「うみねこのなく頃に」
PC用同人ソフト/07th Expansion

[同人PCソフト]うみねこのなく頃に [第1話〜第4話] [同人PCソフト]うみねこのなく頃に散 Twilight of the golden witch[第5話〜第8話]<特典:ポストカード付き> [同人PCソフト]うみねこのなく頃に翼 これまでの贈り物、全部。詰め合わせ [同人PCソフト]黄金夢想曲 うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~ 特典 Amazon.co.jpオリジナル「魔女からのレターセット」、真実のペン(赤・青)2本セット付き うみねこのなく頃に散 真実と幻想の夜想曲(通常版)



■目次
お知らせ / EP1ファーストプレイメモ / EP2ファーストプレイメモ / EP3ファーストプレイメモ / EP4ファーストプレイメモ /
EP5ファーストプレイメモ / EP5考察「魔女狩りの宴」概略 / EP6ファーストプレイメモ / EP6考察「魔女狩りの宴」概略 /
EP7頒布前考察 / EP7ファーストプレイメモ / EP7考察 / EP8ファーストプレイメモ / トップページへ戻る

  


■Episode5ファーストプレイメモ
 ゲーム開始前の説明文。
「新しいゲームマスターによる新しいゲームを、どうかごゆっくりお楽しみください。」
 EP5ではゲームマスターが変わるのか。

▼???(回想シーン)
 リフレイン。過去のEPで戦人をいたぶって楽しんでいたベアト。

▼???(黄金の薔薇園)
 人形のようなベアトと、その髪を梳(す)くワルギリア。盤面を前に熟考している戦人。ベアトの指し手(=心)を理解しようと試みるが、果たせない。
 ベアトの足に取り付けられた枷。ゲームを降りることができないという拘束を視覚化したもの。過去のEPにもあった象徴的な描写にも重ねられているのだろうか。

▼???(メタ世界)
 ラムダデルタとベルンカステルが登場。ゲーム盤を引き継ぐというラムダに戦人が反発する。彼は誰よりも「ベアトとの対局」に固執している。そこには必ず理由があるはずだ。ベアトの正体、戦人の秘密にまつわる何かが。
 縁寿の死を見せつけられて激怒する戦人だが、ベルンカステルに触ることができない。望まぬ相手には触れることすら許さない幻のような存在――魔女の本質だろうか。EP3で秀吉がエヴァを叩くことができたのは、夫婦としての絆ゆえなのか。では、かつてベアトの頭を叩いていた戦人は?
 戦人はベルンカステルを代理人に指名。ラムダデルタが不満そうな表情を浮かべたのはなぜだ? 口ではベルンカステルと一緒に遊べて楽しいと言っているが、本当は戦人を対戦相手にしたがっていたようだ。それこそが彼女たちの上位にいる存在の本心、と解釈すべきか。

▼???(黄金の薔薇園)
 ワルギリアが言うには、ラムダデルタはベアトがやらないことをやってくる可能性が高いようだ。ベアトのゲーム盤はチェス。ラムダデルタのゲーム盤はそのルールを無視する。EP5を眺めることで、逆にベアトのゲーム盤のルールが見えてくるのかもしれない。
 ロノウェ登場。戦人抜きで進んでいるゲーム盤について「愛が、ありませんな」と感想を述べる。つまりベアトのゲーム盤には愛がある。……戦人はベアトに対して責任を感じているように見える。それは真里亞への自責の念なのか。眠り姫というモチーフは「表に出てこない、眠ったままの心の象徴」とも受け取れる。
 ゲーム盤を取り戻すと決意する戦人。ゲームはすでに終わろうとしていた。ベルンカステルが詰める段階だという。そんなにたやすく勝てるゲーム盤だったのか?

■■■■■■1986年10月5日■■■■■■

▼客間
 夏妃に殺人の嫌疑がかかっている。彼女を犯人と断じる新キャラ登場。

■■■■■■198?年?月?日■■■■■■

▼書斎
 金蔵の死。蔵臼、夏妃、南條、源次は分かるが、熊沢も書斎に立ち入っていたのは意外だ。
 金蔵は前兆のない急死だったらしい。病気ではあったが、事前に倒れたりはしていない。
 蔵臼は金蔵の財産を担保にしていたため、この死を外部に知られるわけにはいかないと言い出す。投資の失敗を繰り返してきた蔵臼と、それをいつもたしなめていた夏妃の会話。

▼夏妃の私室
 抵当権の登記を避けるため、蔵臼は権利書と委任状を相手に預けることで融資を受けていた。右代宮家の財産はその相手に握られている。そして蔵臼は刑事訴訟を起こされるだろうと頭を抱える。何としても金蔵の死は隠さねばならない。次の事業が実を結び、大金を手に入れる日まで時間を稼ぐ必要があるのだという。
 ……待てよ。右代宮家のすべての財産の回収や権利の放棄を予告していたベアトリーチェに重なるぞ。やはり物語の筆者は右代宮家の内情に詳しかったのだろう。源次という線は悪くないはずだ。
(※筆者としての源次については『最終考察うみねこのなく頃に』総合考察の章を参照)
 常日頃から隠し黄金を金策のための作り話と断じていた蔵臼が、窮地に追い込まれた途端に実在を主張し始める。……以前真里亞が言っていたよね。みんなベアトリーチェを否定しているくせに、都合が悪くなると魔女の実在を主張したがるって。やっぱり似ているなあ。
 蔵臼への失望と葛藤から書斎を飛び出す夏妃。
 なっぴーの表情がいちいち可愛いわけですが(笑)。神経質そうだけど、いい妻だよなあ。

▼廊下
 出会い頭にぶつかった源次に、夏妃は書斎の鍵を貸すよう要求。

▼書斎
 金蔵の亡骸にすがりついて泣く夏妃。すると机の前に金蔵が現れる。記憶と願望が入り交じった幻、と夏妃は理解している。
 かつて当主に祭り上げられた金蔵。操り人形という説明は、EP3のエヴァを思い起こさせる。あるいはベアトリーチェも重ねられているのだろうか。ベルンカステルとラムダデルタのおもちゃ、傀儡に過ぎないことが何度も描かれているからだ。人形のように座っていたプロローグも同様か。
「ベアトリーチェに出会う以前の私は、当主と呼ばれるだけの人形に過ぎん。」
 真里亞が心の中にベアトリーチェを住まわせる前後、と読み替えても通じるはずだ。しかし夏妃の心がそれを拾い上げているはずはない。意味合いを重ねられるのは、あくまでも物語を作り上げた人物だけだ。
 当主の継承は血ではなく、魂と信念によってなされる。それを持つ真の当主にベアトリーチェは力を貸す、と金蔵。
 ベアトリーチェ登場。持たぬものですら語り、それを実現する王者……「妾を支配できる者には、その王者の傲慢が必要だ」と言う。まさに金蔵のことだ。あるいは魔女の存在を周りの人間に信じさせようとする真里亞も重ねられているか。惨劇を通して魔女の実在を主張することや、メッセージボトルで魔女伝説が確かに生まれたことを考えれば、真里亞や物語の作者をベアトの言うところの傲慢な王者と見なしてもいい。
 苦難を恐れない強者の言葉は、根拠がなくとも弱者の忠誠を得る。それが現実的な力を生み出すと言う金蔵。――誰かに重ねられているような気がする。真里亞か?
 根拠も資金もないが、抱えている問題を解決すると宣言する夏妃。これがEP5の軸になるのだろうか。
 当主の資格と片翼の鷲の紋章を引き継ぐに相応しい人物を見定めろ、という金蔵の遺言。ベアトもそれに興味を持っている。なぜだろう。
 今後の対応について何かを思いつく夏妃。金蔵はそれを魔力が降りたと表現し、ベアトは「妾に望む奇跡の魔法」を問いかける。

▼書斎(時間が経過した後)
 金蔵の死を隠すことを、夏妃は「魔法」と表現する。確かにそうだ。
 ……あれ? 紗音と嘉音はここでも立ち会っていないのか。おかしいな。部外者だったはずはないぞ。今後知ることになるのだろうか。

▼書斎(時間が経過した後)
 ベアトリーチェが使った魔法は金蔵の復活。誰かの理想(この場合は夏妃)を形にするということか。黄金が欲しいという蔵臼の弱々しい願いは聞き届けられない。形にできるのは王者としての魂と信念だけだ。真里亞、EP2の紗音、EP3のエヴァ、EP4の縁寿らが使った魔法も強い意志によるもの。……では、魔法を否定しながらメタ世界に存在し続けることができる戦人はどうなのか? 強い信念がなければ魔法を使えないというなら、彼は何らかの魔法を使っているはずだ。その正体はやはり「逃避」ではないかと思う。
『うみねこのなく頃に散』のロゴ、アンダーラインが赤いな。愛と真実を意味する赤か。

■■■■■■1985年10月5日(一年前の親族会議)■■■■■■

▼薔薇庭園
 金蔵、嘉音、夏妃の会話。ベアトリーチェの言葉からすると、すでに金蔵は死んでいるようだ。これは夏妃の心が生み出したシーンか。金蔵は書斎に戻る際、嘉音にマルコポーロという紅茶を要求する。
「よっこらせっ……」と声を出して立ち上がる金蔵。年相応に弱々しいな。EP4のゴールドスミスとまるで違うのは、拠り所となった(金蔵の実在を想像した)人物が異なるからか? それともゲーム盤の作者が物語を紡ぐ際の試行錯誤か?
 そうだ……夏妃は反魔法の毒素を持っているはずだった。彼女が魔法を使うのはこれまでのEPと相反することだ。これをどう解釈すべきか。
 夏妃とベアトリーチェの会話。薔薇の香りのする紅茶・ディンブラ。お茶請けはパティス。

▼???(魔女の喫茶室)
 ラムダデルタ、ベルンカステルが戦人と会話。あれ? 一年前のシーンがゲーム盤に含まれるのか?
 死んだ金蔵が薔薇庭園で会話していたことを、戦人は夏妃の嘘と断じる。そして「夏妃伯母さんの事実として提示できる」とも言っている。真実はその人物の主観に由来する、ということを確定させたようなものだ。過去のEPに対する答え合わせの一環か。
 戦人によれば、金蔵の死から先ほどのシーンまでの間に、嘉音は金蔵の死について説明を受けているということになる。それが妥当だろう。福音の家がこの世に存在せず、彼までもが幻想世界の住人だった――といったどんでん返しがあったらさすがに驚くぞ。六軒島の中にのみ存在した人物=幻想、みたいな。家具たちの姿が一切ない集合写真が出てきたりしてね。
 戦人の青字は極めて妥当。ここまで丁寧に説明するのは、EP3と同じく読者に対するナビゲーションの一環か。……しかし待てよ、EP2で屈服した戦人が金蔵の姿を目撃してるよね。きみは何で見ることができたんだ戦人くん。
 ベルンカステルは、未知の薬物や隠し通路を主眼に据えて論じること自体が無駄だと一蹴。これも全くその通り。それにしても、ベルンカステルの笑い方がベアトリーチェみたいだな。両者が同じ人物の心を拠り所にしていることに基づいた描写か。
 苦しそうなベアトリーチェ。ラムダデルタによると、ゲーム盤のシーンは戦人のための回想だったらしい。ベルンカステルや戦人が魔女幻想を打ち破ろうとしているので、ベアトリーチェが苦しんでいる。では何か? 戦人はこれから魔女幻想を肯定する方に傾くというのか? それは魔法の肯定、逃避をやめて現実に向き合うことに繋がるぞ。いきなりクライマックスの予感がする……。

▼六軒島の港
 会議を終えて島から立ち去る一行。そうだ、この年は縁寿も来ていたんだっけ。
 遺産を巡る話を廊下の金蔵に聞かれていた、というのは伝達役の嘉音が生み出した状況だろう。

▼薔薇庭園
 夏妃の許に来る嘉音と熊沢。……どうやら嘉音ではなく、熊沢の演技だったらしい。恐るべし熊沢チヨ。口が軽そうに見えるが、金蔵の件は最後まで口外しなかったということか。
 その後、ベアトリーチェと共に紅茶とお茶請けを楽しむ夏妃。お茶に詳しいあたり、このベアトリーチェは楼座に通じるものがある。偶然だろうか。

▼インドネシア?(回想シーン)
 夏妃と蔵臼の旅行。ビンロウを巡る会話。蔵臼が口の中を真っ赤にするのは、これが愛情に通じたシーンだからだろうか。薔薇の赤と同じ。
 やはりビンロウは縁起物、夫婦の象徴だったようだ。

▼薔薇庭園
 パティスをもぐもぐやる夏妃が可愛いんですけど(笑)。
 夏妃は金蔵の生存を信じさせるため、彼の架空の行動を書いた計画書を用意していた。これを部外者に見られた場合、魔法は解けてしまうだろう。

▼???(黄金の薔薇園)
 ベアトリーチェの口に紅茶を運ぶ戦人。薔薇の香りのする紅茶もまた、愛に通じるものだ。
 彼女を躊躇なく殺せると告げた戦人に、物言わぬベアトリーチェが傷ついたかどうか。戦人は己の胸が痛んだことを理由に、「俺はきっと、ベアトが傷ついたと、信じている」と考えている。ここでも戦人の主観がクローズアップされている。

▼???(メタ世界)
 六軒島の薔薇庭園で夏妃とベアトリーチェが一緒にお茶を飲んでいるのは、「ゲームマスターであり、物語の語り手であるラムダデルタがそう解釈しているからなだけよ」とベルンカステルは告げる。幻想が生じる理由について、ゲーム盤の人物だけでなく語り手(物語の作者)にも言及してしまった。大サービスだな! さすが冒頭で「難易度は低め」と説明されていただけのことはある。
 夏妃は一人でお茶を飲んでいると、ベルンカステルが赤字で断じる。現れた光景は寂しく惨めなもの。本当はみすぼらしい姿だというベアトリーチェに通じる孤独さだ。

■■■■■■1986年?月?日(このアイキャッチは表示されない)■■■■■■

▼朱志香の私室
 電話の主は六年ぶりに連絡を入れてきたらしい戦人。今年は親族会議に参加するという内容。
 ……ここでTIPS確認。パッケージにも印刷されていた画面写真だけど、戦人、ベアトリーチェ、ベルンカステル、ラムダデルタが黄色い線で繋がっているな。これは全部戦人に由来する関係なんじゃないだろうか?

▼客間
 事業家を招いて夏妃に説明させる蔵臼。経過は順調なようだが、規模が大きくなったせいで一年が過ぎてもまだ金になっていない。

▼書斎
 今年の親族会議をどう乗り越えるかという話題。夏妃は金蔵の死を知る使用人を集中的に配置する、と述べている。福音の家出身の眞音、恋音、瑠音は事実を知らないということだろうか。郷田は蚊帳の外のはずだが……EP1で夜の屋敷に配置されたのは妙だ。予定通りゲストハウスを担当させるのが筋のはず。やはりシフト変更を命じたのは蔵臼ではなさそう。もっとも、ボトルメールの筆者が別の意図で変更させた可能性もあるが……。
 後々金蔵の失踪を宣言する予定なら、ボイラー室の焼却炉で焼くのはおかしい。蔵臼、夏妃とは別の意志が働いていることになる。源次ら使用人が独自に行ったことか。

▼???
 書斎のベアトリーチェについて、戦人が青字で存在を肯定する。魔女幻想の否定はゲーム盤の二日間だけで十分と述べる戦人。否定から肯定へ。ベアトリーチェはEP5で消滅を免れることができるだろうか?
 ゲーム盤をベアトリーチェの視点で読み解き、理解して、彼女の心臓に辿り着くと宣言する戦人。これがEP5の主題か。……ベアトリーチェが反応して頷いている。これは驚いた。

▼使用人室
 今年も金蔵の死を隠し通すと決意を新たにする源次、紗音、嘉音。根本にあるのは忠誠心。

▼レストラン
 金蔵はすでに死んでいたのでは、という疑念を絵羽に吐露する秀吉。以前のEPで絵羽が金蔵の生存を疑問視していたのはこのためだろう。

▼ビルの屋上?
 蔵臼の窮状を察知した霧江が、彼をゆすることを留弗夫に提案。彼女が言う京都の知り合いというのは須磨寺家ゆかりの者だろうか? 絵羽・秀吉夫妻のシーンと同様、各EPと辻褄が合っている。これらのシーンは(ゲーム盤の解釈という意味において)信用していいはずだ。

▼楼座の自宅
 留弗夫からの電話を受ける楼座。各人二億円をせしめるための相談。
 会談の日は真里亞とデルゼニーランドへ行く約束が入っていた。楼座は部屋を散らかした真里亞を責め、その約束を破棄したようだ。叱りつけたのは口実に過ぎず、憤怒の表情は申し訳なさを隠すための演技。本心ではない。愛がなければ視えない。

▼夏妃の私室
 謎の若い男からの電話。「俺の望みは、……あんたに思い出してもらうことだ」――これはEP4で戦人に罪を思い出せと言ったベアトリーチェと同じだ。
 男は夏妃を「カアサン」と呼ぶ。……夏妃の息子? 夏妃の十九年前の罪に復讐するため、親族会議に来るという宣言。何だこれは。すでに現実とは関係ない幻想描写か。

▼???
 謎の電話はラムダデルタの一手だったようだ。真偽について彼女は何も語らない。ゲーム盤の二日間ではないが、記憶に留めておくと言うベルンカステル。
 ……ゲームマスターが違えば前提となる設定も変わるだろう。特に問題はない。

■■■■■■1986年10月4日(第1日目)■■■■■■

▼薔薇庭園
 庭園を歩く子供たち。「こんなにいっぱいの薔薇、みんなと挨拶してたら、遅刻しちゃうね…!」と真里亞。彼女はやっぱり薔薇を親しい友人と見なしている。想像の世界でさくたろうのような命ある存在として扱っているはずだ。それは命名した薔薇だけにとどまらない。これまでの考察は筋が通っているぞ。

▼屋敷の廊下
 夏妃と源次の会話。金蔵の件は親族から不審がられている。

▼???(メタ世界)
 書斎の密室について、ベアトリーチェと夏妃が言葉を交わす。ロノウェとガァプ登場。
「私はいつだって、誰の側にでもいるわ」というガァプの台詞は魔法の本質と言える。今回、金蔵の死体はこいつが穴に放り込むのかな? 夏妃に対して「客人の心得はあるつもりよ」と言っているので、右代宮家の誰かに重ねられたキャラではないように思う。

▼???(魔女の喫茶室)
 ベルンカステルが言う十月四日に解ける謎とは? ……真里亞の薔薇か?
 戦人は真相ではなく出題者ベアトリーチェの意志、「なぜその謎が提示されるのか」を考えていくようだ。いいぞいいぞ。

▼客間
 蔵臼との前哨戦を終えた留弗夫たち。眠り込んだ楼座を気遣って静かに出ていく。
 楼座は薔薇を探している真里亞に気づいていない。今までとは違う展開だ。

▼薔薇庭園
 真里亞に声をかけた謎の人物。……誰? 夏妃の息子を自称した男? 新キャラの少女?

▼屋敷三階の廊下
 蔵臼と夏妃に、海難事故に遭って島に漂着した人物がいると報告する源次。南條の診察を受けているというその人物は、少女のようだ。では真里亞に声をかけたのは男の方か。

▼客間
 あれ? 自力で薔薇庭園まで歩いてきたということは、真里亞に声をかけたのはその少女か。
 ちょっ、ドアが開いて新キャラ登場かと思ったら郷田と嘉音だった。フェイントかけんな(笑)。少し遅れて現れた南條にみんなの視線を奪われてしょんぼりする郷田さん、相変わらずいい味出しますね。
 新キャラ登場。頭部にはまたも薔薇の装飾。名前は古戸ヱリカ(ふるど・えりか)。……ふるでりか? ゲーム盤におけるベルンカステルの代弁者、という考えが真っ先に浮かぶが……。もう少しひねってありそうだ。

▼???
 あらっ、ベルンカステルが「私自身を、駒として出させてもらった」と言っちゃったぞ。でも重要なのは物語の上位にいる存在だ。二人の魔女よりももっと高位の創造主がいるはずだ……。
 ヱリカは探偵であり、犯人ではないという旨の赤字宣言。「探偵即犯人」というパターンは考えなくてもいい、ということらしい。

▼客間
 戦人、譲治、朱志香が来る。

▼???
 島内にいるのはこの客間にいる十八人、という赤字。

▼客間
 自己紹介する朱志香の顔が(´∀`*)で可愛い(笑)。ヱリカが年の近い同性だからだろうね。

▼夏妃の私室?
 ヱリカを誰かの刺客ではないかと疑っている夏妃。否定する源次。
 しかし、ライフジャケットの着用はともかく、ボートからの転落と島への漂着は現実的ではない。この悪天候でプレジャーボートを出すものか。六軒島の港は表と裏の二箇所しかない。小さくはない島だけに、偶然そこに漂着するのは不自然だ。嵐の前に船が出ていて、かなり早いタイミングで転落していたという解釈は可能だが……。それよりも、上位の存在・ラムダデルタの意志が介入した設定であると見なすのが妥当だろう。根拠にあるのは漂着民の伝承か。

▼???
 ヱリカという駒を見下し、あるいは警戒するベアトリーチェたち。

▼食堂
 先生! 郷田さんのディナーが食べたいです!
 ヱリカが箸を好むのは、梨花の年寄りくささに似ている。先ほどのベルンカステルもそうだったし。(※古手梨花は『ひぐらしのなく頃に』の登場人物)

▼玄関ロビー
 ベアトリーチェの肖像画に目を留めるヱリカ。一瞬、自称夏妃の息子が来たのかと思って焦った。

▼ゲストハウス
 碑文を解けば次期当主になれる、とヱリカ。「よくあるシチュエーションです」と述べている。どうやらこの子は既存の小説、物語のパターンを基に論じていく探偵のようだ。
 碑文を解くことに興味津々のヱリカ。「灰色の脳細胞」ですと(笑)?

▼???(メタ世界〜カケラの海)
 ベルンカステルが言う「解ける謎」というのは碑文のことだったのか。……え、このタイミングで解くの!?
 ここはカケラの海か……ラムダデルタが言う「難易度の高い謎じゃなきゃ、意味がない」というのは、それが金蔵の言う奇跡に通じているからだろう。天文学的な確率で成し遂げることに意味が宿る。

▼ゲストハウス
 謎解きをするヱリカたち一行。うーん、鮎は遡河魚(そかぎょ)だ。川を道路と仮定するなら、ぐるりと一周できるものか……? その手の道路、あるいは線路があったかどうか、ちょっと確かめる必要がありそうだ。けど往復できれば何でもいいのかもしれないしなあ。
 第一の晩より前に、すでに六文字を間引く元となる言葉が登場しているのではないかと推理する戦人。あああ、その発想はなかった! 碑文の中で絞り込むわけか!
「寄り添う二人」について、例として示される「×2×45××××」。六文字を殺した後、隣接する文字……か。なるほど!
「誉れ高き我が名を讃えよ」がアナグラム? これは何とも言えない。
 元になる文字数は十一と仮定する戦人とヱリカ。生贄の総数と、「誰も生き残れはしない」から。「寄り添う二人を引き裂け」を生贄と仮定した場合は十三。……文字数を先に仮定するという発想はなかった。数字が重要とは思っていたけど、こんなアプローチもあったのか。

▼???
 ゲストハウスの戦人が切れ者なのは、彼をベルンカステルが駒として勝手に動かしたせい。やっぱり指し手によって違った姿を見せるんだな。仮に指し手が同一人物でも、気分一つで駒が別人のように見えてしまうことがあるはずだ。規則性の高いゲーム盤において違った個性で描写されるのは「指し手にとって特別な人物、例外的な人物」だからだろう。
 碑文を解けというベアトリーチェからのメッセージを考える戦人。その通り、重要なのは金蔵の意志(あるいは遺志)を彼女が継ぐ意味だ。解けなければ全滅、解けば生還できる。それほどまでに解いて欲しいという願い。難しくなければ意味がないというのは、安易に提示しても受け入れてもらえないからだろう。自力で謎に挑み、到達した答えだからこそ心に届く。そこにベアトリーチェの真意があるはずだ。「魔女を信じろ」「約束は守る」という言葉、そして金蔵の意志。戦人もベアトリーチェの忠誠心を考えているが、その意味で重なるのはやはり源次だ。そして真里亞の心。EP5は今までの考察に対してぶれてはいない。

▼ゲストハウス
 謎解きは第一の晩が分からないという理由でお開きに。第一の晩が何を示すかは再考したいところだ。戦人は1st-nightか? と言っていたが、晩の数にも着目したい。
 洗い物をする楼座と共に解読の続きをする戦人。「黄金の郷」への違和感と、「旅の途中のお話」という仮説を述べる楼座。道中……全体を十で分割できる道程? 十二なら時計だが……十か。山の十合目、みたいなものか。ダンテが辿った道ではなさそうだなあ。……いや、絵羽が書庫で本を読んでいたから、『神曲』という線は意外にありなのか? 楼座は晩を文字通り日数と考えたり、黄金の「郷」を「きょう」と読んで「京都」と仮定し、懐かしき故郷から京都への距離を十分割して考えたりしている。面白いなあ。私も東海道を下って宿場の順番を数えたり、東海道新幹線の駅を眺めたりしたことがあるけど、何も見つからなかったんだよね……。
 この仮説で大事なのはスタートとゴールの場所。楼座はスタート地点を知っている。ではゴールの黄金郷はどこか?

▼廊下〜書庫
 廊下に出た戦人が、書庫の扉を開けようとするヱリカを発見。楼座の仮説はヱリカも考えていたという。旅路の一日目に辿り着く場所、地名が重要という考えに基づいて、地図帳を探し出すヱリカ。……ここまではEP3で見た絵羽の手順と変わりない。発想のきっかけが少し違うだけだ。
 十の地名が出てくるなら、街道をもう一度確かめる必要があるなあ。それともインターチェンジ?

▼書斎
 結界を維持することは困難であるため、金蔵を書斎から出そうと提案する魔女たち。それに反対する夏妃。これは「書斎を開放して一行に見せるかどうか」だけでなく、「金蔵の死体を書斎の外に出すかどうか」と読み替えていいはずだ。つまり夏妃は書斎に安置した死体の処理について考えを巡らせていることになる。
 ベアトリーチェは「考えることを止めるでない、降参するでない…!」「そなたの、絶対にこの苦難を乗り越えようという絶対の意思が、絶対の結果を紡ぎ出す…! それこそが絶対の魔女の力」と夏妃を応援する。ラムダデルタが動かしている駒ではあるが、ベアトリーチェの言動はこれまでのEPとほぼ一致している。特にEP3のクライマックスで戦人を応援していた姿に似ている。ラムダデルタは彼女に関する規則性を守っているということか。……あるいはより上位に存在する人物の意志が、三人の魔女の言動に同じ方向性を持たせているのか。
 ガァプ登場。金蔵を失踪させてみせる、と夏妃に提案する。今回は焼却炉に放り込むのではなく、完全に消し去ってしまうということだろうか?

▼野外
 碑文の答えに辿り着き、最後の「足を抉りて殺せ」を実行したらしい戦人とヱリカ。機械的な仕掛けを前に何かをやっているようだが……。仕掛けに対してヱリカが「あなたたち」と語りかけている。正体は何だ? 「あなたたち=仕掛け」ではなく、謎に挑もうとしている島内の人間や我々読者に呼びかけている、とも考えられる。
 二人の様子を見守っていたらしい金蔵が戦人に何かを指し示す。戦人に促されたヱリカは「さっきと向きが変わっている」と言う。何だろう……時計の長針? 風見鶏のような仕掛け?

▼地下の貴賓室
 戦人とヱリカが二百億円分の金塊を発見。

▼???
 ラムダデルタが赤字で黄金は本物と断言している。おお? 島内に実在するのか? この「真実」は、魔女を生み出した人物の主観に過ぎないのではないか?
 戦人は先ほど目撃した金蔵について、何かの見間違えであると青字で宣言。

▼地下の貴賓室
 黄金の発見を公表するであろうヱリカ。どんな事態になるのかと危惧する戦人。
 山分けすればみんなが生活を保障されるほどの大金。争いの火種であるが、一方で金を必要とする一族にとっては和解の可能性でもある。謎を解くことですべてが丸く収まり、全員が幸せになれる――それは碑文に語られた黄金郷の姿だ。出題者の真意は愛がなければ視えないのだろう。

▼書斎
 絵羽に扉を叩かれて狼狽する夏妃。蔵臼からの電話で黄金が発見されたことを知る。
 夏妃は素早く外に出て扉を閉めたが、書斎の鍵はちゃんと持っているのだろうか? 焦って室内に置いてきてしまった可能性は? 中にいたとき「書斎の鍵は、ここに2つともある」という一文があった――鍵の所在はポイントになるかもしれない。

▼???
 碑文が解かれた以上すでにお役ご免だが、義理として会議の間は夏妃に仕えるべきと主張するベアトリーチェ。
「貴様など、片羽をもがれた堕天使ではないか。揃わぬ翼なら、置き土産に捨てて行けぃ。」
 金蔵に対するベアトリーチェの言葉。ああ、片翼の鷲の紋章だ。やはり片翼は不完全という意味で合っているのだろう。それを夏妃が受け取るという会話になっているので、両翼で初めて完全になるという考察も通る。

▼地下の貴賓室
 戦人とヱリカが一行を案内し、黄金を見せる。途端に始まる論戦。
 ヤクザまがいの口調で攻め立てる秀吉。やっと違う一面を見せたな(笑)。

▼野外
 ここで一行と別れ、ゲストハウスに戻るヱリカ。戦人は発見者として会議への参加を求められる。

▼???
 ワルギリアの赤字。「碑文を誰かが解くことで、この子が何かを得ることはありません。」……どういう意味だ? 心理的な満足すらもない、という意味であれば非常に難しくなる。
 碑文と儀式殺人は等価値であるため、ベアトリーチェにとって殺人事件を起こすことすら無意味ではないかと考える戦人。自ら難易度を高めている殺人の手順は、恐らく金蔵が求める奇跡と同じはずだ。そして仮に恐怖を与えることが目的なら、その対象は右代宮戦人以外にあり得ない。――戦人自身もそれを自覚している。この点についてEP4までの推理に間違いはない。
 碑文を解け、というのは戦人へのメッセージなのだろう。解けるかどうかは問題ではない。恐らく戦人に挑ませること自体に意味がある。恐怖を与えたり復讐を果たしたりするために儀式殺人を行っているわけではない、とワルギリアは言う。やはりすべては戦人の罪に辿り着くのだろう。碑文を解くことや殺人事件そのものに価値はない。ただの手段だ。罪を思い出させるための。
 戦人も、ベアトリーチェが自分に何かを求めていると理解している。この先どうなっていくのだろうか。

▼食堂
 書斎の鍵は二本とも金蔵が持ったままであるため、中に入ることができないと言い訳する夏妃。うーん、やはり鍵の所在が謎だ。夏妃の懐にあるのかどうか? 死体運搬のタイミングに関係してくるぞ。
 議事録を手書きするのは手間がかかり、捏造も容易であるため、テープに録音しようという提案。食堂にそんなものがあったのか。今回クローズアップされるのは……古典的なアリバイトリックのためか? ヱリカが難癖つけそうだなあ(笑)。
 呼び出した源次に軽食と風邪薬を要求する楼座。絵羽は「私ならこの大事な会議中に風邪くらいじゃ休まないけどね」と言っている。彼女はやはり会議に固執している。EP1第一の晩の推理は裏付けられた。
 秀吉の武勇伝。銃殺刑かデスバイハンギング……絞首刑だ。EP4に続いてまたも登場するモチーフ。ゲームマスターが違っても、罪に基づく要素を強調したがっているのは同じ。
 一同が話の輪に加わらせるために紗音と嘉音を着席させた直後、扉がノックされる。……例の謎の男か? 時計が二十四時を告げる。

▼屋敷二階の廊下
 この局面をどう乗り切るか相談している蔵臼と夏妃。蔵臼によると、書斎の鍵はどうやら夏妃が持っているようだが……? 夏妃も特に否定していない。このシーンの二人は信頼で結ばれている――これがラムダデルタの指し手だというのか。ベルンカステルよりもずっと慈悲深いじゃないか。
 例の男からまた電話があったと夏妃に報告する源次。時計が二十四時を告げる。

▼夏妃の私室
 電話を受ける夏妃。時計を持ち上げたところに置かれていた「秋」と書かれたカード。前もって複数のカードを室内に隠しておくという初歩的なマジックだろうか。
 男はすでに島内に入り込んでいるという。夏妃を「人殺し」と呼んで憎む、この男の正体とは? 十九年前、男児を出産できるタイミングなどないはずだが……。

▼食堂
 ノックした人物を確かめるために扉を開けると、片翼の翼が入った封筒が置かれていた。廊下には誰もいない。この時点で屋敷はすでに戸締まりがされているという。夏妃の私室にカードを置いた人物は、それよりも前に入り込んだか、あるいは屋敷の中にいて鍵を開けられる人物だ。まさか意外なところを突いて蔵臼か? いや、マスターキーを持つ使用人の誰かと見るべきか……。(紗音と嘉音がお茶の配膳に来たのは「小一時間ほど前」とあるが、時計のアニメーションを見ると二十四時の少し前だ。ケアレスミスだろうか)
 この手紙を置くことができたのは、蔵臼、夏妃、源次の誰かだという。他の人物は食堂の中、あるいはゲストハウスにいた。ただしゲストハウスのメンバーをきちんと確認しなければ、まだ確定はさせられないな。
 封筒から出てきたのは、戦人を祝福し当主と認める手紙。そして金蔵の指輪。文面はヱリカの口調に少し似ている気もする。
 蔵臼と源次が食堂に戻ってくる。戦人がはめた指輪に気づく源次。二十四時の時点でこの二人は二階の廊下にいたはずだし、戦人に指輪を贈ってもメリットがない。手紙を置いた人物ではないだろう……それとも戦人に黄金を譲った後で彼を殺し、財産を取り戻すとでも? 他に封筒を置ける人物がいないなら、動機を考えるのも手だ。

▼野外 3時01分
 会議を抜け出してゲストハウスに戻る戦人。楼座はそれよりも前、午前一時頃に真里亞の世話を口実に退出していたようだ。

▼ゲストハウスのラウンジ
 談笑している郷田、南條、ヱリカ。後片付けを申し出た郷田を残し、二階の部屋へ戻る戦人たち。

▼ゲストハウスのいとこ部屋
 ベッドに潜り込む戦人。嫌な予感がする……すでに子供たちが儀式殺人の犠牲になっていないだろうな。
 戦人に「こいつを話せば、……俺は殺されるだろうな」「お前の、生まれについての話だ」と言っていた留弗夫。やはりそう来るか。出生がポイントという仮説は合っている。

▼夏妃の私室
 夏妃が長い間懐妊できなかったことについて、ベアトリーチェは「そなたに罪などない」と言う。戦人と対比されているのだろう。ただの慰めではない。含意がある。
 金蔵は福音の家から引き取った赤子を跡継ぎとして育てるよう命じたらしい。夏妃は天使に祈り、翌年朱志香を懐妊。一方、福音の家から引き取った赤子を抱いて散歩していた使用人が崖下に転落。それは夏妃が悪魔に祈ったことだという。EP3で九羽鳥庵にいたベアトリーチェの末路と同じか。転落死が重要なモチーフなのか……あれ? 戦人の「落ちるぅぅぅ」じゃないか! 彼の過去に関連したものだ! 出生の秘密と転落に何か関係があるのではないか?
 夏妃を慰めるため、ベアトリーチェは赤子のことを「妾が殺した」と言い始める。殺人描写の解釈の一つだ。これもまた、愛がなければ視えない。
 使用人と赤子の転落死は、金蔵と夏妃を始めごく限られた人間しか知らない出来事。金蔵は「空の檻に興味はない! 打ち捨てい!」と笑っていたが……ベアトリーチェが跡継ぎ候補を殺した、という解釈だろうか。そこからオカルトの世界だけに没頭していったというが……。二人は即死したわけではなく、一度は病院に運ばれている。外部の人間に知られている以上、隠し通すのは困難だろう。実際にあった出来事ではないのかもしれない。EP3のベアト転落死と同じことだ。
 十九人目の客・ヱリカ。そして十九年前の男。またも数字の重ね合わせか。彼は誰の駒?

▼???
 男はラムダデルタの駒らしい。縁寿や愛情を侮辱するラムダデルタの台詞は、殺人劇に対する姿勢とも考えられる。人間ドラマを余計なものとして排除し、殺人事件のトリックやロジックを重視する姿勢だ。
 ベアトリーチェを駒扱い、ピン扱いするベルンカステルとラムダデルタ。これはどうなんだろう。かつてベアトリーチェが戦人を挑発していたように、対抗心を引き出すための演技なのかもしれない。「黄金の魔女に出番はない」……本当に?

■■■■■■1986年10月5日(第2日目)■■■■■■

▼ゲストハウスのいとこ部屋
 やはり死んでいた子供たち。――楼座もか! 喉が切り開かれていたなら、室内に血の臭いが漂っていただろうが……戦人は極度に疲労していて気づかなかったのか。あるいは彼が眠り込んだ後、明け方の犯行だったのか。
 傷口は非常に深い。骨にまで達している。男性の腕力によるものだろう。まだ見ぬ謎の男が非常に怪しい……。あるいはラウンジにいた郷田だろうか。
 嬉々としてやって来るヱリカ。探偵権限という赤字宣言。こんな力が……。部外者である探偵が聞き込みを行う序盤、というところか(笑)。残り二人の生贄は――郷田と熊沢か?

▼???(メタ世界)
 七姉妹登場。壁に描かれた魔法陣を見て驚き、人間がベアトリーチェの儀式を模して描いたのだと憤慨。確かに、下手なヘブライ語と描写されている……。今回はイレギュラーなのか。

▼厨房
 ああよかった、郷田さんが生きている。紗音と……熊沢も無事か。上機嫌に料理をする郷田はとても殺人を犯したようには見えない。それにしても「ふんふんふんふ〜ん♪」って郷田さん、相変わらずいい味出しますね。紗音とのハイタッチは和むなあ。
 ちょ、嘉音くんだけいつも通りテンションが低い(笑)。昨夜は使用人室で眠り込み、控え室に戻らなかったと主張。どうやら犠牲者の一人は源次らしい。これは意外だ。

▼使用人控え室
 起きてこない源次の様子を見に来る嘉音と熊沢。ドアの上部にガムテープの切れ端。面白くなってまいりました。テープには凝ったサインらしきものが書いてあり、扉の封印という意味合いがあるようだ。……ああっ、ちぎらないでくれ嘉音くん!
 源次も四人と同様に首を切り裂かれている。

▼???(メタ世界)
 傷口は鋭利、とベルフェゴール。日本刀のようなものか?
 碑文が解けているのに儀式殺人が起きる理由は? ゲームマスターが違うためと言えばそれまでだが、EP3も同じ筋書きだった。どうしても上位世界のことを考えなければならない。

▼夏妃の私室
 寝ずの番をしていたルシファー。男からの電話で飛び起きる夏妃。蔵臼は男に拘束されているらしい。男はそれを秘密にすることと、今日の昼からかくれんぼをすることを要求。その部屋で誰かを殺し、夏妃に罪をなすりつける作戦か?
 夏妃に非常事態を報告するため、私室のドアをノックする嘉音と郷田。

▼???(魔女の喫茶室)
 ラムダデルタとベルンカステルが状況を確認し合う。外線は不通だが内線は使えるらしい。では男からの電話は内線ということか。いつから入り込んでいたのか? それとも上位世界からの介入なのか?

▼客間
 集結する一行。不在の蔵臼と金蔵に話が及ぶ。ごまかすために蔵臼の部屋へ走る夏妃。

▼???
 ベアト、ロノウェ、ガァプの会話。過去の赤字宣言は有効であり、島内の人数はイレギュラーなヱリカを加えた十八人。十九人目の男は存在しないという。誰かの演技か、幻想の存在か、と言いたげなロノウェ。夏妃を守るため、ガァプは先に姿を消す。
 ラムダデルタとベルンカステルの状況確認。蔵臼のベッドは空だったが、おびただしい量の血が残されていたという。むむむ? さっき電話口で叫んでたよな。あれはテープか何かで、実際にはすでに殺されているのか? 監禁しただけの人間を儀式殺人の犠牲者に数えるのは不自然だしなあ。

▼蔵臼の私室
 夏妃はこの血を見せかけ、あるいは血ですらないと考えている。果たしてどうかな。
 この私室は踏み込む際、すでに施錠されていなかった。源次のマスターキーがなくなっているため、密室ではないと断じるヱリカ。マスターキーの本数すら確認しない。……きみ、判断が早いね。その通りなんだけどさ(笑)。
 戦人は彼女を「別次元の存在みたいだ」と訝しんでいるが、他ならぬきみ自身が過去のEPで自分を客観視してただろうに。あの情報と違和感を思い出させるためのワンシーン、ということかな。
「朱志香」と叫びながらゲストハウスに走る夏妃。半分は本心、半分は金蔵の秘密を守るためのカモフラージュ。EP3の絵羽が重なるところだ。「譲治」と叫び続けていた終盤、彼女は当然秘密を抱えていたはずだ……。

▼ゲストハウスのいとこ部屋
 死体が消えている。鍵は開けられていた。……ガァプの仕業ということか? 人間が運び出したなら、容疑者は蔵臼しかあり得ない。謎の男=蔵臼? 声音が違い過ぎる気がするが……。しかし単独で四人を運び出すのは困難だ。どう考える?

▼???
 ラムダデルタとベルンカステルの応酬。「四人が実は生きていた」「死体を運んだのは蔵臼」「死体は替え玉で四人は生きている」という青字。ラムダデルタは赤字宣言を行わない。……早々に潰してきたね。やはりそう簡単な事件ではないということか。
 でも蔵臼を除外したら難しいぞ……何だこれ。「全員が共謀して彼らを殺し、口裏を合わせている。真実を知らないのは夏妃(とヱリカ)だけ」ってのはどうでしょうか。死体発見時の描写は虚偽。

▼使用人控え室
 源次の死体を穴の中に消してしまうガァプ。このタイミングで死体を運び出せる人間はいないはずだが……。

▼???
 このゲームの勢力図を三國志に重ねて語るベアトリーチェ。最後に統一を果たしたのは晋である、とロノウェ。まるで魔女の全滅を予言するかのようだ。やはり幻想の消滅は必然なのか。ベアトリーチェは「魔女」「人間」「妾たち」の三勢力と考えているが……?

▼書斎前
 扉を開ける開けないで問答が行われる。直前のメタ世界で書斎の鍵は夏妃の手元にある、と語られていたが、ここでは書斎の中にあるという発言が。どちらが真実だろう。
 ミステリに詳しい今回の戦人。一本取られるヱリカ。
 はしごで外から踏み込もうという話になる。……郷田さん頑張って(笑)。

▼中庭
 結局留弗夫がはしごを登ることに。

▼書斎
 ガァプにストップをかけ、自らこの局面を打開すると言い出すベアトリーチェ。金蔵はベッドの下に隠れる。
 留弗夫が窓を破って飛び込み、オートロックを解除。廊下に待機していたグループが入室する。ヱリカは見たものを写真のように記憶できるらしい。何という便利な能力。「有利な特徴」として10CP必要ですね。

▼???
 金蔵は殺させぬ、と夏妃に誓うベアトリーチェ。

▼書斎
 アリバイの確認を始めるヱリカ。……TIPSで源次はまだ死亡扱いになっているな。失踪ではない。どこで変化するか注意しておかなければ。
 最後に金蔵と会ったのは誰か、という点について夏妃の発言を怪しむヱリカ。それにしても、一年以上前から死亡していたなら死体はどこで保存していたのだろう? 書斎の冷蔵庫にはなかったようだし、そもそも冷凍でもしない限り腐敗を食い止めることは不可能だ。一年前に死んだというのは全ゲーム盤に共通の条件か? だとすると、「金蔵の死はゲーム盤開始の少し前であり、死体は書斎の冷蔵庫に入れてあった」という私の推理は破綻することになる。

▼???
 金蔵はすでに死んでいると言い放つヱリカ。ベアトリーチェが立ちはだかる。
 ドラノール登場。かつて魔女狩りを行った司教か? ……帽子に二つの鍵。天国への鍵だろう、これは。書斎の鍵に重ねられた二つの鍵よ、開かずの扉を開け。アイゼルネ・ユングフラウ……鉄の処女か。ドラノール・A・ノックスはロナルド・A・ノックスと意図的に重ねているように見える。大司教なのも当然だ。左腕のアーマーがどことなくチェスの駒みたいだね。
 現れるドラノールの部下たち。シエスタ姉妹もそちら側か。真里亞の精神世界に由来する存在であれば、ドラノールたちは魔女と戦った天使の軍勢なのだろうか?
 金蔵の脱出手段を巡る攻防。ヱリカとドラノールはミステリのお約束を絶対のものとしてベアトリーチェの青字を切っていく。これが「論じさせない」ということか。「十戒を破った、自分の父さえ斬り伏せた冷酷女」というのは、ノックスが自ら十戒を破ったことに重ねてあるのか?
 せっかくの青き真実を自ら砕いてしまう、うっかり者の夏妃さん。
「私の魂も、そして当主の資格も、今や全て戦人が受け継いでおるわ。もはや何の未練もなし…!」
 金蔵は戦人が後継者になったことに満足している。物語の作者が戦人を特別視していると見るべきだろう。
 金蔵は夏妃の目を盗んで窓から飛び降りた、という戦人の論法。迎撃するドラノール。――ああ、彼女の名は「Ronald」の逆さ読みか。言葉遊びの一環だ。「unknown」の人物にも通じるアレですね。……いや、ロゴの片翼と同じく「反転、逆」という文脈で捉えるべきか。鏡合わせの一要素だ。
 この局面は戦人の勝利。ベアトリーチェを抱き止めて事実上の結婚をしてるんですが! 魔女幻想を否定するヱリカに敵対したのは、ベアトリーチェとのゲームを大切にするため。戦人は「……こいつはな、俺たち二人の謎なんだよ」と述べる。

▼???(黄金の薔薇園)
 ここは黄金郷だったようだ。ドラノールが現れ、戦人、ベアト、ワルギリアに挨拶する。
「結果を闇に閉ざす魔法は邪悪デス。私たちは許さナイ。しかし、過程を包む魔法は邪悪とは限りマセン。私の敵は邪悪であって、魔法そのものではないのデス。」
 面白い。ワルギリアが魔法で紅茶を淹れたことを、ドラノールはあえて否定しない。なかなか愛があるじゃないか。真里亞を引き合いに出した話もそう。彼女が喜んだという結果が大事なのであって、誰がそれをやったか追及するのは無粋であるという考え方。
 戦人も「結果が同じに見えても、……真心ってヤツがあるかないかで、意味は全然変わるかもしれねぇぜ…」と述べている。六軒島の惨劇、ゲーム盤を暗示しているのだろう。多くの人が死んだという結果は同じ。だがそこに込められた作者の心によって、意味合いは大きく変わる。探るべきはそこだ。
 先ほどの戦いは、戦人という駒をラムダデルタかベルンカステルが操っていた。ワルギリアによれば、ヱリカによって人間に傾いた天秤を均衡させるためにラムダデルタが操作を行ったようだ。しかし駒にできないことは誰が操ったとしてもできないらしい。戦人本来の特性がそれを実現させている。ベアトリーチェを守る騎士という構図は、彼自身の本心と考えていいはずだ。
 ラムダデルタとベルンカステルは、降雨後に書斎の窓は開かれなかったという赤字を行使できた。しかしそれをせず、わざと金蔵を逃がしたのだという。ゲーム続行のための遊びか?
 ドラノールは意に反してベルンカステルに呼ばれ、ゲーム盤に登場したらしい。だがドラノールをこの黄金郷に受け入れたのは主であるベアトリーチェ。その理由とは。同様に、EP4で縁寿が黄金郷に入り込んだこともベアトリーチェの望みなのかと考える戦人。すべて魔女幻想の崩壊に繋がることだ……。
 天国の鍵の意匠を身にまとっているドラノールたち。彼女が持つ魔女狩りの力も、煉獄を抜け出すために必要なのかもしれないね。幻想が散ることを望んでいる。だからこそベアトは拒絶しなかった。違うか?

▼???
「立って下さい。片足で。」
 コーネリアを何度も突き倒すヱリカ。これはひどい。
 二十四時の時点で食堂の扉をノックした者、及び廊下に現れた手紙についての応酬。……おいおい、大方の説が速攻で切られてるぞ。解けるのかこの謎。どうしよう、ヱリカと同じ表情をしている読者多数だろこれ(笑)。例えば私とか。
 ヱリカもベルンカステルの下で結構苦しんでいる模様。

▼食堂
 ヱリカが急に立ち上がる。何かと思ったら、今さら戦人の飛び降りを論破する気かっ(笑)。……でもちょっと待てよ、今回の戦人は飛び降りても平気なのか。「落ちるぅぅぅ」って言うのは乗り物だけ? どうなんだろう?

▼食堂
 第一の晩を検証しているヱリカ。

▼???
 席を外していたワルギリアに五人の死体を見せるガァプたち。ワルギリアが五人の死を赤字で断じ、確認している。何か言いたそうだ……ベアトたちの作戦に異議があるのだろうか。そもそもゲーム盤の夏妃って本当に無罪なの? ベアトはそれを確信しているけど。

▼食堂
 ヱリカが夏妃にアリバイの立証を要求。激怒して退出する夏妃。それは約束の午後一時に指定された部屋へ行くための演技だった。

▼一階の客室
 クローゼットに身を隠す夏妃。私室にカードを置いた以上、使用人の誰かが謎の男の共犯と推理。好きな季節が秋であることは、紗音にしか語っていなかったという赤字。彼女を犯人の一味と考える夏妃だが……四枚のカードを部屋に置いておくだけでどうにでもなるぞ、好きな季節を言い当てるのは。
 なぜか秀吉が部屋に入ってくる。誰かと取っ組み合う音。絵羽がドアを開き、チェーンロックに阻まれる音。彼女は助けを求めて廊下を駆けていったようだ。やっぱりこう来るかー。再びチェーンが重要になりそうだ。
 番線カッターでチェーンを切断し、部屋になだれ込んでくる一行。秀吉の死因は悪魔の杭が背中に突き立てられたせい。うつぶせだったため自殺ではない、とTIPSにはあるが……。EP1チェーン密室の再演か?
 秀吉の死体を運び出す一行。

▼玄関ホール
 人目を忍んで自室へ戻ろうとしたところをヱリカに発見される夏妃。

▼食堂
 ヱリカが夏妃にチェックメイトを宣言。早くもゲームを決めにかかるらしい。

▼???
 ベルンカステルの早仕掛けを受けて立つと宣言するベアトリーチェ。

▼黄金の薔薇園
 EP5の黄金郷はずっと雨が降っているな……EP4でもそうだっけ? 心象風景なのか?
 ワルギリア曰く、ベアトはEP4までにすべてのメッセージを戦人に伝え終えている。彼はいつ真実に気づいても良い。だが戦人には甘えがあり、ベアトには迷いがある。よって二人が求める真実には辿り着けない。それを打破するために、ベアト自身がベルンカステルとラムダデルタという魔女を呼んだ。
 ……そうなるよなあ。二人の魔女は挑発を繰り返してゲーム盤を荒らしているけど、本質的にはベアトと同じことをしてるもんなあ。戦人の反骨精神を引き出す、あるいは覚悟を固めさせるために必要なことなんだろう。
 ワルギリアは二人が持ってきた鍵で猫箱を開き、すべてを終わらせる時と宣言。ベアトは死ぬべき時を迎えた。

▼大聖堂
 ――もう終了の時刻か! 早いな!
 荘厳な聖堂。頭上にあるのは地図か? 色が違う土地は六軒島に似ている気もする。
 開廷。ヱリカは夏妃を殺人犯として告発。……だよなあ。謎の男は夏妃の行動を解釈するための仮定に過ぎず、実在しない。クローゼットのかくれんぼも、秀吉殺害を愛のある解釈で見た描写。「夏妃の無実を信じる心で見た」ということ。それが最も妥当だ。しかし……。
 外部の人間が観測できない事件の真相。説得力のある説を示せば、それが真実になってしまう。「これが、六軒島の物語の作り方なのだ」――戦人は『うみねこ』という作品の本質に近づいている。
 第一の晩。郷田は犯人ではないのか。赤字で早々に切られるとは。
 ベアトに不利な今回の戦い。戦人は過去のEPでベアトに手加減してもらっていたことに気づく。赤字のサービスといい、屈服した彼がゲームに復帰するのを待ち続けたことといい、当然だよね。
 金蔵は海外のミステリに興味を持ち、原書を多数所有していた。おっと? これが物語を構築した要素の一つか? 金蔵自身、あるいは交流を持った人物がこれらを反映させたのかもしれない。
 ゲストハウスのラウンジとロビーって同じ部屋? EP3ではロビーが出てきたよね。
 何度も書斎に出入りして、備品の薬物を使った捜査をしていたらしいヱリカ。どうやって出入りしたんだろう。鍵は?
 いとこ部屋は殺し合い、相打ち殺人という突破口でいかがか。凶器が残らなかった点を何とかすれば大丈夫だ。
 ワルギリアの赤字宣言。「右代宮夏妃は犯人ではない!」……燃える展開だなこれ!
 戦人とベアトは、真実というものに対して全く同じ信念を抱いている。同一人物みたいだよね。
 ……蔵臼は殺されていたのか……第一の晩の犠牲者はいつも通り六人。ああ、夏妃……。
 ベルンカステルめ。金蔵が夏妃を信頼していなかったという赤字すらも、この世界に必要なことだというのか。金蔵は描写通り冷酷な当主だったのだろうか……? もしかしたら読みが外れたかもしれない。

▼客間
 ヱリカの告発で犯人扱いされる夏妃。絵羽の暴行を受ける。

▼大聖堂
 敗北し、山羊の群れに放り込まれるベアトリーチェ。そこに割って入るドラノール、戦人に異議があると助け船を出す。戦人が戦いの場に引っ張り出される。
 ヱリカの封印は模写不可能なサインだった。待てよ……源次が死んでいた控え室は絵羽が封印したものだ。あのテープとサインは絵羽によるもの。ヱリカの封印と何かが違う可能性は? ――戦人も同じ主張をして、あっさり赤で切られている。
 やはりここは「夏妃には犯行が不可能だった」ことを立証すべきじゃないかなあ。傷口の深さなどで……うーん、難しいか。
「俺は約束を、絶対に破らない…!!」
「嘘だな。……そなたの約束など、妾はもう二度と信じぬぞ。」
「何? 俺がお前に、何の約束をして、何の嘘を吐いた…?」
 ……これ、戦人の罪の秘密だよね? やはり「約束」が極めて重要な意味を持っていることは間違いない(最終考察うみねこのなく頃に333ページ「【EP4】戦人の罪T――六年前に何があったのか」参照)。彼の言葉を聞いた途端、生を諦めて笑い転げるベアト。戦人がいまだに思い出せないというのは、致命的な痛みを彼女に与えている。
 右代宮夏妃は犯人にあらずという赤字を宣言する戦人。ドラノールの剣にあっさりと弾かれる。
「本当の真実なんて、……儚いんだよ。……本当の真実なんて、存在するのか…? そしてそれは、必要なものなのか……? ……なくてもこうして、……物語は進むんだよ……。……戦人ぁ………。」
 真実は不要と言っているかのよう。ベアトが寂しい真実を魔法で脚色していることを示すのだろう。EP3でラムダデルタに「元々、魔女ですらないあんたが、本当はどんなにみすぼらしい存在だったか、いつだって思い出させてあげるんだから」と言われていたように。
 敗北を認め、赤い太刀に貫かれる戦人。消滅するベアトとその眷属。

▼客間
 夏妃の日記で過去を暴いていくヱリカ。このあたりは裁判やマスメディアが報じる犯人像に重ねられたものか。たまたま目に付いた情報だけで架空の人間性を構築していく。そのおぞましさを知れ。
 信じられるのは赤き真実と、それを得るのに必要な証拠品のみ――ヱリカが一瞬見せた涙は何だ。ベルンカステルとの関係だけが理由なのか? 愛を憎悪するかのような口調は、同じく愛を嫌っていたベアトリーチェを思わせる。
 他に唯一犯行が可能だった金蔵の告発を拒み、無実の罪を被る夏妃。
 唐突に入り込む一人称。「……私は、思う。真実など、儚い。」「未来永劫、良き人として生きないと……。」――これは誰なのか? 真実は必要なのかと述べていたベアト?

▼大聖堂
 金蔵の所在について夏妃に問いかける、ヱリカと二人の魔女。

▼屋敷
 金蔵を捜して回る一行。残るは夏妃の私室のみ。ヱリカと魔女は夏妃と金蔵に肉体関係があったという架空の物語を構築する。
 これに関する赤字は穴だらけなので、単に夏妃を侮辱するために使われたものと断じていい。

▼書類の文章
 ドラノールの名による、夏妃を犯人とした報告書。書類によれば夏妃は犯行を自供したという。

▼客間
 十九年前の殺人を告白する夏妃。序盤で明かされた事情とは違う。ここでは赤子を抱いた使用人が夏妃の後ろをついて回っており、バランスを崩した彼女を夏妃が柵の向こうに突き落としたことになっている。使用人が赤子をあやすために人気のない崖まで散歩したという説明は、それを隠蔽するための嘘だったようだ。そして、福音の家から引き取ったはずの赤子は、明かせぬ筋の赤子とされている。イコールで繋げていいのだろうか?
 ここにいない、十九年前の男に向かって叫ぶ夏妃。ここで唐突に「駄目だな」と戦人。
 …………?
 まさか……まさか……やっぱりお前なのか転落した赤子って!?

▼5th Game Result
 ここに不審な点は特にない。というか、戦人が気になってもうそれどころじゃない。

■Tea Party(お茶会)
▼大聖堂
 魔女幻想は失われた。ヱリカとドラノールに過去のEPをすべて解明せよと命じるベルンカステル。ヱリカは夏妃の犯行とそのイレギュラーで説明可能と言い放つ。……それは誤った物語だよ、EP5と同様にね。ヱリカの作り上げる真実は歪められたものだ。当然、魔女幻想の物語を作り上げた人物の本心とも異なる。
 家具や七姉妹を捕らえて依り代の特定に入っている。「彼女らが、どのような幻想に基づいて“顕現”したのか。……その全てを暴き、……否定する」とある。EP1やEP5における書斎の金蔵が「夏妃にとって都合のいい金蔵」だったように、すべてに説明が付けられるようだ。
 ドラノール曰く「1960年代にニューヨーク近隣で製造された可能性が濃厚」だって? 七姉妹にも依り代があるのか。縁寿が引き取っていた杭だけではないということ? それともあの杭がアメリカ製ということ?
 正体はソロモン王にまつわるイミテーション(模造品)だったようだ。金蔵はどんな偽物にも大金を払う上客だったとヱリカ。どうやら縁寿が持っていた杭のことと考えていいようだ。「文鎮」と表現されているし。これを刺殺に使ったというのはやっぱり無理がある。あくまでもゲーム盤における描写に過ぎないということだ。
「ベアトリーチェにかかわった3人」とは誰のことだろう。ロノウェ、ガァプ、ワルギリアではないようだ。言い回しからすると、彼らとは別に扱われているような気がする。
 シエスタ姉妹は犯行に用いられた凶器が依り代である、と推測するドラノール。これは妥当だろう。
 ベアトリーチェたちの処刑をショーとして楽しもうとするベルンカステル。一時的に「真実の魔女」となるヱリカ。人間としてのベアトリーチェが生み出したカケラは打ち砕かれ、ヱリカに乗っ取られる。今後のゲーム盤ではヱリカが作り上げた真実と物語が描かれるのだという。
 ヱリカが決めたEP6のタイトルは「Checkmate of the golden witch」。

■????(裏お茶会)
▼大聖堂
 赤き太刀に縫い止められた戦人。EP4で青い楔に貫かれたベアトとの対比だ。
 柱の影から現れたベアトリーチェ、戦人に歩み寄って謝罪の言葉と共に消滅。

▼黄金の薔薇園(黄金郷)
 ドラノールを交えて紅茶を飲んでいた時の回想。ノックス十戒とベアトリーチェが行使した赤字について。ベアトは戦人にヒントを与え、解けるようにできているから解いてみろと言っていたに等しい。ようやくそれに気づいて驚く戦人。
 ベアトのゲームが戦人に解けるかどうかは分からない。しかしベアトは間違いなく「解いて欲しい」と願って出題している。ワルギリアが赤字でそれを保証する。
 TIPS「ノックス十戒」。第五条が欠番になっているのは当然だね。当時の偏見や出来の悪い作品を元にした一文だし。(ロナルド・A・ノックスは第五条に「中国人の登場を禁じる」と書いていた)
 戦人なら解けるはずだと考えて出題しているベアトリーチェ。それは彼が罪を思い出したなら、という意味だろうか。あるいは罪を思い出すために必要なことなのか。
 戦人とベアトの関係には愛があるという話題。その通りだと思うよ。

▼???(魔女のお茶室)
 十戒を教えてもらいながら順に検討していく戦人。魔法描写と観測者、ベアトの出題と態度、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニット。愛がなければ、真実は視えない……。すべてはEP4までに語り尽くされていたことだ。それが改めて分かりやすく提示されただけのこと。屈服していた読者はここで立ち上がらなければならない。

▼大聖堂
 真相に辿り着いた戦人が目覚める。灰のように崩れ去るベアト。
 永遠の拷問を強いていたのは俺の方だったと悔恨の声を漏らす戦人。
「お前の謎はさ、……捻り過ぎなんだよ……!! ……どうしてもっと、……簡単に、………言えねぇんだよ……。」
 謎を通じて彼女は何を訴えようとしていたのか。
 時間制限を設けたベアトは、金蔵と同じ奇跡を願って賭けていたことに気づく。
 蘇る戦人。ラムダデルタは再審請求を受理。やっぱりこいつも戦人に何かを望んでいるんだろう。世界の創造主がそれを望んで生み出したはずの魔女だ。今回のベルンカステルは戦人と敵対関係にあるが、ラムダデルタと同根であるように思える。
 戦人は「無限の魔術師」として認められる。同時にヱリカに代わってこのカケラの領主となる。
 ドラノールとの戦い。やはり戦人は自分を「十九年前の赤子」と仮定して物語を再構築しようとする。しかし戦人は犯人ではない、と赤字で宣言されているはずだ。どう乗り越える?
 いとこ部屋の殺人について。……早業殺人!? 戦人が死体発見時に上げたはずの悲鳴、その後に殺したというのか!?
 魔女の軍勢の登場。
「………譲るぜ。一つの傲慢なる真実で、全てを支配などできないことを教えてやれ。」
「イエス、ユア、マジェスティ。………では、…少しお相手しましょうか。どうぞ、お嬢さん?」
 ロノウェ格好いいだろこれ……。死亡宣告のタイミングをきっかけにヱリカの推理を崩していく。
 黄金の真実。「この死体が右代宮金蔵の死体であると保証する…!!」
 死体はどこから出てきたのか? そして戦人は何を示したのか? ラムダデルタとベルンカステルはそれだけで彼が真相に到達したことに気づいている。戦人は自身を犯人と主張してヱリカを論破。野外で金蔵を目撃したことを元に、自身が探偵ではないことと、意図的な嘘を申告できることを証明。否定されるヱリカの仮説。
「新しい無限の魔女」右代宮戦人、第六のゲームのマスターとなる。では新たなサブタイトルは何だろう。
「Return of the golden witch」(黄金の魔女の帰還)とかどうですか。「Resurrection」(復活)でもいいね。戦人は「黄金」と「無限」の名を受け継いだのか。真相に気づいたからなのか、あるいは他にも意味があるのか。
 過去のEPの赤字を再確認してみよう。……しまった、戦人が犯人ではないという赤字はEP3の南條殺し限定だったのか! これは勘違いしていた。もったいないことをしたぞ。彼を殺人犯と仮定してEP5を見直す必要がある。まずは第一の晩、ヱリカが五人の死体を視認していたかどうかだ。
 ……いや、待てよ。EP5でも戦人は犯人ではないって言われてるぞ。ラムダデルタとベルンカステルはここを突かなかったわけか。
 戦人以外を犯人と仮定することは可能なのだろうか? 他の視点を捨て去るのは危険だ。

■TIPS
「アイゼルネ・ユングフラウ」の項目。執行機関SSVD? 二十の楔、魔術師狩りのライト? モチーフはミステリ作家のヴァン・ダインか! S・S・ヴァン・ダイン。本名ウィラード・ハンティントン・ライト。楔=いわゆる二十則のことだね。EP6以降で出てくるのかなあ。彼の二十則はノックスの十戒よりもガチガチだから苦手なんだよなあ(笑)。

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