真(兄)戦人=天草十三説 | うみねこのなく頃に 回答用ブログ

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07th-expansionのノベルゲーム「うみねこのなく頃に」の考察を書いていくブログ。真相なんてものではありませんが、一つの解として成立するようにしています。全ページネタばれ満載なのでご注意ください。もちろん私のネタばれや回答が正しいという保証はありませんが。

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まずは、冒頭の図を見てください。
戦人、という文字を分解して並べ替えると天草十三になる、というものです。並び替えた線を、同じ色で表現しているのですが、分かりますでしょうか。

これは、考察仲間のこtさんとかゆきはちさん、ゆうきさん達が作った説で、大変面白いと思ったので、このエントリーでも書かせてもらいました。

上の他にも、「天草十三」とは、「戦人」を示す隠語であると思われる符号がいくつかあります。

・十三とは右代宮家の13番目の継承権を示す?
現当主、金蔵の序列を1としたとき、九羽鳥庵のベアトリーチェと安田紗代=ベアトリーチェを含めれば、兄戦人の序列は13番目になると考えられる。留弗夫の正妻をあくまで霧江であるとしたばあい、前妻、明日夢の息子である十三の序列は13番目

※あるいは単純に右代宮の十三人目(金蔵を生存しているとして1で数えて)、という以上の意味はないかもしれない。
※この考え方の場合、十三は、ヤスの存在と九羽鳥庵のベアトリーチェの存在について、既につかんでいることになる。

・十三で「ジューザ」と読むという読み方は、非常に右代宮的である。
※ただし、絵羽や霧江など金蔵が名付けた人物以外でも西洋風の名前の人物はいるので、あまり考えるべきではないかもしれない。


この説について、より詳しくはこちら。
(考察仲間のこtさんとかゆきはちさん、ゆうきさん達によるまとめ)
http://www.geocities.jp/seturan618/13kousatu.html
http://togetter.com/li/417513


うみねこにはいろいろと魅力的な異説がありますが、なかでも、この天草十三=(真)戦人説については、かなり説得力の高いポイントがいくつかある・・。


・十三=13人目の右代宮、という説については、十三という言葉自体は、幾通りにも解釈できるので、これが右代宮の人物であることを示している、というのは一つの解釈にすぎない。これ単体で、天草十三=戦人としてしまうのは、恣意が入る。

・しかしながら、「戦人」という文字を分解して並べ替えると「天草十三」になるという説の場合、この事象が示す意味は、非常に一意的である。これと十三、という名前が使用されていることとを合わせて考えると、「天草十三」という名前の示す意味が、ほぼ1種類に限定される。

・天草十三が実は明日夢から生まれた戦人であるという仮説はハウダニットとして成立しうる。
 -右代宮戦人は、右代宮明日夢から生まれた(赤字)=明日夢から生まれた戦人は死産ではない
 -(本編の)戦人は「俺の名前は右代宮戦人だ(赤字)」といえる
 -俺(本編の戦人)は、「右代宮明日夢から生まれた」は、赤字でいえない

右代宮「明日夢から生まれた戦人」が存在していることが示されており、ここの戦人の母親が明日夢ではないことも確実ですから、つまり、戦人は二人います。この「明日夢から生まれた戦人」が「天草十三」になることはあり得るわけです。

明日夢の子供は死産であるとなんどか白文字で語られていますが、ここでは、死産ではなく生存している可能性が否定されていない、というか、むしろ生存していると読む方が自然です。生まれた直後に死ねば、「死産」といえるかもしれませんが・・・。

つまり、天草十三=真戦人(兄戦人)説については、上記のような手掛かりとしてはかなり一意的なものが用意されてしまった上、本編には、これを否定する根拠がありません。それどころか、いくつかの伏線が一気に回収できます。上のURLに詳しいので、面白いからぜひ読んでみてください。

僕の解釈が含まれますが、僕なりにまとめてしまうと下記の通り

・元々、金蔵にとっては、明日夢よりも、由緒ある須磨寺家の霧江との結婚の方が、政略的に望ましかった。
・これは、須磨寺家でも同じ。愛人ではなく正妻であれば何の問題もなかった。
 霧江と仲の良かった入り婿の須磨寺霧江父と、金蔵の利害が一致。
・霧江を正妻にするため、須磨寺が医者を買収・恐喝し、明日夢の息子(戦人=十三)をかどわかし、死産と報告させる。
・この違法措置と引き換えに、須磨寺グループは金蔵(右代宮)から優遇措置を得る。
・何も知らない留弗夫が、霧江の息子を明日夢の子供としてあてがう。
・こんなの、金蔵も須磨寺も公にできる訳ない。

別の可能性としては、
・須磨寺との婚姻を望んだ金蔵が、須磨寺優遇措置と引き換えに、霧江への寛大な処置を約束させ、その上で明日夢の息子を“処分”した。
としてもいいです。

しかし、上記のいずれにせよ、これらが仮に事実だとすると、留弗夫のすり替えは、右代宮金蔵の不始末ってことになると思いますが、どう落とし前を付けたんでしょうか。
もしかしたら、それも、須磨寺が右代宮グループの一部から受けた優遇的措置に含まれていたのかも知れません。
なお、EP5で縁寿が霧江の日記を読んだと説明しているシーンがあります。それによると、霧江はこの件については本当に知らなかったようですけどね。また、この流れだと生まれた子供は殺されるまであったような気もしますけど、半分は留弗夫の血なので、やはり、殺す訳にもいかなかったのでしょうか。須磨寺で保護されていたのかな・・。
そうすると、彼には須磨寺の血は入っていない訳で、かなり過酷な環境であったことは想像できます。(自分の息子と知らない霧江が、たまに彼をかわいがったりしていたら萌えますけどね。
しかし、そういう手掛かりは在りませんw)

さて、ここからは僕の追加ですが、この場合、かなりキナ臭くなるのは、明日夢の死因でしょうか。EP3等で、霧江は明日夢を呪っていたら彼女が死んだ、私も魔女かも、という話をしています。
これって、ほんとに偶然かな? 上記のような流れを想定すれば、必然に見えてきますね。霧江が縁寿を出産するタイミングで、「計画」をより確実な方法でやり直したのかも。もしそうなら、金蔵はどうしようもない人物ですね。須磨寺側の独断の可能性もありますが・・。

以上、天草十三=明日夢から生まれた戦人だと考えた場合の仮説です。しかしながら、この説はおそらく本質的に結論が出せません。

天草十三=真戦人(兄戦人)説については、先に述べたような、かなり一意的なものが用意されてしまった上、本編からは「天草十三が(兄)戦人であったら、こういう点で説明がつかない」というような、これに対する反証が出てきません。論理の世界では反証が出てこないかぎり、否定は出てきませんから、この説は成立してしまいます。
一方、「天草十三が明日夢から生まれた戦人でないと説明がつかない」という現象も、また、一つもないわけなので、天草十三が戦人ではない、という説も同じく成立してしまいます。

須磨寺グループの一部が、金蔵から優遇措置を得たのは、単純に、将来的に、金蔵が須磨寺との婚姻を望んでいたので、須磨寺側に霧江への寛大な措置を約束させただけかもしれません。
先に明日夢から生まれた戦人は、出産直後に死亡、明日夢の死についてはただの偶然かも知れません。タイミングが良すぎますが。。その場合、天草十三は、縁寿に馴れ馴れしすぎる、ただの傭兵です。

この出来事は、ミステリーの範囲外なのでしょう。
ボトルメールや偽書などのエピソードは、ミステリーとして書かれているので、かなりの精度で一つの可能性にまとまります。ですが、おそらくこれは、GMや作者の居ない現実世界での出来事として描かれているため、誰もこの問題が解けるということを保証してくれません。

・・が、天草が兄戦人であったとしたら、
彼が縁寿に復讐の無為を解きつつ、最終的には縁寿を殺す役割をもっていたことの意味を考えると、とても深くて面白いと思います。
果たして小此木は知っていたのか? 十三にその役割が回ってきたのは偶然か? 彼が戦人なら、きっと違うでしょうね。


また、縁寿が右代宮の名前を捨てた際に「寿ゆかり」と名乗っていたのも気になります。
これは「縁寿」という名前を姓と名に分けた訳で、「戦人」という名前から「天草十三」を作ったのと同じ方法です。
想像にすぎませんが、もしやこれは、縁寿から兄戦人への「解いたよ」というメッセージでは・・。

かつて、(弟)戦人である十八がep3-4を著した際、EP1-2と同じトリックを使用しました。
これは、おそらく、ヤスが(弟)戦人に宛てたミステリーに対して、(弟)戦人が「解いたよ」というメッセージを込めたのだと僕は解釈していますが、縁寿もそれと同じ方法を踏襲したのかもしれません。


ちょっと、もやっとしますね。
ここまで伏線を貼っていて、実は違うんだ、ということもないのではないかと思いますが、
なんとか明確に回収するか、否定してくれないかな・・。