ニューヨーク株式市況

2024/04/30:現地日付

主要指数 終値 出来高概算(百万株)
ダウ 37,815.92
-570.17
1,237.07
SP500 5,035.69
-80.48
-
ナスダック 15,657.82
-325.26
-

本日のポイント

株式市場

午前8時半発表の注目の1Q雇用コスト指数は予想を上回り前期比+1.2%となり、前期の+0.9%から加速を示した。強い雇用コストインフレを受け、FRBの利下げは更に遠のいたと見られた。午前9時発表の2月FHFA住宅価格指数は前月比+1.2%、2月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は前月比+0.61%と、いずれも予想以上となり、インフレ圧力懸念を追加した。これらを背景に寄り前の10年債利回りは4.67%付近へと上昇。寄り前に発表された企業業績はまちまち。イーライ・リリー(LLY)のF1Q決算は予想以上となり、GLP-1受容体作動薬の強い見通しから通年業績ガイダンスが上方修正された。また、NXPセミコンダクターズ(NXPI)も予想以上のF1QEPSを示した。他方、GEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)、イリノイ・ツール・ワークス(ITW)、マクドナルズ(MCD)はいずれも予想以下の決算となり、リア(LEA)は1Qマージンが失望され、パッカー(PCAR)は今年の重量トラック販売台数見通しを下方修正し嫌気された。これらを受けて市場の業績への楽観的センチメントもやや後退。これらを背景に主要指数は小幅反落して寄り付いた。公益、生活必需品、素材、不動産の下落が目立ち、他も幅広く小安くなってスタート。午前9時45分発表の4月シカゴPMIは37.9と予想を下回り前月比悪化。生産、新規受注、雇用などの項目がいずれも悪化した。続いて午前10時発表の4月消費者信頼感指数は予想を下回る97となり、現状値、期待値とも前月から悪化した。12ヶ月後の期待インフは5.3%と前月から変わらず高い水準を維持した。強いインフレ圧力と軟調な経済の組み合わせを市場は懸念。売りが幅広く広がる展開となり、S&P500はじりじりと下げ幅を拡大する推移となった。原油価格の下落でエネルギーセクターが大きく売られ、素材、不動産、資本財、一般消費財なども下げを主導し、S&P500は昼過ぎまで売り優勢の展開。午後に入り、押し目買いを試す動きもわずかに見られたが、明日のFOMCで予想されるタカ派スタンスが警戒され、更に、引け後発表のアマゾン・ドットコム(AMZN)、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)などの決算にも慎重となる中で、押し目買いは続かない。引け際にまとまった売りが見られ、S&P500は引け直前に前日比-1.58%の5035まで売られそのまま安値圏で引けた。ダウ平均が-1.49%、S&P500が-1.57%、ナスダック総合が-2.04%。全11セクターが下落し、中でもエネルギーが-2.89%、一般消費財が-2.66%、情報技術が-2.16%。個別では、上記イーライリリー(LLY)が+5.95%、NXPセミコンダクターズ(NXPI)が+3.67%。コーニング(GLW)が予想を上回るF1Q決算を発表し+5.03%。他方、上記GEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)が-14.28%。ハベル(HUBB)がFY24のEPSガイダンスが予想以下となり-9.01%。

債券・為替市場

フランスの1QGDPが前期比+0.2%、ドイツの3月小売り販売が前月比+1.8%と予想以上となり、欧州主要国債利回りが上昇する中で、10年債もこれに連れて小幅に上昇し、NY朝方には4.6346%付近をつけた。午前8時半発表のQ1雇用コスト指数は前期比+1.2%と予想を上回り前期の+0.9%から加速した。続いて9時に発表された2月FHFA住宅価格指数は前月比+1.2%と予想を大幅に上回り、2月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は同+0.61%とこれも予想を上回った。予想以上のインフレ圧力を示す指標をうけて10年債利回りは4.6736%まで上昇した。午前9時45分発表の4月シカゴPMIは37.9と予想外の弱さとなり、10時発表の4月費者信頼感指数は97とこれも予想を大きく下回り前月比悪化した。10年債利回りは一旦わずかに低下したが、強いインフレ圧力背景に明日のFOMCでのタカ派スタンスが予想され、買い戻しは限定的。10年債利回りは午後にかけて4.660%付近でもみ合いとなった。FOMCと四半期入札詳細発表を明日に控え午後2時頃から売りが追加され、10年債利回りは午後4時近くに4.6902%まで上昇し、午後4時には4.684%となった。為替市場では、ドル/円はオーバーナイトでじり高となり、NY朝方には156.93付近でスタート。注目のQ1雇用コスト指数が予想を上回り、さらに2月住宅価格指数も予想以上の上昇となり、FOMCのタカ派スタンスが予想される中で、ドル/円は157.53まで上昇。その後4月シカゴPMI、4月消費者信頼感指数がいずれも予想を下回ったのを受けて一旦ドル/円は157.25付近にまで後退したが、日米金利格差がしばらく続くとの見方は強く、日本のドル売り介入のレベルを警戒しつつもドル/円はじり高となり、午後4時には157.71となった。

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