ｉＰｈｏｎｅ以降、個人向けスマートフォンが続々登場

斎藤●ウィルコムのＷ―ＺＥＲＯ３では反応が鈍かった他社も、日本でｉＰｈｏｎｅ　３Ｇが発売されて、ようやく「スマートフォンはビジネス市場だけに限定して売る必要はない」と判断するようになった。そのため、この冬はａｕを除く各社からスマートフォンが発売されているね。

西田●中でも多いのが、ＨＴＣ社の「Ｔｏｕｃｈ　Ｄｉａｍｏｎｄ」を自社向けにカスタマイズしたモデル。ＮＴＴドコモ、ソフトバンク、イーモバイルの３社からそれぞれ、「ＨＴ―０２Ａ」「Ｘ０４ＨＴ」「Ｓ２１ＨＴ」として発売されます。ハードウエア的にはほぼ同じなので、自分の使う携帯電話事業者に合わせて選べばいいわけです。

斎藤●フル画面をタッチして使うタイプのＷｉｎｄｏｗｓ　Ｍｏｂｉｌｅ端末だね。ＨＴＣが開発した独自のメニュー画面なども備えている。ただ、文字入力用のキーボードが無いので、テキスト入力をたくさんやりたい人は上位モデルに当たる「ＴＯＵＣＨ　ＰＲＯ」をすすめたい。ドコモでは「ＨＴ―０１Ａ」、ソフトバンクは「Ｘ０５ＨＴ」として販売されている。

西田●キー重視ならば、イーモバイルの「Ｓ２２ＨＴ（Ｄｕａｌ　Ｄｉａｍｏｎｄ）」もアリです。こちらはタッチセンサーはなく、すべてキーでの入力になるため、操作性は一歩劣りますが、本体が小型で細く、一般的な携帯電話に近いイメージで持てるのが魅力です。

斎藤●ウィルコムの一世代前のスマートフォン、「アドエス」こと「Ａｄｖａｎｃｅｄ／Ｗ―ＺＥＲＯ３［ｅｓ］」によく似た形だね。ウィルコムの最新モデル「ＷＩＬＬＣＯＭ　０３」は縦方向がもっとコンパクトになっている。ただ、本体を閉じた状態で使うキーはタッチ式になっていて、数字キーと操作キーを入れ替えて使う方式なので、使い勝手はやや悪い印象がある。画面に手書きで絵を描いてチャットができる「手描きチャット」サービスに対応しているのがちょっと面白いね。それと、シャープ製の国産スマートフォンなので、ＨＴＣの機種と違ってワンセグが内蔵されているのが嬉しい人も多いのではないかな。

西田●同じシャープ製では、ドコモから出る「ＳＨ―０４Ａ」もあります。こちらも、ワンセグあり、タッチセンサーあり、ＱＷＥＲＴＹ（クワーティ）配列のフルキーボード内蔵と、機能はほぼ同じです。これまで挙げたスマートフォンは、すべてＯＳにＷｉｎｄｏｗｓ　Ｍｏｂｉｌｅを採用しており、パソコン用のウェブサービスの利用を中心としています。そのため、デコメールやｉモードのような「携帯電話向けサービス」が使えません。ですが、ＳＨ―０４Ａは、携帯電話と同じサービスが使えるように作られており、ＯＳもＷｉｎｄｏｗｓ　Ｍｏｂｉｌｅではありません。そういう意味では、スマートフォンとはいいながらもちょっと違う存在。フルキーボードの使えるケータイ、といった方がいいでしょう。０８年３月に発売されたソフトバンクの「インターネットマシン　９２２ＳＨ」も同じような扱いです。

斎藤●携帯電話向けサービスが使えないというのはｉＰｈｏｎｅ　３Ｇも同様。ｉＰｈｏｎｅは当初ソフトが安定していなくて、日本語入力やブラウザーを使ったサイト閲覧が大きなストレスとなっていたのだけれど、現在は内蔵ソフトが大幅にバージョンアップされてかなり安定度が上がった。絵文字も入力できるようになって、ケータイっぽいメールが書けるようにもなったし。それと、ワンセグチューナーを内蔵したバッテリーバック「ＴＶ＆バッテリー」が０８年１２月中に発売予定で、ｉＰｈｏｎｅでも無線ＬＡＮ経由でワンセグが視聴可能になるほか、弱点とされているバッテリー持続時間の短さをカバーできるようになる。ｉＰｈｏｎｅ専用の表示ページを用意したウェブサイトも増えているし、ｉＰｈｏｎｅの魅力は薄れていないよ。

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◆Ｓ２１ＨＴ　製品情報（イーモバイルのホームページへ）

◆Ｘ０５ＨＴ　製品情報（ソフトバンクのホームページへ）

◆Ｓ２２ＨＴ　製品情報（イーモバイルのホームページへ）

◆ＷＩＬＬＣＯＭ　０３　製品情報（ウィルコムのホームページへ）

◆ＳＨ―０４Ａ　製品情報（ＮＴＴドコモのホームページへ）

◆ｉＰｈｏｎｅ　３Ｇ　製品情報（ソフトバンクのホームページへ）