モスクワで4泊(2)： トレチャコフ美術館に行ったが「忘れえぬ女(ひと)」に再会できなかった

ホテル地階のレストランでの2回目の朝食．
2種のセットメニューからの選択ですが，前日と多少異なります．
右上はプリヌイ（ロシアのクレープ）．サーブされたのでチップを置きました．

ホテルからトレチャコフ美術館は徒歩圏であり，徒歩で行く途中のポロトヌィ公園．

ポロトヌィ公園のイリアー・レービン像（移動派・社会主義リアリズムの画家）．

レービンは移動派の中心的画家なのですが，以後のトレチャコフ美術館で撮った写真には登場しません．これはレービンの部屋である29，30室が何故か閉鎖されていたからです．

運河に架かるトレチャコフ美術館へのルシコフ橋．

運河に架かるルシコフ橋の上には愛の鍵を掛ける木あり．

トレチャコフ美術館への道．　多数向かってます．

トレチャコフ美術館正面．
開館時刻(10am)前だったので，少し周囲を見て回ることにした．

隣接する教会 ―　ウラジミール聖母のイコン画があり，トレチャコフ美術館と中で続いているとのことだが，分からなかった．

行列があったので入場券売り場かと思って並んだら，ここはムンク特別展の入場券売り場とのことだった．

トレチャコフ美術館の正面から入った．

正面の銅像は，コレクションを収集し自邸を美術館として公開した富豪の実業家パーヴェル・トレチャコフ（1832‐1898）．

本館にはイコン画から20世紀初頭までのロシア絵画がある．

手荷物検査で行列だが，それほど待つことはなしてした．

館内のチケット売り場（500ルーブル(1000円)）．

この階段でまず地階から2階に行きます．

トレチャコフ美術館の展示室．

目的の部屋に行く前にあったアレクサンドル・イワノフの大作「キリスト、人々の前に現れる」．

まずクラムスコイ「忘れえぬ女」を目指して，クラムスコイの20室に行きました．

「忘れえぬ女(ひと)」が見当たらないので，監視員のおばさんに「Unknown Ladyはどこ？」と聞いたら，「ないよ」と云ってこれを指さされた．

何と11月まで日本に行っているのでした．大ショック．私が渋谷Bunkamuraで見たのは2018年11月だったが，その後も東京以外の展覧会を巡回しているのでした．

クラムスコイの肖像画ですが，残念ながら「忘れえぬ女」に匹敵するのはなかったです．

素晴らしい「月明りの夜(Moon Light)」も日本に行ってしまっています．

落胆したが，気を取り直してトレチャコフ美術館を回ることにしました．

移動派で超写実的にロシアの自然を描いたシーチキン1．

これもシーチキン2．

シーチキン3．　

シーチキンについては日本に行っていて不在の，熊がいる「松林の朝」の方が良いと思いました．

「忘れえぬ女」の不在は誠に残念だったが，バレンチン・セローフは良かったです．セローフも移動派だが印象主義．

これは代表作で有名な「桃を持った少女」(セフーロは1階に展示でした)．

セローフ「木漏れ日に照らされる少女」

セローフ「窓で Trubnikovoj の肖像画」

セローフ「ニコライ・リムスキー＝コルサコフ」

セローフ「コンスタンチン・コローヴィン」

セローフ「ポール・アレクサンドロヴィチ大公」

セローフ「エウロの略奪」

セローフ「G.L.ギルシュマンの肖像」

ヴルーベリの大画「夢の王女(夢見るような王女)」

象徴主義的でアールヌーヴォー流も．

ヴルーベリ「暖炉」ー 絵画でなく工芸品．

ヴァスネツォフの(有名な)「豪傑たち」．　ヴァスネツォフも移動派になる．

ヴァスネツォフ「イーゴリ遠征物語」

ヴェレシチャーギン「トライアンフ(inサマルカンド)」．戦争画を多く描いた．

ヴェレシチャーギン「打ち負かされたものたち，死者のための祈祷」

サリコフ「モロゾワ侯爵夫人」．
宗教改革に反発したモロゾワ夫人を引き回しにしている．

サリコフも移動派で，歴史画の巨匠．

ヴァシリー・ペロフ「古い信者司祭」．
ペロフも移動派で，下層階級を同情的に描いた．

パーヴェル・フェドートフ「嫌々ながら嫁にされ」

カール・パブロヴィチ・ブリューロフ「ポーランド軍とのプスコフ攻囲戦」．
両親はフランス人で，歴史画や肖像画に秀でていた．

ティスト イワン・ヤコヴレヴィチ「女帝エリザベータ(ピョートル大帝の娘)」

コロヴィン「北の牧歌」．

西欧を多く旅し，ロシアにおける印象主義の先駆的画家．

コロヴィン ― 印象派風．

コロヴィン.

クストーディエフ ― 商人階級の暮らしや風俗を描いた．

セレブリヤコヴァ ．

セレヴリャコフ「朝食で」

マルチロス・サリアン(アルメニアの画家)「ナツメヤシ」

マルチロス・サリアン「ブドウと藤」

ニコライ・クリモフ「新レストラン」

ニコライ・クリモフ「風の強い日」

トレチャコフ美術館1階にはイコン画などロシア古美術もありました．以下にそれらを幾つか．

「ウスチューグの受胎告知（マリアと天使ガブリエル）」．

マリアの死．

聖母子．

キリストと天使．

キリスト，マリア，聖人，天使．

左から大天使ミカエル，マリア，イエス，ヨハネ，大天使ガブリエル．

聖母子．

聖人．

アンドレイ・ルブリョフ「至聖三者」 ー イコンの傑作とのこと．

中央が父，右が子，左が精霊とのこと．

トレチャコフ美術館地階のカフェ．

売店の大型ガイド書の表紙は「忘れえぬ女」だった．
これは厚くて重いので買わなかった．

「忘れえぬ女」を目当てに来る人も多いと思うが，残念でしょう．私は一度は見ていたので，少しは救いか．この絵は謎めいた視線と共に細部も素晴らしく，本物でなければ分からない良さがあります．

小型のこのガイド書を買いました．
日本語版はなく英語版です（日本語版は以前はあったよう）．

売店には浮世絵のガイド書も売ってました．
特別展とかを開催したことがあるのかと思います．

これでトレチャコフ美術館を出ました．

この後に雀が丘とスターリン様式のモスクワ大学に行ってみることにしました．