イタリア集落探訪 (イタリア中世の小都市・集落)

 


 

  

イタリアの各州の山岳地、丘陵地、沿岸部などには、中世の小都市や集落が無数に点在しており、そこには路地と建物が絡み合った魅力的な迷宮空間がある。

 

これらの中世の小都市や集落には、斜面、崖、川、湾などの自然の地形に寄り添うように作られた土着性と、高密度に集積した都市空間としてのアクティビティーとが混在しており、街路と建物の関係性や、広場、教会等のパブリックな施設の配置など、高密度な空間を共有するための合理性と秩序を保ちつつ、長い年月をかけて、自然発生的に増殖を繰り返した結果としての不規則で変化に富んだ造形に満ち溢れている。

 

現存する中世の都市や集落には、例えば、ベネチアのように世界的に知られた人口30万規模の中核都市もあれば、シエナなどのような人口5万人規模の都市、さらには、アンティコリ・コラードやサン・グレゴリオ・ダ・サッソーラのような人口1000人程度の街、カルカータのような小さな集落など、規模や知名度もさまざまなものがあるが、どの街も、その土地ならではの地形や地理的条件の特徴を活かした個性的な街並みとなっており、その土着性ゆえの迫力と生命力は、現代の均質な都市空間の中で失われてしまった人間性を強く感じさせるものとなっている。

 

 

■ これまでに訪問したイタリア中世の小都市・集落

 

 

 

  

■ 街ごとの詳細ページへのリンク (これまでに訪れた20ヶ所前後の集落のうちの一部)、

 

  これまでに訪れた集落の中の一部について、現地で撮影した動画や写真などを含めた詳細レポートを作成しています。

  下記の見出し文の下にある、アンダーラインが引いてあるリンク文字をクリックすると、街ごとの詳細ページに移動します。

  

 

 

 

Calcata (カルカータ)

 

 イタリア中部のラツィオ州、ローマから30kmほど北の山岳地帯に所在する中世都市で、周囲を切り立った崖に囲まれた、テーブルマウンテンのような小さな台地の上に、集落が形成されている。崖が崩壊する危険性があるため、1950年代に、住民が隣町に移住し、いったん廃墟になったが、その後、ヒッピー、アーティストなどが住み着き、現在に至った経緯がある。街の中には、彼らが経営する、手作りのアート作品、雑貨などの店やカフェなどがあり、ローマから地元の人が日帰りで訪れる。

 

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Anticoli Corrado (アンティコリコラード)

 

 イタリア中部のラツィオ州、ローマから50kmほど東側の内陸に入った山岳地帯に位置する中世都市。山間の急斜面にびっしりと積み重なる建築群は、異様な迫力で、見る者を圧倒し、集落の内部には、立体的に積み重ねられた建築物と階段状の路地が複雑に交錯している。集落のてっぺんの、いちばん標高が高い位置に、街の中心となる大きな広場があり、そこからメイン・ルートとなる階段路地が、斜面に沿って、綴れ折りのような形状をとりながら下っている。隣の山の頂上にある中世都市の「Roviano」と、谷を隔てて対峙している。

 

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Ostuni (オストゥーニ)

 

 イタリア南部のプーリア州に所在する中世の丘上都市。アドリア海の海岸線沿いにローカル線の駅があり、そこから車で2kmほど進むと、見渡す限りのオリーブ畑が連なる平地の中に、真っ白な建造物が密集したオストゥーニの丘の威容が姿を現す。遠景からの眺めは圧巻で、無数の建築物が立体的に重なり合いながら、丘の斜面に密集しており、丘状の地形と建物が一体化して街全体がひとつの巨大な構造物のようになっている。 

 
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Amalfi (アマルフィ)

 

 イタリア南西部カンパリア州、ナポリ湾から突き出したソレント半島南側のアマルフィー海岸に所在する海洋都市。9世紀には強力な海軍を持ち、地中海の貿易を支配する共和国だった歴史がある。街の背景に険しい山脈が迫っており、手前には海があるので、敵から攻撃されにくい天然の要塞となっている。川に蓋をかけて作った大通りが、かつての川の地形に沿って続いており、その両側には山の斜面に沿って、建物がびっしりと積み重なっている。 

 

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