京都は防災に特化したいろいろな知恵が伝承されています。皆さんの周りに存在しているけれども、なかなか気づかない京都の「災害文化」に触れてみませんか?そのうえで、なお、解決しない課題に立ち向かってみませんか?
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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畑山満則 | 京都大学 防災研究所/
情報学研究科 |
防災情報システム |
大西正光 | 京都大学 防災研究所/
情報学研究科 |
防災計画 |
岡田憲夫 | 京都大学名誉教授/関西学院大学災害復興制度研究所顧問 | 防災計画、参加型まちづくり |
寺谷篤志 | 一般社団法人:興士舎 | 実践まちづくり論 |
平塚伸治 | 一般社団法人:興士舎 | 実践まちづくり論 |
災害多発地域には、災害発生の兆候や災害時の対処法に関して独自の知恵が発達し、継承されることで「災害文化」を形成しています。しかしながら、形成された独自の知恵も、災害の様相が変わり、生活のスタイルが変わるのに合わせて形を変えていくことが求められます。本年(2016年)4月に発生した熊本地震のような大災害では「災害文化」が役に立った地域がある一方で、文化の醸成まで至れていなかったことを後悔する地域もあります。
本テーマでは、京都市内の活発な自主防災会のある中京区の小学校区を舞台として、これまでの想定を超える巨大災害にもしなやかに対応できる新たな災害文化のデザインを試みます。
自主防災会を訪ね、これまでの活動と減災を目指した地域の安全安心に関わる課題を地域の方々とともに実際に見てまわることで発見します。このことが災害文化の形成にどのように結びついているのかについて検討します。現状ではまだ不十分で憂慮されている課題に対して、どのように災害文化をさらに発展させていけばよいかという問題をペルソナ・シナリオ法やブレインストーミング法を使って考えます。災害文化の形成プロセスのデザインに関しては、参加型まちづくりで用いられてきたゲーム感覚で行える四面会議(システム法)というワークショップ手法を用います。提案実現のために必要な4つの要素をブレインストーミングから抽出し、対立軸となる要素間のディベートによって、実践可能な行動計画を明確化していく手法です。すべての過程で参加者の意見が求められるため、問題意識や状況認識の共有化が図られることとなります。参加者の皆さんには、このようにして協働のデザインに役に立つスキルを培っていただけるはずです。
ブレインストーミングの技法、ペルソナ・シナリオ法、四面会議を用いた行動計画の立案手法、ディベートを用いたアサーティブな議論作法の習得
参加型減災まちづくりのデザインの理論に関しては、畑山・岡田が講義する。
【デザイン手法】四面会議システムについては「寺谷・平塚『地方創生から地域経営へ:まちづくりに求められる思考のデザイン』、仕事と暮らしの研究所、2015」という文献をを使う。このワークショップでは、寺谷・平塚がファシリテータを務める。