公式アプリを脅かす勢いのサードパーティアプリ。これは良いこと悪いこと?
ブログVirtual Pantsが米Gizmodoに独自の見解をコメントしています。さてさて...。
サードパーティアプリが、iOSの中で1番いい席に座り始めている。これは、アプリ開発者、ユーザー、そして短期的に見ればアップルにとっても良いことだろう。サードパーティアプリ開発企業(例えばグーグル等)にとって、舞台と収入を得ることになる。ユーザーにとってはiOS端末で利用可能なより良いアプリが提供されることになる。アップルにとっては、iOS端末をより多く売る手助けとなる。しかし、長期的に見ればこれはアップルにとって必ずしも良い話とは限らないのだ。
高品質のサードパーティアプリの何が悪いのか、多くの人はそれに気づかないだろう。それも無理はない、アプリ自体に問題があるわけではないからだ。問題なのは、アップルがサードパーティへ依存し、自社開発を怠るその姿勢にある。
まず、iOS端末では、サードパーティ製アプリをデフォルト設定することはできない。元をたどればiOS端末といえども、コンピューターの仲間である。つまりこう置き換えればわかりやすい、OS Xでサードパーティ製のソフトウェア(メールソフトやブラウザ等)をデフォルト設定できないとしたらどうだろうか。そんなの許されないし、許されることではない。iOSでも同じことだ。これが今まで大きな問題となっていなかった理由は、アップルが提供する公式アプリが多くのユーザーにとって受け入れられ不便なく使えているからである。また、競合相手がいなかったというのもあるだろう。しかし今、それは変わり始めている。
Gmail、グーグルマップ、Chromeブラウザ等、昨今グーグルはアップルよりもiOSで使えるアプリを提供し始めている。他にも、SparrowやFantasticalもアップルにとって代わることができる競合アプリである。これらのアプリをデフォルト設定できず、アップル製アプリを使わねばならない状況というのは、ユーザーにとって理想の使い方とは言いがたい。
長い時間でみれば、ユーザーはグーグル製アプリ盛りだくさんのiOS端末よりも、最初からAndroid端末を使う方が楽だと考える人々もでてくるだろう。時が経つにつれて、アップルはサードパーティアプリでは使うことができない機能をiOSに盛り込んでくる。もし、ユーザーの主力となるアプリがサードパーティ製ならば、iOS端末とは軋轢がうまれ、ユーザーはイライラがつのるだけだろう。そうなれば、もちろん他の端末に目移りしても仕方がない。
かといって、アップルに対応策がないわけではない。私が考える策は2つある。1つは、アップルが自社アプリをより良いものにし、サードパーティよりも早く開発するということ。もう1つは、サードパーティアプリのデフォルト設定をユーザーに許可すること。どちらか(又はどちらも)を行動に移さなければ、アップルはそのうちより使いやすいサードパーティアプリを好むユーザーに呆れられ、ユーザーを手放すことになってしまうだろう。
iOSへのちょっとした姿勢の変化で、アップルはiPhoneをより良い端末へと押し上げ、より多くのシェアを獲得することができるだろう。あまりに頑固な姿勢は、ユーザーを退ける結果となるだけである。
アップル独自地図アプリで、嫌になったユーザーも多くいることでしょう。公式が必ずしも1番優れているとは限らないということです。そう、公式だからって胡坐(あぐら)をかいているようではユーザーを満足させることはできません。
そうこ(Virtual Pants 米版)