先週の出来事ー北島マヤ編ー | 佐野みかげ ★ Girly life

先週の出来事ー北島マヤ編ー

すっかりサボり癖がついてしまった佐野みかげです。
先週の出来事をまとめてお送りしようとしたら長過ぎたのでえへへ…
ハイライトの『北島マヤ体験』ガーンに絞ってお送りしようと思います。
携帯の方は長文注意報よ。すまんね。
パソコンでも、かなり長い読み物になると思いますのでよろしく。


「北島マヤ」ってのは、言わずと知れたガラカメ(「ガラスの仮面」の事をガラカメと略すらしい)の主人公です。
知らない人は、マンキ(漫画喫茶ね)に行っておくれ。
true-北島マヤ
この日は、年に1度か2度の「地味だけど、世の中の為になる女優業」つーのにでかけてきました苦笑
医療系の大学に行って学生さんの試験のお相手をするんです。
患者さんの役をやるの。
以前も書いたけど、試験の為に実際の患者さん呼んで来る訳に行かないじゃないですか。
で「模擬患者」になる訳。
今までは「認知症のおばあさん」とか「座骨神経痛の患者さん」とか
やってきましたが、今回はなんと「精神障害者」の役でした・・・。
役者さんやら元役者さんやらがチームになって「身体障害」と「発育障害」と「精神障害」のチームに分かれて行ったんですが、まぁ結構へヴィな案件です・・・。
true-試験会場。
おいらの役所は、具体的に言うと「統合失調症の24歳女子。Fさん」
統合失調症って、鬱と間違えられやすいんですが、ココロの病気という
よりは脳の障害らしいです。
ただ、症状が似通ってるのと、ストレスが引き金になったりするんで
「ただの鬱」みたく思っちゃう事も多いみたい。

試験に行く前に膨大な資料が送られて来るんですわ。
病気に関する資料とか、役の細かい設定とか。
実際試験では使わないんだけど、生い立ちから病気を発症してからの症状・・・幻覚・幻聴にうなされて包丁持ち出して母親に襲いかかって警察沙汰になって強制入院とか(正式には医療保護入院とか、そんな名称だったかな?)
実はそんなにちゃんと読んでなかったんですけどね汗
そいでもおいらはすっかり「Fさん」になってしまったのでした・・・



「演技論」で有名なものに「カタチから入る」みたいのがあります
(すんごい略して喋ってるんで、その道に詳しい方はご容赦下さい)
悲しい顔をしてると悲しくなる。
笑顔だと楽しい気分になる。
単純な事です。
例えば、眉間に皺を寄せてると、なんだか不愉快な気分になってきます。
口角をあげて怒る事は難しいです。
「カタチ」と「キモチ」ってわりとシンプルにリンクしてるんですね
(そうじゃない部分を突き詰めて行くのも演技だったりしますが、基本は笑ってる人は楽しそうに見えますし「怒ってるなぁ」とは思われないもんです)



話戻りますと、Fさんの設定は「うつむきがちで人の目を見ない。小さな声でボソボソ喋る。時々貧乏ゆすりをする。相手の話は理解出来るが、
自分から何かを発する事はない」というカンジでした。
たったこれだけ。
たったこれだけの事を演っただけで、おいらはすっかりFさんになって
しまったのです・・・
俳優用語で言うと「役に入る」ってカンジですかね。
日頃の佐野みかげはどこへやらで、見るもの聞くもの全てFさんが
感じてるカンジです。
うーん。伝わるかな汗

まず、学生さんが大きな声で元気よく「Fさん、こんにちわ!」って
お部屋に入っていらっしゃいました。
これだけでもう拒否反応㊦㊦( ̄^ ̄
逃げ出したくなりました。
逃げ場はないので、布団に潜り込んでしまいたい気分を押さえ(入院設定なのでベッドに寝ている)起き上がってお話をします(それが試験課題
なので)
でも俯いて布団ばかり見てるので、相手がどんな人かもわかりません。
そうすると、まず相手に何の興味も湧きません。
単なる昼寝を邪魔しに来た闖入(ちんにゅう)者です。
向こうも、アタシの表情が殆ど読み取れない上に蚊の鳴くような声で喋るので、何とかコミュニケーションしようとあの手この手を使って来ます。
正直ウザイ死
院内で(たぶん長期入院なのかな?)サークルみたいのに入る様勧められます。
「もっとお友達とか作って楽しい入院生活を」みたいな事言われるんですが、正直友達なんか要らないし、1人で寝てる方が楽しいんですけど
何か?ってカンジ。

その後「ビーズでブレスレットをつくる」という別の課題に移るのですが、そこでも近くに寄られると後ずさったり、ビーズのこぼれた音に
びっくりしてフリーズしてしまったり、集中し過ぎて過呼吸気味になったりと、「マヤっぷり(マヤは役に入り込んじゃう天才女優なの。
超不器用な人なのに、役に入ると急に編み物とか出来る様になるらしいw)」を発揮する私。
待ち時間も無意識にずーっと爪をいじっていて、大学の先生に「さっきのアレも役作りですか?」と言われる始末…
患者さんにはよくいるそうで「私と関わらないで」という拒否のサインの1つなのだそうです。



終わった後、一緒に行った役者さんに「みかげさんは入り込んじゃう方だからなー」って笑われたけど、確かに!
アタシ泥団子食べる自信ある(←ガラカメバナなので、わからない方は
漫画読んで下さい)
「食べるフリの演技」とか出来ない自信あるもんショック
いや、これって決して役者として褒められた事ではなくて、己の
コントロールが出来ないって事なんですよね。
だって「演じてる」訳じゃないんだもん。
演技じゃねぇ訳で、本気な訳で・・・汗

上記の役者さんがその昔、まだ個人的に1度も口をきいた事のない頃
(ただしお互いの舞台は見ていた)
「あの人(みかげのコトね)は『降りて来る系の女優』だから、演技論とかふっかけても無駄だよw」って言ってたよ、って人づてに聞いた事があって、その時は褒め言葉の様に聞こえたので「よくわかってんじゃん」と嬉しく思いましたが、今思えば、アタシのアンコントロールぶりを
見抜かれてたんですねー苦笑
舞台俳優の癖に、毎日同じ事絶対出来ないもんなー㊦㊦( ̄^ ̄
相手のリアクション1つ、空気感1つでどんどん変わっちゃう。
そういう意味では映像よりなのかなー・・・
そういう問題じゃないかー・・・



ここで終われば「へぇえ。すごいね。面白いね」で済むんですが・・・
アタシの「マヤっぷり」は、その日1日続きました。
俳優用語で言うと「役が抜けない」ってヤツです。

家に帰ったら父親がWBCを超大音量で見てました(父は耳が悪いので)
その途端、家から逃げたくなりました。
しかし、そんな訳にも行かないので、テレビの部屋に通ずるあらゆる扉(っても、ドアのない日本家屋ですから、障子やらガラス戸やら)を
閉めてまわりました。
それでも音は漏れて来ます。
寒くて寒くて、床暖房を全開にして、エアコンも温度あげて、セーターの上にカーディガンを着ても寒くて、布団をかぶって震えてました。
食欲もありません。
まだ小さな声でしか喋れませんでしたので、父親に何度も聞き返され、
それだけで泣きたくなりました。
明るいのが嫌で電気が点けられず、部屋もお風呂も蝋燭を灯して夜を
過ごしました。
何事にも無気力で、早々に床に着きました。



以前「リスカ(リストカット)の役」演ってホントにリスカしちゃって、しばらく女優業休んだお友達がいて「どんだけ女優魂だよー!?」って笑いましたが、今はもう笑いません。
いろんなタイプの役者さんがいるけれど、降りて来ちゃう人も、
乗り移っちゃう人も、中にはいるんですね。アタシ含め。

今はもう元気なのでご心配なく。
今は、恋するマヤですww(左下矢印下記写真)
true-恋するカオw