(96) アブチロン

アブチロン

 四角の尺鉢に植えられたアブチロンである。スタンド作り(スタンダード作り)で、高さは鉢底から木の天端まで140cmもある。おまけに、この品種“ドワーフ・レッド”は花色も暑苦しくない程度のオレンジ赤である。ただ、この花色は涼しくなってくると、美しい真紅に変わってくる。それはアントシアンの作用によるものらしい。

 実はこれ、今やアブチロン生産では日本一の近所のS園さんの商品である。同社は現在 数十万鉢(ポット)も栽培するトップ業者である。

 ところで、この辺りでは日よけした施設できちんと灌水管理をしないと、夏越しは大変である。けれど、そうした場所では8月から咲き始めている。9月に入り気温も下がり始め、花にとっても過ごしやすくなってきた。たぶん これならもう1ヶ月半以上は咲き続けよう。しかし、度々書くが、これは「大木」でもあるので灌水は欠かせない。

 物好きなので、いったい幾つ花が咲いているのだろうと、この大鉢の花を数え出した。そして 50個までは確認したが、 ちょうどケイタイが鳴り出した。それに応対しているうちに それ切りになって止めた。けれど、おそらく全部で 80個以上は花を付けていただろう。

 とにかく多花性で花期が長い。それに、晩夏から秋にかけて鉢花の少ないこの時季には、貴重な商材となる。花色も増えてくれば、もっと注目される花木だろう。

 なお参考までに記すと、このアブチロンは分類上はアオイ科である。

猛暑が去り、過ごしやすい秋となって 日々涼日、日々感謝。 (E.O)