朝日新聞デジタル：水木しげるロード（鳥取県境港市） - 広島

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水木しげるロード（鳥取県境港市）

夜の水木しげるロードでは、妖怪のブロンズ像がライトアップされ、道に妖怪が映し出される＝鳥取県境港市

　■夜道に息づく妖怪たち

　漫画家・故水木しげるさんの出身地・鳥取県境港市にある「水木しげるロード」。妖怪のブロンズ像が並ぶロードができて２５周年となる今年７月にリニューアルした。夜、道には数々の妖怪が照らし出されては消え、妖怪たちの気配が感じられる。

　夜は妖怪たちが活動する時間。昼間は何げなく見てしまう妖怪のブロンズ像も、夜はライトアップされて主役になる。路面にも、妖怪たちが大小の影絵となって出ては消える。

　リニューアルで、歩道は石畳風、車道も灰色のような舗装になった。バリアフリーとなっており、土日や祝日にある歩行者天国時にも安心して歩くことができる。葉が茂った枝が垂れ下がるシダレエンジュが並び、古き昭和の風情がある。ライトアップされた木は、節も人の顔のように見えてくる。

　コンセプトは「妖怪たちのナイトミュージアム」。全長８００メートルを５ゾーンに分け、１７７体の像を置いた。ＪＲ境港駅近くは「水木マンガの世界」ゾーンで、ゲゲゲの鬼太郎のおなじみのキャラクターの像や影絵が出迎える。街路樹が多い場所は「森にすむ妖怪たち」ゾーン、妖怪神社近くは「神仏・吉凶を司（つかさど）る妖怪たち」ゾーン。水木しげるロードを東に進むと「身近なところにひそむ妖怪たち」「家に棲（す）む妖怪たち」のゾーンがあり、電灯が突然チカチカしたり、音に反応して照明の色が変わったり。

　商店街の有志は、新しく生まれた夜の雰囲気を生かそうと営業時間を延長して土曜夜市を復活させた。昼間はスタンプラリーをする人々で観光地らしいにぎやかなロード。水木しげるロード土曜夜市実行委員長をつとめる、お土産物店の原田幸代さん（４８）は「夜は少し妖しい雰囲気を安心して楽しめる。こんなところなかなか見つからない」と話す。（長崎緑子）

　◎楽しむ

　水木しげる記念館は「ロードにある妖怪の作者・水木しげるにスポットをあてた施設」と、庄司行男館長（６２）は話す。水木作品をはじめ、水木さんが子どもの頃に「のんのんばあ」から聞いた妖怪のオブジェや写真スポットとなるトリックアートなど約８００点が展示されている。開館時間は午前９時半～午後５時（時期によって延長あり）。入館料は一般７００円、中学・高校生５００円、小学生や障害者３００円。

　◎味わう

　水木しげる記念館の裏にある「ゲゲゲの妖怪楽園」（０８５９・４４・２８８９）にある茶屋では、コーヒーの表面に泡立てたミルクを注いで妖怪を描いた「妖怪ラテ」を販売している。図柄は、鬼太郎と目玉おやじ、一反木綿、ねこ娘（２パターン）の５種類。写真撮影をしやすいよう、ミルクの泡は消えにくい工夫がされている。ホットはコーヒーかココアで３６０円、アイスラテとフローズンラテは４７０円。

■　アクセス

　水木しげるロードは、ＪＲ境港駅前ロータリーから東へ水木しげる記念館までのびる約８００メートル。車だと鳥取県米子市内から国道４３１号を通って約３０分。駐車場などの問い合わせは、境港市観光案内所（０８５９・４７・０１２１）。

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