ノーベル賞授賞式を終え、妻の裕子さんとほっとした表情の田中耕一さん=10日午後、ストックホルムのコンサートホール(代表撮影・共同)
【ストックホルム11日共同】スウェーデン放送は10日夜、ノーベル賞の晩さん会を中継する特別番組で、化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんのユニークな経歴や日本の過熱報道、研究環境などについて異例の詳しい紹介をした。
番組は、田中さんが水色の作業服で記者会見に現れた受賞発表直後の映像を示し「社内で下位の役職からスーパーアイドルになった」「受賞により勤務先で研究室を与えられ、天皇からは文化勲章を授与された」などと紹介。「私は普通の人間だし、普通の人間のように振る舞いたい」とする田中さんの英語インタビューも放映した。
田中さんの受賞にドイツのライバル研究者が異論を唱えたことも取り上げ、「田中さんの発表が2カ月早かった。ノーベル賞とは早く発表した者に与えられるものだ」とするノーベル賞関係者の明確な反論を放映した。