1.4.2. ATA S.M.A.R.T (続き)

 “SMART Attribute Annex(e05148r0)”提案書にて、HDDの障害または障害予測を行う指標となる項目(Attribute)のデータ表示方法や、項目のID(Attribute ID)の割り当てを規定しています。 SMART READ DATA命令で取得できるDevice SMART data structureフォーマットの0~361バイトに、Attributeデータを表示します。 この提案書は現在、T13委員会にATA8- ACS(策定中)のAnnexとして提案されているだけです。しかし多くのHDDメーカがこれに準じています。以下のような項目が規定されています。


♦  Attribute ID
    機器が検査する項目のID番号です。1~253までの値を割り当てることが可能です。
♦  Pre-fail / Advisory flag
    閾値が超えたときにこのフラグが有効になります。以下のように定義されています。
  • Pre-fail(1) : 24時間以内に障害の発生を予測しています。
  • Advisory(0) : 該当部品が設計上の駆動時間を超過したことを示します。
♦  Online data collection flag
    オンラインで更新される項目である場合、このフラグが1が設定されます。オフラインでのみ更新される項目は0に設定されます。

Attribute IDのうち、45の項目についてIDが規定されていますが、製造メーカによって採用している項目は異なります。このうち、HDD製造メーカで採用される代表的なAttribute項目を説明します。

♦  Row read error rate(01)
    磁気ディスクからデータ再生時にエラーとなった割合を示します。主に磁気ディスクまたは磁気ヘッドの障害の指標になります。
♦  Throughput performance(02)
    HDDの平均パフォーマンスを示します。機器全体の障害の指標になります。
♦  Spinup time(03)
    磁気ディスクのスピンアップ時間を示します。スピンドルモータ障害の指標になります。
♦  Start/StopCount(04)
    スピンドルモータが開始/停止した回数です。スピンドルモータの経年劣化による障害の指標になります。
♦  Rellocated sectors count(05)
    記録/再生/確認命令時にエラーが発生すると、エラーの起きたセクタをRellocatedセクタとして隠したセクタの数です。磁気ディスクや磁気ヘッドなどの障害の指標になります。
♦  Seek error rate(07)
    磁気ヘッドの位置決めが失敗した割合を示します。VCM障害の指標になります。
♦  Seek time performance(08)
    磁気ヘッドの位置決め速度を示します。VCM障害の指標になります。
♦  Power on hours(09)
    通電時間を示します。機器全体の経年劣化による障害の指標になります。
♦  Spinup retry count(10)
    磁気ディスクをスピンアップに失敗して再試行した回数です。スピンドルモータ障害の指標になります。
♦  Power cycle count(12)
    電源が入った回数です。機器全体の経年劣化による障害の指標になります。
♦  Load / Unload cycle count(193)
    磁気ヘッドの退避場所へ移動した回数です。衝撃や振動による磁気ヘッド障害と磁気ディスク障害の指標になります。
♦  HDA Temperature(194)
    HDD部品(Hard Disk Assembly)の温度です。温度による障害の指標になります。
♦  Rellocation count(196)
    セクタ再配置回数です。磁気ディスク障害の指標になります。
♦  Current pending sector count(197)
    セクタ再配置を一時中断しているセクタ数です。磁気ディスク障害の指標になります。
♦  Offline scan uncorrectable count(198)
    オフラインテストで発見された回復不能なセクタの総数です。磁気ディスク障害の指標になります。
♦  Ultra DMA CRC error rate(199)
    UltraDMAモードDMA転送中に発生したCRCエラー数です。機器全体の障害の指標になります。
♦  Write error rate(200)
    記録時にエラーとなった割合を示します。主に磁気ディスクまたは磁気ヘッドの障害の指標になります
♦  Disk shift(220)
    磁気ヘッドの位置決めに対して実際にずれた位置との距離を示します。ただし、この値のスケールは定められていません。衝撃や振動に起因する障害の指標になります。
♦   Loaded retry count(223)
    記録/再生/位置決めなどが失敗しで再試行した数です。


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