<韓国>済州島の伝統の味、クォンヨッって何?! | koreaupupのブログ

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済州島(チェジュド)で森や「オルム」と呼ばれる側火山(…大きな火山の中腹に、こぶのように形成された火山性地形)などを歩いていると、ばさばさっと雉(キジ)が飛び立つ音を聞いたことがある人も多いでしょう。キジは済州島(チェジュド)で珍しくない鳥です。そのため、食材に乏しい済州島(チェジュド)では、古くからキジ肉が食べられてきました。キジ蕎麦、キジ鍋、キジ肉のマンドゥ(餃子)など、郷土料理としてキジ料理が愛されてきたのには理由があったのですね。中でも済州島(チェジュド)でだけ出会える独特の味が、「クォンヨッ」です。「クォン」は韓国語の雉(キジ)、「ヨッ」は韓国語の「飴」なのですが、一体どんな味なのでしょう。今日はクォンヨッに迫っていきましょう。

 

 

雉(キジ)なくば鶏?

 

韓国のことわざに「雉(きじ)の代わりに鶏」というものがあります。「最も望ましいものが無いなら、少し劣っていても代用するしかない」というときに使われるそうで、日本のことわざに置き換えるなら「鯛なくば狗母魚(たいなくばえそ)」です。

このことわざにも表れているように、キジはその姿が美しいだけでなく、味にも優れ栄養価も高く、済州島(チェジュド)では最高のたんぱく源なのです。キジは運動量が豊富で脂肪分が少なく、食感としては弾力があります。肉の臭みがなく誰でも美味しくいただけます。春から夏にかけては産卵期に入るため、秋から冬が旬です。

 

 

済州島(チェジュド)では昔から、寒い冬が来る前に各家庭でキジを煮詰めて「クォンヨッ」を作ったといいます。クォンヨッは以前は貴重なたんぱく源として薬のように食されましたが、今ではクォンヨッのことを知らない人も多くなっています

クォンヨッは、どこか懐かしくどこか新しい味です!名称は「ヨッ」ですから日本語で言えば「飴」ですが、固くはなくとろりとしています。肉の小さな固まりが入っているので、そのまま食べてもいいですし、パンに塗って食べることもあるようです。

 

 

クォンヨッは、最近になって再びその価値が評価され、イタリアのスローフード協会による「味の箱舟(アルカ)」に登録されました。「味の箱舟」というのは、忘れ去られた料理を再発見し、絶滅の危機に置かれた種子や品目を探しだして記録する認証プロジェクトです。

 

 

クォンヨッの作り方

 

クォンヨッの作り方をご紹介します。済州島(チェジュド)産のキジともち米、麦芽粉(ヨッキルム)だけを混ぜて煮詰めたものです。

 

 

もち米を水でふやかして火にかけ、下処理をしたキジをそこに投入します。ヨッキルムと呼ばれる麦芽粉を入れ、もち米のでんぷんを取り除きます、そしてこれを濾してもち米のカスやでんぷん質を取り除きます。さらにそれを煮詰めて濃縮したら、キジ肉を入れて糖度を調節したら完成です。

 

 

昔から貴重な食品として愛されてきた済州島の伝統食品、クォンヨッは、キジ肉と水あめを足した味を想像すると変だと思われるかもしれませんが、大変深みのある味でおいしいものです。やわらかくあっさりとした味ですが、最近はクォンヨッの伝統性と価値が知られるところとなり、クォンヨッをソースに用いたピザも登場しています。タンパク質が多く含まれていながら、胃や腸に負担をかけない滋養強壮食品のクォンヨッ…済州島(チェジュド)で試してみませんか?