建築基準法上の有料老人ホームの扱いを解説|確認しておくべき他の法律まで

更新日 2024.03.07
投稿者:横山 洋介

有料老人ホームを設立する場合は、建築基準法に則って作業を進めることが大切です。

建築基準法では、老人ホームは「有料老人ホーム」と「共同住宅」、「寄宿舎」に区分されます。
しかし、建築基準法における老人ホームの区分について、詳しく把握していない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、老人ホームの施設形態や建築基準法での扱いを解説していきます。

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そもそも老人ホームとは?

老人ホームには有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、さまざまな施設形態が存在します。まずは、老人ホームの分類とそれぞれの施設の特徴について、以下の内容をご覧ください。有料老人ホームの区分に関しても触れていきます。

多様な種類がある「老人ホーム」

老人ホームの種類はさまざまです。以下の表に代表的な施設形態とその特徴をまとめました。要介護度や症状によって、入居する施設が異なります。

要介護度が高ければ特別養護老人ホーム、認知症の症状があればグループホームといった具合に、施設ごとに入居対象が決められているのが一般的です。

また、症状が軽度な方は、サービス付き高齢者向け住宅に入居するという選択肢もあります。

施設形態 特徴
有料老人ホーム 高齢者に対して介護・生活援助・健康管理などのサービスを提供する。
特別養護老人ホーム 65歳以上かつ要介護3以上の高齢者を対象とした施設。
介護老人保健施設 要介護1~5までの高齢者が対象。リハビリなどによって在宅復帰を目指す。
グループホーム 要介護1以上で認知症の方が共同生活を行う。5〜9人の少人数に対して介助を実施。
サービス付き高齢者向け住宅 要介護度が低めの高齢者が入居する。バリアフリーの整った住宅で比較的自由に生活できる。

出典:厚労省 介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて

有料老人ホームの区分

老人ホームのうち「有料老人ホーム」も、条件によって細かく分類されます。代表的なものは下記の通りです。

住宅型・健康型 介護付き・外部サービス付き
受け入れ条件 60歳以上で自立~軽度の要介護 65歳以上で要介護5まで入居可能
費用 月額12万~30万程度
入居一時金も必要
月額12~30万円程度
入居一時金も必要
部屋 原則個室で13㎡/人以上 原則個室で13㎡/人以上
廊下幅 車椅子が通行の妨げにならない程度 1.8m以上

建築基準法における老人ホームの区分

ここまで、老人ホームの施設形態や有料老人ホームの分類について解説してきました。老人ホームの区分はそれらだけではなく、建築基準法でも定められています。

建築基準法における老人ホームの区分は、有料老人ホーム、共同住宅、寄宿舎の3つです。老人福祉法で定める「有料老人ホーム」に該当する施設は、建築基準法上も「有料老人ホーム」とみなされ、それ以外の施設は建築基準法上、共同住宅・寄宿舎と分類されると理解すれば大丈夫です。これらの区分について詳しく解説していきます。

老人ホーム建設時のポイントについては老人ホーム建設時に注意すべきポイントとは?気になる費用も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

有料老人ホーム

建築基準法において、老人福祉法第29条第1項で定められた各種サービスを提供する施設は、有料老人ホームとして扱われます。

この各種サービスとは、介護サービスや食事サービス、家事サービス、健康管理サービスのことを指します。どれか1つのサービスを提供していれば、建築基準法においては有料老人ホームです。

そして、有料老人ホーム以外の施設は、共同住宅か寄宿舎に区分されます。

共同住宅

介護や食事などの各種サービスを提供しない施設のうち、1つの建物内に住宅が複数存在するものは共同住宅に区分されます。

加えて、建物内にあるそれぞれの住宅に、便所と洗面所、台所が設置されていることが、共同住宅に分類される条件です。各住戸は共用廊下や階段によって繋がれています。

つまり、共同住宅とはマンションのような建築物のことを指すのです。

寄宿舎

寄宿舎も共同住宅と同様に、介護や食事、家事などのサービスを提供していません。共同住宅と違って、寄宿舎は台所や浴室が共同となっています。

住戸が独立しておらず、複数の人間が同じ建物内で共同生活を行うのが寄宿舎の特徴です。同じ会社にいる人間が使用する社員宿舎や、学校側が設けた学生寄宿舎、シェアルームなどを想像すると分かりやすいでしょう。

認知症の高齢者たちが入居するグループホームも、寄宿舎に分類されます。

グループホームの建築についてはグループホームの建築・開設のポイント|費用や法律まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

出典:札幌市 有料老人ホームの建築基準法上の取扱いについて

老人ホーム設立時に意識すべき他の法律

老人ホームを設立する際に守らなければならない法律は、建築基準法だけではありません。以下の法律や条例も意識しておきたいです。

  • 消防法
  • 老人福祉法
  • 児童福祉法
  • まちづくり条例

これらの法律を遵守したうえで老人ホームを建てようと思ったら、知識が豊富な専門家の知見に頼るのが安心です。建築に際して早めに専門家へ相談し、間違いがないように作業を進めていくことをおすすめします。

まとめ

老人ホームの施設形態は有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、いくつか存在します。このうち有料老人ホームは住宅型や健康型、介護付きなどに分かれており、受け入れ条件や提供しているサービスは施設によってさまざまです。

そして、老人ホームは建築基準法において、有料老人ホーム・共同住宅・寄宿舎の3つに区分されます。介護や食事のサービスを提供している施設は有料老人ホーム、それ以外は共同住宅か寄宿舎として扱われるのが一般的です。

施設形態や区分の違いを理解し、専門家の知恵も借りながら老人ホームの設立を進めましょう。

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セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

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