※この記事は過去記事の再構成です
戦闘 ★★★
カリスマ ★★★★
かっこよさ ★★★
参考文献
人物評
シャア・アズナブルのような卓越したニュータイプもいい。しかし今回紹介する彼のような一少尉の生き方は、シャアたちの生涯より劣るのか。
決してそうではない。
必死に熱血指導で部下をまとめながら、ジオンの女性と出会い、戦争以外に解決する道はないのかと悩み続ける。
戦時下では許されることのない疑問だが、それは自分に正直に生きた証。彼の穏やかな時間を求めた姿勢を、真正面から責めることなどできはしないだろう
考え方によっては、彼のように部下を率いて戦術レベルで葛藤する人間がいるからこそ、ニュータイプ・強化人間たちが戦闘レベルで活躍できる。
かつて少年だった大人たち。
君の日常での苦労はきっと報われる。
シローの穏やかな時間を描いた「ラスト・リゾート」を見て、その時を待とうではないか。
シローの愛機
ガンダムEz8
サイド2、8バンチコロニー「アイランド・イフィッシュ」の出身。宇宙世紀0075年にサイド2の士官学校に入学した。
しかし0079年1月3日。
彼がクリスマスの休暇を家族と楽しんでいる最中にジオン公国は地球連邦政府に対し宣戦を布告。直後にジオン公国はブリティッシュ作戦 を決行し、コロニーに対する毒ガス攻撃を行い、コロニー落としに使用した。
それに巻き込まれ、大切な家族、友人を一度に失う。
彼自身はナダ・チノミ中尉らマゼラン級戦艦トーチタスのクルー達との協力で奇跡の脱出を成し遂げた。
宇宙世紀0079年10月6日。
地球連邦軍の士官学校を卒業。少尉となって東南アジア戦線に配属されることになった。
そこで彼が輸送艇で地球に向かう途中、小規模な戦闘に巻き込まれてしまう。そこで友軍(テリー・サンダースJr.軍曹の乗った先行試作型ジム)を救助するために、輸送艇に積まれていた先行量産型ボールで出撃。
その時の戦場で、運命の女性アイナ・サハリンと出逢うことになる。
アイナは抵抗するがシローは説き伏せ、二人で何とか生き延びることだけを模索する。
そこで二人には、恋心のようなものが芽生える。
熱血漢の彼の言動は、サンダース軍曹以外の08小隊の部下からは「アマちゃん」と笑われる。しかし軍功を重ねるうちに、信頼関係で結ばれ始める。
しかし強力なモビルアーマーであるアプサラス試作機のパイロットとなっていたアイナ・サハリンと、戦場で再会してしまう。戦闘の末、ヒマラヤの雪山で二人は遭難したが、その際にシローはアイナに愛を告白。
彼女もまたそれを受け入れる。
だがこの2人が連邦・ジオンの立場を超えて助け合ったことが基で、彼を待っていたのは、スパイ容疑による連邦の審問会議であった。
その席で彼は戦争に対する疑問述べ、その場の一同から嘲笑を浴びると共に謹慎処分を受ける。
その後、ジオンを憎む連邦の情報官ミラーの報告書が決め手となり、第08MS小隊は「生還率38%のラサ基地捜索という最前線勤務に就くか、銃殺刑か」の二択を迫られることとなる。
そしてラサにてアプサラスIIIが出現。
戦闘中、兄ギニアスに撃たれ機体から落下するアイナを間一髪で救助するも利き腕を骨折。アイナと二人三脚でガンダムEz8を操縦しアプサラスIIIへ特攻。
Ez8の右腕でアプサラスIIIのコクピットを潰すも、同時に放たれたメガ粒子砲を浴びる相討ちの形でもつれ合ったまま両機とも火口に落ちて爆発炎上した。
以後、公式の記録においてシロー・アマダ少尉は「消息不明」となる。
しかしのちのキキとミケルの捜索で、左脚の膝から下を失った松葉杖姿のシローと彼の子を身篭ったアイナが、山奥の小屋で平穏に暮らしている姿が発見される。
この最後の穏やかなシーンで、救われる気持ちになる。
最後のシーンはこちら
(過去の人物伝 )