マリアンヌ・フェイスフルの愛 | BABYDOLL LOUNGE

マリアンヌ・フェイスフルの愛

今日は桃の節句、雛祭り。
あかりをつけましょ ぼんぼりに~ お花をあげましょ 桃の花~
って、おれが歌わなくていいか(笑)
昔は紙で小さな人の形(形代[かたしろ])を作ってそれに穢れを移し、
川や海に流して不浄を祓う「流し雛」という風習があったらしいですが
今はお家に人形を飾って祭るのが一般的になりましたね。
まあ、そういうことで本日のメニューは女性アーティストにしましょう!

$BABYDOLL LOUNGE

マリアンヌ・フェイスフル
わたしはローリングストーンズのロックンロールサーカスで彼女が歌う
姿を見てあまりの可憐さに時間が止まりましたね(笑)
DVDのボーナストラックではピート・タウンゼントも彼女を絶賛していて
みんな元彼氏のミックジャガーさんを羨ましがっていたのかもね。

父親は大学教授、母親はオーストリアの名門貴族の家系出身で、
先祖がレオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホの血筋を引いているらしい。
マゾッホといえば「毛皮を着たヴィーナス」という性の倒錯を描いた小説で
有名ですが、これがマゾヒズム、いわゆる「あなたはSですか?Mですか?」
のMのほうの由来になっているんですねえ。(ちなみにSはマルキ・ド・サド)
彼女は幼い頃に両親が離婚して修道院で育つ事になったらしいが
清純の中にもマゾッホの不浄の血が内在していたことが
後の人生に影響を及ぼしたのかもしれません。

確か60年代半ば、当時英国レッドランズのキース・リチャーズの自宅に
警察が手入れのために踏み込んだ際、ミックやキースと一緒に
マリアンヌがいて、しかも裸に毛布一枚の姿だった
という話を読んだことがある。当時の警察になりたいと思った(笑)
おっと、冗談を言っている場合ではない・・・
世間知らずのお嬢さん、本気でロックで解放されると信じていた彼女は
本気でミックに恋をしていたが、
手を出したドラッグを絶つことは難しかったようだ。
1960年代後半、全裸でオーバードースになって
倒れているところを警察に発見され、昏睡状態のまま病院に担ぎ込まれ、
芸能界を揺るがすスキャンダルに巻き込まれてしまう。
この事件の影響で『地に堕ちた天使』『天使の顔をした娼婦』と言われ、
それまでの可憐で清純だったイメージを捨てざるをえなくなり
アイドル生命は終わったとされる。
あまりにドラッグに手を出すマリアンヌを見かねたミックは
止めさせようとするがうまくいかず、結局二人は1970年に破局。
破局後は男性不信に陥り、精神状態が不安定な状態が続き、
レズのパートナーを作ったり、アルコール中毒にもなったりと
マリアンヌは輝かしい人生から転落していったのだ。(一部wiki参照)
1979年に歌手としても復活するが
あの可憐な声はひび割れたダミ声に変わり果てていた。
彼女も時代の波に流され危うく命を落としそうになった一人であった。

そんな彼女が2006年に主演した「やわらかい手」という映画がある。
この映画を見たときわたしは不覚にも涙した。
決して彼女のちょっとドスコイ入った見た目に
ショックを受けたからではない(笑)
映画の内容はこうだ。
ロンドン郊外で質素な生活をする中年マギー(マリアンヌ)が
難病を患った孫の手術費用を工面するために歓楽街で見つけた
「接客係募集」の張り紙を見て、その店に足を踏み入れるが、
その接客とは壁の穴に手を入れて向こう側にいる男たちを絶頂に導く
お仕事だったのである。
最初は戸惑う彼女だったが数日後には彼女の小部屋の前に行列ができる。
彼女はゴッドハンドという天賦の才能を持っていたのだった。

ルパン3世の峰 不二子のモデルとなったと言われる
アラン・ドロンとの共演作「あの胸にもう一度」とは大違いの内容である。
見ている最中、彼女の聞き知った人生の一部がわたしの頭の中で
画面の中のひたむきで健気な彼女の姿とオーバーラップして涙を誘ったのだ。
穢れを人形にして流したり不浄を祓う儀式を行うことはできても、
穢れてしまった過去は変わらない。
しかしマリアンヌは自分の過去を素直に認め、そんな人たちでも
人生に希望を見い出し、愛と美と感動を発見できることを教えてくれている
ような気がしたのだ。
孫を救うためなら自分が穢れてしまってもかまわない、といった映画
のストーリーは、本来彼女の中にある深い優しさを引き出していた。
きっと彼女は実人生でもあまりに優しかったから穢れることを選ばざるを
えなかったのではないかとも思ったりする。
ああ、マリアンヌ ああ、マリアンヌ・・・・(泣)
最後にAS TEARS GO BY を。



では、また!と締めようとして
ちょっとニュースを覗いてみたら
キースリチャーズの愛娘、逮捕だって・・・・
あらら・・・こっちはこっちで
やっぱ親子というか何というか(笑)
今日はやっぱ女の日だ。とんだ雛祭りだぜ!

では、また!