「接骨院の不正請求」このままでいいのか?

2008/08/31

朝日放送「ムーブ!」で「接骨院の不正請求」がシリーズで放送され、朝日新聞にも「保険対象外も請求か」「保険不正請求、接骨院、手口巧妙に」が報道された。柔道整復師は打撲と捻挫しか保険請求できないのに、慢性疾患を偽って打撲、捻挫として不正請求しているというのだ。

朝日新聞によれば、ケガ3か所以上の請求の割合が、大阪では81.0%、奈良では80.1%であるのに、岩手では14.1%である。つまり大阪の人達はケガしやすいということになる。驚きである。患部が次から次に変わる「部位転がし」が、長期にわたる治療の時にしばしば用いられる不正請求の手口だそうだ。とんでもない話である。この背景には、保険を適応すると患者は負担金が少なくてすむし、接骨院は儲かるという根深い構図がある。

平成14年には約3,000億円が請求せれ、平成10年には柔道整復師養成学校学生数が約1,000人だったのに、平成19年には約8,000人になっていると聞く。彼らの不正請求は、大した金額ではないと保険者も行政も思っているが、このままでは不正請求が1兆円規模になることは必至である。国民医療費は約33兆円だが、大切な医療費が詐欺行為によって使われている。彼らの約3,000億円の不正請求がなくなれば、社会保障費を毎年2,200億円削減する必要はなくなる。厚労省もこの事実は認識しているようだが、対応しようしないようである。何か大きな力が働いているとしか思えない。適切な対応を期待したい。

(尼崎市 Y氏)
[2008/8/31]