調和&ハーモニー3:シュブルールの色彩の調和とドラクロワ | 総合マネジメント事務所エスパスミューズ

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今日の調和&ハーモニーでは、これまでとは少し違った角度で、シュブルールの色彩の調和についての豆知識です。

M.E.シュブルール、Michel Eugène Chevreul(1786~1889)は、フランスの化学者であり、色彩研究家です。


この時代に102歳まで生きたというだけでもすごい人ですが、まずは現代では当たり前の石鹸やマーガリンは、シュブルールの化学研究から生まれました。
彼は、化学者としてフランスの王立ゴブラン織研究所で染色部門の監督を務める中で、色彩の調和論を発見していきました。

彼は、一つの色そのものが固有に美しいかったり醜かったりするだけではなく、色彩の対比現象が、人間の視覚や感覚に影響を及ぼすことに気づきます。

色彩の対比現象とは、例えば、鮮やかな美しい赤い織物を何点も見せられ続けると、同じ発色の赤にも関わらず、最後に見た製品は赤がそれほど美しく見えなくなります。それは、長い時間赤色を見つめ続け、お客さんの目では赤の補色像のグリーンへの感度が高まるからです。そんな時は、補色であるグリーン系の作品を見せると、お客さんの目の感覚が正常に戻り、再び赤い発色を美しい色として認識できます。

こうした対比現象が、色彩の配色にはたくさんあります。
そうした現象に左右されることを極力なくし、いつでも美しく見える組み合わせは何か、そのカラーで彩られる服飾やインテリアや絵画がどうしたら美しく見えるのか、といったことを考えたのが、色彩論です。

彼が発見した色彩の配色と調和のルールや絵画論は、現代までに色彩論やカラーコーディネートやデザインの分野で、多くの人に多大な影響を与えてきました。

シュブルールの理論に影響を受けた画家を挙げれば、それだけでも彼の理論の威力を感じとれると思います。
その画家とは、例えば、ドラクロア、セザンヌ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ゴッホ、スーラなどです。
(そうそう、画家というと直観的・本能的な力や生まれつきの天才的な能力で絵を描いているという神秘的な見方や偏見(?)が小さい頃はあったのですが、彼らは絵画以外にも、相当幅広い勉強をしているのですよね。)

中でも、強い影響を受けたのがドラクロアでした。“色彩の魔術師”との異名を持つ彼の作品の基礎には、シュブルールの色彩論があったのですね。


彼が残した本の中には、基本となる具体的なルールがたくさん載っております。
中でもわたしのお気に入りは、グレーの配色ルールです。

女性のビジネスファッションで、堅すぎず、軽すぎずのコーディネートにはグレーが便利であると思っています。そこに少し差し色を添えると、それだけで華やかにまとまる、と思うのですが、シュブルールの提案では、グレーは以下の2色配色に添えると、黒よりも好感されやすい、と言います。

1.橙と紫
2.グリーンとブルー
3.グリーンと紫

スカーフなどは美しい差し色をもたらす便利アイテムですね。


カラーの原則やコーディネート法は、実践的な学びですぐに日常に仕えますので、面白い分野です。
色彩の調和論を学ぶことで、生活にも調和が出るかもしれませんね。


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