『イナズマイレブンGO』第28話「監督・鬼道の不安」の感想 【飛鷹△】

 恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は『イナズマイレブンGO』第28話「監督・鬼道の不安」を観ての感想を書く。今回の主要テーマは監督・円堂守(CV:竹内順子)の謎の出奔(しゅっぽん)を受け、頑張りながらも理解されない新監督・鬼道有人(CV:吉野裕行)さんの物語。「一言説明しろよな」という感想は禁句。



 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、

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 なお、『イナズマイレブンGO』をよく知らない方のために登場人物紹介のページを設けました。順次更新していきますので、目を通していただくとキャラクターのことが分かり易くなります。さらっとウソ情報が散りばめられていますので、あまり信用しないで、軽い感じで読んで下さい。

 白恋中学との死闘を勝利で終えた雷門中学。紆余曲折はありつつも、順風満帆に思われたその快進撃だったが、白恋の指導者に返り咲いた吹雪士郎(CV:宮野真守)からもたらされた情報がその進展に重要な転換点を与える。なんと、監督の円堂をして、監督職を辞してまで専念しなければならない謎の使命を帯びることとなるのだ。

 フィフスセクターの真の狙いを調査する為に雷門を離れることにした円堂は、もっとも信頼できる男に大事なその後事を依頼する。



 翌日のサッカー部室で、円堂は理由を明かさないまま、自らの退任と次期監督として鬼道の任命を宣言する。そしてあまりにいきなりの話の展開に驚く部員たちを尻目に雷門を去っていく。

 松風天馬(CV:寺崎裕香)やキャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)にすら一言の釈明も無しに、部室から出て行く円堂。詳細を明かさないままに去っていく円堂のその姿は身勝手な態度に見えるが、前回の感想で想像した通り、レジスタンス側の都合ということも考えられる。雷門メンバーに詳細を提示しては都合の悪いというレジスタンスの意向を受け、口止めされている可能性を考慮したい。この態度はあまりに円堂らしくない態度だったもんね。イナズマ展開ではよくある思わせぶりな展開とも言えるが……。



  オープニング



 信頼し、慕っていた円堂の突然の辞任に消沈する雷門イレブン。天馬は特訓にマンツーマンで付き合ってくれた円堂との想い出に耽(ふけ)る。自宅に招待され、トラウマになるほど不味(まず)かった円堂夏未(CV:小林沙苗)の手料理も、今となっては懐かしい。円堂監督の存在は、新入生の天馬にとっては雷門でのサッカー生活のほぼ全てと言っても過言では無かった。



 また、他のメンバーにとってもかけがえのない監督でもあった。フィフスセクターの管理サッカーの前に、逆らう勇気すらなかった彼らを革命に狩り立て、闘う勇気を与えてくれた、唯一の存在だった。精神的支柱を失い、落胆する神童。3年生として共に革命を成就(じょうじゅ)させたかったと悔やむゴールキーパー三国太一(CV:佐藤健輔)。

 旧体制の下、サッカー部から逃げ出したものの、円堂体制になって復帰を果たした一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)も残念がる。彼らからしたら一度も試合で起用してくれなかったのもまた円堂だったんだけどね(秋空チャレンジャーズ戦を除く)。


 「いないものはしょうがない」


 そんな中、一人クールにそう言い放つ剣城京介(CV:大原崇)。元シードの彼は円堂と敵対していた時もある。それだけに客観視できるのかも知れないが、そのクールに過ぎる態度は先輩の勘気に触れる。喰ってかかろうとする天城大地(CV:奈良徹)と、それを制する車田剛一(CV:野島裕史)の両3年生。


 確かに怒っても、悲しんでも円堂はもはや戻っては来ないのだ。


 その沈鬱とした部内の空気を換えようと、新参の男が意見を口にする。錦龍馬(CV:岩崎了)が陽気な土佐弁で神童に語りかける。帰国して合流したばかりという立場上、剣城と同様に円堂とあまり接点の無い彼だからこそ、客観的に現状を把握し、前向きな態度でもって語りかけることが可能なのだろう。

 しかししょげていても仕方が無いというその意見こそ正しいが、まだその態度は偉大な指導者を失ったメンバーに対しては早過ぎた嫌いがある。空気を読まないその行為を錦の知己(ちき)であるスケバン・瀬戸水鳥(CV:美名)が咎(とが)める。

 いきなり足を踏みつけにするという暴力的な止め方に、さしもの錦も驚くが、お互いに成長していないと返すその態度は錦の持ち前の明るさに満ちていた。だが明るいその喧騒状態は相変わらず錦周辺のみで、場の大勢の空気は換わらない。天馬はホーリーロードのポスターを見つめながら、バラバラになりつつある雷門サッカー部の行く末を案じていた。


 部員たちの動揺を知ってか知らずか、鬼道はデスクワークに勤(いそ)しんでいた。円堂がなぜ次期監督に自分を推したのか、白恋中戦後の鉄塔前での会話を回想する鬼道。選手たちの良いところしか見ることが出来ないと、自嘲気味に語る円堂。

 彼のその方針は選手たちの長所を伸ばし、さらに練習を楽しくし、モチベーションを引き出すことが出来るという指導者として必要な条件ではあった。だがそれだけでは選手個々の短所の克服や、苦しい訓練に敢えて向き合わせるだけの指導力、言い換えれば厳しさに欠けるという欠点を内包していた。指導者には優しさやカリスマだけではなく、非情さや理不尽さが要される場面もあるし、理論と精神性が求められる場面もある。

 そう判断した円堂は、次の指導者として自分と正反対で、それでいて自分の足りない部分を完璧に持ち合わせた男、鬼道を選んだという訳だ。鬼道はその円堂の意気に応えるため、敢えてその名の通り、「鬼」となる。



 鬼軍曹となった鬼道さん(画像はイメージです)。



 翌日から、円堂抜きの部活がスタートする。鬼道の指導の下、腕立て伏せやスクワット、腹筋など、基礎的練習をハードなまでに行う鬼道。ボールを一切使用しない練習メニューに戸惑うのは選手ばかりでは無い。マネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)や山菜茜(CV:ゆりん)、そして水鳥も、その普通では無い雰囲気に気付いていた。

 指導者の交代になんら説明も無く、練習メニューまで変更され、雷門サッカー部内に疑心暗鬼ともいえる不信感がはびこり始めた。サッカー部顧問であり、鬼道の実の妹である音無春奈(CV:佐々木日菜子)も、その雰囲気に不安を抱きはじめていた。


 ジャンプ力を要する練習では、西園信助(CV:戸松遥)に他者の倍の高さのハードルを飛ぶよう厳命する鬼道。ジャンプ力のある信助とはいえ、何の説明も無く(文字通り)ハードルを上げられることには違和感があった。自分だけの特別扱いに疑問を抱く信助に、狩屋マサキ(CV:泰勇気)が悪魔のささやきをする。


 狩屋「サッカー部を辞めて欲しいんじゃないの?」


 純真な信助の心に、不信感の種がまかれた瞬間であった。以後の信助の反発について、鬼道の説明不足は確かにあったとは思うけど、この時の狩屋の行為が大きく響いていたと思う。狩屋も相変わらず罪作りのトラブルメーカーだねぇ。


 鬼道の厳しい指導の次のターゲットは天城だった。古くからスポ根漫画の王道的な訓練、タイヤ引きの際、天城だけは他者の3倍のタイヤを引かされる。

 次はバランス感覚を養う訓練で、浜野海士(CV:金野潤)のみがボールの上に板を乗せてバランスを取るよう強制される。どうもそれぞれの選手が得意とする分野でより厳しく指導しているように見受けられる(信助のジャンプ力、天城のパワー、浜野のバランス能力)。


 その後、延々と続けられるランニング。夕暮れの頃には全員がヘトヘトに疲れきっていた。体重のある天城には一番つらい過酷な練習だったろう。ついに最初にへばり、グラウンドに倒れこんでしまう。



 倒れる天城を心配して駆け寄る信助たち。意外なのは、ここに剣城がいること。彼の仲間意識が描写されるのは珍しい。ただ単に天城の近くを走っていただけなのかもしれないけど。


 天城の非常時だというのに、構わずにランニング続行を言い渡す鬼道に反感を抱く信助。非情なその態度は、表向きは従う神童たち他の選手たちにも不信感を増幅させる。


 完全に日が没した頃、ようやく厳しいその日の練習が終了する。誰もが限界で、グラウンドに倒れ込む。立っている者は一人もいなかったことが、その日の練習のハードさを物語っていた。



 円堂なら、「よく頑張った!」とかねぎらいの言葉を投げかけたであろうその場面でも、鬼道はドライに練習の終了だけを言い渡して去っていく。その態度を見て、信助の脳裏に先ほど狩屋からささやかれた言葉が反復される。


 天城や三国など、上級生にまで不満が爆発する状態に、彼らを守る立場である顧問の春奈が意を決する。兄である鬼道の後を追い、その真意を糺(ただ)す。だが鬼道は雷門を勝たせることが自らの使命だとだけ告げ、それ以上の説明を拒む。



 翌日も全く同じ調子でハードな練習が繰り返される。



 信助に課せられたハードル。さすがにこれは嫌がらせレベルに思われてもやむを得ない。


 信助の受ける仕打ちに限界を感じた春奈が直言するが、鬼道は取り合わない。その容赦ない態度が、信助の気持ちをさらに硬化させる。


 その日の練習の終了も、全員のダウンを持ってして、であった。これ以上は我慢できないと、ロッカーにかばんをぶつけて天城が荒れる。信助も怒りに身を震わせて、明日からの練習ボイコットを宣言する。


 天城「俺もだドン! なぁ、影山?」

 輝 「ええぇ〜〜っ!!?(何で僕が……!?)」


 と、それまで何も言っていない影山輝(CV:藤村歩)の肩を掴み、無理やりボイコット仲間に引き込もうとする天城。新入部員で立場の弱い輝は先輩の無茶振りを無下(むげ)に断れない。本音は残りたい気満々の輝を連れて、天城と信助は部室を出て行く。恐れていた内部分裂が、ついに顕在化してしまう(輝は天城による無理強いだけど)。


 信助を説得しようと追いかけて来た天馬。同級生で仲のよい葵もその後を追う。鬼道の考えていることが分かるまで、続けてみようと提案する天馬に対し、信助はこれまで見せたことの無い剣幕で断る。

 化身を使いこなし、鬼道からも悪意ある練習メニューを課せられていない天馬に自分の気持ちなど理解できないと、涙を浮かべて反論する信助。天馬の説得を振り切り、走り去ってしまう。

 この親友同士の仲たがいは表向き、鬼道体制がもたらしたものとは言え、信助はおそらく以前から化身を使える天馬にコンプレックスを抱いていたと思う。その思いがこれを機会に吐露されてしまったのではないかと想像する。



 一方、神童、三国、車田といったチームの精神的主力のメンバーも内部分裂を目の当たりにして黙っている訳にはいかない。3人揃って、鬼道に練習メニューの変更を直訴していた。だが開口一番、その直訴を却下する鬼道。神童たちの心配をよそに、全く聞く耳を持たない。



 そしてチームから分裂した信助、天城、輝のボイコット3人組は商店街のラーメン店「雷雷軒」に集い、鬼道新監督の悪口に花を咲かせる。ラーメンのみを注文したのに、なぜかチャーハンが付いていることに疑問を感じる輝だったが、店長のサービスらしい。浮かれる天城と輝だったが、信助だけは親友が自分の気持ちを理解してくれなかったことに落ち込んでいて、せっかくのサービスにも気もそぞろだった。


 天馬の側も、親友との亀裂に心を痛めていた。ペットのサスケ(CV:佐藤健輔)を撫でながら、どうすれば良いのかを自答して空を見つめる。


 そして夜間の雷門中では、春奈がついに監督室に乗りこんで直談判する。勢い込んで兄に意見しようと歩を進めるが、足元に落ちていた紙に足を取られて慌てる。この辺は10年前の春奈の変わらない可愛らしさが垣間見られて微笑ましい。

 落ちていたその紙に目を通した瞬間、春奈の表情が変わる。それは天馬の詳細なデータが記載されていた。鬼道の前に山と積まれた書類の束は、雷門イレブンの一人も余さない、微に入り細に渡ったデータの蓄積物であった。



 兄の真意を理解した春奈は、今回何度目になるか分からない「兄さん……」というセリフをつぶやく。



 翌日の早朝練習に出発する天馬。いつも一緒に練習している信助だったが、その日は現れなかった。なぜかその場に付いて来たがったサスケも練習の段になると寝てしまい、天馬は信助と知り合って以来、おそらく久しぶりに独りぼっちで練習を開始する。同じく早朝、ジョギングをしていて通りがかった葵もその姿を残念そうに見つめる。


 学校で再会したであろう天馬と信助。だが没交渉なのだろう、授業中、信助の気を引く天馬だったが、信助はふくれっ面でつれなく無視を決め込む。葵が気を利かせて両者の間を取り持つよう提案するが、天馬は自分から話して解決したいと言って断る。


 そして放課後の部活。やはり信助は現れない。天城と輝の2人も同様にやって来ない(輝は無理やりだろうけど)。3人も離脱した鬼道の指導体制を聞こえよがしに批判する水鳥。挑発的な水鳥のその言葉に対しその場は反応しなかった鬼道だったが、かつて自らが率いた帝国学園との比較で、指導方針に誤謬(ごびゅう)があったのではないかと自省する。



 ボイコット組はそこが溜まり場になったかの如く、サービスの良いラーメン店「雷雷軒」に集合していた。転校することまで視野に入れている天城だったが、それを輝に押し付けるな。相変わらず天城に押し切られそうな輝、ジャイアンのび太を見ているような関係だ。


 「嫌なら闘えばいい……」


 そんな天城たちに、店長が渋い口調でそうアドバイスする。フィフスセクターと闘うことを決意してここまでやって来た過去がふいになってしまうことに気付いた天城。根が単純な彼は、またも輝を巻き込んで(鬼道の指導と)闘うことを誓う。



 そして自らのアドバイスが功を奏したことを確認して、不敵に笑う店長。彼のその正体は……?


 ダチョウの卵なみににでっかい単細胞の天城はそれで翻意したが、天馬との仲たがいを内包した信助の葛藤はそれで収まるものでは無かった。サッカー部復帰を決めた天城(と輝)とは別に、復帰する意思が無いことを告げる。



 同時刻、神童はかつて円堂が秘密特訓を行った河川敷のサッカーグラウンドを訪れていた。そこからフィフスセクターに対する反旗を翻す指導を雷門にもたらし、その意思を全員に植え付けた円堂。チームを去ったのは、あの時この場に来なかった南沢篤志(CV:梶裕貴)だけだったしねぇ。

 その思いを想起するグラウンドにやって来ていたのは、神童だけでは無かった。あの時神童をこの場に誘った霧野蘭丸(CV:小林ゆう)が後ろから声をかける。そして三国、車田、浜野、速水鶴正(CV:吉野裕行)、そしてなぜか同行する狩屋が現れた。



 一人だけ何の話だか分からず、場違いを自覚して顔を歪める狩屋。狩屋が雷門にやって来る前のお話だったから仕方が無い。でも、なんで三国たちと行動を共にしていたんだろうね?


 そこに、円堂との過去に縋(すが)る神童に活を入れるべく現れた錦。神童をバリバリの土佐弁で批判する錦に、言葉の意味はよく分からないまま反発する蘭丸(言葉の意味は分かってないと思いたい)。

 クヨクヨする神童のクセが変わっていないと言いつつ、変わっていて驚いた面もあると言う錦。それは神童たちの、やる気に満ちた表情だった。それを見て、錦はすぐに指導者の円堂の手腕であることを見抜いていた。円堂との付き合いは短かった錦だが、さすがの眼力を思わせる。だけどこれって、円堂の前の監督である久遠道也(CV:東地宏樹)に対する批判になってない?


 円堂によって植えつけられた種から芽吹いた芽を枯れさせる訳にはいかないだろう(標準語翻訳済み)と、独特の手法で神童たちを鼓舞する錦。



 天城たちともたもとを分かち、一人サッカー部復帰を拒んだ信助。家路に向かう彼の前に、彼を心配して自宅を訪れていた天馬と葵が通りがかる。慌てて物陰に隠れる信助。


 葵 「このまま戻って来ないのかなぁ?」

 天馬「信助はきっと戻って来るよ!」


 自らを信頼して明るく返答する天馬のその言葉を聞いてハッとなる信助。信助とサッカーがしたいという思いを語る天馬の後ろ姿を見送り、信助は何を思うのだろう?



 その日も夜遅くまで残務整理に追われる鬼道のもとに、雷雷軒のあの店長がやって来る。出前など頼んでいない鬼道にとっては意外な来客だったが、その正体はさらに彼にとって意外な男であった。



 店長の名は、飛鷹征矢(CV:峯暢也)。かつて世界を制したイナズマジャパンのメンバーの一員で、鬼道とも共に世界を相手に戦った仲だ。

 ツッパリ上がりの飛鷹は上下関係には厳しいらしく、イナズマジャパンではチームの司令塔だった故か、同い年の鬼道に対しても敬語を使う。飛鷹はおせっかいを承知で鬼道に意見する。雷門の選手たちにとって、鬼道ははるか先を行っている眩しい存在であり、先を行く者として後ろにいる彼らのその気持ちを慮(おもんぱか)って見せる度量が必要なのではないかと忠告する。



 かくして鬼道の前には、飛鷹の忠言と山盛りのチャーシュー入りチャーハンが残された。その両方をありがたく受ける鬼道だったが、鬼道がこれをレンゲでかっ込んで喰らい、残さず平らげる姿が想像つかないんですけど……。



 さらに翌日の早朝、独りで練習する天馬。信助はやはり現れない。

 放課後の部活には、神童を含む大勢の姿も見えなかった。心配されたが、彼らはやって来た。サッカーが出来ない苦しみと比べれば、練習の厳しさなどは比較にならないのだ。



 この絵の一乃と青山の扱いは酷いよね。文字通りの頭数。ほぼセリフの無かった倉間典人(CV:高垣彩陽)や速水よりはマシかなぁ?


 そこにさらに嬉しい参加者がやって来る。飛鷹の言葉を受け、厳しい練習から逃げずに闘うことを決めた天城と輝も現れたのだ。



 妙なカップリングが誕生している。


 これで練習に復帰していないのは信助だけとなった。信助が帰って来ることを確信を持って宣言する天馬。そしてその信頼に応え、天馬にとって一番嬉しい復帰者が駆けて来る。


 信助「僕も天馬とサッカーがしたい!」

 天馬「うん!!」


 サッカーが好きだから、厳しい練習からも、鬼道の理不尽な指導からも逃げないことを誓う信助。

 そこにやって来る鬼道。これまでと変わらぬ冷徹な口調で、新しい練習メニューを各自に用紙を渡して指示する。全体として変わらぬハードな内容に、神童は練習をクリアすれば話を聞いてもらえるよう、鬼道に条件闘争を提言する。鬼道もそれを2つ返事で受ける。


 闘うと決めたメンバーは、与えられた課題を次々と克服して行く。そして夕暮れ時、ほぼ全てのメンバーがその課題をクリアすることに成功する。残されたのは信助だった。ゴムロープ延ばしの課題を、努力とサッカーに対する情熱と天馬たちの声援とを糧(かて)に成し遂げ、信助もついに全課題をクリアする。


 選手たちが約束を果たした。次は鬼道が選手たちの話に耳を貸すと言う約束を果たす番であった。

 与えられた課題の書かれた用紙に目をやり、剣城が何かに気付いた。新しい練習メニューは、それぞれが達成しうる限界ギリギリのラインに設定されていた。これは選手個々の能力を細事に至るまで把握していなければ不可能なものだ。

 ここに至って、鬼道が最初に課した厳しい練習の意義が理解できた。それは極限までの練習で、それぞれの限界点を把握するためのものだったのだ。

 雷門の弱点が基礎体力にあることを早期に見抜いていた鬼道は、必殺技に頼るばかりではいざ通用しない相手が立ち塞がった時に窮地に陥るとして、基礎的な部分の底上げを図ったのだ。それこそ、円堂が行き届かなかった短所への目配りであり、鬼道にこそ可能な指導であったのだ。そして円堂はそのことにも気付いていたからこそ、後事を鬼道に託したのだ。


 その大事な監督業を受け継いだ鬼道が部員を追い出すために意地悪な練習をさせるなどといったつまらない行為をする訳が無いし、またその理由も無い。狩屋の言葉に踊らされた信助は、その誤りにようやく気付く。

 信助は自らで限界を決めてしまうという欠点を指摘する鬼道。その甘え解消のために厳しく指導したのだ。帝国の時とは勝手が違い、厳しさ一辺倒だけでは選手も付いて来ないということに鬼道も気付いたとは思うが。

 これで鬼道に対して抱いていたチーム全体の不信感が払拭された。代表して神童が、新監督に対しこれからも指導をお願いする。



 そして翌日の早朝練習。天馬の下に、これまでと同じ様にやって来る信助の姿があった。天馬に聴こえないように「ゴメン」と謝った信助。すっかり元通りになった2人の友情を、今日も通りがかった葵が眩しい笑顔で歓迎する。




 次回に続く!



  エンディング



 今回は大人の事情があるとはいえ、円堂や鬼道は雷門メンバーをもう少し信頼してあげて欲しいという前回の不安が的中した展開だった。「監督・鬼道の不安」というタイトルだけど、視聴者の方が本当に不安になるという……。

 それに反してというか、フォロー的存在だったと言うべきか、飛鷹がすごくカッコ良かった。良い役どころだったよね。前作の時はあまり意識しなかったキャラだけど、すごくカッコ良くなって再登場した印象。サッカーは辞めてしまったのかな? 天城も不満を爆発させるにあたり、よく飛鷹のいる雷雷軒を選んだものだ。


 練習パートの今回は、まぁいろいろあったけど最終的に天馬と信助の仲は雨降って地固まる、といったところだろうか? 信助と天馬の喧嘩は信助の劣等感など、これまでの根深いものも混じっていたとは思うけど、葵との会話で天馬が信助を信じていることを告げた場面で事実上、信助の感情的な部分は解消したのだろうと思う。天馬側にわだかまりは最初から無いだろうし。

 あれが信助が物陰で聞いていることに気付いていた天馬の策略だったのではないかと邪推するのは汚れた精神の大人である当方ぐらいだろうか。信助が翌日復帰したのを見て、「しめしめ、こんな簡単に騙せるとは、ちょろいちょろい♪」と心の中で天馬が思っていたとしたらと、つい想像してしまう。くれぐれも、ちびっこはこんな邪推をしちゃダメだぞ! 汚れた大人の目線になってはいけない! 天馬くんは悪だくみキャラではありません。





 12/23のアイキャッチ、今回は宍戸佐吉(CV:奈良徹)とマックスこと松野空介(CV:小平有希)の姿が。旧雷門メンバーが順次登場するのかな? 宍戸は声優さんが天城と被っているけど、マックスの中の人はこれだけのために召集されたのかな?

 
 次回は早くも昨年の決勝戦の相手の木戸川清修が対戦相手校になる。因縁の相手だが、昨年目立っていた選手は卒業してしまったのか、次回予告ではその姿は確認できなかった。ピッチが板張りというあり得ないグラウンドが舞台になっていた。こけたら大怪我しそう。円堂がいなくなってしまったのは残念だけど、敵監督も因縁ある人物らしいので、来週も楽しみにして待とう。



 次回「宿命の対決!木戸川清修!!」に続く。



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