カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの違い | ojigimajinの音楽大好き!

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ギター、ベース、キーボードを演奏し、作詩・作曲・編曲そして歌も歌います。 ネコ好きでアゲハ蝶の飼育が趣味です。

 

 前回の記事で 翅裏から見た両種の違いを列挙したのだが 今回は表側の違いを見て見ましょう。 私がカラスかミヤマか特定する決め手は(もちろん 後翅裏の白帯が無かった場合ですけど) この前翅の特徴を見ての判断になります。 

 

 例えば 写真1枚で特定する場合 その写真が翅の表側しか映ってなかったら、の場合ですけど・・・どこを見るか二つあります。 やはり白っぽいラインの形(出方)と 側外縁の黒い幅の出方です。 上の写真はカラスアゲハですが、白いラインがぼやっとして幅が広めです。それと黒い淵の出方の幅が広く上から下まで平行です。 では同じくミヤマカラスアゲハの方もメスで比べて見ましょう。

 

 

 前翅の白っぽいラインに個体差の色の違いこそありますが、 ラインの幅がぼやっと広くは広がっていません。細めのラインです。この特徴があればほぼ100%ミヤマカラスアゲハです。 外縁の黒も ほぼ分からないくらい狭く見えます。 上の写真の様に尾状突起が破損している個体でも判断できます。(ミヤマの尾状突起は細長い特徴があります)

 

 

 ではオスで比べて見ます。 上はカラスアゲハのオスですが 前翅の色の薄い?ライン状の帯があまり分からないくらいです。

淵の黒も幅がしっかりあります。上方に行くにしたがって幅が狭くなるのはミヤマの特徴ですが このように例外もあって 同時にミヤマではなかなかこれくらいしっかり黒の幅がある個体は見かけません。

 ではミヤマのオスを見て見ましょう。

 

 

 前翅のラインがくっきりと細いラインと確認できます。 淵の黒もかなり幅が狭いです、特徴的な上方に行くにしたがって狭くなる感じも出ています。 確実にミヤマカラスアゲハと断定できます。

 

次に表側の後翅の差異ですが、 こちらは大まかに言うと 中央部にオスメス両方共 光沢の強い鱗粉の集合帯が出るのがミヤマです。 翅裏のちょうど白帯の表側にあたる部分ですが 裏の白帯が顕著なほど 表の同じ場所に美しい光った帯が出る傾向にあるようです。(もちろん例外もありますが・・・)

 

 

 カラスアゲハの後翅の光った帯の出方は強くはなく せいぜいこんな感じか もしくは・・・

 

 メスだとこんな出方だったりします。

 

 やはりこの後翅の表側の美しさで言えばミヤマに軍配が上がりますね。

 

 

 太いです!  しかし ミヤマですがこんな感じの個体もおります・・・

 

 

 ここだけ見ると ほぼカラスアゲハに見えます。(汗) でもミヤマです。決定的なのがやっぱり 前翅のラインです。

 

 

 細いラインとして認められますので、ミヤマカラスアゲハです。 実際この蝶から採卵をして飼育した結果 ミヤマカラスアゲハでした。

 

 2回に渡って カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの違いを書いてきましたが これでもう迷う事は無くなったと思います。

 1.まずは最初に後翅裏の白帯確認。

 2.無ければ 前翅表のラインの出方。

この二つで ほぼ決定です。 あとはその他の翅の形とか赤い紋だとか淵の感じとか尾状突起だとか 複数の特徴の違いも合わせて見て やっぱり 確実にこれはこっちだな!と決めて下さい。

 

 もしかしたら ものすご~く判断に迷う珍しい個体に出会う事も無いとは言い切れませんので その時はしっかり上のポイントがしっかり分かる写真を複数撮って 学会に発表しましょう!