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緑資源機構 元理事「事件、政治家にも」 松岡氏自殺

2007年05月28日22時23分

 林野庁出身の松岡農水相の自殺。同庁を含む農水省や緑資源機構の関係者は、慌ただしさのなか、松岡氏の影響力と自殺への衝撃を口にした。

 「林野行政の後ろ盾だった。ここまで頑張って、大臣までのぼりつめて、築き上げてきたのになぜ……」。林野庁のある関係者は言葉を詰まらせた。「彼の政界での師匠は故中川一郎氏。中川氏も首をつって自殺した。これ以上、党に迷惑をかけると党にも申し訳ないという気持ちがあったのではないか。切腹するつもりで自ら命を絶ったのだろう」と無念さをあらわにした。

 農水省の小林芳雄事務次官は各省の事務次官会議から農水省へ戻った正午すぎに自殺の一報を受け、慶応大学病院へ向かった。午後4時から記者会見。「信じられない思い。それに尽きます」と印象を話した。

 「輸出促進とかバイオマスとか21世紀型農業に取り組んでいこうと、方向をリードされてきた。外交の交渉力もあり、功績、役割は非常に大きかった」と述べた。

 最後に会ったのは先週末の25日。松岡農水相はこのところ、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉で海外への出張がたて込んでいたが、特別に普段と変わった様子には気付かなかったという。

 一方、官製談合事件の舞台となった緑資源機構。理事と課長の逮捕に加え、二重の衝撃となった。ある機構関係者は「いずれ逮捕されることを感じて自殺したのかもしれない、と思った」と驚きを抑えた様子で話した。また、別の機構関係者は「捜査が地元に及んで、追い込まれたのだろうか」と話す。独占禁止法違反容疑で逮捕された高木宗男元理事は逮捕される前、「(談合事件が)いずれ政治家に及ぶのでは」と話していたという。

 テレビの速報で松岡氏の自殺を知ったという、元機構職員は「あぜんとした。順序としては、自殺よりも大臣をやめる方が先だったのではないか」と、「無責任さ」を指摘した。

 ある元秘書は「何事にも確信を持っていた。だからこんなことは予想もしていなかった。本当によく勉強していた人だった」と残念がった。

 また、自殺が及ぼす影響については「族議員としての影響力はあった。林野行政全体への影響は少なからずあるのではないか」と分析した。

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