こんにちは!
以前「ジャッドの色彩調和論」について解説しましたが、色彩調和論は他にもいくつか種類がありますので、ご紹介していきたいと思います。
カラーコーディネートの参考になれば幸いです。
今回ご紹介するのは「シュヴルールの色彩調和論」。
シュヴルールはフランスの科学者で脂肪酸の研究で功績を残したことで有名ですが(織物工場の名誉工場長を務めた実績もあります。)、色彩の研究でも知られています。多才・・・
1839年に【色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について】という著書で、色彩調和の考え方を提示しました。
シュヴルールの色彩調和論の原理は、対比の大小によって「類似色の調和」と「対比の調和」の2種類に分け、さらに色相と色調の差によって3種類ずつの合計6種類に分類するというものです。
詳しく見ていきましょう
<類似色の調和>
・単一色相における異なる色調の調和
ほぼ同じように見える色相で明暗、濃淡などが異なる色で配色された色を同時にみることで生じる調和のことです。つまり、同じ色相で明度、彩度(トーン)が異なる配色は調和するとされる考え方ですね。
【例】
v2 b2
v10 b10
以前ご紹介した、カマイユやフォカマイユ、同一色相で異なるトーンの組み合わせと同じ理屈です。
インテリアに於いてはディスプレイの小物、カーテンやクッション、ラグなどの配色を考える際に参考になる考え方です。フォカマイユなどはファッションの方が使われていますかね。。。
カマイユなどの解説の記事(ジャッドの色彩調和論)はこちらからどうぞ↓↓↓
・隣接色相、近似色相による色調類似の調和
隣接した色相で色調が近い色の配色を同時に見たときに生じる調和のことです。以前ご紹介した「類似色相/同一トーンの配色」とほぼ同じ意味ですね。
v15 v16
v22 v23
こちらもディスプレイの小物、カーテンやクッション、ラグなどの配色を考える際に参考になる考え方です。
・一つの主調色による調和
色相や色調が対比関係にある配色でも、その中の1色で着色された色ガラスを透かして見ると全体に支配的な色調が感じられるというものです。
これだけだとイメージしにくいですが、以前ご紹介した「ドミナントカラー」や「トーン・オン・トーン」とほぼ同じ理屈ですね。
ドミナントカラーの解説がある記事はこちらからどうぞ↓↓↓
【例】
d4 dp4 lgt4 sf4
例えば木の色味に当てはめると、上記の配色のようにトーン差がかなりあっても調和するということになります。
ただし、インテリアのスタイルによっては色味は統一した方が素敵な場合もありますので、あくまで実現したいスタイルに合わせて採用するようにしましょう。
個人的にはトーンのバラつきがあっても素敵なスタイルは「インダストリアルスタイル」や「シェーカースタイル」かなと思います。
インダストリアルスタイルの記事はこちらから↓↓↓
シェーカースタイルの記事はこちらから↓↓↓
<対比の調和>
・同一色相による色調対比の調和
同一色相で明暗、強弱が大きい二つの色を見ることで生じる調和のことです。明度差や彩度差が大きい同一色相配色などのことですね。
【例】
v16 ltg16
・隣接色相による色調対比の調和
隣接色相で明暗、強弱が大きい二つの色を同時に見ることで生まれる調和のことです。明度差や彩度差が大きい隣接色相配色などのことですね。
【例】
v23 sf22
上記2つの調和については、インテリアでいうと、明るい木目のフローリングにウォールナットの家具を置く場合などがこれにあたると思います。
ただしインテリアの場合は二つの色のみで構成されることは多くないので、ポスターなどのデザインやファッションなどの世界の方が意識しやすい理論だと個人的には思いますね。
・色相対比を増大するように選ばれた色彩対比の調和
大きく離れた色相かつ、色調も色彩の対比を増大させる配色を見たときに生じる調和のことです。補色(反対色)でトーン差がある配色のことですね。
以前ご紹介した「トーンも色相も異なる組み合わせ」と同じ理屈です。配色の相性を理解した上級者向けの配色になると思います。
※「ジャッドの色彩調和」が参考になると思いますので、気になる方はそちらもご覧下さい。
「トーンも色相も異なる組み合わせ」についての記事はこちらから↓↓↓
【例】
b18 dkg18
以上がシュヴルールの色彩調和論の原理です。
シュヴルール以前には色彩調和を分類するという考え方はなかったようなので、現時点では人類最初の色彩調和の分類と言えますね。
ちなみにシュヴルールは102歳まで生き、102歳で人体の老化についての研究を始めたのだとか・・・。その探求心を少しでも見習いたいところです。
※色味はモニターなどによっても多少異なりますのでご了承ください。
いかがでしたか?
今回は「シュヴルールの色彩調和論」についてご紹介しました。
他の色彩調和論と共通する部分もありますので、それぞれの理論の理解が深まるのではないでしょうか?
さらっと頭の片隅に入れて、インテリアコーディネートに活かしていきましょう
この記事が少しでもお役に立てばとても嬉しいです。
最後までご覧頂き有難うございます。
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