今回はブギの女王・笠置シヅ子（笠置シズ子）さんのPR盤についてご紹介していきたいと思います。
笠置シヅ子さんは1914年（大正3）香川県出身。1927年（昭和2）に大阪の松竹楽劇部に入部したことが芸能界入りの振出となった、芸歴がかなり古い方です。
当初は三笠静子と名乗り、大勢の中のひとりでしたが、1933年（昭和8）の労働争議「桃色争議」が解決したことにより、内部体制が一掃。
スターの新旧交代も行われ、次第に頭角を現し始めました。
笠置さんの戦前のレコード、松竹楽劇団については、また別の機会に記載したいので、ここでは述べません。
そして1945年（昭和20）の終戦を境に、笠置シヅ子さんの時代が到来することになります。
それまでの戦前〜戦中にかけても、洋楽のカバーレコードを複数枚発売していますが、時局柄宣伝も行われず、知る人ぞ知るだけの存在となっていました。
ところが終戦後、笠置シヅ子さんの人気は大爆発。
お馴染み服部良一さんとのコンビで「東京ブギウギ」「アイレ可愛いや」「セコハン娘」「ヘイヘイブギー」などなど、ヒット曲を大連発。
実演、映画にも積極的に出演し、その華々しさは今でも語り草となっています。
そして、そこで発売されたのが、今回ご紹介する『信州ブギウギ』笠置シヅ子（ビクターレコードPR1028）です。
笠置シヅ子さんのビクター盤！？です。
詳細な新譜年月日については調査中ですが、服部良一さんがビクター専属となられた1949〜1950年頃に録音発売されたと推測することができます。
笠置シヅ子さんはコロムビア専属なので、本来であれば契約違反になりますが、グレーなものではなく会社同士の了解のうえで実現した企画でしょう。
〽善光寺さまから吹く春風に
というで出して、安定の服部メロディ、笠置シヅ子さんの歌唱です。
笠置シヅ子さんはブギの女王の名に恥じることなく、色々なブギウギを歌っていますが、その中でも特に珍品と言えるでしょう。
片面は市丸さん（長野県出身）の『信州夜曲』となっています。