「眼は心の窓」

村の住民が一斉に失神する異常事態発生。

インコ、犬、家畜、人間を含む動物が

倒れたまま動かない。
6時間後に目覚めた女性たちは妊娠。

同じ日に産まれた子は普通の子ではなかった。

 

 

 
光る眼
ジョン・カーペンター監督
1995年
クリストファー・リーヴ
(画像お借りしました)

 

マーク・ハミル(スターウォーズ)

マイケルパレ(ストリートオブファイヤー)も出演。

囁き声・シンセサイザー音楽

ジョンカーペンター作品らしいラブ

 

今作にはグロテスクな映像が

ほとんどありません。

別館ブログで記事にしていますが、

恐るべき子どもの映画がみたくてハート

SFホラー作品をお取り寄せレンタル。

 

白線を引いた向こう側

足を踏み入れたとたん、

FBIだろうが、科学捜査班だろうが、

意識を失う。

放射能か?毒ガスか?化学兵器か?

やがて女性たちが妊娠している事が判明。

夫が長期出張中の主婦や

男性経験のない娘まで。

 

「産むか産まないか、

人生最大の決断になるでしょう」

政府の研究チームは科学調査のため告げる。

 

「研究対象として

産んでくれたら

1人3000ドル出す」

全員が生むことを選びます。

このあたり、社会風刺的で人間らしくて面白い。

 

 

  感想

人はなぜ頭の中で思ったことを口に出さないの?

銀髪の子どもたちは、美しく知能が高い。

小学校教諭ジルがなにげなく息子に目をやると!

お座りができるようになったばかりなのに

積み木をならべている。

デヴィッド

「どうして、

自分の名前のつづりをしってるの?!」

賢いけど人間らしさけた我が子。

甘えたり、すねたり、子供らしさがない。

子どもたちは他人の心を操り

邪魔者を排除していく。

村では自殺や事故が増えていきます。

冷酷で恐ろしいですねぇ。

ジルは医師アランに学校で授業を依頼する。

「思いやりの心を指導してやってほしい。
正しく導けば、
彼らを変えられるかもしれない」
しかし、突き放すアラン医師。
「あの子たちに教えることなど何もない」
妻を死へ追いやった張本人は
娘なのだから。
何もできない自分への憤りと、
子供は守らねばならないという責任感があるだけ。
失意のアラン医師が妻の墓を訪れる。
銀髪の少年が佇んでいる。
ジルの息子、デヴィッドだ。
少年はある墓をさがしていたが、
医師の心に浮かんだ悲しみを感じとる。
デヴィッドの表情がかすかに変わる。
大切な人を失うという気持ち
どういうものなのかを知る。
 
アランの大きな手を
小さな手がそっと握りしめた。
 
はっハッ
 
共感して寄り添う気持ち。
手のぬくもりから伝わる。
その瞬間、
医師の心にかすかな希望の光が灯ったキラキラ
 
このデヴィッドは
銀髪軍団の中でマイノリティです。
子どもたちには決められたお相手さんがいる。
アダムとイブのように、男女ペアとなる宿命です。
 
しかし、一人だけ相手がいない子がいる。
それがデヴィッド。
 
彼の相手は、死産でした。
 
パートナーを失ったデヴィッドは、
大切な人を失う気持ち、
悲しみという感情を知る。
完璧なペアになれなかった子ども。
欠けたことで
人間らしい感情が芽生えるんですね。
 
その描写が好きラブ
 
アダム医師が娘マーラに言い放つ。
 
という感情のない君たちは
二流の生物だ」
 
娘は冷静に告げる。
 
「生き残るには
他の生物を犠牲にするもの」
 
「共存する場合は
我々が支配者の側に立つ」
この言葉って、
よく考えたら人間がやってることなんですよね。
ある意味、彼らの主張も間違っていないわけです。
危険な子どもたちを始末するため、
村人が行動を開始する。
が!!!
自分の武器で自分や仲間を殺し合う事態に。
子どもたちは手を汚さず、
人と人とが自滅する光景光る眼で見つめる。
ついにアランは想像力という武器で乗り込んでいく。
子どもたちがアランの考えを読もうと、
集中する。
 
瞳が緑色から赤色に変わっていく。
「こころが読めない…!!」
アランが想像したものとは?!
 
心を開くことでしあわせになれると
言うけれど、
 
心をブロックすることが武器になる描写。
 
そこが斬新!!
 
面白いなぁ。
 
こころの壁を打ち破ろうとする娘。
 
父の対決のゆくえは?!
 
仲間と運命を共にしてきたデヴィッドが叫んだ。
「ぼくの母さんに手を出すな!」
環境に適応できる柔軟さこそが
生き残る道

ほっとするようなゾっとするような

不思議な味わいのラストシーンです。