第104話 栄光への爆走 1981.11.15 放送  監督 宮越登 脚本 新井光
 

西部署管内で宝石店強盗が発生。犯人一味の乗る車はパトカーの追跡を恐るべきドライビング・テクニックで振り切って逃走。大門(渡哲也)らは逃走の手口から、数日前に起きた銀行強盗と同一犯ではないかと疑うが、犯行に使われた拳銃は全く別のものだった。

 日産が誇る希代の名車・S30型フェアレディZが画面狭しと暴れ回るカーアクションの傑作編。終盤の『運河越えダイブ』は第109話以降、シリーズ最終編にいたるまでオープニング画を華々しく飾り続けた。
 

見どころ『その一』は、序盤に市街地で繰り広げられる、白のS30型Zと西部署パトカー軍団との激しいカーチェイス。

 レーサー・秋元(矢吹二郎)が逃走に使用したS30型Zは、69年11月にデビューした、国内はもちろんのこと、欧米でも不動の人気を誇った国産初の本格的スポーツカー。因みに73年9月のマイナーチェンジ後のモデルとなる後期型にあたる。ダンロップのラジアルとエンケイのアルミディッシュで足回りを固め、軽快なコーナリングでパトカー軍団を翻弄。一般車両に激突して立ち往生するパトカー軍団を尻目にまんまと逃走に成功する。
 

秋元が使用したS30Z(品川57そ71−16)。ダンロップのラジアルとエンケイのアルミディシュで足回りを固めていた。 追跡に向かうパトカー軍団。

 追跡に向かったのは白パト5台と黒パト2台。

 白パト5台の構成は、後期・330型のグロリアが2台、後期・330型セドリック(SGL)が1台、及び前期・430型のセドリックが2台。黒パトは、北条(御木裕)・平尾(峰竜太)の後期・330型グロリアと、源田(苅谷俊介)・松田(寺尾聡)・谷(藤岡重慶)の前期・430型セドリック。その内、主にグロリアの白パト2台がスタントで活躍。

 1台が通常走行中にローレル(130型)に接触。次いで、Zのコーナリングについて行けずに停車中のスカイライン(C10型)に1台が接触したところにもう1台が激突。めげずに追跡を続けるが、最後は交差点から飛び出して来たサニークーペ(110型)に1台が激突し、さらに後ろから北条の黒パトに追突されて万事休す。

スカイライン(C10型)に接触するグロリア(後期・330型・品川88た20ー17)。直後にもう1台のグロリア(後期・330型・品川88●11ー17)が激突。手前は秋元のZ。 サニー・クーペ(110型・品川57た21ー12)に激突するグロリア。
  

 見どころ『その二』は終盤、大門の駆るマシンXと秋元の駆る銀のS30型との一騎討ち。

 こちらのS30型はマイナーチェンジ以前のモデルとなる前期型。尚、一部で同色のGS30型が変わり身として使用されていた。GS30型は74年1月に発売された4人乗り仕様。サイドウィンドーの形状から判別が可能。倉庫街や幹線道路で一通りカーチェイスを披露した後、ジャンプ台から河川工事の看板を突き破って運河をダイブ。ダイブ・シーンに使用されたのはS30型。劇中では着地に成功して逃走を続けた設定になっているが、実際には若干飛距離が足らずに向こう岸の岸壁に車体の後部を引っかけて大破していた。

 第109話以降のオープニング画では、Zがダイブに失敗する無惨な姿を余すところなく見せてくれる。

秋元が使用した2台目のZは4人乗り仕様となるGS30型(品川57こ21ー70)。1台目のS30型と同様、ダンロップのラジアルとエンケイのアルミディッシュを装着。
 
Zを追跡するマシンX。
       
       
       
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