備忘録~うみねこのなく頃に・真相の棋譜~ | エシーラのブログ

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真犯人は安田紗代(ヤス)のベアトリーチェ人格。

ヤスの父親は金蔵、母親は金蔵とベアトリーチェ・カスティリオーニの間に生まれたベアトリーチェ2世。ベアトリーチェ2世は楼座に誘われ九羽鳥庵から抜け出した際に、崖から転落して死亡。ヤス自身も乳児の時に、彼女を抱いていた使用人もろとも夏妃に崖から突き落とされた。その際に下腹部に負った傷が原因で、ヤスは女性としての生殖機能を失った。以上の事実を源次・熊沢・南條は知っている。

ヤスは一つの肉体に、『紗音』『嘉音』『ベアトリーチェ』の三つの人格を持ち、ゲーム盤上においては『制服姿の紗音』『制服姿の嘉音』『スーツ姿のベアトリーチェ』の三つの容姿を持っている。

これら三つの人格は“人間の肉体”を数える時は合わせて一人の人間として扱うが、“人間の名前”を数える時は『紗音』と『嘉音』をそれぞれ一つの名前として扱い、『ベアトリーチェ』は数に含まない。『ベアトリーチェ』は“人間”ではなく“魔女”だからである。

各人格の性質は、『紗音』が主人格、女性的な肉体の魅力を持たない自分から逃避するために作り出した男性人格が『嘉音』、孤独な日常生活を誤魔化すための空想の友人兼トリックを幻想で修飾した魔法の悪戯の犯人役として作り出した魔女人格が『ベアトリーチェ』。

『嘉音』の際は、声・衣服・化粧・立ち居振る舞いおよび勤務シフトを変え、『紗音』とは別の使用人として実際に右代宮家で働いていた。この二重生活に源次と熊沢は協力している。

最初に戦人に恋をしたのは『紗音』だが、いつまでも帰ってこない戦人を待つ事に耐えられなくなった『紗音』は戦人への恋心を『ベアトリーチェ』に押し付け、譲治との新しい恋を始める。一方で朱志香が『嘉音』に想いを寄せている事を知り、ヤスは三つの人格で三つの恋を抱える事になった。

しかし、碑文を解いた事でヤスは自分の生まれを知り、絶望する。想い人の誰とも結ばれる事は許されない絶望と、元凶である右代宮一族への憎悪に突き動かされ、ヤスは六軒島の人間全員との心中を計画する。その時のヤスは黄金と当主の座を手にしており、六軒島の地下には島の大半を吹き飛ばせる威力の爆薬が死蔵されている事も、それを稼働させる九羽鳥庵の仕掛けの事も知っていた。右代宮一族への憎悪が募る一方、『紗音』を愛してくれた譲治、『嘉音』を受け入れてくれた朱志香、『ベアトリーチェ』を認めてくれた真里亞、そして恋を教えてくれた戦人への親愛の情が消える事はなかった。相反する二つの感情の板挟みになったヤスは全てを運命のルーレットに賭ける事を決める。事件を起こす理由、目的、手段、覚悟が揃った。だから事件は起きた。そして運命のルーレットは最後までヤスに非情だった。


ルールX:毎回共犯者が違う。大人達は全員金に困窮している。買収は容易い。

→全ゲームにおける共通の設定と、各ゲームにおける固有の設定が混在している。

ルールY:場の全員が了承した嘘は現実として描かれる。密室空間であればなお好ましい。黄金蝶が見える人間は犯人側か死者。買収されていない者は死の30分前まで蝶は見えない。

→探偵以外の登場人物の主観的視点に真実性は保証されていない。

ルールZ:誰か私を止めて下さい。私は“絶対”を願わない。あなたに解いてほしいから、あなたを追いつめすぎない。勝って皆で死ぬのも、解かれて負けるのも、私の望む結末。

→碑文の謎を解き、黄金郷(九羽鳥庵)に至れば、起爆装置をオフにする事ができる。その人物が誰であれ、ヤスは心中計画を白状し、その時点で殺人を中断する。ヤスの想い人の誰かが碑文を解いた場合は、三つの恋の内の二つを捨て、相手に全てを告白し、相手がどんな反応を示しても受け入れる。それ以外の場合は、三つの恋の内のいずれかを選ぶ事は絶対にしてはならず、全ての恋を成就させなければならない。全ての恋を成就させる方法は六軒島を黄金郷に還す事。すなわち六軒島の人間を皆殺しにする事。


第一のゲーム≪Legend of the golden witch≫
【第一の晩:園芸倉庫に六体の死体】

絵羽と秀吉は買収されている。「紗音の死体がある」というのは口裏合わせの嘘。紗音は人格的に殺されただけで、肉体は嘉音の名前で生存している。

【第二の晩:寄り添いし二人の骸は鎖で守られし密室に】

源次・嘉音・熊沢は協力者である。「客室の扉にはチェーンロックが掛かっていた」「突然、魔法陣が出現した」というのは口裏合わせの嘘。真犯人が客室で二人を殺害後、チェーンロックを切断してから退室、マスターキーで施錠した。

【第四の晩:密室書斎の老当主は灼熱の窯の中に】

夏妃・源次・嘉音・熊沢・南條は金蔵の死を隠蔽している。「金蔵は生きている」というのは幻想描写。「金蔵が密室の書斎から失踪した」というのは口裏合わせの嘘。経年を誤魔化すために死体を焼いた。

【第五の晩:杭に胸を捧げし少年の最期】

南條は協力者である。「嘉音は死んだ」というのは嘘。嘉音は偽装死で、人格的にも肉体的にも生存している。

【第六・第七・第八の晩:歌う少女の密室に横たわる三人の骸】

真犯人がマスターキーで客間に入室し、真里亞に一連の言動を指示。三人を殺害してから退室、マスターキーで施錠した。その際の人格はベアトリーチェであり、嘉音は人格的に殺されていた可能性もある。真里亞は買収されているわけでも、協力者でもないため、真里亞の言動を支配するにはベアトリーチェの人格で応対するしかない。

【第九の晩:決闘の後に残る孤独な骸】

真犯人がホールで夏妃を殺害した。互いに同時に発砲したため、銃声は一発しか聞こえなかった。当時、身元不明死体は存在せず、生存者全員にアリバイがある状態だったが、この場合の“生存者”とは「一見、生き残っている人間」という意味で、内訳は朱志香・譲治・戦人・真里亞。真犯人は含まれておらず、肉体はベアトリーチェの名前で生存しているため、“身元不明死体”にも該当しない。朱志香・譲治・戦人・真里亞は5日24時の爆発で死亡。


第二のゲーム≪Turn of the golden witch≫

【第一の晩:腹を割かれし六人は密室礼拝堂に】

楼座は買収されている。源次・紗音・嘉音・熊沢・郷田・南條は協力者である。「礼拝堂の扉には鍵が掛かっていた」というのは口裏合わせの嘘。

【第二の晩:寄り添いし二人は死体さえも寄り添えない】

「室内にあったはずの嘉音の死体が消えた」というのは幻想描写。真犯人が朱志香の部屋で朱志香を殺害後、嘉音のマスターキーを朱志香の死体に添え、嘉音を人格的に殺し、紗音の人格で退室、マスターキーで施錠した。

【第四・第五・第六の晩:夏妃の密室にて生き残りし者はなし】

三人は夏妃の部屋に入室し、内鍵で施錠。紗音が郷田と譲治を殺害後、自殺した。銃は紐で繋いだ錘の重みを利用して、鏡台の裏に隠した。

【第七・第八の晩:赤き目の幻想に斬り殺されし二人】

「死んだはずの嘉音が現れ、二人を殺した」というのは口裏合わせの嘘。楼座達が使用人室を訪れた時点では二人は隠れているだけで、生存している。楼座達が退室し、譲治・紗音・郷田が夏妃の部屋に向かった後、源次が熊沢と南條を殺害した。

【第九の晩:生き残りし者にも逃げる道はなし】

楼座・戦人・真里亞・源次は5日24時の爆発で死亡した。全員が黄金蝶を目撃しているため、唯一それを知っていた源次が他の人間に伝えたと推察される。


第三のゲーム≪Banquet of the golden witch≫
【第一の晩:連鎖密室が繋ぎし六人の骸】

南條は協力者である。「紗音は死んだ」「嘉音は死んだ」というのは嘘。紗音が客室で熊沢、貴賓室で源次、控室で郷田を殺害、ボイラー室で金蔵の死体を焼き、それぞれの室内にそれぞれの部屋の鍵と被害者のマスターキーを残し、自分のマスターキーで施錠してから客間に移動。室内に嘉音のマスターキーを隠し、内側から施錠した後に偽装死。紗音は人格的に殺されただけで、肉体は嘉音の名前で生存している。発見者一同が移動したのを確認してから、嘉音は礼拝堂に移動し、内側から施錠した後に偽装死。嘉音は人格的に殺されただけで、肉体はベアトリーチェの名前で生存している。

【第二の晩:薔薇庭園にて親子は骸を重ねる】

絵羽が庭園で楼座と真里亞を殺害した。楼座は殺人ではなく、口論の末の事故死の可能性も高い。真里亞を殺害したのは事件の発覚を恐れたためと推察される。

【第四・第五・第六の晩:屋敷にて倒れし三人の骸】

絵羽と秀吉は買収されている。「事件の前後、絵羽は部屋にいた」というのは口裏合わせの嘘。不審を抱いた霧江が秀吉を問い詰めるために留弗夫を伴い、三人は屋敷に移動。秀吉が留弗夫と霧江を殺害した。その際、即死しなかった霧江が反撃で秀吉を殺害した。

【第七・第八の晩:夫婦二人は東屋にて骸を晒す】

絵羽がゲストハウス内で蔵臼と夏妃を殺害した。睡眠薬入りのコーヒーで二人を眠らせて絞殺、死体を東屋に遺棄した後、ゲストハウスに戻り、内側から施錠した。

【第九の晩:新しき魔女は誰も生き残らせはしない】

真犯人が客間で譲治、使用人室で南條を殺害した。「失明状態の朱志香が嘉音に誘導され、客間に移動した」というのは幻想描写。絵羽が碑文を解いたので、ルールに従い、真犯人は第二から第八の晩の殺人には一切関わっていない。ただし、碑文を解いたのが朱志香・譲治・戦人のいずれでもなかったため、真犯人は全ての恋を成就させなければならなくなった(=六軒島の人間を皆殺しにする)。よってルール上、自分に殺人が許される第九の晩(誰も生き残れはしない=皆殺しにする)から殺人を再開した。当時、真犯人は礼拝堂で嘉音として偽装死していたため、客間に紗音の死体がなかった。これを見て譲治は紗音が蘇生したと認識したものと推察される。なお、戦人を殺害したのは絵羽。朱志香は5日24時の爆発で死亡。


第四のゲーム≪Alliance of the golden witch≫
【第一の晩:食堂にて吹き荒れる虐殺の嵐】

戦人以外の全員が買収されている。「幻想勢に夏妃・留弗夫・秀吉・絵羽・源次・楼座が殺された」というのは口裏合わせの嘘。蔵臼・霧江・南條が食堂から退室、熊沢と郷田がゲストハウスに向かった後、残った源次と紗音が五人を殺害した。

【第二の晩:二人の若者は試練に挑み共に果てる】

「幻想勢の試練に挑む」というのは幻想描写。朱志香が電話で戦人に語った内容は全て嘘。真犯人の指示に従い、朱志香は朱志香の部屋に、譲治は東屋に移動。園芸倉庫に隔離された熊沢と郷田は真犯人の指示に従い、長めの首吊りロープを使って偽装死。その状態で源次が二人を殺害、続いて東屋で譲治を殺害した。譲治死亡後、紗音が嘉音を人格的に殺し、朱志香と合流、戦人に電話をかけさせた後に朱志香を殺害。

【第四・第五・第六・第七・第八の晩:逃亡者は誰も生き残れはしない】

「幻想勢に追われ、九羽鳥庵の地下牢から逃げる」というのは幻想描写。霧江が電話で戦人に語った内容は全て嘘。紗音が森の中で蔵臼と南條を殺害後、屋敷に戻って食堂で源次を殺害。霧江と合流し、戦人に電話をかけさせ、通話の最中に霧江を殺害した。

【第九の晩:そして誰も生き残れはしない】

真犯人が真里亞を殺害した。呼び出しの電話をかけた際の人格はベアトリーチェ。その後、戦人と対面するためにベアトリーチェの人格でバルコニーに向かう。戦人との会話後、森の中に戻って紗音の人格で自殺した。銃は紐で繋いだ錘の重みを利用して、井戸の底に隠した。戦人は5日24時の爆発で死亡。


第五のゲーム≪End of the golden witch≫

以下の十項目をノックス十戒として設定する。

一、犯人は物語当初に登場した人物でなければならない。

二、探偵方法に超能力を用いてはならない。

三、秘密の通路が存在してはならない。

四、未知の薬物および超高度の科学装置が存在してはならない。

五、欠番(超能力を用いる事ができる人物が存在してはならない)

六、探偵方法に偶然および第六感を用いてはならない。

七、探偵が犯人であってはならない。

八、探偵は物語中で提示されていない条件によって事件を解決してはならない。

九、全ての登場人物は自らの主観・見解を自由に語る事が許されなければならない。

十、全ての登場人物は物語中で提示されていない条件によって他の登場人物に変装してはならない。
【前夜:黄金の魔女はノックの音と共に静かに降臨】

絵羽・秀吉・留弗夫・霧江・楼座は買収されている。戦人・紗音・嘉音は協力者である。「5日0時の時点で、食堂の扉がノックされ、廊下に手紙が置かれていた」というのは口裏合わせの嘘。

【第一の晩:首を裂かれし五人は六人目が待つ闇に消える】

源次・郷田・熊沢・南條は協力者である。蔵臼・朱志香・譲治・真里亞はヱリカへの悪戯と称した狂言殺人に協力している。「楼座は死んだ」「朱志香は死んだ」「譲治は死んだ」「真里亞は死んだ」「源次は死んだ」というのは口裏合わせの嘘。楼座は死亡している朱志香は死亡している譲治は死亡している真里亞は死亡している源次は死亡している蔵臼は死亡しているが、これらは5日24時の時点で有効になる赤き真実であり、5日朝の段階では誰も死亡していない。全ての死体において誰であっても検死を誤る事はないが、“検死を誤る事はない”の定義とは、“死体であるものは死体と言わなければならない”事であり、“死体でないものを死体と言ってはならない”事ではない。また、全ての死体においてヱリカは目視で確認していないため、探偵の客観的視点による真実性も保証されていない。発見者一同が移動したのを確認してから、楼座・朱志香・譲治・真里亞・源次は屋敷外に移動。移動先で真犯人が五人を殺害し、蔵臼と合流、夏妃に電話をかけさせた後に蔵臼を殺害した。

【第二の晩:夫婦を引き裂きし骸は扉の向こう側に】

「秀吉は死んだ」というのは口裏合わせの嘘。ヱリカが確認を怠った点、屋敷外に移動した先で真犯人に殺害された点も第一の晩と同様。


第六のゲーム≪Dawn of the golden witch≫

【第一の晩:屋敷を血で汚せしは魔女にあらず】

ヱリカ以外の全員がヱリカへの悪戯の狂言殺人に協力している。客間で楼座と真里亞、夏妃の部屋で夏妃、蔵臼の書斎で霧江、貴賓室で絵羽、客室で戦人が偽装死していたが、ヱリカが探偵宣言を出さない事と引き換えに犯人になる権利を行使し、夏妃・絵羽・霧江・楼座・真里亞を殺害してしまった。また、それに先んじて秀吉・譲治・紗音・熊沢・南條をゲストハウスの隣部屋に、それ以外の全員をいとこ部屋に在室させ、隣部屋・いとこ部屋・戦人の客室の扉と窓をガムテープで封印していた。以上の行動を戦人に通告する前に、戦人が屋敷玄関に魔女の手紙を置き、客室から戦人を消失させてしまったため、ロジックエラーが発生。ゲームは一時中断された。

その後、ベアトリーチェが物語を修正し、ロジックエラーを回避。真犯人が紗音の人格で隣部屋の窓から脱出、魔女の手紙を置き、ヱリカがそれを発見するのを確認してから、嘉音の人格で客室に向かう。戦人と入れ替わりで客室に入り、クローゼットの中で変装を解き、紗音の人格でベッドルームに隠れた。

※補足:クローゼットの中には雨合羽が存在していた。真犯人が変装を解いた際に残したもので、紗音の服装の上から雨合羽を着用し、目鼻以外の部分を隠す事で、変装を簡略化していたものと推察される。


第七のゲーム≪Requiem of the golden witch≫

≪一なる真実の書≫

以下の二十項目をヴァンダイン二十則として設定する。

一、探偵は物語中で提示されていない条件によって事件を解決してはならない。

二、不明(登場人物の言動以外に嘘が存在してはならない)

三、不明(物語に必要以上の恋愛要素が存在してはならない)

四、探偵が犯人であってはならない。

五、探偵方法に偶然および第六感を用いてはならず、犯人の唐突な自白によって事件が解決してはならない。

六、不明(事件には探偵が存在しなければならない)

七、事件には死体が存在しなければならない。

八、探偵方法に超能力を用いてはならない。

九、探偵が複数存在してはならない。

十、犯人は物語当初に登場した人物でなければならない。

十一、使用人が犯人であってはならない。

十二、真犯人が複数存在してはならない。

十三、不明(犯人は組織に属さない一個人でなければならない)

十四、未知の薬物および超高度の科学装置が存在してはならない。

十五、不明(探偵が読者より先に事件を解決可能になってはならない)

十六、物語に必要以上の描写が存在してはならない。

十七、不明(犯人は一般人でなければならない)

十八、不明(犯人は死んではならない)

十九、不明(犯人の動機は個人的なものでなければならない)

二十、不明(物語に古式を用いてはならない)

【第一の晩:六人の血で染まりし黄金の部屋】

蔵臼・夏妃・絵羽・秀吉・留弗夫・霧江・楼座が碑文を解き、黄金を発見する。真犯人は心中計画を白状し、一同に降伏。その後、黄金の取り扱いを巡って口論が起き、絵羽が夏妃を殺害、秀吉が蔵臼を殺害、霧江が楼座・秀吉・絵羽・真犯人を殺害した。ただし、実際には絵羽と真犯人は銃撃こそ受けたが、死には至っていない。

【第二の晩:二人の若者の死は二つの恋を引き裂く】

霧江が食堂で朱志香を、留弗夫が森の中で譲治を殺害した。

【第四・第五・第六・第七・第八の晩:加速する惨劇を止める者はなし】

霧江が厨房で郷田、ゲストハウス内で真里亞・熊沢・源治を、絵羽が礼拝堂前で留弗夫を殺害した。

【第九の晩:運命に従いし魔女は生き残ってはならない】

絵羽が薔薇庭園で霧江を殺害した。


第八のゲーム≪Twilight of the golden witch≫

以下の十項目を固有のルールとして設定する。

一、犯人の定義とは殺人者の事である。

二、犯人は嘘を語る事が許されなければならない。

三、犯人は殺人を行う前にも嘘を語る事が許されなければならない。

四、犯人でない人物は嘘を語ってはならない。

五、犯人でない人物は犯人に協力してはならない。

六、犯人は殺人の全ての過程を自らの手で直接行わなければならない。

七、死の定義とは肉体が死ぬ事である。

八、犯人は死んではならない。

九、犯人は登場人物の中に存在しなければならない。

十、ト書き部分に嘘が存在してはならない。

マスターキーの総数は5本である。源次・紗音・嘉音・郷田・熊沢が1本ずつ所持している。

全ての扉において、外側から施錠・開錠する方法はマスターキーを使用する以外にない。内側からは内鍵による施錠・開錠が可能。

マスターキー以外の鍵は存在せず、マスターキーは持ち主が常に身に着けており、持ち主以外の人間が奪取する事も、持ち主以外の人間に譲渡する事も、持ち主以外の人間が使用する事もできない。

全ての窓において、窓から出入りする事はできない。

【第一の晩:親族会議の列席者は生き残れはしない】

戦人と霧江は犯人である。「留弗夫は死んだ」「霧江は死んだ」というのは嘘。留弗夫が食堂で絵羽・秀吉・楼座・源次を殺害した。その後、留弗夫は霧江と共に偽装死。戦人が二人の検死を偽った。

【第二の晩:次期当主夫妻は生き残れはしない】

留弗夫が夏妃の部屋で蔵臼と夏妃を殺害した。戦人が部屋の外側から呼びかけ、扉を開けさせた。殺害後、留弗夫は室内に留まり、内側から施錠。事件現場の扉が封印される前に、霧江は食堂から脱出している。

【第四の晩:片翼の使用人は生き残れはしない】

戦人が庭園で紗音を殺害した。同時に嘉音は永遠に行方不明になった。

【第五・第六の晩:姿なき殺人者を閉め出せはしない】

霧江がゲストハウス内で郷田と熊沢を殺害した。ゲストハウスへの侵入は戦人が手引きした。

【第七の晩:姿なき殺人者から逃げられはしない】

霧江がゲストハウス内で南條を殺害した。ゲストハウスからの脱出は戦人が手引きした。

【第八の晩:姿なき殺人者に立ち向かえはしない】

霧江が庭園で朱志香を殺害した。

【第九の晩:生き残りし者も生き残れはしない】

留弗夫と霧江が園芸倉庫の前で譲治と真里亞を殺害した。


うみねこのく頃に

1986年10月4日の親族会議以前に、金蔵は死亡している。

絵羽が留弗夫・夏妃・霧江を殺害した。

留弗夫が譲治を殺害した。

秀吉が蔵臼を殺害した。

霧江が楼座・朱志香・真里亞・秀吉・源次・郷田・熊沢・南条を殺害した。

真犯人と戦人は殺人を犯していない。

絵羽は霧江を殺害した後、九羽鳥庵に逃れる。一方、真犯人はヤスの人格で戦人に全てを告白し、憔悴した戦人を爆発から救うためにベアトリーチェの人格で叱咤。潜水艦基地に逃れ、そのまま二人で六軒島を脱出したが、真犯人は自らに課したルールに従って、ヤスの人格で入水した。戦人は助けようとしたが叶わず、溺れたショックで右代宮戦人としての人格と記憶を全て失う。

1986年10月5日に真犯人と戦人は死亡した。

その後、戦人は瀕死の状態で倒れていたところを八城幾子に発見され一命を取り留める。八城十八という新しい名前と人格で生活を始めるが、次第に元の記憶がフラッシュバックし始め、幾子が拾った「Confession of the golden witch」を読んだ事で右代宮戦人としての記憶を完全に取り戻した。しかし、右代宮戦人としての人格は戻らず、十八の人格と戦人の記憶の狭間で激しく苦悩する事になる。

真犯人が事件を起こした理由が戦人だったという罪悪感と、戦人ならば真犯人を救えたかも知れないという後悔の念に突き動かされ、幾子の勧めもあり、十八は偽書を書き始める。当時の十八は戦人の記憶から事件の犯人は絵羽だと思っていた。一作目の「Banquet of the golden witch」が、虐殺者の正体は唯一の生還者である絵羽の中の魔女(エヴァ・ベアトリーチェ)いう内容で書かれていたのはこのためである。

それからしばらくして絵羽が十八と幾子のもとを訪れる。絵羽は戦人が生存している可能性を捨てておらず、一目で十八が戦人だという事を理解した。十八と絵羽は幾子を立会人として話し合った末、互いの事実を共有し、真実を知る。絵羽は真実を記した日記の鍵を預けていった。いつか縁寿が日記を手にした時、自分の意思で真実を知るか否かを決められるようにするために。

幾子は絵羽の日記に真実が記されている事を知っている。

一方、縁寿は真犯人が書いた「Ep1、2」および十八と幾子が書いた「Ep3~8」を読み、八城十八のもとを訪れる。この時点で十八は戦人の記憶を取り戻していたが、縁寿に会う事を拒否したため、幾子が応対。その席で幾子から日記の存在を提示された縁寿は迷う事なく真実を知る事を選ぶ。そしてその結果、彼女にとって最悪の真実を知った縁寿はビルの屋上から投身自殺を図った。

しかし縁寿は奇跡的に一命を取り留める。その頃、幾子は絵羽の日記公開イベントを開催し、直前で中止。痛ましい事件を好奇の遊び道具にする事への批判的な世論を蘇らせ、六軒島ミステリーのブームを収束させた。

これらの出来事を受けて、縁寿は真実を受け入れた上で、自らの胸にある望むべき真実も捨てずに、現実を生きていく事を決意する。その第一歩として、絵羽から受け継いだ財産を全て小此木に委任し、右代宮縁寿の名前も捨て、天草と共に新生活を始める。

1998年に右代宮縁寿は死亡した。

時は流れ、縁寿は寿ゆかりという名前で作家として活動していた。そして幾子と再会し、その席で初めて十八と対面する。絵羽と同じく、一目で十八が戦人だという事を理解した縁寿は、十八が背負ってきた苦しみが自分が苛まれてきた年月と変わらない重さだったと悟り、彼を許し、兄の死を受け入れた上で、再会を喜んだ。