エイジ784
トランクスは悟天の家に来ていた。
幼い頃からずっと仲が良かったトランクスは
夏休みに入ってからここ頻繁に悟天の家に遊びにきては難しい参考書を片手に勉強しているのだった。
チチはそんな勉強熱心なトランクスを歓迎して一緒におとなしく勉強してくれている姿の悟天に満足していた。
悟天「ねえ、トランクス君、ちょっと休憩して外で遊ばない?せっかくの夏休みなんだし・・・」
トランクス「・・・あのなぁ、俺は受験生なんだ!!そんな暇はないんだ・・・」
悟天「えーっ、トランクス君の実力なら、楽勝でしょう?」
トランクス「悟天、お前、俺んちの家庭事情も考えろ!!」
悟天「え?CC家の次期跡継ぎなら知ってるよ。でも大学に受かればいいだけじゃん」
トランクス「・・・TOPでな!!」
悟天「へ?」
トランクス「それが当たり前だと思っていやがる!!うちの親は」
悟天「ブルマさんはともかく、ベジータさんもそうなの?」
トランクス「・・・俺の両親のIQが異常なんだよ!!ママは天才なのは周知の事実だけど、パパもあの暗記力は半端ないんだ。一度見ただけで完璧に頭に入ってるんだよ。たまに気が向いて宿題みてくれようとものなら、【そこ!さっきと同じだろ!なぜ、すぐ応用できなんだ】ってトレーニングより厳しく説教される身になってみろ!!」
悟天「・・・うちのお父さんと大違いだね・・・」
トランクス「悟空さんの話はタブーだからな。ちょっとでも名前出したら【エリートサイヤ人は出来が違うんだよ。その血を継いでるお前が出来なくてどうする】って更にヒートアップで怒られるんだから、学力に関してむしろママよりも恐い。どうしてもそこだけはナンバー1じゃないと機嫌もの凄く悪くなるからどの科目も手抜き出来ないんだよ」
悟天「・・・そうだったんだ。トランクスくんが常に成績TOPなのってブルマさんの血筋だからかと思ってた・・・」
トランクス「むしろ、パパが恐くて努力で出した結果だよ!!」
悟天「大変だね」
トランクス「だから、勉強の邪魔しないでくれるかな」
悟天「・・・だったら僕んち来ないで家で勉強してた方がはかどるんじゃないの?」
トランクス「・・・おい、悟天。俺の得意技知ってるだろ?」
悟天「うん、相手の氣を読むことだろ?」
トランクス「そう!!但し、ある程度の戦闘能力がある奴だけどな」
悟天「それがどうしたの?」
トランクス「元々、パパが言うことと心の中で考えてるがだいたい同じじゃない事が原因で、言葉通りに行動すると逆に怒られる事が多いもんだから出来るようになった技なんだけど・・・」
悟天「だけど?」
トランクス「うちの両親、すげー仲いいだろ?」
悟天「うん」
トランクス「家の中いると、だいたいパパの氣が読めちゃうんだよ。特に氣が上がったときははっきりとな」
悟天「・・・う・・・・ん」
トランクス「・・・だから、勉強どころじゃなくなっちゃうんだよ」
悟天「・・・」
トランクス「・・・しかも頻度も衰えないどころか、むしろ年々仲良くなってきてさ・・・普通の家だと逆みたいなんだけどさ」
悟天「・・・大変だね」
トランクス「うん・・・仲いいのはいいけどさ」
悟天「・・・僕、勉強するね」
トランクス「・・・悪いな。悟天」
こうしてしばらく沈黙の中、勉強を再開する二人だった。
しばらくしてトランクスは溜息をついてペンを置いた。
トランクス「・・・悟天、休憩しようか?」
悟天「え?いいの?」
トランクス「あのさ、さっきからうちの両親で想像するの、やめてくれないかな」
悟天「あ・・・ばれてた?」
トランクス「・・・バレバレだよ!・・・悟天の氣もすごくわかりやすいんだから」
悟天「あははは・・・」
トランクス「せっかくの夏休みだから・・・たまにはいいか」
その後二人は外へ出かけて行った。