインでシンボル性をつくるのではなく、学生や教員の活動そのものがシンボルになるような建築を提案した。

3つの要素からこの建築はできている。

(1)スチューデントオフィス
正門、広場に面して「スチューデントオフィス」と呼ぶ小さな部屋を積層させた。
学生や教員が自由に使える部屋で、様々な社会的活動に利用することができる。
そしてその様子が、広場や正門から見え、キャンパス全体のシンボルとなる。

(2)プレゼンテーションギャラリー
中央には「プレゼンテーションギャラリー」と呼ぶ大きな吹抜け空間がある。
様々な人や情報が集まる場所で、イベントに活用したり、地域の人が利用したり、コミュニケーションの中心的な場所になる。
また、この吹抜け空間を中心に、自然エネルギーを積極的に利用した省エネルギー計画を図っている。

(3)教室・事務棟
建物の後方には、教室や事務室を集約している。
この部分は堅固なRC造とし、建物全体の水平力を負担する。
それにより、鉄骨造である「プレゼンテーションギャラリー」と「スチューデントオフィス」を繊細で軽やかなデザインにしている。

これら要素が全く新しい学習環境を作り出し、そこでの活動とともにキャンパス全体のシンボルになることを期待している。
用途
大学
設計
山本理顕設計工場
構造
構造計画プラス・ワン
設備
総合設備計画
敷地面積
85194.85 ㎡
建築面積
1446.37 ㎡
延床面積
4042.98 ㎡
構造規模
地上5階
竣工
2016.4
備考
家具:藤森泰司アトリエ
カーペット:安東陽子デザイン
サイン:廣村デザイン事務所
照明:岡安泉照明設計事務所
撮影:大野繁
竣工
2013.4
竣工
2013.11
S邸
用途
集合住宅
敷地面積
345 ㎡
建築面積
200 ㎡
延床面積
700 ㎡
構造規模
RC造
竣工
2019.
集合住宅
用途
集合住宅
設計
山本理顕設計工場
構造
佐藤淳構造設計事務所
設備
総合設備計画
施工
青木工務店
敷地面積
345.89 ㎡
建築面積
202.26 ㎡
延床面積
706.28 ㎡
構造規模
地上4階 地下1階
竣工
2019.3
桃園市美術館
「桃園市立美術館」は、美術館棟と児童美術館の二つに建物が分かれているが、どちらも周辺環境との関係性を考慮してつくられた。南には民間ディベロッパーのミニ開発によって建てられた住居群、北には自然豊かな森と湖があり、その周辺の地面が隆起するかのように丘のような斜面をつくり、そこに公園のようなアクティビティを作るスロープやパーゴラを乗せた。30度の角度を持つ丘にはいくつかの穴が空いていてテラスになっており、そこから屋根の下へ潜り込むように入ることができる。屋根と展示室の間はカフェや図書館などの様々な室内の活動が雛壇状に展開されている豊かな場所になる、常に外部との関係性を感じながら楽しむことができる美術館である。
用途
美術館
設計
山本理顕設計工場+石昭永建築師事務所
竣工
2024.
東京ウエルズテクニカルセンター
用途
研究所
設計
山本理顕設計工場
構造
ASA / 鈴木啓
設備
総合設備計画
施工
本体工事:大林組
家具・サイン工事:スペース
敷地面積
2940.79 ㎡
建築面積
1473.78 ㎡
延床面積
2946.83 ㎡
竣工
2019.6
備考
家具:藤森泰司アトリエ
サイン設計:廣村デザインオフィス
カーペット設計:安東陽子デザイン
照明設計:岡安泉照明事務所
植栽設計:GAヤマザキ
ロボット設計:山中俊治・リーディングエッジデザイン
ロボットエンジニアリング:TAKRAM
ザ・サークル - チューリッヒ国際空港
■設計要求
コンペの要綱には、提案の要求として以下のことが記されていた。
1. スイスらしさ: The Circle at Zurich Airportは、スイスの高い生活水準だけでなく、コンパクトな空間に、スイスの現代的な美しさを表現する。
2. サプライズ: The Circle at Zurich Airportは、驚きの連続、訪問客や利用客はこの場所からインスピレーションを受ける。ありきたりでないサービスの提供や、特色のあるコンビネーション、様々なパースペクティブの変化などによって、訪れる人々をあっと驚かせる空間の創造。
3. 世界に通じる:  The Circle at Zurich Airportは、世界を旅行するコスモポリタンにとって、家のように過ごしやすい場所。世界とつながっているとは、世界中の人々と出会い、それに対応するサービスが用意されていること。

■設計概要
○ コンセプト

1.Swissness
スイスらしさとは何か。私たち建築家はその問いに答えることを求められた。スイスらしさとは緻密性である。私たちはそう考えた。時計などの小さなものから建築などの大きなものまで、その「緻密さ」がスイスデザインの卓越した特徴ではないかと考えた。デザインだけではなく、保険や銀行に象徴される経済的なサービスシステム、あるいは政治的な運営システム、あるいは医療技術においてもその緻密さは世界の中で特別な意味を持っている。Swissnessはもののかたちとして現れる以前にスイスに住む人々が長い時間をかけて培ってきた一つの思考方法そのものであるように思う。そのスイスの緻密さを徹底的に表現したいと考えた。この極めて細い柱による建築はそのswissnessの象徴である。PC工法による極限まで細い柱は建築の全く新しい繊細さを実現する。

2. 新しい街、サークル
サークルは19世紀の都市でもなく、20世紀の単なる合理性、経済性を追求した都市でもなく、21世紀の新しいライフスタイルをつくる全く新しい都市である。今までの都市の楽しみ方とは全く異なった新しい都市の楽しみ方があるはずである。それは日常生活の為の都市であると同時に、特別な生活、特別な出来事のための都市である。その特別な生活、特別な出来事を体験するために世界中から集まる人々、でもその都市はディズニーランドのような虚構の街ではなく、ただ消費のための町でもなく、世界中に強い影響力を持つ創造都市である。

3.Divers(c)ity
現実的に今の人々の日常生活の中心になっているスイスの中世都市は、古い構造を残しているからこそ、極めてフレキシブルなのである。時にはレストランに使われたり、あるいは高級ブランドショップに使われることもある。あるいは快適なホテルになる。隣り合った棟と棟が一体に使われることもある。構造やデザインは変わらなくてもその内部の使われ方は極めてフレキシブルなのである。都市のインフラと建築との関係が極めて密接に出来上がっているからである。長い時間に耐えてきた秘密がそこにある。サークルもまたそのような都市である。その中世都市の構造を全く新しい技術と工法とデザインによって再現したい。全く新しいデザインではあっても、訪れる人がどこか懐かしいと思えるようなデザインである。

LINK Zürich Airport HP
敷地面積
35,000 ㎡
建築面積
20,000 ㎡
延床面積
255,750 ㎡
構造規模
PC造+RC造、S造
竣工
2020.
名古屋造形大学
■郊外型キャンパスから都市型キャンパスへ
名古屋造形大学は、愛知県の美術大学である。小牧市から名古屋市に移転した。 名古屋城のある名城公園のすぐ隣である。
課題は大きく3つあった。1つ目は都市中心部への移転ため、狭い敷地に1000人もの学生をどのようにコンパクトに納め、どのような都市型の美術大学をつくるのか。2つ目は敷地直下に地下鉄名城線の名城公園駅があり、敷地を南北に分断、駅に大きな荷重はかけられない。建築が大きく2つに分かれてしまうため、どのような建築空間をつくるのか。3つ目は周辺との関係である。この地域は元々、国の官舎や市営住宅が立ち並ぶエリアであった。建物の老朽化に伴い用途転用され、大学が誘致され、新たに集合住宅が建ち始めるような、大きな変化をしている。周辺には戸建住宅が立ち並び、古い商店街がある。ここで生活していた人と、新たに参加する人たちが混在するような地域である為、近隣の地域社会とどのような関係を築けるか、どのように地域に貢献できるかが大きな課題であった。

■104m×104mの巨大なワンルーム「スタジオ」
既存キャンパスは研究室や専門コース、各学年が教室ごとに分けられ、廊下などの共用部からアクセスする典型的な建物構成であった。新キャンパスではこの教室を無くした。104m×104mの巨大なワンルーム空間である「スタジオ」が研究室であり、学生たちの創作の場とした。学生たちはスタジオをシェアリングして使う。また、スタジオは間仕切りも無く完全にオープンである。学生や先生の活動が分野ごとに閉じること無く、相互に関係しあうことでき、全ての活動にいつでも参加可能である。スタジオの中央には先生と助手の拠点であるスタジオオフィスを配置した。ここにも先生たちの個室や研究室は無く、背の低い家具で緩やかに仕切り、スタジオと連続させるように計画した。スタジオ空間全体で様々な活動がグラデーショナルに広がることを目指した。

■まちの一部「アートストリート」
スタジオの下は地下鉄を避けるように4つの棟に分け、それぞれの棟にはアリーナ、ライブラリー、カフェテリア、ギャラリー、ホールなど地域住民も利用しやすいものを配置した。4つの棟は孔が空いた格子壁で包まれる。格子壁はPCと鋼板をハイブリットした構造的な耐震要素であり、直射日光を遮り自然通風を取り込む環境装置でもある。夜には内部から光が漏れ、周囲を優しく照らす灯りとなる。繊細に作られた継ぎ目のない格子状のファサードがこの街の新たな風景をつくる。
4つの棟は最上部でスタジオによって繋がれ、最大スパン40mの巨大なゲートのような、あるいは橋のような建築となる。その橋桁の下、中央を貫くのが「アートストリート」である。大屋根がかかった半屋外空間であり、誰もが入ることができる商店街のような場所である。アートストリートには地下鉄への荷重制限をクリアできる低層の見世を配置した。見世は学生や先生の作った作品をプレゼンテーションする場所であると同時に、作品の販売や地域住民・地域の企業や他大学との共同創作の場でもある。アートストリートがまちのように賑わい、地域に開かれた大学としての中心となればと思う。
用途
美術大学
設計
山本理顕設計工場
構造
ARUP
設備
ARUP
施工
大林組名古屋支店
敷地面積
20,136.37 ㎡
建築面積
10,465.21 ㎡
延床面積
20,881.34 ㎡
竣工
2022.1
備考
家具:藤森泰司アトリエ
サイン:廣村デザイン事務所
照明:岡安泉照明設計事務所
音響:永田音響
ファブリック:安東陽子デザイン
植栽:GAヤマザキ

撮影:大野繁
山本理顕設計工場(外観写真)